『花神コレクション 〔俳句〕 中村苑子』

「人の名を聞いて忘れて僧涼し」
(中村苑子)


『花神コレクション 〔俳句〕 
中村苑子』

藤田湘子 監修

花神社 
平成6年9月25日 初版第1刷
143p 
19×13.4cm 並装 カバー 
定価1,500円(本体1,456円)
装釘: 熊谷博人



花神(かしん)社より刊行された俳句シリーズの第28巻。


中村苑子


帯文:

「現代俳句の華やぎと豊饒
その成果と魅力を網羅した
待望のコレクション
第一句集完全収録に加え、初句索引・季題別索引付」



帯背:

「現代俳句の果実 28」


内容:

第一句集 『水妖詞館』 (昭和50年 俳句評論社) (全)
 序 (高屋窓秋)
 遠景
 回帰
 父母の景
 山河
 挽歌
 覚書 (中村苑子)

中村苑子自選七〇〇句
 「初期句篇」 (『現代女流俳句全集』 第四巻所収 昭和56年 講談社) (抄)
 第二句集 『花狩』 (昭和51年 コーベブックス) (全)
 第三句集 「四季物語」 (『中村苑子句集』所収 昭和54年 立風書房) (全)
 第四句集 『吟遊』 (平成5年 角川書店) (全)

■人と作品
 馬場あき子 「時間の累積の中で――『水妖詞館』の世界」 (「俳句」 昭和50年12月号より)
 高橋睦郎 「戦慄の句集――『水妖詞館』寸観」 (「俳句」 昭和50年8月号より)

中村苑子略年譜 (中村苑子)
初句索引
季題別索引




◆本書より◆


「水妖詞館」より:

喪をかかげいま生み落とす竜のおとし子

跫音や水底は鐘鳴りひびき

貌が棲む芒の中の捨て鏡

鈴が鳴るいつも日暮れの水の中

母の忌や母来て白い葱を裂く

いつよりか遠見の父が佇つ水際

消えやすき少年少女影踏み合ふ

羊歯の中うつらうつらと青菩薩

墓山に琴鳴るはわが生霊(いきすだま)



「初期句篇」より:

女よく笑ふ電話やつばくらめ

ゆふべ死んで炎天を来る黒い傘

跫音を柩の中で聞いてゐる



「花狩」より:

人の気配する雛の間を覗きけり

暮れてより花散らす雨つのりけり

鉛筆を噛めば木の香や梅雨ながし

薊もて打つ男あり輝けり

野分して眠りの中の白き蛇

夕ざくら家並みを走る物の怪よ

ひとりふたりと死ぬ間や生姜きざまるる

誕生日樹にゐて花を降らすのみ

川下でみんな死んでるえごの花



「四季物語」より:

野ざらしや異形なるもの掻い抱き

鷹を放ちて鷹となりたる男かな



「吟遊」より:

麗かや野に死に真似の遊びして

春の鳥ただならぬもの咥へをり

遠つ世へゆきたし睡し藤の昼

人の世は跫音ばかり韮の花

亡き人の来る夜来ぬ夜の白はちす

楝散る暗(くら)がりに母下がりをり

人の名を聞いて忘れて僧涼し

























































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中村苑子 編著 『高柳重信の世界』 (昭和俳句文学アルバム 18)

「北風や此処までくるとみな背き」
(高柳重信)


中村苑子 編著 
『高柳重信の世界』

昭和俳句文学アルバム 18

梅里書房 1991年6月5日発行
109p 編著者略歴ほか1p
四六判 角背紙装上製本 カバー 定価1,700円(本体1,650円)
装幀: 巌谷純介



高柳重信読本。俳句作品二百句の抄出を中心に、伴侶であった中村苑子による評伝、娘・高柳蕗子による回想文、夏石番矢による作家論、著作目録・略年譜を収録。図版(モノクロ)多数。


高柳重信の世界1


帯文:

「豊富な
写真資料でつづる
俳句文芸の
昭和史・全33巻

昭和を代表する物故俳人33氏の
作品と人間像を、総合的に、ヴィジュアルに紹介し、
世界で最も短い詩型をもつ文芸ジャンルを通して
「昭和」とはいかなる時代であったかを
再検証する画期的シリーズ」



帯背:

「第18回配本
中村苑子=編著」



高柳重信の世界2


目次:

評伝・高柳重信 (中村苑子)
父と私 (高柳蕗子)
高柳重信作品二百句抄 (抄出: 中村苑子)
つねに生誕するロゴス (夏石番矢)
高柳重信著作目録 (中村苑子)
高柳重信略年譜 (川名大)
執筆者・資料協力者等一覧



高柳重信の世界3


「評伝・高柳重信」(中村苑子)より:

「当時の重信は、夕食がすむと二階の自室に引きこもり、父の書棚から持ち出した『北原白秋全集』や『石川啄木全集』『俳句文学全集』その他、『千夜一夜物語』から神話・伝説の類まで手当たりしだいに読み漁り、かたわら、自己流の詩や短歌、感想文などをノートにびっしりと書き綴って飽きなかった。これら少年期の、初期以前ともいうべき創作ノートはその後の空襲や水害によってすべて消失してしまい、重信自身は「さいわいなことに……」と述懐していたが、残念なことであった。
重信にしてみれば、少年期から青年期にかけて、彼がいちばん影響を受けたのは、辰野隆、鈴木信太郎、渡辺一夫などの訳を中心とした十九世紀のフランス文学であったから、その体験以前の模糊とした少年時代の自分の来し方とは決別したかったのであろうし、意識的に、自分の言語体験の道筋を一貫して反映するものだけを残しておきたかったのであろう。私より年若い彼が所蔵していた『ヴァレリー全集』や『リラダン全集』は、戦時下のこととて途中で発行不能になったりしたから、私の書棚から第一書房や白水社発行の古い単行本をよく持っていった。これらの本は、彼の許に移っていったきり戻ってこなかったが、やがて年経て私の書棚に彼の蔵書が一緒に並ぶようになってから見ると、煙草の烟(けむり)で古色蒼然とした姿に変わり果て、彼の所蔵本にふさわしい状態で収まっていた。彼の読書の方法は、たとえばリラダンを読むにしても、同じものを斎藤磯雄と渡辺一夫の訳とで読みくらべ、こうして読むと、訳の違いによって見えてくるものが微妙に違ってくるので、なまじっか原語でおぼつかなく読むよりも数等味わいがある、と言っていた。」



「父と私」(高柳蕗子)より:

「私は幸せな子供であり、パパはその幸せの一つだった。
あの頃は「パパは正義の味方なんだよ」と言うのを素直に信じていた。まもなく離婚した母に連れられ、父と離れて暮らすことになったため、父が「ナントカ仮面」でなく、俳人をやっていることを知るのは、数年先の四年生のある日、父に再会してから後のことだ。」



高柳重信の世界4


◆高柳重信句抄◆


「前略十年」より:

「北風や此処までくるとみな背き
双頭の一つ刎ねられ死にゆく蛇」



「蕗子」より:

「身をそらす虹の
絶巓

   処刑台」

「「月光」旅館
開けても開けてもドアがある」

「過失致死罪
わが身に犯し
さあさはじまる
華麗な服罪」

「船焼き捨てし
船長は

泳ぐかな」

「孤島にて
不眠の鴉
白くなる」



「伯爵領」より:

「蒙塵や
重い水車の
  谷間の
   石臼」

「吹き沈む
野分の
   谷の
耳さとき蛇」



「罪囚植民地」より:

「杭のごとく

たちならび
打ちこまれ」



「蒙塵」より:

「吊るされて
一と夜
二た夜と
揺れるばかり」

「まなこ荒れ
たちまち
朝の
終りかな」

「あまりのどかで
生かして置けぬ

鳶の輪ひとつ」



「遠耳父母」より:

