大場秀章 『バラの誕生 ― 技術と文化の高貴なる結合』 (中公新書)

大場秀章 
『バラの誕生
― 技術と文化の高貴なる結合』
 
中公新書 1391

中央公論社
1997年11月15日 印刷
1997年11月25日 発行
250p まえがきiv 目次5p
口絵(カラー)2p
新書判 並装 カバー
定価760円+税



本書「まえがき」より:

「このように、園芸は一種の芸術工学ともいうべき性格をもつものなのである。これまでにも類書があるバラについて今回新たに本書を書くことを決心した背景には、バラの園芸化の歴史こそは科学と芸術との融合の歴史であり、そこに科学と芸術のひとつのあり方をみてとることができるのではないか、という期待があった。
 本書はそのことも含め園芸バラの今日を知る手がかりとして、園芸化の歴史、その植物学、園芸化のための資源でもありかつてはそれ自体が観賞の対象ともなった野生のバラ、バラに与えられたイメージや願望などについて書いたものである。」



本書「あとがき」より:

「本書は、野生種も園芸品種も含めバラという植物についてこれまでにたくさんのバラ学者が述べた見解を筆者なりの見方にたって筋立てしてまとめたものである。」
「バラの園芸化の歴史ではハースト説に多くを負っている。彼の見解のすべてが正しいと考えてそうしたのではない。他の注目するに足る諸説は、いずれもハースト説を基本に発展的あるいは批判的に提出されていると考えられるからである。そこで本書では、原典ともいうべきハースト説をまず提示すべきであると考え、これを基礎にすえた。」



本文中図版(モノクロ)多数。


大場秀章 バラの誕生 01


帯文:

「自然に存在した野生植物が、改良の末に花の王座に就くまで」


帯裏およびカバーそで文:

「バラと人との関わりは古い。野生植物であったころから、素朴な美しさが我々の祖先の心を魅了していた。しかし人間は、より美しくより強いバラを求めて改良を加え始める。世界じゅうのバラが交配され、原生バラは今見るバラとなった。が、短期間に劇的な発達を遂げることができたのは、帝政ローマ時代まで遡るバラへの高貴なイメージや憧れがあったからである。本書は、そうした科学と芸術の融合の精華の歴史を繙くものである。」


目次:

まえがき

第一章 クノッソス宮殿の謎
 クノッソス宮殿
 青い鳥
 それはバラか、バラならバラとする根拠
 ロナ・ハースト
 バラは単なる花
第二章 ギリシアとバラ
 テオフラストス
 バラを詠む
 バラ熱の兆し
 何が魅力か
第三章 ローマとバラ
 高貴な花へ
 日常を飾る花に
 休日はペストゥムで
 ローマのバラとは
 バラの花環
 生活に欠かせぬ花に
 バラの下で
第四章 バラの植物学
 レーダーは言った
 バラの容姿
 バラの葉
 托葉
 バラの花
第五章 バラの園芸化の歴史を辿る
 八つの野生種
 一八六七年
 グループとは
 オールド対モダーン
第六章 オールド・ガーデン・ローズ
 ローザ・ガリカ
 バラ水のバラ
 ジョセフィーヌの幸運
 二〇〇〇を超す園芸品種
 ダマスクバラ
 バラ戦争
 マルメゾン庭園のダマスクバラ
 秋に返り咲くダマスクバラ
 秋に咲くダマスクバラの再来
 ローザ・アルバ
 ボッティチェルリの『ヴィーナス誕生』のバラ
 〈ジャンヌ・ダルク〉
 キャベジ・ローズあるいはセンティフォリア
第七章 モダーン・ガーデン・ローズの黎明期
 コウシンバラとは
 ハーストの見解
 コウシンバラの標本
 英国のコウシンバラ
 英国外でのコウシンバラ
 二つのチャイナ・ローズと二つのティー・ローズ
 スレーターズ・クリムソン・チャイナ
 パリ自然史博物館の標本
 カルカッタ植物園
 パーソンズ・ピンク・チャイナ
 ヒュームとパークスのティー・ローズ
 ノワゼットバラの誕生
 ブルボン
第八章 バラの花譜
 バラの画家ルドゥーテ
 マルメゾンの館
 フランスのバラ図譜
 英国のバラ花譜
 ドイツ・オーストリアのバラ花譜
第九章 世界の野生バラ
 中国のバラ
 コウシンバラ
 コウシンバラの野生型
 荻巣樹徳の発見
 埋め難い差異
 大花香水月季
 多様な中国の野生バラ
 峨眉山薔薇
 ヒマラヤのバラ
 ヒマラヤン・ムスク・ローズ
 ノイバラの仲間
 ローザ・セリケア
 ヒマラヤのタカネバラ
 西アジアのバラ
 ローザ・ペルシカ
 ローザ・フェティダ
 ローザ・アビシニカ
 ヨーロッパのバラ
 イヌバラ
 豊富なビタミン
 アルプスのバラ
 ヨーロッパのノバラ
 ローザ・スピノシッシマ
 アメリカのバラ
 アパラチアのバラ
 オオタカネバラ
 アメリカのサンショウバラ
第十章 日本のバラ
 ノイバラ
 テリハノイバラ
 ミヤコイバラ
 ハマナス
 サンショウバラ
 カカヤンバラ
第十一章 バラの現在・未来
 園芸化の歩み
 バラの園芸化の兆し
 現代の園芸
 バラの育種家
 フランスの育種家
 英国の育種家
 ドイツの育種家
 オランダ・デンマークの育種家
 アメリカの育種家
 その他の国々の育種家たち
 日本のバラの育種家
 特許と登録
 バラに寄せる関心
 バラ園
 フランクフルトのパルメンガルテン
 クイーン・メリー庭園
 バガテル
 アメリカのバラ園
 日本のバラ園
 バラもどきの発達
 バラの町、バラの道
 バラの園芸化の未来

