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『江戸川乱歩全集 第9巻 黒蜥蜴』

「アッ、おそかった。……君は毒を呑んだのか」
(江戸川乱歩 「黒蜥蜴」 より)


『江戸川乱歩
全集 
第9巻 
黒蜥蜴』

光文社文庫 え 6-4

光文社
2003年10月20日 初版第1刷発行
685p+1p 
口絵(カラー/モノクロ)2p
文庫判 並装 カバー
定価933円+税
カバーデザイン: 間村俊一
カバーオブジェ・コラージュ: 勝本みつる
オブジェ撮影: 松浦文生



第3回配本。
昭和9年から10年にかけて発表された長篇2篇、中篇1篇、連作小説の第1回(乱歩執筆分)、計4篇が収録されています。


江戸川乱歩全集 第9巻 01


江戸川乱歩全集 第9巻 02


目次:

黒い虹
 チンドン屋
 恐怖の一夜
 棺桶殺人事件

黒蜥蜴
 暗黒街の女王
 地獄風景
 ホテルの客
 女魔術師
 女賊と名探偵
 一人二役
 暗闇の騎士
 名探偵の哄笑
 名探偵の敗北
 怪老人
 蜘蛛と胡蝶と
 令嬢変身
 魔術師の怪技
 「エジプトの星」
 塔上の黒蜥蜴
 奇妙な駈落者
 追跡
 怪談
 恐ろしき謎
 水葬礼
 地底の宝庫
 恐怖美術館
 大水槽
 白い獣
 人形異変
 離魂病
 二人になった男
 再び人形異変
 蠢く黒蜥蜴
 自作解説

人間豹
 猫属の舌
 闇に蠢く
 怪屋の怪
 檻の中
 猫と鼠
 二匹の野獣
 怪屋の妖火
 江川蘭子
 仮面時代
 消え失せる花売娘
 暗黒劇場
 花吹雪
 舞台裏の怪異
 虎
 悪魔の足跡
 屋根裏の息遣い
 蘭子の女中奉公
 覆面令嬢
 明智小五郎
 名探偵の憂慮
 奇怪なる贈物
 第二の棺桶
 獣人対獣人
 鉄管の迷路
 裏の裏
 黒い糸
 名犬シャーロック
 都会のジャングル
 公園の怪異
 豹盗人
 虎男
 熊
 恐ろしき借家人
 喰うか喰われるか
 金口の巻煙草
 恐ろしき猛獣団長
 Z曲馬団
 美しき半人半獣
 大空の爆笑
 自作解説

石榴
 自作解説

解題 (新保博久)
註釈 (平山雄一)
解説 (新保博久)
私と乱歩 (唐沢俊一)




◆本書より◆


「黒蜥蜴」より:

「「……あいつの恐ろしさは、こういうズバ抜けた、考え方によっては馬鹿馬鹿しいトリックを、平然として実行する肝っ玉にあるのです。今度の着想などは、全くお伽噺(とぎばなし)ですよ。ある小説家の作品に『人間椅子』というのがあります。やっぱり悪人が椅子の中へ隠れて、いたずらをする話ですが、その小説家の荒唐無稽(こうとうむけい)な空想を、『黒蜥蜴』はまんまと実行して見せました。」

「「早苗さん、これ、蝋人形だと思って?」
 黒衣婦人が、薄気味の悪い微笑を含んで、じらすように尋ねる。その言葉が、何故か早苗さんをドキンとさせた。
 「どことなく、人形とは違った、恐ろしいような所があるでしょう。早苗さんは、剥製(はくせい)の動物標本を見たことなくって? 丁度あんな風に人間の美しい姿を、永久に保存する方法が発明されたら、すばらしいとは思わない?」」



「黒蜥蜴」自作解説より:

「私は推理小説ではポーとチェスタトンの作品がいちばん好きなのだが、両者ともトリック遣いの名人である。ことにチェスタトンは「ブラウン神父」その他の多くの短篇で、あらゆるトリックを縦横に遣いこなしている。チェスタトンの短篇の筋の骨組みだけを抜き出してみると、おそろしく奇術的で、アクロバチックだ。たとえば、被害者の胴体と首とを斬りはなして、その首をまた、ほかの死人の首と取り替えておくとゆうような話を書いている。彼はその非現実の骨組みに、パラドックスという、見事な衣裳を着せて、その作品を哲学的推理小説にまで高めているのだ。
 私の昔の長篇小説は、パラドックスの衣裳はとても織り出せないので、チェスタトンのトリッキイでアクロバチックな筋だけを追ったようなものが多い。「黒蜥蜴」もその一つである。」



「人間豹」より:

「ある冬の、殊更(ことさ)ら寒い夜更(よふけ)のことであった。神谷はまたしてもカフェー・アフロディテの片隅のテーブルに腰を据(す)えて、(中略)ウエートレスの弘子(ひろこ)とさし向いで、もう三四時間も、意味もない会話を取交(とりかわ)していた。
 「今日は変だね、まだ十一時だのに、僕の外(ほか)には一人もお客さんがいないじゃないか」
 ふだんから、何となく陰気な、客の少い、その代りにはゆっくりと落ちつきのあるカフェーであったが、今晩は殊(こと)に、まるで空家にでも坐っている感じで、薄暗い電燈といい、シーンと静まり返った様子といい、何だかゾッと怖(こわ)くなる程であった。
 「魔日(まび)って云うんでしょう、きっと。外は寒いでしょうね。」」

「「いけませんか。いけませんか」
 男はせき込んで尋ねる。
 「エエ、困りますね」
 「アア、僕を救って下さい。僕は自制力を失い相です。若し自制力を失ったら、……」
 彼は歯を気味悪く鳴らしながら、何を思ったのか、拳骨(げんこつ)を作っていきなりテーブルをなぐりつけた。幾度も幾度もなぐりつけている内に、指の関節が破れて、血が流れ始めた。そのテーブルに滴(したた)った血の上を、無残にも更になぐりつづける。
 彼は彼自身の心と戦っているのだ。歯を食いしばったり、指を傷つけたりして、何かしら兇暴な衝動を圧(おさ)えつけようとしているのだ。だが、それにも拘(かかわ)らず、ともすれば、こみ上げて来る獣物(けだもの)の様な怒りが、彼の全身をワナワナと震(ふる)わせ、両手の五本の指が何かに摑(つか)みかかる様に、醜くキューッと曲って来るのだ。そして、目は一層青く燃え立ち、歯はガチガチと鳴る。」

「雑沓(ざっとう)から遠く離れた武蔵野(むさしの)の深夜は、冥府(めいふ)の様に暗く静まり返っていた。音と云っては空吹く風、光と云っては瞬(またた)く星の外にはなかった。その、この世とも思われぬ暗闇の草原に、風とは別の物音が絶えては続いているのだ。
 神谷は余りの不気味さに立ちすくんだまま、動けなくなってしまった。そして、音のした方角をじっと見つめていると、叢の間に、燐の様に青く底光りのする二つの玉が現われた。この寒い時分、螢がいる筈はない。蛇でもない。闇にも光る猫属の目だ。あの黒い豹の目だ。
 二つの光りものは、段々光を増しながら、じっとこちらを睨みつめて動かなかった。あいつだ。怪人はなぜか叢に身を横(よこた)えて、神谷の姿を窺(うかが)っているのだ。
 実に長い長い間、異様な暗中の睨み合(あい)が続いた。神谷はもう気力が尽き相であった。恐ろしさに失神せんばかりであった。
 その時、アアその時、地上に伏した怪物が、人間の声で物を云ったのだ。まるで地獄の底から響いて来る様な、陰気な声で物を云ったのだ。
 「オイ、すぐに帰り給え。俺は君なんかに干渉(かんしょう)されたくないのだ」」



「石榴」より:

「ひとの空家に侵入して、蠟燭の光で何かを写生しているんだな。美術青年の物好きにもせよ、けしからん事だ。併し一体この夜更(よふ)けに、態々(わざわざ)薄暗い蠟燭の光なんかで、何を写生しているのかしらと、その巡査は蜜柑箱の向側(むこうがわ)にあるものを、注意して眺めたと申します。
 そのものは――美術青年のモデルになっていたものは、立ってはいなかったのです。ほこりだらけの床板の上に、長々と横(よこた)わっていたのです。(中略)よく見ますと、それは確かに人間の服装はしているのですけれど、どうも人間とは思われない、何ともえたいの知れぬ変てこれんなものだったと云うことです。
 巡査は石榴(ざくろ)がはぜたようなものだったと形容しましたが、私自身も、のちにそれを見た時、やっぱりよく熟してはぜ割れた石榴を聯想(れんそう)しないではいられませんでした。そこには、黒い着物を着た一箇の巨大な割れ石榴が転がっていたのです。」