「沈丁花

殺されてきて
母が佇つ闇」



「山海集」より:

「琴抱いて
無名の
神が
漂着せり」

「鬼国と言へり
年経て
神の
栖むところ」

「わが骨
朽ちたり
野末の石と
いふ言葉も」



「山川蝉夫句集」より:

「凩のあとはしづかな人枯らし
乱世にして晴れわたる人の木よ
六つで死んでいまも押入で泣く弟
友よ我は片腕すでに鬼となりぬ
我すでに跡形もなき秋の暮
煙となりて我を出で立つ鬼ひとつ」









































高柳重信 『俳句評論 バベルの塔』

高柳重信 
『バベルの塔』


永田書房 
昭和49年11月20日 印刷
昭和49年11月30日 発行
394p 初稿発表掲載誌一覧1p 
四六判 丸背布装上製本 貼函 
定価1,700円
装画: 堀畑修



高柳重信俳句評論集。著者が生前出版した評論集は、本書と、『現代俳句の軌跡』の二冊だけです。


高柳重信 バベルの塔 01


帯文:

「高柳重信第一評論集
俳壇随一の理論家として著名な著者の曾て広く反響をもたらした斬新的な俳論集の数々をここに一挙収録した初の評論集!!」



帯背:

「画期的俳論集」


高柳重信 バベルの塔 02


目次:


敗北の詩――新興俳句生活派・社会派へ (太陽系 昭和22年7月)
偽前衛派――或いは亜流について (太陽系 昭和22年12月)
バベルの塔――或いは俳句と人間性について (詩歌殿 昭和23年9月)
掌篇俗論集 (太陽系 昭和23年10月)
密書ごっこ (俳句世紀 昭和23年10月)
大宮伯爵の俳句即生活 (弔旗 昭和23年11月)
続偽前衛派 (火山系 昭和23年12月)
藤田源五郎への手紙 (俳句世紀 昭和24年1月)
病人の言葉 (火山系 昭和24年7月)
身をそらす虹の絶巓 処刑台 (俳句世紀 昭和24年10月)
蕗子誕生 (俳句世紀 昭和25年11月)
「書き」つつ「見る」行為 (俳句 昭和45年6月)


酒場にて――前衛俳句に関する大宮伯爵の演説 (薔薇 昭和36年3月)
前衛俳句診断――その流行の実体について (俳句 昭和36年4月)
関西の前衛俳句について (俳句研究 昭和36年6月)
前衛俳句をめぐる諸問題――山口誓子と金子兜太について (現代俳句研究 昭和36年10月)
前衛俳句の総決算 (俳句研究 昭和37年7月)


『天の狼』の富沢赤黄男 (本の手帖 昭和42年10月)
飯田蛇笏の世界 (雲母 昭和46年9月)
阿波野青畝小論 (かつらぎ 昭和48年4月)
放哉と山頭火 (俳句とエツセイ 昭和48年5月)
松本たかし小論 (俳句とエツセイ 昭和48年7月)

あとがき (昭和49年初秋)



高柳重信 バベルの塔 03



◆本書より◆


「あとがき」より:

「敗戦直後の混乱の中で、僕が初期の評論を盛んに書いていた頃から、すでに二十数年の歳月が過ぎていった。この間、さまざまに変化する俳壇の状況に応じて、そのつど、書き捨て同様にしてきた文章も、おのずから相当の分量になったようである。
 たまたま、この一冊に纏めるにあたり、いまは遠い過去になってしまった時代をふくめて、そのときどきの俳壇の状況と、それに鋭敏に反応した僕自身の心の動きが、いくつかの文章によって相互に補足しあうかたちで、多少なりとも鮮明に復原されることを期待したため、その選択が、ある限られた三つの時期に集中する結果となった。
 しかし、これが僕の一部であり、且つは全部でもあることは、充分に確かであろう。なぜなら、二十歳を幾つも出なかった頃から現在まで、僕自身、どれほども変わってはいないと思われるからである。」



