ジョン・ミルナー 『象徴派とデカダン派の美術』 吉田正俊 訳 

「彼は天の星の道をじっと見つめている人のように、あこがれつづけて疲れきってしまった。」
(D・G・ロセッティ 「手と魂」 より)


ジョン・ミルナー 
『象徴派と
デカダン派の美術』 
吉田正俊 訳 

PARCO 出版局
1976年5月10日 第1刷
1987年4月20日 第5刷
164p
A5判 並装 カバー
定価1,400円



本書「訳者あとがき」より:

「本書は John Milner, Symbolist and Decadents, Studio Vista, 1971 の全訳である。」


二段組。モノクロ図版118点。「パルコ・ピクチュアバックス」シリーズ。


ミルナー 象徴派とデカダン派の美術 01


目次:

はじめに
イギリス
フランス
ベルギー
オランダ
分離派――ドイツとオーストリア
追記――ゴーギャンとムンク

訳注
訳者あとがき
原注
索引



ミルナー 象徴派とデカダン派の美術 02



◆本書より◆


夢の国
  エドガー・アラン・ポオ
  福永武彦、入沢康夫 訳

暗く人けない道を過(よ)ぎり、
ただ悪霊の天使の群につき纏われ、
そこに「夜」と呼ばれる一つの「まぼろし」の
黒い玉座にあってたじろがず治めるところ、
私は遂にここに達した、この土地に、ごく近頃、
おぼろげなテューレの国の涯(はたて)から――
荒びた宿運の風土から、その荘厳に位置するところは、
「空間」のそと――「時間」のそと。」



「はじめに」より:

「「世紀末(ファン・ド・シエークル)」は単に作家や画家の流派であったばかりでなく、十九世紀末の諸芸術において、デカダンおよび象徴主義の芸術をはじめ、ダンディズムと耽美(たんび)主義運動をも含んだムードであった。イギリスにおいてはオスカー・ワイルドがこの三者を要約していた。」
「「世紀末」の根本には物質主義への不満があった。だから芸術家たちは自分の個性的な夢、態度、象徴の意義を主張しようと努めた。夢と悪夢にいたるとびらは、暗示力をもつイメージの上に開かれた。芸術家は、感覚が近づきやすい形を理念にまとわせたり、凝った異国風の環境の中に引きこもったり、ダンディになったりした。あるいは実際に何人かは官庁の顕職についていた。だが個々の場合がどうであれ、想像力はボードレールのことばによれば「諸能力の女王」であると考えられていた。想像力がおのおの結んだ実は、当時の物質主義に対する不満の形態と同じように多様である。「世紀末」は運動というよりも雰囲気であった。この中で「デカダン派」と「象徴派」の芸術家たちが、物質主義的観点に反抗したのである。」



「イギリス」より:

「象徴派とデカダン派の運動は絵画および文学をその多様な発酵素として育ったとはいえ、その支持者たちはいずれも想像力に満ちた人生を送りながら、当時の物質主義を避けようとつとめた、というひとつの共通点をもっている。芸術家は、想像力と感性に導かれながら、内なる旅に乗り出したのである。もはや芸術は明示的ではなくなった。それは暗示的、表現的になり、個人の知的、精神的経験を喚起し、幻想の世界を求めて目に見える世界を棄(す)てた。」

「フランスの文芸誌『デカダン』は一八八六年に次のように記している。「男はより繊細、より女性的になり、かつ神格を帯びてくる。」これは象徴派およびデカダン派のサークルの中では定期的に起る現象であった。(中略)詩人アーサー・シモンズはソロモンの素描を論じながら次のようにいった。「これらの顔は中性的で、情熱の幽霊にまじわって深い思いに沈み、それら自身が幽霊になってしまった。徳や罪のエネルギーは彼らの中から消え去り、彼らは欲望の抜けがらとして、かわいた音をたてながら宙に浮いている。」」



「フランス」より:

「秩序、構造、意味を生み出すのは想像力である。これがボードレールにとって可能になったのは、音、香り、雑音などによって表わされる関係、つまり彼のいわゆる「普遍的類似(アナロジー・ユニヴェルセル)」を暗示する相互関係を定義したことによる。ボードレールの万物照応(コレスポンダンス)の理論は、諸感覚と、その感覚が彼岸の世界について暗示するものとの間に彼が認めた関係にもとづいている。」

「「ただ見えないものだけ、ただ感じるものだけ」を信じると告白したモローにとって、想像力はこの上なく重要であった。」
「モローがイギリスのラファエル前派に抱いた関心は、彼の画面に住む多くの人物が男女いずれともつかぬ顔をもつという事実に現われている。これはレオナルドの『洗礼者ヨハネ』やボッティチェリの人物たちのみならず、遠く中世の芸術の影響でもある。」
「ビザンチウムや古代神話の英雄たちによせるモローのヴィジョンは、デカダン派文学者がその中に認めたような悲観主義、倦怠(けんたい)、死と憂愁の信仰などによって広がっている。」

「デカダン派と同じように象徴派の作家もまた「現代はただその物質主義のゆえに苦痛に満ち、かつ醜い」と思った。彼らは、自分たちの夢や想像力が固体のような現実的存在をもっていると主張した。」

「ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの作品の中に自分たちの考えが絵として現われていることを認めた象徴主義者もいる。若い詩人テオドール・ド・ウィゼヴァはこう書いている。「我々は夢、情感、詩情への渇きに心を打たれた。あまりに生き生きしたまばゆい光には飽きた。我々は霧にあこがれた。この時にこそ、ピュヴィ・ド・シャヴァンヌの詩的で霧深い芸術にほれこんだのである。」」
「一八八三年にユイスマンスはピュヴィのなかに「月光にむしばまれ、大雨に沈んだ古いフレスコ画のような絵を描く薄明りの画家」を見出した。」

「若い批評家アルベール・オーリエ(中略)は象徴主義芸術の五つの必要な条件を列挙するに至った。
一、理念的であること、なぜならば絵画の唯一の理想は、理念の表現であるから。
二、象徴的であること、なぜならば絵画はその理念を形態において表現するから。
三、総合的であること、なぜならば絵画は、これらの形態、記号を一般的理解の方法にしたがって表わすから。
四、主観的であること、なぜならば絵画においては、客観的事物は決して客観的事物として考えられず、主観によって知覚された観念の記号として考えられるから。
五、(したがってその結果)装飾的であること、なぜならエジプト人、そしておそらくはギリシア人、およびプリミティフ芸術家たちの考えていたような、いわゆるほんとうの意味での装飾絵画は、同時に主観的、総合的、象徴的、理念的である芸術の表明にほかならないからである。
 オーリエの目には、画家は生命力の表示、物質的価値とたたかう人間の想像力の表示として映った。「画家はある意味で理念(イデ)の代数学者であり、その作品は奇蹟的な方程式ではなかろうか。」」

「サール・メロダク・ペラダンはその『規律』の第四規則の中で、こう宣言していた。「薔薇(ばら)十字会にとっては“外国の”という語は意味をなさない。この展覧会は最高級の国際的性格を帯びているからだ。」」



「ベルギー」より:

「クノッフがクルス大通りの自宅に工夫して作った住居を見れば、彼の神秘主義をデカダンの世捨人デ・ゼッサントや、あるいはモンテスキウの貴族的ダンディスムと比較することができる。そのすまいは異国風で、日常的現実とかけ離れており、まったく彼自身の趣味に合わせたものだった。彼の画室にはヒプノスにささげられた祭壇が立っていた。(中略)そこには“ON N'A QUE SOI”(人は自分自身しか持たない)と刻まれていた。このインテリアに属する古代風の頭部彫刻は『私は私自身に扉(とびら)の鍵(かぎ)をかける』の中に見ることができる。」


「分離派――ドイツとオーストリア」より:

「古典神話から採ったベックリンの人物たちは、粗野で残忍なエネルギーに動かされ、邪悪な生の歓喜(ジョワ・ド・ヴィーヴル)を吹きこまれている。その半人半馬たちや人魚たちは、おのれのグロテスクな容姿に少しも気づかずに、もつれ、よじれ、水に戯れる。」
「しかしながら、ベックリンの芸術には死の優雅と静寂を冷たく表現するという、別の面もあった。これが数年後に若いデ・キリコの心を占めることになる。ベックリンの『死の島』は、彼の作品のこの側面を端的に表わしている。」

「クリンガーの版画作品は回を追うにつれ夢のような物語を展開していき、そこではいろいろなイメージが、異なった規模と視点を用いながら、しばしば閉所恐怖症的な空間もしくは目がくらむほど空虚な空間を創造している。彼が構築した空間はしばしば悪夢の空間であった。」

















































































スポンサーサイト

Anthony Hobson 『J. W. Waterhouse』

Anthony Hobson 
『J. W. Waterhouse』


Phaidon Press Ltd, London, 1989, Printed in paperback 1992, Reprinted in paperback 1993
128pp, 28x24cm



本書序文(Introduction)より:

「Waterhouse has been wrongly called Pre-Raphaelite, but he was a Romantic Classicist: he had the Northerner's love of legend and mystery, but his Italian birth lent a warm personality to his rendering of the classical myths, peopled as they were by superhuman beings.」

(ウォーターハウスは誤ってラファエル前派と看做されてきたが、ロマン的古典主義者であった。彼は北方人として伝説や神秘を愛したが、超人間的な存在で満たされた古典的神話をイタリア生まれゆえの温かな人間味をもって表現した。)


アンソニー・ホブソン著『J・W・ウォーターハウス』。カラー図版58点、モノクロ図版39点。
ウォーターハウスの両親はイギリス人ですが、ローマで生まれました。ロイヤル・アカデミーの人で、アルマ=タデマやフレデリック・レイトンの影響を受けています。


DSCF4954.png


Contents :

Preface
Introduction

1 The Early Years
2 Primrose Hill
3 Return to the Legends
4 A Royal Academician
5 St John's Wood
6 Retrospect and Conclusion

Index




◆本書より◆


DSCF4955.png


Diogenes(樽の中のディオゲネス)。1882年。


DSCF4956.png


Ophelia(オフィーリア)。1894年。


DSCF4957.png


Windflowers(アネモネ)。1903年。


DSCF4958.png


Fair Rosamund(麗しのロザマンド)。1917年。


「*Fair Rosamund* foresees the sad culmination of another medieval tale, the true story of Lord Clifford's daughter, the beloved of King Henry II. From the window of her secret house, she looks for his coming, but the queen, appearing at the curtained entrance, has followed 'a clue of thredde' through the surrounding maze and, as the chronicler Higden wrote about 1350, 'so dealt with her that she lived not long after.' The costume, the embroidery and the tapestry depicting knightly pageantry fit perfectly, as always, into the precise geometry of the architecture.」

