『プレヴェール詩集』 (嶋岡晨 訳編/世界現代詩集 XII)

「彼は書く 不幸の黒板の上に
幸福の顔を。」

(プレヴェール 「劣等生」 より)


『プレヴェール詩集』 
嶋岡晨 訳編

世界現代詩集 XII

飯塚書店
1977年5月15日 発行
187p
B6判 丸背布装上製本 機械函
定価1,300円



本書解説より:

「ジャン・ルスロが、(中略)プレヴェールを〈反抗的詩人〉の列中に分類したことは、よく彼の本質をついていると言える。そしてその〈反抗〉の性格は、ルスロの言うように、画一化反対主義(アンチ・コンフォルミスム)である。すべて民衆の善意の生活を逆の方向にコンフォルメしてくるものへの抵抗と怒りと嘲笑なのだ。(中略)それは何よりも、この詩人の人間らしい自由で平等で友愛にみちた善意の世界への卒直な信頼から出発している。その世界がくずれるとき、(例えそれが、一本の木が切り倒されるほどのことであっても)彼の怒りは、血のように溢れてくる。」


プレヴェール詩集 嶋岡晨訳 01


目次:

I 『言葉(パロール)』から
フランス国パリ市における仮面晩餐会の描写の試み(抄)
馬物語
男たちをぼくは見た……
セーヌ通り
劣等生
葬式に行くカタツムリの歌
人間的努力
あたしはあたしだよ
家族の光景
戦場で……
血のなかの歌
この愛
朝の食事
不安の鳥
鳥を捕える男の歌
鳥の肖像画をえがくには
自由地区
新体制
看守の歌
最初の日
伝達
花屋で
そして祭りはつづく
庭園

夜のパリ
花束
バルバラ
平和演説
意味ない時間
打穀機
砕かれた鏡

II 『見世物(スペクタクル)』から
戦争
仲間と笑うために
血の色
シャン・ソン
ひまわり
りっぱな生活
愛しあうこどもたち
血と羽
ときに掃除夫は……

III 『雨とひより』から
なにもかもおしまい……
わかりますか ヴェトナムの人たちよ
へんな外人たち
死者はみなおなじ人間の刻印
今ぼくは大きくなった
あなたのための歌
博物館探訪
三月の太陽
女ロボットへの恋

記憶
待ってるの
どこから来て、どこへ行くかって?
雪かき人夫のクリスマス
なにを夢みたのだ
火事だ 水だ!
たくさんの森の木が……

IV その他から
枯葉
冬・こどもたちのための歌
今日

解説(プレヴェールの「壁」) (嶋岡晨)
年譜(著作目録)



※訳者による註:

「右の「年譜」(著作目録)は、一九六二年に訳者の求めに応じて、プレヴェール自身がタイプに打ち加筆制作して送ってくれたものを、ここに、(中略)すべてほとんどそのまま訳出掲載したものであることを断っておく。」


プレヴェール詩集 嶋岡晨訳 02



◆本書より◆


「バルバラ」:

「思い出してごらん バルバラ
あの日 ブレストには雨がしきりに降っていた
おまえは微笑みながら歩いていた
濡れて咲く花のように輝いてうれしげに
雨の降るなかを歩いていた
思い出してごらん バルバラ
ブレストには雨がしきりに降っていた
シャム街でぼくはおまえとすれちがった
おまえは微笑み
ぼくもやっぱり微笑んだ
思い出してごらん バルバラ
ぼくの知らなかったおまえ
ぼくのことを知らなかったおまえ
思い出してごらん
とにかくあの日を思い出してごらん
忘れてないだろうね
ポーチの下 ひとりの男が雨宿りしていた
その男がおまえの名を呼んだ
バルバラ!
雨のなかをおまえは男の所へ馳けこんだ
濡れて咲く花のように輝いて
うれしげにそれから男の腕に抱きしめられていた
あのことを思い出してごらん バルバラ
おまえなんて言ってもとがめないでおくれ
愛するものすべてをぼくはおまえと呼ぶんだ
一度しか会ったことのない人でも
愛しあっているすべての人に おまえと呼びかけるんだ
たとえ知らない人だって
思い出してごらん バルバラ
あのおだやかでしあわせな雨は
おまえのしあわせな顔に
あのしあわせな町にふっていた
あの雨は 海の上にも
兵器庫の上にも
ウェッサンの船の上にもふっていた
おお バルバラ
なんてばかなことだ 戦争なんて
今おまえはどうしているの?
この鉄の 火の
鋼(はがね)の 血の 雨の下で
いとしげにおまえを抱きしめたあの男は
死んだのか 消息不明か それともまだ生きているのか
おお バルバラ
ブレストにはしきりに雨がふっている
むかし 降っていたように
けれどなにもかも変ってだめになっちまった
おそろしく烈しい喪(も)の雨だ
今はもうそれも 鉄の 鋼の 血の
雷雨でもない
ただの雨雲
犬のようにくたばっちまう雨雲さ
かき消えてしまう犬っころさ
ブレストの水に流されて
遠くの方でくさるんだ
ブレストの遠くの方で
なんにも残ってないブレストのずっと遠くの方で。」