「続偽前衛派」より:

「一人の少年が、黄昏の木の肌にぴったりと添って、切実な眸をじっとこらしていた。彼は、もはや、泣き出しそうになっていた。よく見ると、その今にも涙が落ちそうな眸は、しきりと蟻を追っているのであった。彼は、もうしばらく前に、何の気なしに此の半ば朽ちかかった木を匍っていた一匹の蟻を殺したのである。それは全く、何気ない発作的な行為であった。しかし、蟻は他愛なく死んでしまった。それが深く彼を不安にしたのである。彼は悲しみにふるえた。
 だが、此処までは、イタリアのある高名な将軍の少年時代と同じである。伝記によれば、その将軍は、こんな時、たださめざめと泣いただけである。
 しかし、その少年は別の不安に捉われた。何だか、ひどい不公平が、此の束の間のときに、しかも、自分のかよわい指先によって行なわれたような気がしたのである。この朽ちかけた木の肌を上下している蟻は、この不幸な蟻一匹に限らないのに、この不幸な蟻と他の蟻に対して、別段に彼の殆んど無関心な愛憎に軽重はなかったのに、何故、この蟻だけを殺してしまったのであろうか。何故、この蟻だけが死ななければならないのであろうか。そこで、少年は考えた。彼は自分の犯した不公平を精算しようと心にきめた。この木を上下する一切の蟻に、公平な死を与えることによって、彼は最初の不幸な蟻の突然の不幸を拭い去ってやろうと思ったのである。そして、一匹ずつ、丹念に、彼は蟻を殺して行った。彼の指先が触れると、蟻はすぐ死んで行った。そして、いまは、もうかなりの時が経っていた。彼の指先もさすがに疲労していた。けれど、たとえ一匹たりとも、この公平な死の指先から逃がれ得た蟻があったなら、此処に無数に死んでいる蟻が、あまりにも可哀そうに思われた。彼の切実な悲しみは、此処から生まれ、彼をはげしく責めた。
――と、その昔、僕はあてもない序章を書き出した。書き出してから、さて誰の伝記にしようかと考えた。」










































































高柳重信 『山海集』

「月の山大国主命かな」
(阿波野青畝)


高柳重信 
『山海集』


冥草舎 
昭和51年9月15日 発行
138p 22.6×15.4cm 
丸背布装上製本(背革) 
本体ビニールカバー 貼函 
定価3,500円
造本: 山田良夫



高柳重信第七句集 『山海集(せんがいしふ)』 。
俳句作品は正字・正かな、散文「不思議な川」および「後記」は新字・新かな。


高柳重信 山海集 01


高柳重信 山海集 02


高柳重信 山海集 03


目次:

飛騨
坂東
葦原ノ中國
倭國
日本軍歌集

不思議な川

後記



高柳重信 山海集 04



◆本書より◆


「飛騨(ひだ)の
美(うま)し朝霧(あさぎり)
朴葉(ほほば)焦(こ)がしの
みことかな

飛騨(ひだ)の
山門(やまと)の
考(かんが)へ杉(すぎ)の
みことかな

風(かぜ)うごく
上總(かづさ)の
闇(やみ)に
簾(すだれ)して

荒利根(あらとね)の
蛇(へび)も
なじめり
人柱(ひとばしら)

天(あめ)が下(した)に
秋(あき)きて
神(かみ)は
みな徒跣(はだし)

琴(こと)抱(だ)いて
無名(むめい)の
神(かみ)が
漂着(ひやうちやく)せり

蛇(へみ)の野(ぬ)に
日高(ひだか)
妻問(つまど)ふ
國津罪(くにつつみ)

あらたかに
祟(たた)りて
神(かみ)を
病(や)ましむる

一柱(ひとはしら)
神(かみ)は
燔(や)かれて
蛾(ひむし)たつ

仰(あふ)げば
利目(とめ)に
日月(じつげつ)ならぶ
雁渡(かりわた)し

稻(いね)も
蝗(いなご)も
もの狂(ぐる)ふかな
卑彌呼(ひみこ)の國(くに)