「「そして、方々の温泉などを廻り歩きながら、全く別世界の人間のように暮らして来たものだ。僕達はね、十年に近い月日の間、世界にたった二人ぼっちだったのだよ」」




◆感想(乱歩作品その他のネタバレあり)◆


「黒蜥蜴」と「人間豹」は、エレガントなのとワイルドなのとで、たいへん対照的です。しかし個人的にはどっちの主人公(犯人)もあまり好きになれないです。
「黒い虹」は婦人雑誌に連載された合作小説の第一回ですが、女性読者の共感を得ようとしたのか、若い母親の視点で語られていますが、しかし無力な母親と幼い子供はいつもどおり鬼畜な殺され方をしてしまいます。おそらく女性読者の多くはこれを読んでいやーな気持になったのではなかろうか。女性も被害者として惨殺されているばかりでなく犯罪界に颯爽と進出しなければならないです。そこで「黒蜥蜴」です。
乱歩小説の主人公(犯人)は、これまで、高等遊民の猟奇趣味、大金を手に入れた有閑青年のユートピア建設、さらに家庭の中の異邦人である拾われ子や取り替え子の復讐劇というように、移り変わってきましたが、「黒蜥蜴」は、「恐怖王」や「妖虫」で中途半端に描かれていた、探偵である明智小五郎に特殊な感情を抱く女性犯罪者の決定版といえるもので、これら一連の女性犯罪者モノは、その後の怪人二十面相と明智小五郎の犯罪遊戯対決の構図の布石となるものでした。
その一方、「人間豹」の主人公の獣人は、最初のうちは人なれない子供のような野生児のような拙い喋り方をして、アモラルな獣のように地を這い廻っていたのが、途中からキャラクターが変化して、アドバルーンで逃走しながら「明智君」などと二十面相のようなインテリな口をききだす始末で、これもその後の怪人二十面相のキャラクターの布石となるものでした。
「遊民」から「人外」へ、そして「怪人」へ。
そして二十面相ものの荒唐無稽なゲーム感覚とプラクティカル・ジョーク趣味を、理智的な二十面相や明智小五郎とは正反対な健忘症の主人公を中心にすえた「ぺてん師と空気男」のユーモア小説の方向で発展させるか、眼高手低ながらも「本格推理小説」にこだわるか、というところで乱歩本人が二十面相のように空の彼方へと消えてしまったのでした。














































































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『江戸川乱歩全集 第2巻 パノラマ島綺譚』

「紋三はいくらもがいても逃れることの出来ない、悪夢の世界にとじこめられた様な気持がした。耳の所でドドド……と、遠鳴りみたいなものが聞えていた。」
(江戸川乱歩 「一寸法師」 より)


『江戸川乱歩
全集 
第2巻 
パノラマ島綺譚』

光文社文庫 え 6-14

光文社
2004年8月20日 初版第1刷発行
763p+1p 
口絵(カラー/モノクロ)2p
文庫判 並装 カバー
定価1,000円+税
カバーデザイン: 間村俊一
カバーオブジェ・コラージュ: 勝本みつる
オブジェ撮影: 松浦文生



第13回配本。
大正15年から昭和2年にかけて発表された長篇4篇と、中断した「空気男」(未完)を収録。


江戸川乱歩全集 第2巻 01


江戸川乱歩全集 第2巻 02


目次:

闇に蠢く
 はしがき
 自作解説

湖畔亭事件
 自作解説

空気男
 自作解説

パノラマ島綺譚
 自作解説

一寸法師
 作者の言葉
 死人の腕
 令嬢消失
 お梅人形
 密会
 疑惑
 畸形魔
 誤解
 罪業転嫁
 自作解説

解題 (新保博久)
註釈 (平山雄一)
解説 (新保博久)
私と乱歩 (大林宣彦)




◆本書より◆


「闇に蠢く」より:

「野崎三郎は生れついてのボヘミアンである。そして、何と幸(さいわい)なことには、彼はこの世に何の係累(けいるい)もない、本当のひとりぽっちなのである。父も母も、二人の兄も、順々に死に絶えて、あとに残ったものは、三郎が一生遊んでいられる程の財産であった。世に果報者(かほうもの)とは彼のことである。」

「なる程、沼の底には、無数の蛇が肌と肌とをすり合せて、もつれてでもいる様に、夥しい藻が見えていた。光線が届かぬ為に、暗く淀んで、その蔭には、本当に蛇身の主が棲(す)んでいそうに思われるのだ。」

「そうしている内に、ふと彼は、又しても怪しい声を聞いた。それは、声音(こわね)から節廻しから、異様に物悲しい調子まで、前の日のものと少しも違わなかった。(中略)むせぶ様なその子守歌は、さも細々と、絶えては続くのであった。」

「いつの間にか、二人は真暗な空地へ出ていた。三角形の狭い空地の中央に、人の背丈(せたけ)程の樹木が立並び、鉄柵がそれを囲んでいるのを、一方の隅の共同便所の、蜘蛛の巣だらけの電球が、ボーッと照し出していた。すぐ目の上には、大入道(おおにゅうどう)の十二階が、おっかぶさる様に聳(そび)え、六区のざわめきが、家々の屋根を越して漂って来た。」