(中世譚に題材をとった「麗しのロザマンド」は、ヘンリー二世の寵愛を受けたクリフォード卿の娘の実話から、悲劇的な出来事の直前の情景を描いている。隠れ家の窓辺で王の到来を心待ちにしているロザマンドだが、部屋の入口の帷の陰には、糸を辿って家を取り囲む迷路を通り抜けてきた王妃の姿が見える。年代記作者ラヌルフ・ヒグデンによれば、王妃は「彼女を片付けてしまった」。衣裳や、騎士の行進の図柄が施された刺繍やタペストリーが、建築の正確な幾何学と見事に調和している。)




John William Waterhouse (Wikipedia)























































『マックス・クリンガー展』 (国立西洋美術館 1988年)

『マックス・クリンガー展』 
ライプツィヒ美術館/国立西洋美術館所蔵作品

編集: 国立西洋美術館
デザイン: 浅井潔
制作: アイメックス
1988年
234p 
24×21.5cm 並装


1988年4月23日―6月19日
国立西洋美術館

主催: 国立西洋美術館/ライプツィヒ美術館
後援: ドイツ民主共和国文化省/ドイツ民主共和国大使館



カラー図版38点。出品作図版(モノクロ)233点、出品作参考図版3点。
「マックス・クリンガーと日本」に参考図版(モノクロ)26点、年譜に写真9点。


クリンガー展 01


内容:

はじめに/Vorwort (国立西洋美術館)
メッセージ (ハンス=ヨアヒム・ホフマン)
Grusswort (Hans-Joachim Hoffmann)
メッセージ (ディーター・イェーガー)
Grusswort (Dieter Jaeger)
マックス・クリンガー: その作品と影響 (ディーター・グライスベルク)(田辺幹之助 訳)
Max Klinger - sein Werk und seine Wirkung (Dieter Gleisberg)
マックス・クリンガーと日本 (有川治男)
年譜

カラー図版
 I 師グソーのアトリエでのクリンガー
 II ベルリンでのクリンガーの仲間たち
 III 散歩(襲撃) 1878年 (本展不出品)
 IV カエサルの死
 V 夕べ 1882年 (本展不出品)
 VI―X アルベルス荘の5つの扉絵
 XI 母の肖像
 XII パリスの審判 1885/87年 (本展不出品)
 XIII 海辺にて 1890年 (本展不出品)
 XIV キリストの磔刑 1891年 (本展不出品)
 XV 「キリストの磔刑」の全体構想
 XVI サンタ・マリア・デイ・セルヴィ付近から見たシエナ
 XVII ローマのアトリエからの眺め: サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂
 XVIII ビアンカ
 XIX 青い時
 XX 「青い時」の女性の頭部習作
 XXI ギターを弾く娘
 XXII 「新しきサロメ」の最初のイメージ
 XXIII 新しきサロメ
 XXIV カッサンドラ 1895年 (本展不出品)
 XXV ライプツィヒのプライセンブルク城 
 XXVI 採石場近くの家
 XXVII 「オリュンポスのキリスト」の中央画の習作
 XXVIII オリュンポスのキリスト(中央画) 1897年 (本展不出品)
 XXIX アンフィトリーテ 1898年 (本展不出品)
 XXX 水に姿を映す浴女
 XXXI エルザ・アゼニエフ像 1900年 (本展不出品)
 XXXII ベートーヴェン 1902年 (本展不出品)
 XXXIII ヘレーネ・ドーナトの肖像 1902年 (本展不出品)
 XXXIV 戸外のエルザ・アゼニエフ
 XXXV 夜会服を着たエルザ・アゼニエフ
 XXXVI ライプツィヒ大学講堂の壁画「ギリシャの栄華」の習作
 XXXVII 冬の葡萄畑
 XXXVIII ブラームス記念碑 1909年 (本展不出品)