目醒(めざ)め
がちなる
わが盡忠(じんちゆう)は
俳句(はいく)かな

鳥(とり)も栖(す)まねば
枯木(かれき)に
宿(やど)れ
わが生命(いのち)

わが骨(ほね)
朽(く)ちたり
野末(のずゑ)の石(いし)と
いふ言葉(ことば)も」



「後記」より:

「この『山海集』に収録した八十四句は、昭和四十七年から五十年に至る四年間に発表されたもので、いずれも『高柳重信全句集』以後の作品である。
 更に付言すれば、このうちの「飛騨」十句と「日本軍歌集」十句は、それぞれ初出のとおりであるが、「坂東」二十四句、「葦原ノ中國」二十句、「倭國」二十句の三章は、別の機会に別の表題で発表されたものや、未発表の作品などを少し加えたため、いくらか初出とは違う構成となっている。
 なお、巻末に載せた「不思議な川」という一文は、あらかじめ何の構想も持たず、まったく気ままな姿勢で書かれたものである。たまたま、この書名となっている山と海とを結ぶための川について、漠然とした記憶の迷路を辿りはじめたところ、おのずから奇妙な川の流域が、そこに生まれ出たのであった。
 それは、いわば僕の魂の古代史で、幼年の日の僕が、ようやく僕自身の存在に気づきはじめた頃の、しごく曖昧な時間の流れを、しきりと思い浮かべようと務めているうちに、まさに思いがけないかたちで、僕の眼前に出現したのである。
 もし、これを言葉というものに即して考えてみるならば、そのとき僕の生涯を五十年ばかり遡ったところで、改めて僕が見出したのは、すでに言葉のごときものを口走っていたにちがいないが、しかし、たぶん人語に似せて鸚鵡が声を発するのと、どれほど差があるのか知れないような、何とも不透明きわまる時代であった。
 思えば、言葉から言葉への僕の旅は、この僅かに物ごころのつきはじめた頃を起点として、はるばると現在に至るまで、実に久しく続いて来たとも言えようが、この数年間、いつも僕の心を微妙に揺さぶっていたのは、よりいっそう模糊とした感じの、いわば何ものとも知れぬ不思議な呼び声であった。
 それは、はっきりと自覚されぬまま血の流れの中に伝えられて来たような、はるか遠い時代の、さまざまな精神の昂揚についての仄かな記憶の喚起であり、また、長い歳月の曲折を経て来たような昔ながらの地名などに、なぜか明らかな理由もなく、いたく心惹かれてゆく思いでもあった。
 これは、あるいは、はるかなる祖霊や地霊の密かな語りかけであったかもしれないが、とにかく僕は、その遠くからの呼び声に、たえず耳を澄ましながら、それが果たして、まことに僕を呼んでいるのかを確かめるため、しばしば極度の精神の集中を行なって来た。
 それは、まず、その呼び声を正確な言葉として文字に書きとめようと努め、それがどのような喚起をもたらすかを、僕の心に問うことから始まった。もちろん、それは、次から次へと言葉の雑沓を縫うように、一つ一つの言葉と丁寧に応接しながら、多くの言葉と出会ってゆくことであった。したがって、それは言葉から言葉への旅とでも言うべきものであったが、実際は、僕の眼前に多くの言葉を流しながら、その少しずつ変化してゆくさまを、辛抱づよく細心に眺めている行為であった。そのときの僕は、いわば言葉の川の流れに立つ一本の棒杭であった。
 そして、僕は、さまざまな言葉に出会い、その中でさまざまな光景に遭遇した。言うまでもなく、その結果が、この『山海集』の作品となっていったのである。」