「三郎は、妙に真実らしくない気持であった。進藤がお蝶の下手人であったり、その進藤の動静を彼等が探りに行ったりすることが、何だかお芝居めいて、この世の出来事らしくなかった。第一お蝶が死んで了ったということすら、ともすれば、夢の中の事件の様で、ふと覚めて見ると、当のお蝶は、いつもの通り彼の枕辺(まくらべ)に坐っているのではないかなどと思われるのであった。」

「「ホラお前達も見ているだろう。あの親爺の部屋に飾ってある、壺だ。瓶詰だ。俺はあの中のものを食わされて、こいつあ甘(うめ)えなんて、御世辞を云っていたんだが、今になって考えて見ると、あれはどうも当り前の食い物じゃあねえ。鹽漬(しおづ)けなんだがね。てっきりそれに違いはねえのだ。俺はひょっとしたら、俺の女房の肉を啖(く)っていたのかも知れない。…………」」

「彼はもう人間ではなかった。野獣の心が凡ての道念を覆いかくしてしまった。」



「湖畔亭事件」より:

「私は子供の時分から、どうしたものか、世にも陰気な、引込思案(ひっこみじあん)な男でありました。学校へ行っても、面白そうに遊び廻(まわ)っている同級生達を、隅の方から白い眼で、羨(うらや)ましげに眺めている、家へ帰れば帰ったで、近所の子供と遊ぶでもなく、自分の部屋にあてがわれた、離れ座敷の四畳半へ、たった一人でとじ籠(こも)って、幼い頃は色々なおもちゃを、少し大きくなっては、先にいったレンズを、仲のよい友達かなんぞの様に、唯一の遊び相手にしているといった調子でした。
 私は何という変な、気味の悪い子供であったのでしょう。それらの無生物の玩具に、まるで生ある物の様に、言葉をかけていることさえありました。時によって、その相手は、人形であったり、犬張子(いぬはりこ)であったり、幻燈の中の様々の人物であったり、一様ではないのですが、恋人に話しかけでもする様に、くどくどと相手の言葉をも代弁しながら、話し会っているのでした。」
「私の興味は、普通の玩具から幻燈へ、幻燈からレンズその物へと、段々移り変って行きました。宇野浩二(うのこうじ)さんでしたかも何かへ書いていましたが、私がやっぱり、押入(おしい)れの暗闇の中で幻燈を写す子供でした。あのまっ暗な壁の上へ、悪夢の様に濃厚な色彩の、それでいて、太陽の光などとはまるで違った、別世界の光線で、様々な画(え)の現れる気持は、何ともいえず魅力のあるものです。私は、食事も何も忘れて、油煙(ゆえん)臭い押入れの中で、不思議なせりふを呟(つぶや)きながら、終日幻燈の画に見入っていることさえありました。そして、母親に見つけられて、押入れからひきずり出されますと、何かこう、甘美な夢の世界から、いまわしい現実界へ引戻された様な気がして、いうにいわれぬ不愉快を覚えたものであります。」



「空気男」より:

「「君も随分(ずいぶん)変ってますね」やがて柴野金十が我が意を得たという調子で、「耽異者(たんいしゃ)とでもいいますか、これは僕が勝手にこしらえた言葉ですが、異(い)に耽(ふけ)るですね、異常なことを探しまわって、そいつに耽るのですね。」」

「(空想的犯罪生活者なんて多くお人好(ひとよし)なものであるが、いや本当の犯罪者だって、ひょっとしたら世間のレベルよりお人好なものかも知れないが、柴野と来てはそれが人一倍であった)」

「そのことがあってから、柴野は非常に彼の記憶力を気にし出したものである。尤(もっと)も彼は以前から忘れっぽい男で、「君と話していると馬鹿馬鹿しくなる。今いったことをもう忘れているんだからね」などと、しばしば北村に非難されてはいたのだけれど、まさかその健忘症が小説の筋にまで及ぼうとは思わなかった。「早発性痴呆」という言葉が、薄気味悪く彼の胸を打った。
 その後も似た様な事柄が度々(たびたび)起って、柴野は自分の記憶力を疑う様になって行った。」

「やがて、彼のこの病気は、日にましひどくなって行った。話をしていても、どれが自分の意見で、どれが他人の意見だか、区別がつかなくなって来た。さも大発見の様に、一つの説を述べ立てていると、それが意外にも、以前に聞いたことのある、相手の意見だったりすることがしばしばあった。
 「しばらくあわなかったね」と挨拶(あいさつ)すると、「何をいっているのだ。昨日あったばかりじゃないか」といって笑われる様なこともあった。柴野は変な気持になって行った。現実と夢幻との境がだんだんハッキリしなくなって行った。
 「おれは一体起きているのか眠っているのか」
 そんな滑稽(こっけい)な疑いさえ起るのであった。
 「君はすべてのことを、形だとか数だとか時間だとかで、ハッキリ記憶するのでなくて、ボンヤリと空気で感じているらしいね。(中略)だから、君は空気男なんだよ」」