カタログ (有川治男)
A 彫刻および関連素描
 1 新しきサロメ
  1-a 新しきサロメ 1893年
  1-b 「新しきサロメ」の最初のイメージ 1885年
 2 カッサンドラ
  2-a カッサンドラ(縮小模像) 1895年以降
  2-b カッサンドラの頭部 1895年以降
  2-c 「カッサンドラ」の衣服習作 1892年
 3 水に姿を映す浴女 1896/97年
 4 闘技者 1898/99年
 5 「ブラームス記念碑」のミューズの頭部 1901年
 6 ベートーヴェンのトルソ(縮小模像) 1902年以降
 7 ライプツィヒ新市庁舎の卓上飾り
  7-a 花籠を掲げて坐る娘 1905年
  7-b クリスタル鉢を掲げ持つ二人の少年 1910年
  7-c クリスタル鉢を掲げ持つ二人の少女 1910年
 8 フリードリヒ・ニーチェ像 1903年頃
 9 リヒアルト・ヴァーグナー像 1905年頃
 10 リヒアルト・シュトラウス像 1907年頃
 11 ヴィルヘルム・ヴント像 1908年
 12 「ナウムブルクの噴水」の構想 1913年
B 絵画および関連素描
 13 師グソーのアトリエでのクリンガー 1874年頃
 14 ベルリンでのクリンガーの仲間たち 1876年頃
 15 カエサルの死 1879/1919年
 16 アルベルス荘の5つの扉絵
  16-a 入口の扉 1883/85年
  16-b 入口脇の小部屋への扉 1883/85年
  16-c 食堂への扉 1883/85年
  16-d 図書室への扉 1883/85年
  16-e 庭園に面した部屋への扉 1883/85年
  参考図 アルベルス荘、玄関の間の装飾(1885年頃の写真)
 17 「パリスの審判」の習作 1883年
 18 母の肖像 1880年代
 19 ローマのアトリエからの眺め: サンタ・マリア・マッジョーレ聖堂 1889年
 20 キリストの磔刑
  20-a 「キリストの磔刑」の全体構想 1885年
  20-b 「キリストの磔刑」の裸体習作 1888年
  20-c 「キリストの磔刑」のマリアの頭部習作
  20-d サンタ・マリア・デイ・セルヴィ付近から見たシエナ: 「キリストの磔刑」の風景習作 1889年頃
 21 ビアンカ 1890年
 22 青い時
  22-a 青い時 1890年
  22-b 「青い時」の女性の頭部習作 1890年
 23 ギターを弾く娘 1892年
 24 オリュンポスのキリスト
  24-a 「オリュンポスのキリスト」の最初の構想 1893年以前
  24-b 「オリュンポスのキリスト」の中央画の習作 1893年
  参考図 《オリュンポスのキリスト》 1897年
 25 ライプツィヒのプライセンブルク城 1895年頃
 26 採石場近くの家 1890年代半ば
 27 ヘレーネ・ドーナトの肖像 1902年
 28 戸外のエルザ・アゼニエフ 1903年頃
 29 夜会服を着たエルザ・アゼニエフ 1903/04年頃
 30 ライプツィヒ大学講堂の壁画「ギリシャの栄華」の習作 1906年
C 版画連作および関連素描
 31 エッチング・スケッチ(作品番号Ⅰ) 初版1879年
  31-a 第1葉: 扉絵(素描) 1877年頃
  31-b 第1葉: 扉絵
  31-c 第2葉: 絵画の捧げ物(素描) 1874/77年頃
  31-d 第2葉: 絵画の捧げ物(第2ステート)
  31-e 第2葉: 絵画の捧げ物(第5ステート)
  31-f 第3葉: シエスタⅠ(素描) 1874/77年頃
  31-g 第3葉: シエスタⅠ
  31-h 第4葉: 春の初め(素描) 1874/77年頃
  31-i 第4葉: 春の初め
  31-j 第5葉: シーソー(素描) 1874/77年頃
  31-k 第5葉: シーソー
  31-l 第6葉: 追跡(素描) 1874/77年頃
  31-m 第6葉: 追跡(第1ステート)
  31-n 第6葉: 追跡(第5ステート)
  31-o 第7葉: 旅人の死(素描) 1874/77年頃
  31-p 第7葉: 旅人の死
  31-q 第8葉: シエスタⅡ――ドルチェ・ファル・ニエンテ(麗しき無為)(素描) 1874/77年頃
  31-r 第8葉: シエスタⅡ――ドルチェ・ファル・ニエンテ(麗しき無為)
 32 オヴィディウス『変身譚』の犠牲者の救済(作品番号Ⅱ) 初版1879年
  32-a 第1a葉: 扉絵
  32-b 第1b葉: 絵画の捧げ物(祈念)
  32-c 第2葉: ピュラモスとティスベⅠ
  32-d 第3葉: ピュラモスとティスベⅡ
  32-e 第4葉: ピュラモスとティスベⅢ
  32-f 第5葉: ピュラモスとティスベⅣ
  32-g 第6葉: 第一間奏(素描) 1874/77年頃
  32-h 第6葉: 第一間奏
  32-i 第7葉: ナルキッソスとエコーⅠ
  32-j 第8葉: ナルキッソスとエコーⅡ
  32-k 第9葉: 第二間奏(素描) 1874/77年頃
  32-l 第9葉: 第二間奏
  32-m 第10葉: アポロンとダフネⅠ
  32-n 第11葉: アポロンとダフネⅡ
  32-o 第12葉: アポロンとダフネⅢ
  32-p 第13葉: 諷刺(終結)
 33 イヴと未来(作品番号Ⅲ) 初版1880年
  33-a 第1葉: イヴ
  33-b 第2葉: 第一の未来
  33-c 第3葉: 蛇
  33-d 第4葉: 第二の未来
  33-e 第5葉: アダム
  33-f 第6葉: 第三の未来
 34 間奏曲(作品番号Ⅳ) 初版1881年
  34-a 第1葉: 熊と妖精
  34-b 第2葉: 海辺で
  34-c 第3葉: 追われるケンタウロス
  34-d 第4葉: 闘うケンタウロス
  34-e 第5葉: 月夜
  34-f 第6葉: 山崩れ(素描) 1879年
  34-g 第6葉: 山崩れ
  34-h 第7葉: ジンプリチウスの勉強
  34-i 第8葉: 隠者の墓の傍らのジンプリチウス
  34-j 第9葉: 兵士たちの間のジンプリチウス
  34-k 第10葉: 森の荒地のジンプリチウス
  34-l 第11葉: 落馬
  34-m 第12葉: 愛、死、彼岸
 35 手袋(作品番号Ⅵ) 初版1881年
  35-a 第1葉: 場所
  35-b 第2葉: 行為
  35-c 第3葉: 願望
  35-d 第4葉: 救助
  35-e 第5葉: 凱旋
  35-f 第6葉: 敬意
  35-g 第7葉: 不安
  53-h 第8葉: 休息
  53-i 第9葉: 誘拐
