羅針盤 - むすび (2005)

むすべない ものをむすんで 葱坊主


羅針盤 - むすび
LIGHTHOUSE INC., LH001 (2005)
定価2,940円
 
1.millennium
2.砂場
3.タコ
4.水曜のうた
5.昼になれば
6.むすび
7.とびら
 
山本精一 Yamamoto Seiichi: vocal, electric guitar, acousstic guitar, bass, chorus
吉田正幸 Yoshida Masayuki: keyboards, synthesizer
チャイナ China: drums, percussion, noise guitar (track 1), glockenspiel, recorder, chorus

All lyrics & music by 山本精一

 
 
羅針盤 むすび
 
 
羅針盤の七枚目にしてラストアルバム。しあわせになりたいのなら、鬱になればよい。
 
 
「しあわせはいつも 同じところで
違う気持ちで 佇んでいる」
 
「どんなところにも きっと居場所がある
そこにただいるだけ」
 
「しあわせはいつも 同じ数だけ
同じ器に 詰め込まれている
しあわせはいつも 朝日のように
悲しい気持ちに 溶け込んでいる」

 
(「millennium」より)
 
 
「水辺を漂うように いつまでもただ子供でいる
戸惑うこころ閉じて 向きあう鏡を閉じて
本当の気持ちには なにも答えられない」
 
「いつまでまだ子供でいる 渦巻く悪意の外で」

 
(「砂場」より)
 
 
「しっかりと空を見上げ どこにも飛んで行けるように
はっきりと願っている いつでも風に乗れるように」
 
「懐かしい歌をうたう どこかへ飛んでしまう前に
懐かしい歌をうたう どこかで糸が切れるように」

 
(「タコ」より)
 
 
「なんにもない日は 何をするでもなく
ただ引き出しの中 入れ替えて
言葉にならないものを 掻き集めて
考えることから 逃れてる」
 
「眼がさめたとたん 一日が過ぎてる
その不安な背には 何を負う
 
なんでもない日は 誰も知ることなく
大切な日をただ 過してる」

 
(「水曜のうた」より)
 
 
「もうなにもかも 知らないで いられたら
僕らはどこにも いるって思えた」

 
(「昼になれば」より)
 
 
「そこには何もない 色褪せることもない
ただひとつのもの描いて」
 
「自分の中には 何もないことが
今ではこんなに安らぐ
 
奪うこともなく 分けることもない
ただひとつのもの 目指して」
 
「道をはずれた者が 道を照らしていく
 
ほかのなにものでもない ひとりあなただけのもの
それをまた信じて
答えられなくなってから 急に問いかける声が
それをただ聞いている
 
何をするのも ひとりだけの夢
 
この世で一番 汚れたものには 美しい手がある
その手に結んだ 永遠のなにかは ひろがりを持ってる」

 
(「むすび」より)
 
 
「すべてを持てる人も
すべてを捨てる人も
何もできないことには
まるで変わりがない」
 
「扉を開く前に すべてが分かる人も
手をあわせて 何かにすがりつく人も
正しい答えは今
間違いの中にあると
 
そう思う時やっと
解き放たれてゆく」

 
(「とびら」より)
 
 




































































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山本精一 『プレイグラウンド アコースティック+』 (2011)

わがふりに わがおどろくや 椎落葉


山本精一 『プレイグラウンド アコースティック+』
(PLAYGROUND acoustic+)

P-VINE RECORDS PCD-4492 (2011)
定価1,980円
 
1.鼻
2.待ち合わせ
3.PLAYGROUND
4.めざめのバラッド
5.宝石の海
6.水
7.Days
8.Candy Says
9.まさおの夢
10.夢の半周
11.赤ん坊の眼
 
Seiichi Yamamoto: vocals, guitars

All music and lyrics by Seiichi Yamamoto
except lyrics on tracks 1, 9 and 10 by PHEW
track 8 written and composed by Lou Reed

 
 
