アンリ・ダヴァンソン 『トゥルバドゥール』 新倉俊一 訳 (筑摩叢書)

アンリ・ダヴァンソン 
『トゥルバドゥール
― 幻想の愛』 
新倉俊一 訳
 
筑摩叢書 198 

筑摩書房 
1972年12月20日 初版第1刷発行
1985年5月30日 初版第3刷発行
286p 口絵(モノクロ)16p 
目次3p 文献・註・索引xxix 
巻末折込地図1葉
四六判 並装 カバー
定価1,600円
装幀: 原弘



本書「訳者あとがき」より:

「本書は Henri davenson, Les troubadours, Coll. 《Le Temps qui court》, 23, Ed. du Seuil 1961 の翻訳である。但し、訳稿完成後の一九七一年秋に、本名の Henri-Irenee Marrou の名で改訂増補版が出たので、著者の諒承のもとに、改訂増補された部分については、校正の段階で必要な手直しをほどこしてある。」


口絵図版32点、巻末地図3点。


ダヴァンソン トゥルバドゥール


目次:

告白
〔「言葉のロマンチックな意味で……〕
ジョングルールとトゥルバドゥール
十二世紀のルネサンス
この封建の世紀……
宮廷風の生活
トゥルバドゥールの詩
〔読者へのすすめ〕
トゥルバドゥールの音楽
愛、この十二世紀の発明
アラブ仮説
アンダルシヤの「ザジャル」からアキテーヌの「ヴェルスス」へ
「起源」に関する謎
トゥルバドゥールとカタール派
宮廷風恋愛
トゥルバドゥールとキリスト教
この愛の挫折
トゥルバドゥールの影響

訳者あとがき

参考文献
原註・出典指示
解説索引

口絵
地図




◆本書より◆


「始めるに当って、正規の概念を蔑ろにした言葉の使い方を、注意深く避けることにしたい。「トゥルバドゥール」 troubadour と「ジョングルール」 jongleur の両者を区別することを知らねばならぬ。厳密な意味では(中略)、前者と後者の関係は対照的であって、作者と演奏家のそれであった。すなわち、トゥルバドゥールとは、作者、作曲家であり、一方ジョングルールは、作者が《trobar, trouver》〔作詞作曲する〕したものを演じるのである。旅廻りの、しばしば貧窮の芸人という紋切り型のイメージが、まだしも当てはまるのはジョングルール――joglar, joglador――のほうである。「メネストレル」 ménestrel (このような概念範疇では、この語は本来的に北フランスに属する)について言えば、これは宮廷ないし領主に侍って「奉仕」 ministerium する、安定した任務を得たジョングルールのことである。歌手としての才能は、ジョングルール(及びジョングルレス〔女芸人〕)が行使した、多種多様の職務の一つに過ぎなかった。ラテン語無言劇(ミーム)の直系の後継者たる彼らは、何でもござれの語り手、おそらく楽士でもあったろうが、同時に香具師、曲芸師、離れ業や力業の使い手、人形使い、芸を覚えた動物使い(中略)でもあった。それはローマの原型と同じく、善男善女から、先ずは公教会関係者から貶められ、辱しめられた職業――各身分に固有の罪過を列挙するに当り、皇帝や王侯から始めて、貴族、騎士等々と、階層秩序を順に下っていった告誡聴問僧の手引書によって判断する限り、これは最下級の職業であった。」
「おそらく、二つの概念の間にあった境界線は、越えることのできないものではなかった。シェイクスピア一座以来、我々は多くの俳優が、彼等の役割と劇作家としての役割を兼ねてきたのを見ているからだ。同様に、ジョングルールの何人かは、詩的創造の分野における才能に恵まれていたため、トゥルバドゥールの中に――それも時には最も高名なものの中に数えられたのであった。(中略)その逆に、トゥルバドゥールが、時には、自ら自作の詩を歌う羽目になったこともあるが、これは、諷刺詩の言い分を信ずるならば、必ずしも余り成功したわけではなかった。」





こちらもご参照下さい:

『フランス中世文学集 1 信仰と愛と』 新倉・神沢・天沢 訳





























































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新倉俊一 『ヨーロッパ中世人の世界』

新倉俊一 
『ヨーロッパ中世人の世界』


筑摩書房 
1983年11月30日 初版第1刷発行
345p 口絵(モノクロ)4p
四六判 角背紙装上製本 カバー
定価2,400円



本書「あとがき」より:

「要するに、自閉と突出という二極分解は――中世人もまた、別の意味で、魂の二極分解の常習者であった――、私の業(ごう)と言うべきものである。」


新倉俊一 ヨーロッパ中世人の世界 01


帯文:

「愛は十二世紀の発明である。(セニョーボス)
「トリスタンとイズー」「ローランの歌」中世の恋愛詩にあらわれた中世人たちの愛と死と夢の世界を写本研究の成果をふまえて、生き生きと描く文学エッセイ。」



帯背:

「中世文学への誘い」


目次:


中世の知識人 アベラールとその後裔たち
中世人と死
中世人と夢
中世人の法意識
中世の「近親相姦」伝承


愛、十二世紀の発明
司祭アンドレの『恋愛術』
モロワの森の恋人たち


ファブリオ、コント、ノヴェレ
ファブリオの世界
悪女伝『リシュー』
トルバドゥール芸術とアラビヤ文化


或る写本の話
海の星 Stella Maris
硯乎硯乎(けんやけんや)、與瓦礫異(がれきとことなり)

あとがき



新倉俊一 ヨーロッパ中世人の世界 02



◆本書より◆


「中世の知識人 アベラールとその後裔たち」より:

「窮乏の度合は、実学ならざる文芸の道にいそしんだ者において著しい。実学(法律学・教会法学)のほうは、王権による中央集権化が進み、一方、公教会制度の整備が進行するにつれて、むしろこれを修めた実務家の需要が増えたくらいであった。アベラールの時代には、専門家たることと学問への内的希求が調和していて、専門知識が広い意味での教養の一環として捉えられ、如何に生きるかとの命題と不可分の関係にあったわけだが、専門分化が進むにつれて、悪しき意味での技術優先、実学尊重の傾向が顕著となって来た。すでに十二世紀の中葉、アベラールの愛弟子の一人マイネリウスは、学生を前にして、「法学が文芸の学を殺す、悲しむべき日が来るだろう」と予言したと伝えられるが、実用 utilitas 重視の気風は、正にその予言どおりに蔓延していったのである。」

「就職の道をふさがれた彼らは、生産手段を持ち合わせぬ以上、都市を食いつめて放浪の旅に出るほかはなかった。」

「これらの、いわば挫折したグループのほかに、自らの意志で(というより性格的に)、一定の秩序・規律に拘束されることを嫌う連中、リベルタン libertins とでも名付けるべき連中がいたことを、指摘しなければならない。
 第一節で引用した「本性を抑えるのはいかに難きことか」を、改めて想起してみる必要がある。もとより、この種の本能は、また、その誘惑に抗し難い人間の存在は、いつの時代にもあることで、この時代の特産ではありえない。しかしながら、中世において、公教会がかなりその抑圧に成功していた世界に、突如その禁圧が及ばなくなったような、或はその禁圧に反抗するグループが出現したかの如き現象に、われわれは立ち会うのである。」
「ほとんど異教的な肉体の讃美、ウェヌスの力に対する屈服と礼賛、バッカスへの共感と陶酔、賭博と無頼の肯定――ベネディクト・ボイエルン修道院所蔵の十三世紀写本の名を高からしめたものは、まさにこれらの詩篇であった。」
「彼らリベルタンには、既成の権威・戒律に敬意や畏怖の念を抱かぬどころか、のみならず、そのようなものを愚弄することを以て快しとするようなところが見える。このような性向は、公教会の権威者ないし特権者――教皇、教皇庁の高僧、司教、修道院長や修道僧――を攻撃する詩に、ことに明瞭にあらわれる。」
「彼らは自律集団を形成するよりは、むしろ、もっと安易な方法をとった。すなわち、〈旅芸人〉 joculatores, jongleurs の一員となることである。一口に〈旅芸人(ジョングルール)〉と言っても、これには様々な種類がある。剣使い、猛獣使い、アクロバット演技者、物真似、手品師等の類いから、文学のレパートリを携えて、これを宴席で披露する、多少とも知的形成を必要とする連中までもが含まれるのである。中には、演奏家が作曲にまで手を出す場合があるように、自ら歌、詩、小話を制作して、自作自演することもありえた。放浪学僧が旅芸人の一座に加わる場合、その知的な役割を担ったことは(中略)、彼らの前歴からして当然に推定できることである。」