あとがき
バラ属の分類体系
植物名索引



大場秀章 バラの誕生 02



こちらもご参照下さい:

Pierre-Joseph Redoute 『The Roses : The Complete Plates』
























































































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Maria Sibylla Merian - Insects of Surinam

2010年9月9日


Google さんによると、マリア・ジビーラ・メーリアン366周年だそうです。
とりあえずあげておいてあとで改訂します。

Maria Sibylla Merian :
Insects of Surinam



Antione-Joseph Dezallier d'Argenville :
Shells



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タッシェンから出た、マリア・シビラ・メリアンの「スリナム昆虫誌」と、デザリエ・ダルジャンヴィルの「貝殻図鑑」。
 
カバー(ダストジャケット)は元から無いタイプ。背の部分は布装。表紙はエンボス加工が施されています。


デザリエ・ダルジャンヴィル
 

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taschen3.jpg  


序文では、中世写本の細密画やオランダの静物画、アルチンボルドの絵画作品などの図版も交えながら、「デザリエ・ダルジャンヴィルの貝類学におけるアートと科学」について解説しています。
(文庫本は大きさ比較用です)


dargenville.jpg


マリア・ジビーラ・メーリアン


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taschen5.jpg


taschen4.jpg

















































荒俣宏 編著 『解剖の美学』

荒俣宏 編著 『解剖の美学』
ファンタスティック12 第11巻

Fantasitic Dozen 11: Art of Anatomy

リブロポート 1991年9月20日発行
165p 26.3×19cm 角背紙装上製本 カバー 定価2.060円
装丁: 鈴木成一



1990年代にリブロポートから出た荒俣宏図像コレクション集成「ファンタスティック・ダズン」シリーズの一冊。


解剖の美学02


帯文:

「ファンタスティック12(ダズン)創刊!
【第11巻】解剖の美学 解剖図譜は16世紀イタリアのヴェサリウスをもって嚆矢とする。
筋肉男や骸骨男が町を背景にポーズをとる図像は、オランダのアルビヌスに受け継がれ、
歩く死体=ゾンビが初期解剖図譜のパターンとなった。次に、同じくオランダのダコティが
彩色をほどこしたエロティシズム溢れる生体解剖図を制作したが、これら西洋の美学と、
江戸期『三之助解剖図』に見られる解体作業にも似た生々しさとを、比較鑑賞されたい。」



帯背:

「荒俣宏コレクション」


解剖の美学03


解剖の美学01


解剖の美学04


本書より、叢書刊行の趣旨:

「「すべては目のために、目と心の娯しみのために」
―そう書き綴ったのは、17世紀に驚異の図像を世に送りだした
イエズス会の万能学者A. キルヒャーの弟子ブオナンニである。
彼は目の喜びのために望遠鏡を、顕微鏡を、そしてさまざまな光学器械を用いつつ、
自然物の驚異を伝える銅版図を刊行しつづけた。
目の娯しみ!
たしかに、人間はこのときから叡智と娯楽と驚異とが
分かちがたく結びついた新たなエンターテインメントを開発することになった。
そして、17~19世紀に至る300年間は、図像の黄金時代となった。
目を喜ばせ、啓発し、興奮させる新しい図像の創成期であった。
しかも、さらに驚くべきは、写真や映画を通じて
リアルな映像に慣れすぎた現代人の目をも、
これらの驚異図像は、歓喜させ、啓発し、刺激する事実であろう。
記号よりも図像。
観念よりも表現。
写生よりも図解。
図像とは、目と心の結合が生み出した、
自然には絶対に存在しない大脳の内側のパノラマである。
図像のもつ、このような肥沃な表現力と想像力を、
現代に解き放つことを目的に、本コレクションは刊行される。
この本の娯しみ方はただひとつ、全身を目玉にして、
次々にあらわれる人工図像のパノラマに歓喜し、
そこからさまざまな叡智を読み解くことである。
これは目玉の大冒険である。(荒俣宏)」



解剖の美学05


目次:

第二の『解体新書』をめざして―解剖図譜を見る目とその焦点
出典解説

【第一部】 彩色解剖図譜の驚異
理想の死体が演じるストリップショー アルビヌス『人体筋骨構造図譜』 1749
初の色刷り解剖図 ル・ブロン 『腸の解剖図』 1742
解剖学的エロティシズムの極致 ゴーティエ・ダコティ 『人体構造解剖図集』 1759 ほか
幻想画に変じた医学図譜 グランヴィル 『流産と婦人病』 1834
バロックの奇怪な骨格解剖図譜 マイヤー 『陸海川動物細密骨格図譜』 1751
卵の中の大宇宙 ボードリモン 『胎児および鳥類・両生類の胚発育に関する生理解剖学』 1846
機械的感覚の横溢 リザーズ 『解剖図誌』
苦悶の表情をうかべる解剖モデル オルターリ 『人間の内臓解剖図譜』 1838
手彩色石版によるやさしい解剖図 リヒテル 『解剖学雑誌』
病変器官のファンタスティック・ワールド クルヴェイラー 『病理解剖学』 1835-1842

【第二部】 諧謔と鮮烈の江戸腑分け図
吊るし切りによる人体の解体作業 『三之助解剖図』
芸用解剖図の嚆矢 河鍋暁斎 『暁斎養生鑑』
花魁の体内遊覧 『房事養生鑑』

【第三部】 幻想の一八世紀解剖図譜
ゾンビとして跳梁する解剖人間 カウパー 『新筋肉裁断術』 1724
臓器博物館の名作展示物 ロイス 『人骨の盆景』 1701
一八世紀解剖学教室の情景 ホガース 『解剖学教室』 1759
幼児解剖の名作図譜 フォン・ハラー 『解剖図集』 1756
科学精神の下僕へと降下した医学図譜 スカルパ 『ヘルニヤ治療法』 1823



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解剖の美学7


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解剖の美学19

































































































































Pierre-Joseph Redoute 『The Roses : The Complete Plates』 (Taschen)

Pierre-Joseph Redouté (1759-1840)
The Roses : The Complete Plates


Taschen, 2007
204pp, 33x27cm, hardcover, dust jacket
English translation: Lenore M. Dickinson, Harriet Horsfield

Original edition 1999



ネーデルランド(ベルギー)の植物画家ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ(1759-1840)の『バラ図譜』(1817-1821)図版集(多色刷銅版画+手彩色)です。
タッシェン25周年廉価版シリーズ。日本語版も出ていたようです。
プレート(カラー図版)69点。部分拡大図(カラー)4点。解説中図版(カラー)25点。


the roses 01

表。


the roses 06

裏。


the roses 02

口絵。原本のシミヨゴレも忠実に再現されています。


Contents:

Redouté and the Culture of Roses (Petra-Andrea Hinz)
Redouté: technique and method of printing (Barbara Schulz)

The Plates

Glossary (Petra-Andrea Hinz)
Index
Bibliography
Acknowledgments/Photocredit




◆本書より◆


the roses 03


the roses 04


the roses 05








































































Albertus Seba - Cabinet of Natural Curiosities

Albertus Seba - Cabinet of Natural Curiosities
Taschen, 2011
415p 34x24.5cm clothbound

 
アルベルトゥス・セバの『博物宝典』のタッシェン版。ちょうど十年前に出版され、その後二十五周年エディションが出て、それも入手困難状態だったのが今年再刊されました。サイズはやや小さめになり、ページ数も少なくなっているようですが、それにしても大きくて重い本です。
 
セバ(Albertus Seba, 1665-1736)はオランダの博物学者、収集家。納豆に砂糖をかけて食べる荒俣宏さんの博物学本で日本でも有名になりました。船乗りたちにたのんで世界中の珍しい標本を集めて来てもらって、それをみんなに見せて喜んでいたそうです。本書はセバのコレクションのカタログです。銅版画の図版に絵の具で彩色したものをオールカラーで掲載しています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Albertus_Seba
 
 
seba1.jpg
 
紀伊国屋で2,807円でした。手数料を入れても三千数百円。この値段で大判の総天然色画集が買えるのは有難いです。しかもクロス装でした。カバー(ダストジャケット)は付いていません。表紙クロスの表面が珊瑚の絵の輪郭にそって凹んでいて、そこに珊瑚が印刷された紙が貼り込んであります。
 
 
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背と見返しには「25 TASCHEN」の文字が。クロス装の本体裏表紙に宣伝文を印刷するという暴挙。
 
 
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アルベルトゥス・セバの肖像。
 
 
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大きい本なのに本文の文字は小さくて読みにくいです。
 
 
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いかとか。
 
 
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こうもりとか。
 
 
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くらげとかたことか。
 
 
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ピパピパ(こもりがえる)。
 
 
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へびとか。
 
 
seba8.jpg
 
へびとか。
 
 
seba11.jpg
 
へびとか。
 
 
seba6.jpg
 
毛玉とか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
  
 

 
  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 


 



 
 
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー

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