"The Complete Nonsense of Edward Lear" (ed. by Holbrook Jackson)

"The Complete Nonsense of Edward Lear"
Edited and introduced by Holbrook Jackson

Faber and Faber Liminted, London, Boston, 1947, 16th impression 1984
xxix, 288pp, 23x16cm, hardcover, dust jacket


 
エドワード・リアのノンセンス詩集成。本人による挿絵も収録されています。 
エドワード・リアは1812年生まれ、1888年逝去。子供の頃から病弱で、幼時にしてすでに重い鬱状態に苦しむ。画家として写実的な動物画や風景画を描いたり、ノンセンス絵本を描いたりしつつ、生涯独身で、猫と共に暮らしました。 


complete nonsense 1

カバー表。 


complete nonsense 2

本体とカバー背。丸背紙装上製本。


complete nonsense 3

扉ページ。イラストはリアと愛猫フォス。


complete nonsense 4

巻頭には有名な(T・S・エリオットによるパロディもある)「ノンセンスの桂冠詩人の自画像(リアさんはなんて素敵な方なんでしょう)」が掲げられている。

「彼の頭は固くて気むずかしい、
彼の鼻はものすごく大きい。
彼の顔は多少なりとも醜悪、
彼の髭はまるでカツラ。」

「昔は歌ったこともあったけど、
今では言葉を発することさえ稀。」

「俗人にも聖職者にも多くの友人を持ち、
飼猫の名前は「フォスじいさん」。
身体は完璧な球形で、
ランシブル(※)な帽子をがぶっている。」
※ランシブル(runcible)はリアの造語です。意味はよくわかりません。

「白いレインコートを着て歩くと、
子供たちが叫びながら追っかけてくる。
「寝巻でおでましだ、
英国人のきちがいじじい。」」

「彼は海のほとりで涙を流す、
彼は丘にのぼって涙を流す。」


complete nonsense 5

「A Book of Nonsense」(1846年)より。

「A Book of Nonsense」はリメリック limerick (戯詩)と、リア本人による挿絵からなる詩集。
お祖母さんのガウンを着てあちこち歩き回る男とか、おじぎばかりしていて地面にめり込んでしまった女の人とか、テーブルの上でずっと寝ている男だとかが出てきます。


complete nonsense 6

「Calico Pie」(キャラコのパイ)はノンセンス抒情詩です。エリザベス・シューエル(『ノンセンスの領域』)は、この詩にみられるようなセンチメンタリズムゆえにリアは純粋なノンセンス詩人たりえない、と褒めています(シューエルがいう「純粋なノンセンス」とは、論理と数字に支配された人間不在の世界のことです)。

「キャラコのパイ、
小鳥が飛んで
キャラコの木に止まる。
その羽根は青、
「ティリー・ルー!」と歌って
飛び去ってしまう、――
そしてもう戻ってこなかった
もう戻ってこなかった
もう戻ってこなかった
私のもとには戻ってこなかった。

キャラコのジャム、
小魚およいで
シラバブの海を渡ってきた
帽子をぬいで
シタビラメとニシンと
ウィルビー・ワットにご挨拶、――
でももう帰ってこなかった
もう帰ってこなかった
もう帰ってこなかった
私のもとには帰ってこなかった。」

※シラバブ 《牛乳にぶどう酒などを混ぜ,砂糖と香料を加えて泡立てた飲料》 (Weblio辞書)
ウィルビー・ワット Willeby-wat はよくわかりませんが、挿絵に描かれている人面魚の名前だとおもいます。


complete nonsense 7

エドワード・リアの愛猫フォスは17年も生きて、リアが晩年をすごしたサン・レモの家の庭に葬られました。

Foss couchant 香箱を作っているフォス。
Foss, a untin. (a-huntin' ?) 狩猟モードのフォス。
Foss rampant よちよち歩きのフォス。
Foss dansant 踊るフォス。


complete nonsense 8

Foss, regardant 注視するフォス。
Foss Pprpr ぷるぷると威嚇するフォス。
Foss, Passant おすましで通り過ぎるフォス。


complete nonsense 9

「Nonsense Alphabets」。
ノンセンス・アルファベット。 


complete nonsense 10

「Nonsense Botany」。
ノンセンス植物学。「Manypeeplia Upsidownia」は「Many people upside down」(たくさんのさかさまのひとたち)を学名(ラテン語)風にしたもの。


complete nonsense 12

「ジャンブリーズ」。


complete nonsense 11

「光る鼻のドング」。

これら二つのノンセンス・ソング(Nonsense Songs)は、日本ではむしろエドワード・ゴーリーによる絵本で親しまれているのではないかとおもいます。
リアのノンセンス・ソングで最も有名なのは「The Owl and the Pussy-cat」(「フクロウと仔猫」)です。


complete nonsense 14

ノンセンスものがたり(Nonsense Stories)。
「The Story of the Four Little Children Who Went Round the World」(世界中をへめぐった四人の子供たちの物語)より。


Contents:

INTRODUCTION (Holbrook Jackson)

I. A BOOK OF NONSENSE (1846)
II. NONSENSE SONGS, STORIES, BOTANY AND ALPHABETS (1871)
III. MORE NONSENSE, PICTURES, RHYMES, BOTANY, ETC. (1972)
IV. LAUGHABLE LYRICS, A FOURTH BOOK OF NONSENSE POEMS, SONGS, BOTANY, MUSIC, ETC. (1877)
V. NONSENSE SONGS AND STORIES (1895)





































































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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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