  53-j 第10葉: キューピッド
 36 四つの風景(作品番号Ⅶ) 初版1883年
  36-a 第1葉: 昼
  36-b 第2葉: 街道
  36-c 第3葉: 月夜
  36-d 第4葉: 夏の午後
 37 ある生涯(作品番号Ⅷ) 初版1884年
  37-a 第1葉: 序Ⅰ
  37-b 第2葉: 序Ⅱ
  37-c 第3葉: 夢
  37-d 第4葉: 誘惑
  37-e 第5葉: 捨てられて
  37-f 第6葉: 申し出
  37-g 第7葉: ライヴァル
  37-h 第8葉: 皆のために
  37-i 第9葉: 街に立って
  37-j 第10葉: 下水溝へ!
  37-k 第11葉: 捕えられて
  37-l 第12葉: 沈溺
  37-m 第13葉: キリストと罪深き女たち
  37-n 第14葉: 耐えよ!
  37-o 第15葉: 無へ帰る
 38 ドラマ(作品番号Ⅸ) 初版1883年
  38-a 第1葉: 現行犯
  38-b 第2葉: 一歩
  38-c 第3葉: ある母親
  38-d 第4葉: ある母親Ⅱ
  38-e 第5葉: ある母親Ⅲ
  38-f 第6葉: 森で
  38-g 第7葉: 殺人
  38-h 第8葉: 三月の日々Ⅰ
  38-i 第9葉: 三月の日々Ⅱ
  38-j 第10葉: 三月の日々Ⅲ
 39 ある愛(作品番号Ⅹ) 初版1887年
  39-a 第1葉: 献辞
  39-b 第2葉: 出逢い
  39-c 第3葉: 門の前で
  39-d 第4葉: 公園で(放棄された版のための素描) 1883年頃
  39-e 第4葉: 公園で(放棄された版)
  39-f 第4葉: 公園で
  39-g 第5葉: 幸せ
  39-h 第6葉: 間奏(素描) 1874/77年頃
  39-i 第6葉: 間奏
  39-j 第7葉: 新たな幸せの夢(素描) 1887年
  39-k 第7葉: 新たな幸せの夢
  39-l 第8葉: 目覚めて
  39-m 第9葉: 恥辱(第1ステート)
  39-n 第9葉: 恥辱(第1ステート) 墨とグワッシュで加筆
  39-o 第9葉: 恥辱(第3ステート)
  39-p 第10葉: 死(第1ステート)
  39-q 第10葉: 死(第2ステート)
  39-r 第10葉: 死(第3ステート)
  39-s 第10葉: 死(第5ステート)
 40 死について、第一部(作品番号Ⅺ) 初版1889年
  40-a 第1葉: 夜
  40-b 第2葉: 海の男たち(素描) 1885年頃
  40-c 第2葉: 海の男たち
  40-d 第3葉: 海
  40-e 第4葉: 街道
  40-f 第5葉: 子供
  40-g 第6葉: ヘロデ(素描) 1874/77年頃
  40-h 第6葉: ヘロデ
  40-i 第7葉: 農夫
  40-j 第8葉: 線路の上で
  40-k 第9葉: 貧しい家族
  40-l 第10葉: 救い主としての死
 41 ブラームス幻想(作品番号Ⅻ) 初版1894年
  41-a 第1面: 調和
  41-b 第2面a: 「昔の恋」に
  41-c 第2面b: 時の車輪
  41-d 第3面: 縁飾――煙突
  41-e 第6面a: 樹にもたれる裸婦
  41-f 第6面b: 縁飾――森の池Ⅰ
  41-g 第7面a: 縁飾――森の池Ⅱ
  41-h 第7面b: 冷たい手
  41-i 第15面: 喚起
  41-j 第18面: 火を盗むプロメテウス
  41-k 第19面: 祭(輪舞)
  41-l 第22面: ホメロス(運命の歌)
  41-m 第26面: 縁飾――溺れる男女
  41-n 第27面: 美(ヴィーナス)
  41-o 第37面: 解放されたプロメテウス
 42 死について、第二部(作品番号XIII) 初版1898/1904/1910年
  42-a 第1葉: 「浄く生き……」
  42-b 第2葉: 支配者
  42-c 第3葉: 哲学者
  42-d 第4葉: 天才(芸術家)
  42-e 第5葉: ペスト(素描) 1903年頃
  42-f 第5葉: ペスト
  42-g 第6葉: 戦争(素描) 1888年頃
  42-h 第6葉: 戦争
  42-i 第7葉: 悲惨
  42-j 第8葉: 「それでも」
  42-k 第9葉: 誘惑
  42-l 第10葉: 死せる母親(第1ステート)
  42-m 第10葉: 死せる母親(第2ステート)
  42-n 第10葉: 死せる母親(第3ステート)
  42-o 第10葉: 死せる母親(第5ステート)
  42-p 第11葉: 時と名声
  42-q 第12葉: 美に
 43 天幕(作品番号XIV) 初版1915年
  43-a 第2葉: 天幕
  43-b 第3葉: 湖畔
  43-c 第23葉: 門の前で
  43-d 第26葉: 偉大な女神
  43-e 第39葉: 殺害
D. 単独の版画・素描
 44 プラークヴィッツ付近の風景 1874年
 45 庭の垣根と葉の落ちた樹 1876年
 46 1874―77年のスケッチブック
  46-a 鴉
  46-b 無
  46-c サロメ
  46-d 大祭司の前のキリスト
  46-e 誘惑
  46-f 山の荒地の死神
  46-g 打ち寄せられて
 47 矢を射るキューピッド 1880年
 48 矢に当って 1880年頃
 49 芸術家の夢
  49-a 芸術家の夢 1879年
  49-b 芸術家の夢 1880年頃
 50 ファンタジーに抱かれる子供としての芸術家
  50-a ファンタジーに抱かれる子供としての芸術家 1878年
  50-b ファンタジーに抱かれる子供としての芸術家(グルリット画廊の展覧会案内) 1881年
 51 メンツェル記念 1884年
 52 「ゼツェッシオン画集」表紙 1893年
 53 ベックリーンの作品による版画
  53-a 海辺の城(ベックリーンの原画による) 1883年
  53-b 泉(ベックリーンの原画による) 1889年
  参考図 アルノルト・ベックリーン 《フローラ》 1875年
 54 悪夢 1883年
 55 ローマのアトリエからの眺め 1890年
 56 エピタラミア
  56-a 麗しき憧れ(「エピタラミア」第12葉) 1904年
  56-b ヘレネーの出奔(「エピタラミア」第14葉) 1906年
  56-c 詩人ホメロス(「エピタラミア」第15葉) 1906年
 57 日本の女性 1912年
 58 冬の葡萄畑 1907年
 59 眼鏡をかけた自画像 1909年