こちらもご参照下さい:

新倉俊一 『フランス中世断章』











































































新倉俊一 『フランス中世断章』

新倉俊一 
『フランス中世断章
― 愛の誕生』


岩波書店 
1993年2月4日 第1刷発行
v 313p
四六判 
丸背クロス装上製本 カバー
定価2,800円(本体2,718円)
カバー絵: 渡辺隆次



本書「あとがき」より:

「前著『ヨーロッパ中世人の世界』(筑摩書房、一九八三年)が出てから、早くも十年近くの歳月が流れ過ぎた。その「あとがき」の中で、確実に研究の停滞と結びついた、突出と自閉という魂の二極分解に、この自分の業(ごう)と評すべきものに言及したが、それ以後の生活も、思えば似たようなものであった。(中略)ただし、(中略)取り上げた事柄が所謂専門の厳しい、時に狭い枠からはみ出し、テクストの読みに多少のふくらみがもしありとすれば、二極分解のプラス作用によるのかも知れない。」


新倉俊一 フランス中世断章


帯文:

「典雅なる中世
西欧の近代文学の原点をなし、文学と歴史が交錯するアムールの世界を、著者ならではの流麗な筆で描く。」



目次:


「沈める都」伝説考
狼の話
樽の話
「青ひげ」の素顔


剣――伴侶そして分かつもの
ベディエ『トリスタン・イズー物語』をめぐって
トリスタン幻想
王様の耳は馬の耳


中世「町人文学」の成立――フランスの場合


あとがき




◆本書より◆


「「沈める都」伝説考」より:

「カエサルの観察は鋭かったと言わねばなるまい。ケルトの民にとって、死とは死者の世界に「移り住む」にすぎないこと、「死者の世界」はこの地上のどこかに実在していること、そこでは罪や罰の観念はなく、地上の楽園の様相を呈する例のあることを、その後の研究者の多くが指摘している。さらに、この死者と生者の世界とを分ちへだてる障害が、しばしば水であったということも。」


「狼の話」より:

「狼研究家の説明によると、狼と人間との付き合いは先史時代に遡るが、狼はそれほど恐怖の対象ではなかったそうである。両者に共通する獲物を争うことがあっても、常に敵対する存在ではなく、それにまたもっと恐るべき野獣、例えば洞穴ライオンやホラグマがいた。これらの野獣に比べれば、狼は石を投げ、棒切れを振り回すだけで追い払うことができた。ところが、歴史時代に入り、前記の強力な野獣が姿を消し、農耕と牧畜が盛んになると、狼は人間と利害対立する存在になる。生活圏を狭められ、獲物とすべき小動物の数が減少するにつれ、狼は人間の飼う羊を狙うようになる。羊のみならず、時には弱い女子供を襲うこともあった。さらには、常習的な人喰い狼と化するものも出てくる。なぜなら、戦争や内乱があると、死者や負傷者がそのまま放置されることが多く、疫病による死者を山野に放棄することがしばしばあったから、狼は人肉の味を覚えたのである。狼の研究家、高橋正雄氏の適切な表現を借りるならば、「オオカミが人喰いになる原因を人間が自ら作っていたのである」。」




























































































『フランス中世文学集 3  笑いと愛と』 新倉・神沢・天沢 訳

「ロベールは自分が皆に憎まれ、あらゆる人々に呪われているのを知った。国を立ち去ると、道をいそぎ、さらに街道をそれて森へ入り込む。」
(「悪魔のロベール」 より)


『フランス中世文学集 3 
笑いと愛と』

Poètes et Romanciers du Moyen Age
新倉俊一・神沢栄三・天沢退二郎 訳

白水社 
1991年12月5日 印刷 
1991年12月20日 発行
438p 書誌vi 口絵(モノクロ)4p 
四六判 丸背紙装上製本 カバー 
定価5,200円(本体5,049円)
装幀: 野中ユリ+古賀賢治