「パノラマ島綺譚」より:

「尤(もっと)も人見廣介自身が、何かの職について、世間並な生活を営もうなんて、神妙な考(かんがえ)は持っていなかったのです。(中略)つまり、一口に云えば、彼は極端な夢想家に外(ほか)ならぬのでありました。」

「彼は、この自分自身を抹殺して了ったあとの、何とも形容の出来ない、不思議な感じで夢中になっていました。彼は最早(もは)や、国家の戸籍面に席もなく、広い世界に唯(ただ)一人身寄りもなければ友達もなく、其上(そのうえ)名前さえ持たぬ所の、一個のストレンジャーなのでありました。」

「又一つの世界には生命のない鉄製の機械ばかりが密集している。(中略)そこに並んでいるものは、(中略)ある種の夢に現れて来る様な、不可思議なる機械力の象徴なのだ。用途を無視し、大小を転倒した鉄製機械の羅列(られつ)なのだ。(中略)私の機械国は、広大な、無際涯に見える一つの世界が、無意味な機械を以て隈なく覆われているのだ。そして、そこは機械の王国なのだから外の人間や動植物などは影も形も見えないのだ。」



「パノラマ島綺譚」自作解説より:

「日常生活とは全くちがった「今一つの世界」にあこがれる私の少年時代の病気は、おとなになっても治らなかった。」

「少年時代の私を魅惑したもう一つのものがある。それは異国人によって発明せられ、明治初期の日本にも輸入されたパノラマ館の見世物であった。あのガスタンクのような不思議な外形と、その中に突如として実在する「今一つの世界」であった。
 パノラマ館の見物人たちは、まっ暗な地下道を通ることによって現実世界から切り離された上、円筒形の館の中央の丸い台の上に導かれる。その見物台から十間ほどの半径で、巨大な円筒形の油絵の背景がグルッとまわりをとりまいている。画面に、目もはるかにうちつづく地面があり、地平線があり、描かれた空がある。その油絵の背景の前に、ほんとうの地面と、ほんとうの岩や草があり、人間や動物の生き人形が、いろいろなポーズで立っている。
 背景の油絵と実物の境界線が巧みに隠されているので、油絵で描かれた遠景の中の人や動植物も、立体として錯覚せられる。それはどこにも切れ目のない、一つの全き世界なのである。パノラマ館のそとには現実の東京の町と雑沓があるのだが、それが忽然として消えうせ、そこに架空の別世界が突如として実在するのだ。異国のパノラマ館の発明者は、現実の世界を円筒で区切ることによって、そこに全くちがった二重の世界を創り出そうとしたのである。」



「一寸法師」より:

「紋三はいくらもがいても逃れることの出来ない、悪夢の世界にとじこめられた様な気持がした。耳の所でドドド……と、遠鳴りみたいなものが聞えていた。」

「店内ではその生人形に、お松(まつ)、お竹(たけ)、お梅という名前をつけて、まるで生きた人間の様に「お梅さんの帯だ」とか「お梅さんのショールだ」とかいっていた。お梅さんというのは三つの内でも一番綺麗で、若い人形だった。」
「この飾り人形については色々の挿話があった。若い店員がある人形に恋をしたなどといううわさがよく伝わった。夜中にそっと忍んで来て、人形に話をしたり、ふざけたりしている男もあった。」

「赤茶けた電燈の光が、人々の半面を照らして、床や壁に、物(もの)の怪(け)の様な影を投げていた。生きた人間共は、死んだ様に動かず、却(かえっ)て生なき人形共が、顔見合せてクスクスと笑っている様に見えた。」

「彼は凡ての満足な人間を呪っていたのです。」





こちらもご参照ください:

丸尾末広 『パノラマ島綺譚』



































































































『江戸川乱歩全集 第13巻 地獄の道化師』

「皆さん、僕は悪魔の子なんだ。復讐の一念に凝り固った悪魔の子なんだ。(中略)僕はその父の呪の血を受けて、復讐の機械としてこの世に生れて来た人外の生きものです。」
(江戸川乱歩 「暗黒星」 より)


『江戸川乱歩
全集 
第13巻 
地獄の道化師』

光文社文庫 え 6-25

光文社
2005年8月20日 初版第1刷発行
753p+1p 
口絵(カラー/モノクロ)2p
文庫判 並装 カバー
定価1,048円+税
カバーデザイン: 間村俊一
カバーオブジェ・コラージュ: 勝本みつる
オブジェ撮影: 松浦文生



第24回配本。
昭和14年から15年にかけて発表された長篇3篇と少年探偵もの1篇が収録されています。


江戸川乱歩全集 第13巻 01


江戸川乱歩全集 第13巻 02


目次:

暗黒星
 作者の言葉
 恐しき前兆
 悪魔の声
 人間蝙蝠
 写真の怪
 妖雲
 塔上の怪
 美しき嫌疑者
 名探偵の奇禍
 空を歩く妖怪
 壁の坑
 名探偵の盲点
 第三の銃声
 謎又謎
 麻酔薬
 綾子の行方
 狂気の家
 最後の犯罪
 闇を這うもの
 地底の磔刑
 狂人の幻想
 誰が犯人か
 暗黒星
 論争
 執念の子
 自作解説

地獄の道化師
 作者の言葉
 彫像轢死事件
 怪彫刻家
 焰の中の芋虫
 怪人の正体
 指人形
 幻の凶笑
 ゼンマイ仕掛の小悪魔
 断崖
 挑戦状
 綿貫創人
 巨人の影
 乞食少年
 悪魔の家
 消失せた道化師
 屋根裏の怪異
 狂女
 墓場の秘密
 闇からの手
 真犯人
 悪魔の論理
 自作解説

幽鬼の塔
 作者の言葉
 奇妙な素人探偵
 黒い鞄
 異様の品々
 悪魔の火
 風鈴男
 意外の発見
 赤い部屋
 黒猫の眼
 窓の顔
 怪紳士
 尾行者
 首吊男の妻
 夜行列車
 濁流
 幽霊探偵
 顔と顔
 怪自動車
 恐ろしきアトリエ
 護謨の指
 呪いの塔
 闇の声
 文豪と政治家
 幽鬼
 邪悪の故郷
 開かずの蔵
 蔵の中の美少女
 秘密倶楽部
 七つの突傷
 自作解説

大金塊
 恐怖の一夜
 奇々怪々
 獅子の顎
 猫目石の指輪
 電話の声
 替玉少年
 魔法の長椅子
 地底の牢獄
 闇の階段
 賊の正体
 二つの謎
 あっぱれ少年探偵
 大捕物
 挑戦状
 暗号文
 帽子をかぶる獅子
 鬼ケ島
 とけた謎
 あやしい人影
 地の底の迷児
 水が! 水が!
 生か死か
 大宝窟
 覆面の首領
 最後の勝利

解題 (山前譲)
註釈 (平山雄一)
解説 (山前譲)
私と乱歩 (藤森照信)




◆本書より◆


「暗黒星」より:

「東京旧市内の、大震災の大火にあわなかった地域には、その後発展した新しい大東京の場末(ばすえ)などよりも、遙(はる)かに淋(さび)しい場所が幾(いく)つもある。東京の真中(まんなか)に、荒れ果てた原っぱ、倒れた塀(へい)、明治時代の赤煉瓦(あかれんが)の建築が、廃墟(はいきょ)のように取り残されているのだ。
 麻布区K町もそういう大都会の廃墟の一つであった。自然に朽(く)ち果(は)てて取毀(とりこわ)された数十軒の借家のあとが、一面の草原になっていて、その草原に取囲まれるようにして、青苔(あおごけ)の生(は)えた煉瓦塀がつづき、その中の広い地所に、時代の為(ため)に黒くくすんだ奇妙な赤煉瓦の西洋館が建っている。」

「「ホラ、僕の大写しだよ」
 器械を扱っていた黒い影が、又優しい声で云ったかと思うと、スクリーンの画面がパッと明るくなって、一間四方一杯の大きな人の顔が現われた。まるで女のように美しい二十歳(はたち)余りの青年の顔である。長い艶々(つやつや)した髪をオールバックにして、派手(はで)な縞(しま)のダブル・ブレストを着ている。真白なワイシャツの襟(えり)、大柄な模様のネクタイ。」
「スクリーンの美しい顔がニッコリした。睫毛(まつげ)の長い一重瞼(ひとえまぶた)が夢見るように細くなって、片頬に愛らしい靨(えくぼ)が出来て、花辨(かべん)のような唇(くちびる)から、ニッと白い歯が覗いた。だが、その笑いがまだ完成しない前に、どうしたことか、カタカタと鳴っていた歯車が、何かに閊(つか)えたように、音を止めて、同時にスクリーンの巨大な美貌が、笑いかけたままの表情で、生命を失ったかの如(ごと)く静止してしまった。」
「レンズの焦点の烈(はげ)しい熱が、忽(たちま)ちフィルムを焼きはじめ、先(ま)ず美青年の右の目にポッツリと黒い点が発生したかと思うと、見る見る、それが拡がって、目全体を空虚な穴にしてしまった。美しい右の目は内障眼(そこひ)のように視力を失ってしまった。
 一瞬にして眼球が溶けくずれ、眼窩(がんか)の漿液(しょうえき)が流れ出すように、その焼穴は目の下から頬にかけて、不気味に拡がって行き、愛らしい靨をも蔽(おお)いつくしてしまった。美青年の半面はいまわしい病(やまい)の為にくずれるように、目も眉も口も一つに流れ歪(ゆが)んで行った。」

