リンド・ウォード  『狂人の太鼓』

リンド・ウォード 
『狂人の太鼓』


国書刊行会 
2001年10月10日 初版第1刷 
ノンブル表記なし(262p) 
20.5×15cm 
丸背紙装上製本 カバー 
定価2,000円+税

栞(リンド・ウォード 狂人の太鼓について):
リンド・ウォードの最高傑作(牧眞司)



リンド・ウォード Lynd Ward (1905―1985) はアメリカのイラストレーターで、メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』の挿絵でおなじみです。本書(Mad Man's Drum)は1930年刊。木版画の連続からストーリーを読み取る、文字のない小説(グラフィック・ノヴェル graphic novel)で、同様の作品はベルギーのフランス・マセレール Frans Masereel (1889―1972) やドイツのオットー・ニュッケル Otto Nückel (1888―1955) らによって1920年代から1930年代にかけて作られました。それらは総じてアール・デコ/表現主義的傾向にありますが、ほぼ同時期にシュルレアリストのマックス・エルンストが作成したコラージュ・ロマンも、そうした流れと無関係ではないと思われます。それらのうち代表的なものは現在でも洋書ペーパーバックで入手可能ですが、不安定な時代相にふさわしく暗鬱で絶望的な内容のものが多いです。


ウォード 狂人の太鼓 01


帯文:

「文字のない小説
奴隷商人がアフリカから持ち帰った太鼓は何をもたらしたのか。書物に埋もれた生活を送る男を次々に見舞う恐るべき死と災厄。グロテスクな想像力にあふれた120枚の木版画で綴る運命奇譚。」



カバーそで文:

「奴隷商人の父親がアフリカから持ち帰った太鼓は、一家に何をもたらしたのか。父の教えを守り、書物に埋もれた学究生活を続ける男とその家族を次々に見舞う恐るべき死と災厄。グロテスクな想像力にあふれた120枚の木版画で語られるこの「小説」には、文字が一切存在しない。読者は絵を1枚ずつ丹念に読み解くことによって、〈知〉に憑かれた主人公に下された過酷な運命を、ひとつひとつ辿っていくことになる。強烈な明暗対比と鋭い描線で読書界に衝撃を与えた特異な天才画家ウォードの〈文字のない小説〉。」


帯裏:

「聴け、太鼓の響きを
リンド・ウォード!その名の魔術的響き。祈りにも似た営為から産みだされた文字のない小説の圧倒的迫力は、まことに類例のないものである。言葉という限界を取り払った故に成ったこの豊で饒舌な物語の前では、我々はただ黙し、驚嘆し、瞠目するしかない。そして条理も愛も美も越えて、彼方から渉ってくるものにただ耳を澄ますのだ。聴け。存在の際から立ち昇る狂人の太鼓の響きを。
――西崎憲」



ウォード 狂人の太鼓 02


集中線を効果的に使用したダイナミックな表現。

 
ウォード 狂人の太鼓 03


ムンクを思わせる構図。
























































































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スズキコージ 『大千世界の生き物たち』

スズキコージ 
『大千世界の生き物たち』


架空社 
1994年5月 初刷
2004年10月 5刷
全156p 
17.5×17.5cm 角背紙装上製本 カバー 
定価1,900円+税



本書「あとがき」より:

「このたび、奇跡的に架空社からこの本が復活する事となり、大変喜ばしい事である。
 すでに絶版になっていた「大千世界のなかまたち」(福音館)の更に初期の形、月刊誌「子どもの館」(福音館)に長期連載されていた「大千世界の生き物たち」を、ほぼ当時の絵と原文のままで、堂々新登場となったわけである。」



スズキコージ 大千世界の生き物たち 01


うちの本棚での本書の定位置はボルヘス『幻獣辞典』(挿絵は「鈴木康司」こと本書の著者スズキコージ氏)とエドワード・ゴーリー『まったき動物園』の間なのだが、時々行方不明になって、いくら探しても出てこなくなることがある。諦めていると、いつの間にか元の場所に戻っているのだが、そういう時には、中を開けると見たこともない東欧あるいはインドネシア風の文字が印刷されたお菓子の包み紙が挟まったりしているので謎である。


本書に登場する生き物たち:

ゼレファンタンケル
ムーン・ドッグン
フミキリン
ケズリイ
フンドーン
ビソス
カカシャ
ブマ
ヒノミヤグラン
ヤジウマン
ツララン
ザランス・ファッター
ボヤンコ
ミンゴール
シッポロバン
スッパラガス
イタダキイ
ツギハギイ
テレフォネン
ベンチィ
マワリル
ネンドン
カゲル
ガイトール
ペントロンザ
マンホールマン
ガイコツン
スモーケル
トーセンボウ
タダノリン
メトロウメン
ノンバスティ
ランドセルン
ラッパア
ナンモーン
コーカンマン
マザー・パチコ
ボルボル
モーハツジュー
ドラガン
マスカン
フィッグ
メラルザイルン
ベーロ
セントロン
ギタン
ビトウス
スルーン
ネストン
ジャーン
ワイゾル
キャメラッド
トンブレラン
ヒヤケドン
タコール
ウミウマン
エリンバトラ
ポンプン・フェックス
モノホシザウルス
マドリアス
ダンボーン
サカダチン
ダイコーン
フトノトフ
カガミル
コトコトン
フリコウ
スキママン
ブラッキン
センリョール
ブッタ



スズキコージ 大千世界の生き物たち 02


「この本のカバーそで部分の写真は作者自身が、大千世界の生き物に変身した際のものである。」



◆本書より◆


「はじめに」より:

「ぼくは子どものころから、自分のまわりに、人間ではない何かの生き物の気配を感じることがあって、(中略)知らんぷりしていると、ちゃんと姿をあらわしてくれるのだった。」
「いずれにせよ、ふだん目には見えないだけで、この大千(だいせん)世界には、なんと多くの生き物たちがいっしょに生きて暮らしていることか。」



スズキコージ 大千世界の生き物たち 03


「ザランス・ファッター ZARANCE-FATTAR」より:

「大千世界の巨人族の中では小型の種族なのだが、人間から見ると、とてつもなく大きく、自動車の蒐集癖がある怪物。
 人間の目には見えなくて、うっすら、うす紫色の影がさす程度で、ビルの屋上などに乗って、大きな目で、えものをじっと見つめている。これぞという車に目をつけると、鼻の穴から超音波を発して、吸いとり、巨大な服のポケットにしまいこむ。乗っていた人間は、急に車がなくなってしまうので、あわてふためくが、ザランス・ファッターの超音波で車を運転する能力が失くなり、まったく車に興味を失くしてしまうので、スキップなどしながら、道路を走っていってしまう。」




















































稲垣足穂・文/たむらしげる・絵 『一千一秒物語』

文: 稲垣足穂
絵: たむらしげる 
『一千一秒物語』


リブロポート 
1994年4月12日 第1刷発行
63p 
19.5×24cm 角背紙装上製本 カバー 
定価2,060円(本体2,000円)
企画・デザイン: 羽鳥一希



カラーイラスト19点。


たむらしげる 一千一秒物語 01


目次:
 
月から出た人
星をひろった話
投石事件
流星と格闘した話
ハーモニカを盗まれた話
ある夜倉庫のかげで聞いた話
月とシガレット
お月様とけんかした話
A MEMORY
A PUZZLE
A CHILDREN'S SONG
月光鬼語
ある晩の出来事
IT'S NOTHING ELSE
SOMETHING BLACK
黒猫のしっぽを切った話
突きとばされた話
はねとばされた話
押し出された話
キスした人
霧にだまされた話
ポケットの中の月
なげいて帰った者
雨を射ち止めた話
月光密造者
箒星を獲りに行った話
星を食べた話
AN INCIDENT IN THE CONCERT
TOUR DU CHAT-NOIR
星? 花火?
ガス燈とつかみ合いをした話
自分を落してしまった話
星でパンをこしらえた話
星におそわれた話
はたして月へ行けたか?
水道へ突き落された話
月をあげる人
THE MOONMAN
ココアのいたずら
電燈の下をへんなものが通った話
月のサーカス
THE MOONRIDERS
煙突から投げこまれた話
A TWILIGHT EPISODE
黒猫を射ち落した話
コーモリの家
散歩前
THE BLACK COMET CLUB
友だちがお月様に変った話
見てきたようなことを云う人
AN INCIDENT AT A STREET CORNER
A HOLD UP
銀河からの手紙
THE WEDDING CEREMONY
自分によく似た人
真夜中の訪問者
ニュウヨークから帰ってきた人の話
月の客人
どうして酔よりさめたか?
A ROC ON A PAVEMENT
黒い箱
月夜のプロージット
赤鉛筆の由来
土星が三つ出来た話
お月様をたべた話
お月様が三角になった話
星と無頼漢
はたしてビールびんの中に箒星がはいっていたか?
どうして彼は喫煙家になったか?
A MOONSHINE



たむらしげる 一千一秒物語 02


たむらしげる 一千一秒物語 03




















































































プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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