山本精一 PLAYGROUND acoustic
 
 
アルバム『プレイグラウンド』収録曲のうち、「日蝕」「ふたつの木のうた」を除いた七曲のギター弾き語り版。『プレイグラウンド』では、PHEW とのコラボ『幸福のすみか』から「飛ぶひと」が演奏されていたが、本CDでは「飛ぶひと」の代りに、同アルバムから「鼻」「まさおの夢」の二曲と、PHEW、大友良英氏らとのバンド NOVO TONO のアルバムから「夢の半周」の弾き語りヴァージョンが収められている。そしてジャケがかわいい弾き語りアルバム『なぞなぞ』から「赤ん坊の眼」の再演と、ルー・リード(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)「キャンディ・セッズ」のカバー。とてもよい。
 
 
「形もない知らない場所から
束になって手紙が届いた
ひとつひとつ袋を破って
コトバの海であたりは水浸し」
 
「こんなに多くの声と交わって
だれひとりの声も知らないで
ありあわせのコトバを貼り合わせ
網の目の中へ投げすてる」

 
(「PLAYGROUND」より)
 
 
「Candy says I hate the big decisions
That cause endless revisions in my mind」

 
(「Candy Says」より)
 
 
「まさおはひとり
ひとりでうまれた
まさおはいきもの
にんげん以外の」

 
(「まさおの夢」より)
 
 
「はてしないだらしなく 疲れきった物語の
はじまりもおわりもない 無限の物語の
 
いつもいまでもいつまでも
途中にいる」

 
(「夢の半周」より)
 
 
「自分で作ったなぞなぞばかり問いている
人の眼を見て話すこともできずに」
 
「いろんなことがわかるうちに
いろんなことを忘れ」
 
「赤ん坊の眼は 犬の眼
赤ん坊の眼は 猫の眼
人の眼は 何の眼」

 
(「赤ん坊の眼」より)
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 

 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 
  

 
 
 
 
 
 
 
 
 
  

 
 
 
 
 
 

山本精一 - プレイグラウンド (2010)

二階から 他界へわたる 猫じゃらし


山本精一 - プレイグラウンド(PLAYGROUND)
P-VINE RECORDS PCD-25117 (2010)
定価2,625円
 
1.Days
2.待ち合わせ
3.PLAYGROUND
4.飛ぶひと
5.宝石の海
6.めざめのバラッド
7.日蝕
8.水
9.ふたつの木のうた
 
Seiichi Yamamoto: vocals, guitars & bass
Muneomi Senju: drums & percussion

All music and lyrics by Seiichi Yamamoto
except lyrics on track 4 by PHEW

 
 
山本精一 PLAYGROUND
 
 
山本氏のバンド羅針盤の特色となっていたキーボード&シンセがないぶん、本作は、羅針盤のように外へ広がって拡散してゆく代りに、内面に向かって沈んでいく感じがする。そのほうがよいと思う。
「飛ぶひと」は PHEW さんとのコラボ名盤『幸福のすみか』収録曲。
 
 
「どうでもいい うまくいかなくても
そんなふうに 言えたら
君が望むものを全部 僕は持ってる」
 
「できるだけ何もしたくなかった
もうここにも居られない
ただ息をしてる気配をたんに感じたいだけ」

 
(「Days」より)
 
 
「思ったより 世界は しずかだ」
 
「であいはいつも孤独
きれいな人にであい
小さな闇に気づき
その闇はしだいに深い朝へ変る」

 
(「待ち合わせ」より)
 
 
「気が付けば眠り 夢の中起きて
眼の前の小さな 影消して
楽しさに泣いて かなしみに笑い
いつもどこにも 居られなくなる」
 
「日暮れには何もしないでただ歩いてる」
 
「寝惚けたまま手紙を揃えて
返事はまたいずれそのうち」

 
(「PLAYGROUND」より)
 
 
「飛ぶひとはおちる
おちるひとはさらにおちる
さらにおちていつか沈む
沈んで沈んでやがて埋もれる
ごみにくずにかすに
泥にまみれそしてほろびる」
 
「飛ぶ人間はおちる
たとえいちど飛べたとしても」
 
「だからならばそれならば
ここでじっとしていようか
いいえそれならどうせなら
ここから誰かと逃げだそう
それから」

 
(「飛ぶひと」より)
 