プレヴェール「バルバラ」(朗読: コラ・ヴォケール)



































































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ジャック・プレヴェール 『金色の老人と喪服の時計』 (小笠原豊樹 訳)

「「これなあに」
「ここは面白くない」と父は答えた。「それより喋る晒(さら)し首を見に行こう」

(ジャック・プレヴェール 「幼い頃」 より)


ジャック・プレヴェール 
『金色の老人と喪服の時計』 
小笠原豊樹 訳


大和書房 
1977年12月25日 初版発行
214p 
四六判 角背紙装上製本 カバー 
定価1,300円
装幀: 長尾信
装画: 安野光雅

Jacques Prevert : Choses et autres (extraits), Editions Gallimard, 1972



詩人ジャック・プレヴェールの死を悼んで刊行された、独自編集のプレヴェール散文選集。
安野光雅による装画4点、地図2点。


プレヴェール 金色の老人と喪服の時計 01


帯文:

「パリの空の下 少年が行く
詩とメルヘンの出会いから生まれた魅力の作品集
生きることと愛することを謳いつづけ、5歳から100歳までの読者に愛される詩人ジャック・プレヴェールにあなたも会ってみませんか。」



カバー裏文:

「不朽の名画「天井桟敷の人々」シャンソンの名曲「枯葉」、そして何よりも詩集「ことば」の作者、プレヴェール。民衆のなかで愛と生を謳う詩人。
今世紀初頭のパリを舞台に、多感な少年と魅力溢れる両親がくりひろげる生の讃歌。自伝「幼い頃」。他に戯曲、童話も加えた本邦初の作品集。プレヴェールの作品は、ちょうど親しい友達のように微笑を浮べてあなたを待っている。」



カバーそで文:

「ジャック・プレヴェール
1900年2月4日、パリ郊外ヌーイ・シュル・セーヌに生まれる。兵役後一時シュルレアリスム運動に加わるが、のち脱退。30年から雑誌に詩を発表、一方映画のシナリオも書きはじめる。36年映画監督マルセル・カルネとの第一作「ジェニーの家」を完成。以後このコンビで数々の名作を作る。この頃シャンソンの作詞も手がけジョゼフ・コスマとともに「枯葉」など多くの名曲を世に送る。
45年パリ解放直後にガリマール社より詩集「ことば」出版。数週間で15万部を売りつくす。
その後20冊余の詩集や詩画集や童話、40本以上の映画や戯曲、50曲あまりのシャンソンをこの世に残して、1977年4月11日シェルブールの町で永眠。」



目次:

幼い頃
 一九〇六年、ヌーイ・シュル・セーヌ
 ツーロン
 パリ、一九〇七年
 ヴォジラール通り、オデオン座のそば
 リュクサンブール公園

家族揃って
出たり入ったり
驚異の名画

よくない子のためのお話
 駝鳥
 羚羊の生活より
 キリンのオペラ
 島の馬
 檻のなかの若いライオン

あとがき (訳者)



プレヴェール 金色の老人と喪服の時計 02



◆本書より◆


「あとがき」より:

「詩人ジャック・プレヴェールは一九七七年四月十一日、シェルブールの町で亡くなった。(中略)いま、この詩人の未完の自伝と戯曲三本、童話五篇を収録した本書は、訳者のささやかな追悼の行為である。
 「幼い頃」(Enfance)は最後の詩集「物その他」(Choses et autres)の巻頭を飾った作品で、訳者の知る限りでは詩人が直接的に自分の過去を語った唯一のものである。パリの「極小市民」とでもいうべきプレヴェール一家の生活の天変は、活写された両親の言動や、今世紀初めのフランスの風物をまじえて、きわめて魅力的な画面をくりひろげる。晩年の作品らしい淡彩の文章だが、プレヴェールの読者ならばこの文章の到る所に詩人の秘められた源泉を発見することができるだろう。
 三本の戯曲はいずれも皮肉で、グロテスクで、民衆芸能的な哄笑に満ち、この詩人が一九五〇年代から凝っていたコラージュ作品の世界に通じている。「家族揃って」(En famille)は詩集「見世物」(Spectacle)にあり、一九四七年に「ローズ・ルージュ」座で初演としるされている。「出たり入ったり」(Entrées et sorties)は詩集「雨とお天気」(La pluie et le beau temps)にあり、実際に上演されたか否かは不明。「驚異の名画」(Le tableau des merveilles)は詩集「見世物」にあり、セルヴァンテスの原作から自由に脚色されたこの戯曲は一九三五年、ジャン・ルイ・バロー演出によって初演された。
 五篇の童話は、一九四七年にエルサ・アンリケの絵を入れて出版された童話集「よくない子のためのお話」(Contes pour enfants pas sages)から選んだ。
 本書の表題「金色の老人と喪服の時計」は詩集「ことば」(Paroles)のなかの有名な詩「行列」(Cortège)の第一行である。
 「霧の波止場」の朝まだき、盗み酒専門の浮浪者の老人は冷たい水で顔を洗いながら、「この朝面(つら)を洗うってことぐらい気持のいいものはほかにちょっとないな」と述懐する。「天井桟敷の人々」でアルレッティの扮した「真理の女神」は鬱屈したパントマイム役者の手をとりながら、「恋って簡単なものよ」と囁く。「ノートルダムのせむし男」のジプシー女エスメラルダは、逮捕され、拷問にかけられ、絞首刑を宣告され、流れ矢にあたって息をひきとるとき、「人生は美しい」と呟く。
 訳者がプレヴェールから学んだのは、要するに右の三つのせりふに含まれる何ものかであった。それらのせりふを口にする資格があるのは「反抗的人間」のみであり、そのような人種はプレヴェールの詩や映画のなかで、つねに平凡な装いで立ち現れるのだった。詩人自身が平凡な装いで到る所に遍在し、神の姿はどこにもなく、ただ生だけがあった。「反抗的人間」というものを、この詩人はカミュよりもやさしく生き生きと教えてくれた。
 現在と未来のプレヴェールの愛読者に、この本が届きますように!」



「羚羊の生活より」:

「アフリカには羚羊(かもしか)がたくさんいる。羚羊というのは走るのがとても速い、かわいい動物だ。
 アフリカの住民は黒い人たちだが、ほかに白い人たちもいる。白い人たちは行きずりの人たちで、商売をするためにアフリカへ来たのだが、黒い人たちに手を貸してもらわなければならない。でも、黒い人たちは、道路や鉄道を作るより、踊りのほうが好きだ。なぜかというと、道路や鉄道を作るのはとても辛い仕事で、そのために黒い人たちはよく死んだりするのだから。
 白い人たちが来ると、黒い人たちは逃げる。白い人たちは投縄でもって黒い人たちを掴まえる。掴まった黒い人たちは、しかたがないから、鉄道や道路を作る。白い人たちは、そういう黒い人たちのことを「自発的な労働者」なんて呼んでいる。
 遠くまで逃げたり、投縄が短かすぎたり、足が速すぎたりして、掴まらなかった黒い人たちは、鉄砲で撃たれる。そういうとき、流れ弾が、山で眠っていた可哀想な羚羊を殺したりする。
 羚羊が死ぬと、白い人たちは喜ぶし、黒い人たちも喜ぶ。なぜかというと、ふだん黒い人たちはとても栄養がわるいからだ。みんな「羚羊を仕止めたよう」と叫びながら、村へ下りて行く。
 そしてにぎやかな音楽が始まる。
 黒い人たちは太鼓を叩き、大きな焚火をたく。白い人たちは、黒い人たちの踊りを見物し、翌日、友だちに手紙を書く。「ゆうべのタムタムはほんとにすばらしかった!」
 山の高い所では、羚羊の両親や友だちみんなが、無言で顔を見つめ合っている……何かが起こったらしい……それは感じでわかるのだ……
 ……日が沈み、どの羚羊も、ほかの羚羊を心配させたくないから、声には出さずに、心のなかで呟いている。「一体どこへ行っちゃったんだろう。九時には帰ると言ったのに……晩ごはんは家(うち)でたべると言ったのに!」
 一頭の羚羊が岩の上から、遠くの谷間の村をじっと眺める。とても小さな村なのに、あかあかとして、唄や叫び声や……かがり火や……
 人間たちが、かがり火を焚くのはどういうことなのか、その羚羊は知っていた。そこで岩から下りて、仲間のところへ戻って来て言う。
 「もう待っても無駄だよ。そろそろ晩ごはんにしよう……」
 羚羊たちはみんな食卓にむかうけれども、だれも食欲がない。とても悲しい晩ごはんだ。」