高柳重信 山海集 05






























































































 『高柳重信全集』 全三巻

『高柳重信全集』 全三巻
 
 
高柳重信全集1
 
 
『高柳重信全集 Ⅰ』
編集委員: 飯田龍太・大岡信・中村苑子・三橋敏雄・吉岡実
立風書房 昭和60(1985)年6月20日印刷/7月8日発行
409p 口絵(肖像) 菊判 布装 貼函 定価9,500円
装幀: 吉岡実 限定600部

 
 
帯文:
 
「独自の多行形式を駆使し、また時には分身山川蝉夫に変じ、あり得べき未踏の最後の一句を求めてやまなかった俳句形式の殉教者高柳重信鏤骨の全作品を収録・初版句集の他に異本も併載。解題=三橋敏雄」
 
帯背:
 
「俳句作品」
 
帯裏:
 
「第一巻(俳句作品)
『前略十年』より『山川蝉夫句集』に至る全句集の完全収録。他に「日本海軍・補遺」「山川蝉夫句集以後」の句集未収録作品、<参考>として『黒彌撒』版『蕗子』『伯爵領』を併載。解題=三橋敏雄
 
第二巻(作家論/俳句鑑賞/エッセイ)
放哉と山頭火・病人の言葉・阿波野青畝小論・富澤赤黄男ノート・戦後の西東三鬼・現代俳句鑑賞・ダルマサンガコロンダ・わが友・蝉など44篇。解題=和田悟朗
 
第三巻(俳句論/時評/詩歌論/講演・座談会)
俳句形式における前衛と正統・新興俳句運動概説・敗北の詩・バベルの塔・「書き」つつ「見る」行為・『蕗子』の周辺・吉岡実と俳句形式など58篇。年譜 解題=坪内稔典」

 
栞: 島田修二・永田耕衣・草間時彦・大岡信/高柳重信語録①
 
 
目次:
 
前略十年
蕗子
伯爵領
罪囚植民地
蒙塵
遠耳父母
山海集
日本海軍
日本海軍・補遺
山川蝉夫句集
山川蝉夫句集以後
*
<参考篇>
蕗子(『黒彌撒』版)
伯爵領(『黒彌撒』版)
山川蝉夫句抄
*
解題 三橋敏雄

 
 
高柳重信全集 口絵1
 
第一巻 口絵 昭和31年(33歳)
 
 
『高柳重信全集 Ⅱ』
編集委員: 飯田龍太・大岡信・中村苑子・三橋敏雄・吉岡実
立風書房 昭和60(1985)年6月20日印刷/7月8日発行
369p 口絵(肖像) 菊判 布装 貼函 定価9,500円
装幀: 吉岡実 限定600部

 
帯文:
 
「歯に衣を着せない直言の士として、俳壇にとって格別大事なひとであった。作風志向を異にするとはいえ、氏の志操には不屈の潔さがあった。作品評価の眼力に、秀れた洞察が秘められていた(飯田龍太)」
 
帯背:
 
「作家論/俳句鑑賞/エッセイ」
 
栞: 山中智恵子・鈴木六林男・神田秀夫・飯田龍太/高柳重信語録②
 
 
目次:
 
<作家論>
放哉と山頭火
飯田蛇笏の世界
日野草城とエロチシズム
病人の言葉
阿波野青畝小論
松本たかし小論
富安風生先生の俳句
明喩と暗喩―中村草田男小論―
高屋窓秋の『白い夏野』
渡辺白泉と石田波郷
三橋鷹女覚書
妖説・永田耕衣
赤尾兜子の文体
いまは亡き―三谷昭―
『女身』の桂信子
三橋敏雄句集『まぼろしの鱶』紹介
鈴木六林男の三句
佐藤鬼房の俳句
神田秀夫戯論
*
富沢赤黄男ノート
富沢赤黄男―孤独な魂の嘆きを詠う―
富沢赤黄男の場合
富沢赤黄男論―その孤立の歴史―
富沢赤黄男の日記から
『魚の骨』と富沢赤黄男
『天の狼』の富沢赤黄男
*
西東三鬼の『旗』
戦後の西東三鬼
西東三鬼と平畑靜塔
 