文献一覧/展覧会一覧




◆本書より◆


「はじめに」より:

「1883年、ドイツ皇帝ヴィルヘルム一世の后アウグスタの講師として、当時ベルリンに滞在していたフランスの詩人ジュール・ラフォルグは、フランスの雑誌『ガゼット・デ・ボザール』に、その年のベルリン・アカデミー展に関しての批評を発表しました。(中略)その批評の中で、展覧会に出品していた画家の中から、ただ二人だけを、注目に値する芸術家として紹介しています。アルノルト・ベックリーンとマックス・クリンガーです。」
「この二人の画家のオリジナリティは、ドイツ人の常として、全く文学的な面にあり、表現手法の自由さという点では多くの凡庸な画家たち以上ではない、とフォルグは言います。しかしラフォルグは、そのような前提を付けた上で、クリンガーについては、普遍的な想像力とエクセントリックな感受性を持った詩人として高く評価しています。」
「それからほぼ百年、その間に世の評価は、彼をいったんドイツ最大の画家たちの列に加え、そしてすぐにまた、その座から引きずり降しました。」
「そのような状況は、そのままベックリーンの評価にも当てはまります。」
「こうしてジュール・ラフォルグが1883年に注目したドイツの二人の画家は、その後、名声と凋落という運命を共にしたのです。もちろん、一般の評価における流行り廃りとは別に、芸術家たちの中にはベックリーンやクリンガーを尊敬し支持し続けた人たちもいます。たとえば、シュールレアリスムの芸術家たちは、この二人の先駆者たちから常に新たな刺激を受け続けましたし、クリンガーに関して言えば、初期のプロレタリア美術の代表者とも言うべきケーテ・コルヴィッツは生涯、彼女がクリンガーから受けたものの大きさを感じていました。(中略)またジョルジョ・デ・キリコはクリンガーを追悼して(中略)、「クリンガーは全くもって現代の芸術家であった。それは……覚めた眼をもって過去と現在と自分自身を見つめることのできる人間という意味においてである」と述べました。」



クリンガー展 02


「ビアンカ」。


クリンガー展 03


「青い時」。


クリンガー展 04


「エッチング・スケッチ」より「シエスタⅡ――ドルチェ・ファル・ニエンテ(麗しき無為)」。


クリンガー展 05


「死について 第二部」より「哲学者」。


クリンガー展 06


「1874―77のスケッチブック」より「鴉」。


クリンガー展 07


「1874―77のスケッチブック」より「打ち寄せられて」。
















































































『Graphic Works of Max Klinger』

「Klinger was the modern artist par excellence. Modern not in the sense that is currently given to the word, but in the sense of a man of awareness who feels the heritage of centuries of art and thought, who sees clearly into the past, into the present and into himself.」
(Giorgio de Chirico, 1920)


『Graphic Works of
Max Klinger』

Introduction and Notes by J. Kirk T. Varnedoe, with Elizabeth Streicher
74 Plates

Dover Publications, Inc., New York, 1977
xxv, 99pp, 30.2x23cm, paperbound



マックス・クリンガーによる13の連作版画集からの選集(「イヴと未来」「手袋」「ある愛」「死について 第一部」は全点収録)です。
序文では、「手袋」連作がその映画的手法や深層心理の表現によって時代を先取りしていたこと、クリンガーが主観的表現においてドイツ・ロマン主義(フリードリヒ)と表現主義(ムンク)を繋ぐ存在である一方、客観的社会批判によってケーテ・コルヴィッツに影響を与えた二面的存在であったこと、そうしたクリンガーの分離的一致(disjunctive unity)はキリコやシュルレアリストに通じるものであることなどが述べられています。
用紙はコート紙。作品図版74点、序文に参考図版15点、その他図版3点。図版は全てモノクロです。


klinger 01


内容:

Foreword (Dorothea Carus)
Introduction (J. Kirk T. Varnedoe, with Elizabeth Streicher)