 
「振り上げた手はいつも降ろされる
今日は何を失くそうか」
 
「どんなところにも名前が付いてる
俺は消えることもできない」

 
(「宝石の海」より)
 
 
「雨の日 二階の窓から
海のような光を見ている」
 
「サヨナラ 二階の窓から
サヨナラ またどこかで会おう」
 
「部屋には誰も
誰もいなくなる」

 
(「水」より)
 
 
「ここにある みんなは
いつまでも ここにあれ」

 
(「ふたつの木のうた」より)



















































































山本精一 - ラプソディア (2011)

庭先で 猫に呼ばれて めざめかな


山本精一 - ラプソディア(Rhapsodia)
P-VINE RECORDS PCD25137 (2011)
定価2,625円
 
1.BE
2.ラプソディア
3.眼がさめる前に
4.いつものうた
5.Mothlight
6.DISCORD
7.ハルモニア
 
Seiichi Yamamoto: vocals, gutiars & bass
Muneomi Senju: drums & percussion

All music and lyrics by Seiichi Yamamoto
 
 
特典CD-R Seiichi Yamamoto 『FOR SONGS』
1.虚空の屋根 (山本精一)
2.時計をとめて (詞、曲 水橋春夫 ジャックス)
3.Circle Game (Joni Mitchell)
4.野の人の野のうた (詞、曲 びっけ/Lovejoy)

 
 
山本精一 ラプソディア
 
 
羅針盤が行くところまで行って解散してしまったので、残念に思っていたところ、ソロ名義でその方向が引き継がれたのは喜ばしいことでした。本作と、前作『PLAYGROUND』は、個人的には羅針盤よりしみじみと内向的に聞けるのでありがたい。今回は全曲よいが、ハードロックの「DISCORD」がマタタビ曲でした。
世の中には、みんなが聞いているからと、流行のJ-Popかなんか聞いて違和感に苦しんでいる人も多いに違いない。そのような人にとっての明快なポップソングである本作が、まさに正当に、そのような人々の耳にまで届くことを願ってやみません。
 
 
「「最悪な気分になら いつでも会える
俺は俺でさえも きっと会えない。」」

 
(「BE」より)
 
 
「今日とあしたのスキマの 汚れた水は
何もはなさずに 淀んでいる
今日も会えなくなった 約束の場所
ずっとこのまま 思い出さない」

 
(「ラプソディア」より)
 
 
「ひとりでいるのは わりと楽しい
大きな絵の中で ときにくるまり
音がする方へ 耳をかたむけ
たずねるところはいつもあざやか
 
けれど
何かがゆれる
からだの奥で
何かがゆがむ
話をしようか
他愛もないような」

 
(「眼がさめる前に」より)
 
 
「あたりまえのことが今
あたりまえでなくなって
そんなことも今は忘れたフリをしている
もう何もはなせない
遠い 遠い ことばなんか
もう何もはなせない
何も 何も
何も」

 
(「いつものうた」より)
 
 
「人がいちばん 安らぐのは
何かひとつの ものを信じ
なんのためにも ならないこと
あたり一面 並べるとき」

 
(「Mothlight」より)
 
 
「最高からほど遠く
最低にも なれないでいる
存在する そのことだけ
そのためにだけ 生きている」
 
「あきらめる つもりだった
さしのべる 手にもふれずに
戻らないと
 
洗脳された 良い人は
気まぐれな 子供みたい
炎上する時が過ぎて
潮が引くように冷めてゆく
 
あきらめる ことはやめて
待ちのぞむ こともやめて
おとずれるものは みんな
何ひとつ ずっと 放さずに
戻さないで
 
運命なら自由自在
今までもこれからも
証明されるナゾもなく
悲しいくらい思いのまま」

 
(「DISCORD」より)
 
 
「ものを与えるひと ものを奪うひと
それぞれのグラスは
どちらも満たされない
 
ひとつのねがいも かなわない
このままどこへも 行けるはずなのに」

 
(「ハルモニア」より)
 
