ジュール・ルナール 『にんじん』 いろいろ

にんじんいろいろ。

にんじん1


"Dans les batailles à coups de boules de neige, Poil de Carotte forme à lui seul un camp. Il est redoutable, et sa réputation s’étend au loin parce qu’il met des pierres dans les boules.
Il vise à la tête : c’est plus court.
Quand il gèle et que les autres glissent, il s’organise une petite glissoire, à part, à côté de la glace, sur l’herbe.
À saut de mouton, il préfère rester dessous, une fois pour toutes.
Aux barres, il se laisse prendre tant qu’on veut, insoucieux de sa liberté.
Et à cache-cache, il se cache si bien qu’on l’oublie."



「雪合戦をすると、にんじんはたつた一人で一方の陣を承はる。彼は猛烈だ。で、その評判は遠くまで及んでゐるが、それは彼が雪の中へ石ころを入れるからである。
彼は、頭を狙(ねら)ふ。これなら、勝負は早い。
氷が張つて、ほかのものが氷滑(こほりすべ)りをしてゐると、彼は彼で、氷の張つてない草の上へ、別に小さな滑り場をこしらへる。
天狗跳(てんぐと)びをすると、彼は、徹頭徹尾(てっとうてつび)、台になつてゐる方がいゝと云ふ。
人捕(ひとと)りの時は、自由などに未練はなく、いくらでも捕まへさせる。
そして、隠れんぼでは、あんまり巧く隠れて、みんなが彼のことを忘れてしまふ。」
(岸田国士訳)



「雪合戦のとき、にんじんは、たったひとりで、一方に陣取る。相手にとっては恐ろしい敵だ。彼のうわさは遠くまで鳴りひびいている。なにしろ、雪に石を入れて投げるのだから。
いつも頭をねらう。この方が勝負(しょうぶ)が早い。
氷(こおり)が張って、ほかの子供たちが氷すべりをしていても、つむじ曲りのにんじんは、みんなから離れて、氷のそばの草の上に小さなすべり場所をこしらえる。
馬とびのときには、いつも自分は台になるんだと言ってきかない。
人取り遊びのときには、いくらでもつかまってやる。自由などにさらさら未練(みれん)はない。
また隠れんぼのときには、あんまりじょうずに隠れるので、忘れられてしまう。」
(辻昶訳)



「雪合戦(ゆきがっせん)をするときには、にんじんが、ただ一人で、一方に陣どる。かれを相手にすることは恐ろしい。かれの評判は遠くにまで拡(ひろ)がっている。というのは、かれは、雪だまのなかに石を入れるからである。
かれは、頭にねらいをつける。こうすれば、勝負は早くつく。
氷が張り、ほかの連中が滑(すべ)っていると、かれは、別に、氷のそばの草の上に、小さな滑り場所をつくる。
馬跳びをすれば、かれは、どんなことがあっても、台になっていることを好む。
人取り遊びのときには、自由などにはおかまいなく、みんなの思いどおりにつかまってやる。
そして、隠れんぼのときは、あんまりじょうずに隠れてしまうので、みんなに忘れられてしまう。」
(窪田般彌訳)



Jules Renard : Poil de Carotte
Illustrations de F. Vallotton


Flammarion, Paris, 1946
359p, 19x13cm, paperback



にんじん2


Tables des matieres:

Les Poules/Les Perdrix/C'est le chien/Le Cauchemar/Sauf votre respect/Le Pot/Les Lapins/La Pioche/La Carabine/La Taupe/La Luzerne/La Timbale/La Mie de pain/La Trompette/La Mèche/Le Bain/Honorine/La Marmite/Réticence/Agathe/Le Programme/L'Aveugle/Le Jour de l'An/Aller et retour/Le Porte-plume/Les Joues rouges/Les Poux/Comme Brutus/Lettres choisies de Poil de Carotte à M. Lepic et quelques réponses de M. Lepic à Poil de Carotte/Le Toiton/Le Chat/Les Moutons/Parrain/La Fontaine/Les Prunes/Mathilde/Le Coffre-fort/Les Tetards/Coup de théâtre/En chasse/La Mouche/La Première Bécasse/L'Hameçon/La Pièce d'argent/Les Idées personnelles/La Tempête de feuilles/La Révolte/Le Mot de la fin/L'ALBUM DE POIL DE CAROTTE



にんじん3


にんじん9


ルナアル 作/岸田国士 訳
『にんじん』


岩波文庫 4070-4072/赤119
岩波書店 昭和25年4月1日第1刷発行/昭和43年11月10日第26刷発行
320p 並装 定価★★★
挿絵: ヴァロトン



にんじん5


帯文:

「怒りっぽい母親とエゴイストの父親の間に育ったひねくれ者のにんじん、鋭い観察と軽いユーモアの中に愛と詩情をたたえた名篇。」


目次:

鷄/鷓鴣(しゃこ)/犬/悪夢/尾籠(びろう)ながら/壺/兎/鶴嘴(つるはし)/猟銃/土龍(もぐら)/苜蓿(うまごやし)/湯呑/麺麭(パン)のかけら/喇叭(ラッパ)/髪の毛/水浴び/オノリイヌ/鍋/知らん顔/アガアト/日課/盲人(めくら)/元日/行きと帰り/ペン/赤い頬(ほっ)ぺた/虱(しらみ)/プルタスの如く/にんじんよりルピック氏への書簡一束 並にルピック氏よりにんじんへの返事若干/小屋/猫/羊/名づけ親/泉/李(すもゝ)/マチルド/金庫/おたまじやくし/大事出来(だいじしゅったい)/猟にて/蠅(はへ)/最初の鴫(しぎ)/釣針/銀貨/自分の意見/木の葉の嵐/叛旗(はんき)/終局の言葉/にんじんのアルバム
「にんじん」とルナアルについて(岸田国士)



ルナール 『にんじん』
辻昶(つじ・とおる) 訳


旺文社文庫 509-1
旺文社 1966年7月1日初版発行/1980年重版発行
272p 並装 カバー 定価250円
挿絵: F・ヴァロトン



にんじん7


カバーそで文:

「「意地悪女め! さあ、これで完全無欠の意地悪女だ。おまえなんか大きらいだ」赤毛でそばかすだらけの少年「にんじん」は実の母親に向かってこう吐きすてる。まま子同然の扱いを受けながら、それに反抗し、自我を不器用に主張し続ける少年の生活の中に、子供の真実をあますところなく描いた名作。」


目次:

めんどり/しゃこ/犬/いやな夢/きたない話で恐縮(きょうしゅく)ですが/尿瓶(しびん)/うさぎ/つるはし/猟銃(りょうじゅう)/もぐら/うまごやし/コップ/パンの中身/らっぱ/髪(かみ)の束(たば)/水浴(すいよく)/オノリーヌ/鍋(なべ)/言わなかったこと/アガト/予定表/めくら/元日/休暇(きゅうか)の際(さい)の行き帰り/ペン軸(じく)/赤いほっぺた/しらみ/ブルートゥスのように/にんじんからルピック氏への手紙より 付 ルピック氏からにんじんへの返事/小屋/ねこ/羊(ひつじ)/名づけ親/泉(いずみ)/プラム/マチルド/金庫/おたまじゃくし/どんでん返し/狩り/はえ/最初のやましぎ/つり針/銀貨/自分の考え/葉っぱの嵐(あらし)/反抗/締めくくり/にんじんのアルバム
解説(人と文学/作品解説/作品鑑賞)(辻昶)
『にんじん』の悲劇 (大浜英子)
代表作品解題/参考文献/年譜/あとがき(辻昶)



にんじん8


ジュール・ルナール 『にんじん』
窪田般彌 訳


角川文庫 2170
角川書店 昭和37年7月15日初版発行/昭和57年3月30日40版発行
250p 並装 カバー 定価260円
カバー: 門田ヒロ嗣



にんじん6


カバーそで文:

「「にんじん」は実の母親から憎まれいじめられる子供の孤独と反抗であるという固定観念がある。しかし、母親は決して「にんじん」を憎んでおらず、「にんじん」もまた母親を憎んではいない。反対に強く愛しているあまりに母親からの反応がないことに悩み傷つく少年の姿としてみるのが妥当であろう。」


目次:

にんじん(めんどり/しゃこ/犬/いやな夢/失礼ながら/尿瓶(しびん)/うさぎ/鶴嘴(つるはし)/猟銃/もぐら/うまごやし/湯飲み/パンきれ/ラッパ/髪たば/水浴/オノリーヌ/鍋(なべ)/故意の沈黙/アガト/プログラム/盲人/元旦(がんたん)/往き帰り/ペン/赤い頬(ほお)/しらみ/ブルータスのように/にんじんからルピック氏への書簡選 付 ルピック氏よりにんじんへの返事数通/小屋/ねこ/ひつじ/名づけ親/泉/すもも/マチルド/金庫/おたまじゃくし/思わぬ事件/狩りにて/蠅(はえ)/最初の山しぎ/釣ばり/銀貨/自分の考え/木の葉の嵐(あらし)/反抗/終りのことば
にんじんのアルバム
「にんじん」の秘密(宗左近)



にんじん4


































































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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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