プレヴェール 金色の老人と喪服の時計 03









































































ジャック・プレヴェール 『想像力の散歩』 粟津則雄 訳 (叢書 創造の小径)

「大人(おとな)はおのれの無知を愚鈍化する。 アンリ・ミショー」


ジャック・プレヴェール 
『想像力の散歩』 
粟津則雄 訳

叢書 創造の小径

新潮社 
1977年9月30日 発行
1978年8月20日 2刷
127p 
22×17cm 
丸背布装上製本 貼函 函カバー 
定価4,640円



本書「訳者あとがき」より:

「本書は、叢書《創造の小径》双書の一冊として刊行された、ジャック・プレヴェールの《Imaginaires》(一九七〇)の全訳である。原題は、そのまま訳せば「想像的なもの」というほどの意味だが、もう少しくだいた訳名にして欲しいという出版社側の意向を容れ、内容を踏まえて「想像力の散歩」とした。」


詩人プレヴェールの詩画集。自作コラージュ26点と中世絵画2点(作者不詳の細密画とジャン・フーケの聖母子像)がカラー図版で掲載されています。


プレヴェール 想像力の散歩 01


函カバー裏文:

「不朽の名画“天井桟敷の人々”や名詩“枯葉”で知られるインテリ嫌いの異色詩人が、駄洒落や落書、自作コラージュの曲芸や警句の魔術で展開する想像力の冒険」


目次:

小径(サンチエ)
創造(クレアシヨン)
創造(クレアシヨン)の神学校へ通じる小径での対話
十字架の道だろうが……
彼女は言っていた
有名人
創造の諸活動について
或る手紙
欠落
絵(イマージュ)に見られるような……
あなたがたは御存知だろうか、あの恋歌を……
ボリス・ヴィアンに……
当惑
前駆症状的落書
一九六九年
白禍(ペリル・ブラン)
現実について
時の絵
瓜二つの人間たちには……
芸術談議
生物神学
大人はおのれの無知を……
神々は、つねに……
あそこをかくす葡萄の葉
観念という領地に住まう田舎紳士たちは……
実行(パフォーマンス)
燕が一羽訪れたからといって……
公共遊戯行為省
月蝕
或る漫画(カリカチュール)の本が……
本気違い
パタフィジックな対話……
ミサ・メディア
考えても見給え――
バチルス
ミサイル
海の鉄床(かなしき)
ミサ典書
ロック・アウト
テレパシー電話
『千夜一夜物語』のイメージと……
森の外れで……
一頭の牝牛が……
赤ん坊というカメラ
汚れのない人間が……
何世紀も前から……
人喰い鬼
夜、家が退屈すると……
幼い頃
聖(セイント)映画
エロチスムに異議申し立てをする救世軍士官
美の三女神
美女と野杖
鬼決め唄
手紙(ミッシヴ)
美術館
如何なるイメージも……
サトゥルヌスの環
目糞鼻糞(テール・ア・テール)
砂漠に住む連中にせよ……
猫的
女は……
吉凶
ルーヴル美術館で
非具象的(ノン・フィギュラティフ)な風景(ペイサージュ)の前に……
限りなく優しき魔女……
コラージュ
コラージュのイメージ博士、マックスエルンスト
しかしながら
迷信の動物誌には……
オール・カラーで
あなたがたは御存知だろうか……