 
そして特典CD-Rがよかったです。弾き語りで、『プレイグラウンド アコースティック+』『なぞなぞ』っぽい感じですが、一曲目だけエレキギターが重ねてあります。

そして特典CD-Rのマタタビ曲は元アーント・サリー、現 Lovejoy の Bikke さん作詞作曲「野の人の野のうた」でした。
 
「台所で 庭先で人は 呼ばれた気がして 振り返るや」
 
個人的に、庭で草むしりかなんかしていると不意に他界した祖母が呼んでいるような気がして振り返ってしまったり、夜中にナースコールが鳴ったような気がしてとび起きたりすることが月に何度かあるという事情もありますが、元々子どものころから居るはずのないだれかに呼ばれた気がするコドモだったので、こういう詞はありがたいです。
引き出しにしまっておいて困った時に取り出して握り締める石ころのような歌に出会えるのはありがたいことです。石ころのような歌などというと貶しているようですが、世の中でお気に入りの石ころほど尊く頼りになるものはありません。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

羅針盤 - いるみ (2004)

種をまき 星を育てる ただの人


羅針盤 - いるみ
LITTLE MORE RECORDS TLCA-1012 (2004)
定価2,940円
 
1.いるみ
2.くも
3.Seeds
4.星のね
5.足りないもの
6.Souls
7.ちから
8.チャーチ
 
羅針盤
山本精一 Yamamoto Seiichi: vocal, guitar, bass
吉田正幸 Yoshida Masayuki: keyboards, synthesizer
チャイナ China: drums, percussion, glockenspiel, noise guitar (track 8)

All lyrics & music by 山本精一

 
 
羅針盤 いるみ
 
 
羅針盤のフルアルバム六枚目の本作は、淡々としたパーカッションで始まる、全体的に穏やかな、ピースフル鬱な世界観の作品。怒涛のノイズギターさえ、ジャケの色味そのままにオーガニック。
 
 
「間違いを集めて つじつまあわせばかりしてる
答えにつまったら 遠い星のはなしをしてる
子供の描いた絵が まっすぐに見えるのはきっと
世界のほとんどが 彼らのものだから
 
もう過去にも 末来にもいない
 
誰かにしてみたら どうでもいいことのようでも
誰かにしてみれば 小さな幸せにかわる
逃げ込むようにまた 二度目の眠りに落ちる
明日話がある 目覚める時は昨日だけど」
 
「不思議な夢を見た みんなで笑いながらうたい
どこまでも歩いて そのうち消えてゆく
 
もう過去にも 末来にもいない
もうここにも どこにもいない
もう嘘でも 本当でもない
もう夢でも 本当でもない」

 
(「いるみ」より)
 
 
「待ち合わせに 遅れないように
昼過ぎには 部屋を出たけれど
人に会えば 帰りたくなって
打ち合わせと 違うことばかり
 
どんな時にでも 風がはしる道を
きっとどこからか 見つけてくるから
 
何もかも受け入れて ありのままそびえてる
大きな木の根元には いくつも種が粉々になって眠る」

 
(「Seeds」より)
 
 
「闇の下にある 闇の深さ
いずれ世界は 凍えてしまう
 
夢から醒めたら また夢の中
いずれ世界は 水の中」

 
(「星のね」より)
 
 
「欠けている ことにはたぶん
大事なものが ひそんでる」
 
「本当のことなら 終わりながら 生まれてくる
大切なことだけ 何故か うまく抜け落ちてる」

 
(「足りないもの」より)
 
 
「思いはいつも どこへも届かず
今の場所から 離れたくない
今の場所から はぐれたくない」
 
「今いることだけが 確かなことのように
思い込むつもりで 生きてる」

 
(「ちから」より)
 
 
「遠く眺めて 遠く見つめて
なんとなく見えてくるもの
明らかに されなくても
まぼろしでも 信じられる
壊れそうな この星でなら」

 
(「チャーチ」より)
 
 
ベストトラックは「いるみ」「星のね」「足りないもの」「ちから」。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー

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