<俳句鑑賞>
現代俳句鑑賞I
現代俳句鑑賞II
戦争と平和
雑の俳句
三橋鷹女
 
<エッセイ>
大塚仲町
ダルマサンガコロンダ
スイライ・カンチョウ
密書ごっこ
テンモンドウ

模糊たる来し方
健げなる者
わが友―加藤郁乎・鷲巣繁男・飯田龍太
若き日に―大岡信―
*
宇都宮雑記
 
解題=和田悟朗

 
 
高柳重信全集 口絵2
 
第二巻 口絵 昭和49年(51歳) 撮影=岸田稚魚

 
『高柳重信全集 Ⅲ』
編集委員: 飯田龍太・大岡信・中村苑子・三橋敏雄・吉岡実
立風書房 昭和60(1985)年7月20日印刷/8月8日発行
412p 口絵(肖像) 菊判 布装 貼函 定価9,500円
装幀: 吉岡実 限定600部

 
帯文:
 
「新興俳句の正当な位置づけを終生の悲願として闘ったが、近代以後の俳句界全体に対する見渡しの能力は抜群だったと思う。彼にはなによりもまず、俳句形式そのものに対する不屈の愛があった。(大岡信)」
 
帯背:
 
「俳句論/時評/詩歌論/講演・座談会」
 
栞: 吉岡実・馬場あき子・加藤郁乎・高屋窓秋/高柳重信語録③
 
 
目次:
 
<俳句論>
俳句形式における前衛と正統
子規・虚子・碧悟桐のころ
新興俳句運動概観
新興俳句運動の軌跡
戦後俳句の眺望
*
敗北の詩―新興俳句生活派・社会派へ―
偽前衛派―或いは亜流について―
バベルの塔―或いは俳句と人間性について―
掌篇俗論集
密書ごっこ
大宮伯爵の俳句即生活
続偽前衛派
藤田源五郎への手紙
身をそらす虹の絶巓 処刑台
俳壇迷信論
写生への疑問
暗喩について
酒場にて―前衛俳句に関する大宮伯爵の演説
前衛俳句をめぐる諸問題―山口誓子と金子兜太について
前衛俳句の総決算
「書き」つつ「見る」行為
私にとって俳句とは
自作ノート
*
前略十年
『蕗子』への道
『蕗子』の周辺
蕗子誕生
わが「日本海軍」の草創
新しい歌枕
 
<時評>
俳壇八つ当り
「正義」について
矜恃について
盗賊と乞食について
偽前衛派について
橋石句集『風景』
大政奉還の説・再説
定本・赤黄男句集その他
俳句の廃墟
「破産」の積み上げ
詩型とは何かに肉薄―金子兜太著『定型の詩法』―
俳句史の問題など
言葉の導くままに―大岡信著『子規・虚子』―
見事な才気煥発ぶり―加藤郁乎著『夢一筋』―
富安風生翁の気迫
風格ある戦後派俳人―飯田龍太著『思い浮かぶこと』―
"歪んだ密告" ウ呑み
戦後俳壇とある "通過儀礼"
危険な批評の論旨
批評精神の摩滅
 
<詩歌論>
詩壇遠望
幻の長歌
吉岡実と俳句形式
『旅』の中の絶景
切実に歌わざるを得ない心―鷲巣繁男歌集『蝦夷のわかれ』―
生きながら鬼に―斎藤史歌集『ひたくれなゐ』―
はじめに月と―山中智恵子小論―
 
<講演・座談会>
関西の前衛俳句について(講演)
現代俳句を語る(高柳重信・飯田龍太・大岡信・吉岡実)
 
解題=坪内稔典
高柳重信年譜・主要著作目録=川名大(編)

 
 
高柳重信全集 口絵3
 
第三巻 口絵 昭和54年(56歳)
 
 
高柳重信全集2
 
 
高柳重信全集4
 
扉ページ。
 
 
高柳重信全集3
 
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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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