「それは、血みどろになって手術を受ける恐ろしさ、我が顔が醜悪なる怪物になって汚(けが)されて行く不気味さ、イヤ、そういう現実的なものでなくて、思わずうめき声を立てるような悪夢の世界でのみ経験し得る戦慄(せんりつ)であった。」

「「でも、夢だけなれば、僕はそれ程に思わないのですが、もっと変なことがあるんです。僕はこの家(うち)に目に見えない魂みたいなものが忍び込んでいるんじゃないかと思うんです。そいつがいろんなことをするんです。今に僕達をみなごろしにするんじゃないかと思うと、ゾーッとしないではいられません。」」

「明智はこの美青年に不思議な興味を感じていた。その顔が異様に美しい為ばかりではない。今の世に珍らしいその性格に惹(ひ)きつけられたのだ。彼は肉体から遊離した心霊の存在を語った。そして呪詛(じゅそ)とか前兆とかいうものを、心の底から信じているように見えた。」

「「不思議な青年だ。胸の中に冷い美しい焰が燃えている感じだ。その焰が瞳に写って、あんなに美しく輝いているのだ」」

「「先生、こんな家庭ってあるでしょうか。上べは皆親しそうにしていて、腹の中では、何を考えているか分らないのです。まるで化物屋敷です。僕達はみんな、世間の人とは違うのです。全く別の生きものみたいな気がします」」

「「何が恐ろしいといって、刻一刻、時計のように正確に、全く逃がれるすべのない死が近づいてくるのを、じっと見ていなければならない程恐ろしい事が、この世にあるでしょうか。」」

「「どこかの天文学者が、暗黒星という天体を想像したことがある。星というものは必ず自分で発光するか、他の天体の光を反射するかして、明るく光っているものだが、暗黒星というのは、全く光のない星なんだ。宇宙にはそういう目に見えない小さな星があって、それがある場合に地球に接近して来るというのだ。」」
「「これは怖い話だ。すぐ側まで近づいていても、全く目に見えない星、夜、空を見ていて、そういう星を考えるとゾーッとすることがある。」」
「「僕は今度の事件を考えていて、ふとその暗黒星の話を思い出した。今度の犯人は、つい目の前にいるようで、正体が摑めない。全く光を持たない星、謂(い)わば邪悪の星だね。だから、僕は心の中で、この事件の犯人を、暗黒星と名づけているのだよ」」

「「皆さん、僕は悪魔の子なんだ。復讐の一念に凝り固った悪魔の子なんだ。(中略)僕はその父の呪の血を受けて、復讐の機械としてこの世に生れて来た人外の生きものです。」」



「地獄の道化師」より:

「「こいつは大きな犯罪事件になりますぜ。まるで探偵小説にでもあり相(そう)な話じゃありませんか、裸体美人の像の中に、若い美しい女の死骸が塗りこめてあるなんて?」」

「「オイ、お前には、この世に絶望した人間の気持が分るかね。ウフフフ……、それがどんな気持だか分るかね」」

「「道化師とは妙な着想だ。この犯人はユーモアを解しているとでもいうのか。一体殺人にユーモアがあるのか。あれば地獄のユーモアだ。新聞記者が『地獄の道化師』という見出しをつけたのも尤(もっと)もだ。」」



「幽鬼の塔」より:

「「俺は探偵になるか、でなければ大泥棒になる外(ほか)に能のない人間だ」」

「「君はこの事件は何か重大な犯罪に関係があると考えているのでしょうが、そんなものがある訳ではないのです。一つの悪夢にすぎないのです。現実の刑法などとは関係のない、恐怖の幻影のようなものがあるばかりなのです。」」

「「それにはこういうことがあったのです。志津枝が生前、我々の集まりで霊媒をつとめて、神がかりになっていた時、妙な予言をしたことがありました。彼女は、誰かが五重の塔の頂上で縊死して、人の形をした風鈴(ふうりん)のように風に揺れているという、気味の悪い幻覚を見たのです。それを予言したのです。それも一人だけではない。二人、三人と、半ば意識を失った神がかりの彼女が、霊界の声で指折り数えたのです。」」



「大金塊」より:

「小学校六年生の宮瀬不二夫(みやせふじお)君は、たった一人、広いお家(うち)に留守番(るすばん)をしていました。
 宮瀬君のお家は、東京の西北のはずれに当る荻窪(おぎくぼ)の、さびしい丘の上に建っていました。」
「このお家を建てた叔父さんというのは、ひどく風変(ふうがわ)りな人で、一生お嫁(よめ)さんも貰(もら)わないで過(すご)し、その上人づきあいもあまりしないで、自分で建てた大きな家にとじこもって、骨董(こっとう)いじりばかりして暮していたのですが、このお家も、その叔父さんが建てただけあって、いかにも風変りな、古めかしい建て方でした。」