List of Plates
 Frontispiece: The Artist in the Garret (late 1870s)
 ETCHED SKETCHES (RADIERTE SKIZZEN), 1879
  1. The Beggining of Spring (Frühlingsanfang)
  2. Dying Wanderer (Sterbender Wanderer)
 RESCUES OF OVIDIAN VICTIMS (RETTUNGEN OVIDISCHER OPFER), 1879
  3. Painterly Dedication / Invocation (Malerische Zueignung / Anrufung)
  4. First Intermezzo (Erstes Intermezzo)
 EVE AND THE FUTURE (EVA UND DIE ZUKUNFT), 1880; COMPLETE CYCLE
  5. Eve (Eva)
  6. First Future (Erste Zukunft)
  7. The Serpent (Die Schlange)
  8. Secondf Future (Zweite Zukunft)
  9. Adam
  10. Third Future (Dritte Zukunft)
 INTERMEZZOS (INTERMEZZI), 1881
  11. Pursued Centaur (Verfolgter Centaur)
  12. Battling Centaurs (Kämpfende Centauren)
  13. Simplicius at the Hermit's Grave (Simplicius am Grabe des Einsiedlers)
  14. Fallen Rider (Gefallener Reiter)
  15. Cupid, Death and the Beyond (Amor, Tod und Jenseits)
  16. Psyche on the Cliff (Psyche auf dem Felsen)
  17. Psyche with the Lamp (Psyche mit der Lampe)
 A GLOVE (EIN HANDSCHUH), 1881; COMPLETE CYCLE
  18. Place (Ort)
  19. Action (Handlung)
  20. Yearnings (Wünsche)
  21. Rescue (Rettung)
  22. Triumph
  23. Homage (Huldigung)
  24. Anxieties (Ängste)
  25. Repose (Ruhe)
  26. Abduction (Entführung)
  27. Cupid (Amor)
 FOUR LANDSCAPES (VIER LANDSCHAFTEN), 1883
  28. The Road (Die Chaussee)
 A LIFE (EIN LEBEN), 1884
  29. Dreams (Träume)
  30. Seduction (Verführung)
  31. Abandoned (Verlassen)
  32. For All (Fur Alle)
  33. Into the Gutter! (In die Gosse!)
  34. Caught (Gefesselt)
  35. Going Under (Untergang)
  36. Suffer! (Leide!)
  37. Back into Nothingness (Ins Nichts zurück)
 DRAMAS (DRAMEN), 1883
  38. In Flagranti
  39. A Mother I (Eine Mutter I)
  40. A Mother II (Eine Mutter II)
  41. A Mother III (Eine Mutter III)
  42. In the Woods (Im Walde)
  43. March Days I (Märztage I)
  44. March Days II (Märztage II)
  45. March Days III (Märztage III)
 A LOVE (EINE LIEBE), 1887; COMPLETE CYCLE
  46. Dedication (Widmung)
  47. First Encounter (Erste Begegnung)
  48. At the Gate (Am Thor)
  49. In the Park (Im Park)
  50. Happiness (Glück)
  51. Intermezzo
  52. New Dreams of Happiness (Neue Träume von Glück)
  53. Awakening (Erwachen)
  54. Shame (Schande)
  55. Death (Tod)
 ON DEATH, PART I (VOM TODE ERSTER TEIL), 1889; COMPLETE CYCLE
  56. Night (Nacht)
  57. Sailors (Seeleute)
  58. Sea (Meer)
  59. Road (Chaussee)
  60. Child (Kind)
  61. Herod (Herodes)
  62. Farmer (Landmann)
  63. On the Tracks (Auf den Schienen)
  64. Poor Family (Arme Familie)
  65. Death as Savior (Der Tod als Heiland)
 BRAHMS FANTASIES (BRAHMSPHANTASIE), 1894
  66. The Cold Hand (Die kalte Hand)
  67. Evocation
  68. Night (Nacht)
  69. Theft of Light (Raub des Lichtes)
  70. Abduction of Prometheus (Entführung des Prometheus)
 ON DEATH, PART II (VOM TODE ZWEITER TEIL), 1898-1909
  71. Blameless in Life . . . (Integer vitae . . . )
  72. Philosopher (Philosoph)
  73. Plague (Pest)
  74. Dead Mother (Tote Mutter)

Notes on the Plates and Summaries of the Cycles (J. Kirk T. Varnedoe, with Elizabeth Streicher)
Technical Note (Elizabeth Sahling)
Bibliography




◆本書より◆


klinger 02


「Rescues of Ovidian Victims: First Intermezzo」


klinger 03


「A Glove: Abduction」


klinger 04


「Four Landscapes: The Road」


klinger 05


「Dramas: A Mother I」


klinger 06


「On Death, Part I: On the Tracks」


klinger 07


「Brahms Fantasies: Evocation」


klinger 08


「Brahms Fantasies: The Cold Hand」


klinger 09


「On Death, Part II: Plague」




















































































S・T・マドセン 『アール・ヌーヴォー』 高階秀爾・千足伸行 訳

「アール・ヌーヴォー様式とは、ある意味では歴史主義そのもの、およびその形態原理に対する抵抗運動であった。」
(S・T・マドセン 『アール・ヌーヴォー』 より)


S・T・マドセン 
『アール・ヌーヴォー』 
高階秀爾・千足伸行 訳


美術公論社
昭和58年3月1日 初版発行
昭和59年11月20日 第2刷
317p 口絵20p(うちカラー10p)
20×15.5cm 
丸背紙装上製本 カバー
定価2,300円



本書「解説」より:

「本書は Stephan Tschudi Madsen, Art Nouveau, World University Library, 1967 の全訳である。」