各篇ごとに短い「解題」と「訳注」が付されています。
本シリーズは当初「全三巻」として刊行されましたが、のちに増補されて全四巻になりました。


フランス中世文学集 03


目次:

まえがき (新倉俊一・神沢栄三・天沢退二郎)

『アミとアミルの友情』 (神沢栄三 訳)
『ポンチュー伯の息女』 (新倉俊一 訳)
『ヴェルジーの奥方』 (天沢退二郎 訳)
ユオン・ル・ロワ『ヴェール・パルフロワ(連錢葦毛の駒)』 (神沢栄三 訳)
『オーカッサンとニコレット』 (神沢栄三 訳)
『リシュー(悪女伝)』 (新倉俊一 訳)
ファブリオ名作選 (新倉俊一 訳)
 『弁舌で天国をかち得た百姓』
 『バイエ(戸棚に押し込められた司祭)』
 『オルレアンの町人女房』
 『コンピエーニュの三人盲者』
 『オーブレまたは遣手婆』
 『田舎医者』
 『アリストテレスの短詩』
 『貴婦人の愛を取り戻した騎士』
『ルナール狐の裁判』 (新倉俊一 訳)
『悪魔のロベール』 (天沢退二郎 訳)

解説 (新倉俊一)
書誌



フランス中世文学集



◆本書より◆


「ポンチュー伯の息女」より:

「伯はそれ以上詮議するのは止め、客人たちも立ち去ったが、その翌日、伯はチボー殿と息子とを伴い、奥方を連れて、海に臨んだリューヘ赴いた。伯は頑丈で安定のよい船を支度させ、奥方をそれに乗せ、さらに樽と火と松脂を積み込ませたあと、案内役の舟人のほかは供を連れずに、三人が乗りこんだ。伯は沖合二里ほど船を出させたが、そこまで行くと、樽の一方の底をうち抜かせ、晴着姿の美しい娘を捕まえて、樽に詰めさせ、底をまたもと通りに打ちつけ、水が入らぬよう松脂で入念に塗り固めさせて、樽栓をしっかと締め、さらにこの樽を甲板に運ばせてから、海中に蹴落して、風と波とに後を任せた。チボー殿と弟はいたく歎き悲しみ、伯の足もとに跪き、神の御名を引合いに出しては、かような責苦から奥方を救ってほしいと懇願した。伯は彼からの願いを聴き入れようとはしない。」
「しかしながら、伯が陸に戻り着く前に、フランドルを出て交易のためにサラセンの地へ向う商船が通りかかり、舟人は波間に漂う樽に目をとめ、その一人が、
 「見ろ、空樽があそこに。拾っておけば、役に立つかも知れぬぞ」と言う。
 このような訳で、樽を取りに行かせ、船に引き揚げた。一同が仔細に点検してみると、底が松脂で塗り固めたばかりであるのに気づいた。底を抜いてみると、瀕死の奥方の寝ている姿が目に入った。それというのも、中の空気が不足していたためで、首は膨み、顔は腫れ上り、目は醜くなっていた。再び外の空気に触れると、奥方は息を吸い、溜息をついた。商人たちはその回りに集まり、声をかけたが、奥方には口をきく気力がない。空気に触れたお蔭で、口をきく力を取戻すと、商人たちに話しかけたが、彼らが奥方の素姓を尋ねるのに対しては、真相を包みかくし、酷い運命の巡り合わせと、大罪を犯したために、このような所に来たのだと答えた。」
「船が進み行くうちに、ついにアルメリアの沖合に着いた。港に錨を下すと、ガリア船が四方から押し寄せて来て、何者であるかと尋ねるから、こちらはそれに答えて、
 「商人(あきんど)にございます」と言う。
 高官の発行した通行証を所持していたので、あらゆる地域を無事に通行できるのであった。奥方を陸に揚げ、付ききりでいたが、さてこれをどうしたものかと互いに尋ねあううち、ある者はこれを売り飛ばすべしと唱え、またある者はこう言う。
 「わしの言葉を信じてもらえるならば、アルメリアのサルタンに贈物として献上するがよかろう。わしらの商いも好都合に運ぼうぞ」
 一同、この意見に同意し、奥方を引立て、サルタンの前へ連れて行くが、このサルタンは年若で、商人たちがこの贈物を献上すると、大いに喜んで受け取ったのは、ほかでもない、奥方が大そう美しい女性であるからだ。」