図版目録
 三十六番目の蠟燭 (箱カヴァー)
 世界の創造 
 椎骨的で脊椎前部的なイメージ
 創造の諸活動について
 ボリス・ヴィアンに
 当惑
 白禍
 神々は、つねに続き漫画の主人公であった
 公共遊戯行為省
 パタフィジックな対話
 海の鉄床
 テレパシー電話
 聖なる心臓
 愛に溺れた心臓(作者不詳。彩色画、一四六四年頃)
 愚弄された心臓
 エロチスムに異議申し立てをする救世軍士官
 美の三女神
 美女と野杖
 聖母子像(ジャン・フーケ(一四一五頃―七七頃)。彩色画)
 サトゥルヌスの環
 目糞鼻糞
 猫的その一
 猫的その二
 猫的その三
 吉凶
 限りなく優しき魔女ニコチンのために建てられた記念碑
 しかしながら
 迷信の動物誌

訳注
訳者あとがき



プレヴェール 想像力の散歩 08

「世界の創造」。



◆本書より◆


プレヴェール 想像力の散歩 02


「公共遊戯行為省

 第一条
 子供は契約書を所有しておらず、自らの出生証明書に署名してもいない。彼には、早晩「自らに与えられている」年齢を拒否し、別の年齢を選び、自らの望むところに従って変えたり、好きなだけ保持したりする自由がある。」



プレヴェール 想像力の散歩 03

「テレパシー電話」。


プレヴェール 想像力の散歩 04

「愛に溺れた心臓」(作者不詳)。


プレヴェール 想像力の散歩 05

「美女と野杖」。

原文「美女とバット(la belle et la batte)」は、「美女と野獣(la belle et la bête)」のだじゃれです。


プレヴェール 想像力の散歩 06


「吉凶

――それで私が大きくなったら、と女の子が言った。
――あんたはいつまでも子供のままさ、と猫が言った。
――じゃあ私はこびと(ネーヌ)になるのね、と女の子は心配そうに言った。
――そうじゃないさ、と猫は言った。あんたは女王(レーヌ)になるんだよ。あんたの夢の女王にね、子供のままで、大人の女になるんだよ。
――きれいな人になるんだわ、と女の子は言った。
――そういうわけだ、と猫は言った。
―私を喜ばせるためにそんなことを言ってるのね、と女の子は言った。
――そうじゃないさ、と猫は言った。でも、さっきのことは、あんたのためになることだよ。
――猫さん、どうもありがとう、来年また来るわ、と女の子は言った。
――来年だって! ご覧、ごく簡単なことさ、あんたも末来を予言しているのさ、と猫は言った。」



プレヴェール 想像力の散歩 07

「しかしながら」。



本書は、仏スキラ社刊「創造の小径(Les sentiers de la création)」双書の日本語版で、シリーズ内容は:

パブロ・ピカソ 『イカロスの墜落』 岡本太郎訳
ロラン・バルト 『表徴の帝国』 宗左近訳
ミシェル・ビュトール 『絵画のなかの言葉』 清水徹訳
ル・クレジオ 『悪魔祓い』 高山鉄男訳
ガエタン・ピコン 『素晴しき時の震え』 粟津則雄訳
ルイ・アラゴン 『冒頭の一句または小説の誕生』 渡辺広士訳
スタロバンスキー 『道化のような芸術家の肖像』 大岡信訳
ロジェ・カイヨワ 『石が書く』 岡谷公二訳
クロード・シモン 『盲いたるオリオン』 平岡篤頼訳
エルザ・トリオレ 『ことばの森の狩人』 田村俶訳
イヨネスコ 『発見』 大久保輝臣訳
アレシンスキー 『自在の輪』 出口裕弘訳
マンディアルグ 『ボナ わが愛と絵画』 生田耕作訳
アストゥリアス 『マヤの三つの太陽』 岸本静江訳
アンドレ・マッソン 『世界の記憶』 東野芳明訳
オクタビオ・パス 『大いなる文法学者の猿』 清水憲男訳
レヴィ=ストロース 『仮面の道』 山口昌男・渡辺守章訳
プレヴェール 『想像力の散歩』 粟津則雄訳

となっています。このうち、ロラン・バルトの『表徴の帝国』はちくま学芸文庫から、ル・クレジオの『悪魔祓い』は岩波文庫から、それぞれ再刊されています。




























プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー

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