「そう思って見ますと、女の人の顔は、美しいことは美しいけれど、けっしてやさしい顔ではないのです。なにか男も及ばないような恐しいたくらみをしそうな、すごみのある美しさなのです。」
「じっと眺めていればいるほど、女の人の寝顔が恐しく見えて来ました。美しいからこわいのです。美しい顔が、こんなにこわく見えるものだということを、小林君は今の今まで知りませんでした。」

「不二夫君はずっと学校を休んでいたのに、またつづけて休まなければなりませんが、賊にさらわれることを思えば、学校を休むくらい、しかたがないわけです。」

「蠟燭の光で、小林少年と不二夫君の顔が、闇の中にボーッと浮き上りましたが、赤い光があごの下の方を照らしているので、何だか見たこともないような気味の悪い顔に見えるのでした。
 「君、おばけみたいな顔だよ」
 「君だって、そうだよ」」




◆感想(乱歩作品その他のネタバレあり)◆


「暗黒星」と「地獄の道化師」は、共に、家庭内の異邦人(取り替え子、拾われ子)が犯人になる話で、乱歩版ファミリー・ロマンスです。「暗黒星」は人物設定が第6巻所収「魔術師」と対になっています。
「幽鬼の塔」はシムノンの「聖フォリアン寺院の首吊人」の翻案です。
以上三作の殺人動機は復讐です。
動機は復讐でも三者三様で、「暗黒星」はお金持ちの男に人生をダメにされた男が復讐を誓い、ちょうど同時期に生まれた自分の子供とその家の子供をすり替えてお金持ちの家に潜入させ、成長してから事実を告げて洗脳して「復讐の機械」にする話で、主人公は自分のではなく親の復讐をさせられるわけで、やりきれない話です。主人公は自分を「人外」と呼びますが、最晩年の長篇「影男」でも、軍国主義の日本で有能な軍人だった登場人物が、戦後社会に適応できない自分を「人外」と呼んでいます。この場合は国のために戦争の機械にされてしまったわけで、やりきれない話です(戦後は戦後で人々は経済大国めざして経済の機械に洗脳されてしまったわけで、それもやりきれない話です)。「暗黒星」では家族の一員になって家族を殺すので、乱歩の愛好した「隠れ蓑」パターンの応用ですが、「人外」意識と「隠れ蓑」願望の結びつきは興味深いです。
「地獄の道化師」は本来の居場所から疎外(エイリアネート)された主人公が自分の置かれた環境の中で異邦人(エイリアン)として排斥される話で、いわばグノーシス主義的探偵小説ですが、しかしこの場合主人公が取る行為は世捨て(か自殺)であるべきで、殺人という形で環境と積極的に関わるというのは解せないですが、そうしないと探偵小説にならないです。
「幽鬼の塔」は少年秘密結社のアイドル的存在だった霊媒少女が暴行され自殺し、その復讐を遂げた少年たちのその後の話ですが、たとえ相手が不良少年だとはいえ、集団で殺人儀式の対象にするというのはファシズム的で後味が悪いです(クリスティの「オリエント急行」に関しても同様のことがいえます)。いまでは地位も名誉もある殺人者たちが、殺されたのは社会の為にならない不良少年だし自分たちはその後えらくなって社会に貢献しているのだから罪は帳消しになると主張するにいたっては尚更です(※)。そこへいくと、同じ犯人でも「級第一の秀才」だったものの「どん底生活に陥っ」てしまい、かつての仲間をゆすって、得た金を「何の惜しげもなく焼き捨てて」「世を呪い、人を呪い、金銭そのものをすら呪っていた」首吊り男こそ、真人間であるといえるのではないでしょうか。
※「金を作った」り「世間的な声望を得た」り「妻を娶(めと)り、家を建て、子供を育て、人間としての勤めを十分に果た」して「立派な生涯を送」ることが「罪亡(ほろ)ぼしになる」などと独善的な理屈をこねています。もっとも乱歩もエログロ探偵小説で人々の心にトラウマを植え付けた大悪人ですが、お金を作り世間的な声望を得て、家庭を持って蔵も建て、戦争中は戦争に協力して町内のお勤めを積極的に果たし、戦後は自分には書けもしないし書く気もない「本格」推理小説のために裏方として尽くしたことで罪滅ぼしをしたつもりだったのかもしれないです。
「大金塊」は埋蔵金の話だし、少年ものだし、やはり「お国のため」とか偽善的なことをいうのでつまらないです。











































































































プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ねたきり読書日記。

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。


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