本書「新版あとがき」より:

「本書は、かつて平凡社の「世界大学選書」の一冊として一九七〇年に刊行されたものの新装復刊本である。」
「この新装復刊本を刊行するにあたっては、誤植の訂正や用字、図版の体裁に若干の必要な変更を加えたほか、内容は出来るかぎりもとの版のとおり、原著に忠実であるよう努めた。」



口絵図版27点(うちカラー12点)。本文中図版(モノクロ)88点。


マドセン アールヌーヴォー 01


目次:

Ⅰ 序章
Ⅱ アール・ヌーヴォーの定義
 形態のとらえ方
 名称
Ⅲ 思想的背景
Ⅳ 当時の芸術理論
 諸芸術綜合の追求
 手工芸対機械
 改革運動
 線の重視
 植物の有機的な力
 構造的象徴としての装飾
Ⅴ アール・ヌーヴォーへの道
 ウィリアム・ブレークとラファエル前派の影響
 日本と東洋の影響
 ゴシック・リヴァイヴァル
 ネオ・ロココ
 ネオ・バロック
 ケルト復興
 アーツ・アンド・クラフツ運動
Ⅵ 初期アール・ヌーヴォー
 イギリスの前期アール・ヌーヴォー
 大陸およびアメリカ合衆国の初期アール・ヌーヴォー
 ポスターにおける初期アール・ウンーヴォー
 挿絵における初期アール・ヌーヴォー
Ⅶ 建築におけるアール・ヌーヴォー
 誕生の地
 アール・ヌーヴォー建築は存在するか?
 ベルギー
 フランス
 スペイン
 スコットランド
 イングランド
 オーストリア
 ドイツ
 オランダ、スカンディナヴィア、イタリア、アメリカ
 結論
Ⅷ 応用芸術におけるアール・ヌーヴォー
 フランス――アール・ヌーヴォー
 ベルギー――モダン・スタイル
 イギリス――グラスゴー派
 ドイツ――ユーゲントシュティル
 オーストリア――分離派(ゼツェッション)様式
 オランダ――「新しい芸術」
 アメリカ合衆国
 スカンディナヴィア
 結論
Ⅸ 絵画におけるアール・ヌーヴォー
 後期ラファエル前派
 ポン=タヴェン派とナビ派
 フランドルとオランダの象徴主義
 ゲルマン的表現主義
 スイス、ドイツ、オーストリアの「ユーゲントシュティル」絵画
 結論
Ⅹ 彫刻におけるアール・ヌーヴォー的傾向
 一八七五―一九〇〇年の彫刻の動向
 ベルギーとフランス――ミンネ
 ドイツ――バルラッハとオブリスト
 スカンディナヴィア――ヴィーゲラント
 イングランド――ギルバート
 結論
Ⅺ アール・ヌーヴォーの退潮

解説 「アール・ヌーヴォー」と現代 (高階秀爾)
新版あとがき (高階秀爾)
原註
参考文献
索引



マドセン アールヌーヴォー 02



◆本書より◆


「アール・ヌーヴォーの定義」より:

「アール・ヌーヴォーには国際的に共通する特質もあるが、同時にその国民的ヴァリエーションも次第に発展していった。ただしこれらは国民性に応じてある程度までしかいえるにすぎないので、むしろここでは形態面のさまざまな様相を考えてみる方が得策であろう。これには全体で四つの種類がある。第一は、抽象的、構成的で、時として彫刻に近い形態感覚で、これはまた同時に、きわめてダイナミックな性格を有している。第二のそれは、フランスにおける花をモチーフとする、あるいはきわめて植物的なイメージによるそれであり、これは成長するもの、あるいは有機的なものに大きな重点をおいている。一般的に、フランスとベルギーの文化圏においては、構造的な象徴としての装飾に主眼をおいた結果、構造的傾向が目立っている。イタリアでも花のモチーフが盛んに用いられているが、ただこのような構成への意志は見られない。第三は、線的、平面的で、かつ文学的、象徴的な形態感覚で、これはとりわけスコットランドのマッキントッシュを中心とするグループに見られる。以上のべた三種類のアール・ヌーヴォーすべてにいえることは、均整のとれた左右非相称が究極の目的になっていることである。次の、第四のそれは、構成的、幾何学的なもので、これはとりわけドイツとオーストリアに発達した。これら四つの主要な形態感覚の他に、動物をモチーフとするものがあるが、これはスカンディナヴィア諸国とスコットランドで流行した。蛇のモチーフがその特色で、これにいわゆる「組紐模様」を豊かに併用している。」


「当時の芸術理論」より:

「それでは、アール・ヌーヴォーとその装飾原理の背景をなす基本的理論とは、どのようなものだったのだろうか? これについては多くの芸術家が議論しているが、そこからは、アール・ヌーヴォーの装飾理論の基礎となるべき、次のような三つの主要な思想を引き出すことができるように思われる。すなわち、線に内在する価値の原理、植物の有機的な力の原理、それに象徴としての構造の原理という三つがそれである。」


「アール・ヌーヴォーの退潮」より:

「アール・ヌーヴォーは結局、期待されたほどには普遍的なものとはならなかった。」
「アール・ヌーヴォー様式は結局、一部の選ばれた人々のための「芸術家個人の」様式であって民衆一般の様式とはなりえなかった。」

「アール・ヌーヴォー様式とは、ある意味では歴史主義そのもの、およびその形態原理に対する抵抗運動であった。」



























































































プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本