こちらもご参照下さい:

『フランス中世文学集 1 信仰と愛と』 新倉・神沢・天沢 訳
柴田宵曲 編 『奇談異聞辞典』 (ちくま学芸文庫)














































































『フランス中世文学集 1 信仰と愛と』 新倉・神沢・天沢 訳

「沿岸の住人で、彼を気違いと
思い込まぬ者はひとりとしていないが、
心のうちを知る者もまたいない。」

(ベルン本 『トリスタン佯狂』 より)


『フランス中世文学集 1 
信仰と愛と』

Poètes et Romanciers du Moyen Age
新倉俊一・神沢栄三・天沢退二郎 訳

白水社 
1990年12月20日 第1刷発行 
1992年3月25日 第3刷発行
541p 口絵(モノクロ)4p 
四六判 丸背紙装上製本 カバー 
定価5,500円(本体5,340円)
装幀: 野中ユリ+古賀賢治



各篇ごとに短い「解題」と「訳注」が付されています。
『聖アレクシス伝』と『ロランの歌』は文語訳です。
本シリーズは当初「全三巻」として刊行されましたが、のちに増補されて全四巻になりました。


フランス中世文学集 01


目次:

まえがき (新倉俊一・神沢栄三・天沢退二郎)

『聖アレクシス伝』 (神沢栄三 訳)
『ロランの歌』 (神沢栄三 訳)

ベルール 『トリスタン物語』 (新倉俊一 訳)
トマ 『トリスタン物語』 (新倉俊一 訳)
トリスタンもの短篇 (新倉俊一 訳)
 オクスフォード本 『トリスタン佯狂』
 ベルン本 『トリスタン佯狂』
 マリ・ド・フランス 『すいかずら』

南仏詩人(トルバドゥール) (天沢退二郎・新倉俊一 訳)
 アルバ 作者不詳 (天沢 訳)
 あかるい季節の入口で 作者不詳 (天沢 訳)
 ギエム・デ・ペイテュ伝記
 のどやかに新しい季節が ギエム・デ・ペイテュ (天沢 訳)
 あたらしい歌をわたしは作ろう ギエム・デ・ペイテュ (天沢 訳)
 マルカブリュ伝記
 私は汝らに語ろう マルカブリュ (天沢 訳)
 ジャウフレ・リュデル・デ・ブライア伝記
 五月に日の長くなるころ ジャウフレ・リュデル・デ・ブライア (新倉 訳)
 泉から流れ出る水が ジャウフレ・リュデル・デ・ブライア (新倉 訳)
 ラインバウト・ダウレンガ伝記
 さかさまの花 ラインバウト・ダウレンガ (天沢 訳)
 ディア伯夫人伝記
 気に染まぬことも歌わねばならぬ ディア伯夫人 (新倉 訳)
 ベルナルト・デ・ヴェンタドルン伝記
 陽の光を浴びて 雲雀が ベルナルト・デ・ヴェンタドルン (新倉 訳)
 みずみずしく若草と若葉が萌えいで ベルナルト・デ・ヴェンタドルン (新倉 訳)
 私の心は喜びでいっぱい ベルナルト・デ・ヴェンタドルン (天沢 訳)
 論争詩(テンソ) ベルナルト・デ・ヴェンタドルン/ペイロール (天沢 訳)
 ギラウト・デ・ボルネイユ伝記
 栄光の王者、まことの光 (アルバ) ギラウト・デ・ボルネイユ (天沢 訳)
 ペイレ・ヴィダル伝記
 大言壮語歌 ペイレ・ヴィダル (天沢 訳)
 ラインバウト・デ・ヴァケイラス解題
 カレンダ・マイア(五月一日) ラインバウト・デ・ヴァケイラス (新倉 訳)
 大波よ 海のおもてをわたり ラインバウト・デ・ヴァケイラス (天沢 訳)
 アルナウト・ダニエル伝記
 セスティーネ アルナウト・ダニエル (天沢 訳)
 ガウセルム・ファイディト伝記
 野の夜鳴き鴬が ガウセルム・ファイディト (天沢 訳)
 この酷き最大の不幸 ガウセルム・ファイディト (新倉 訳)
 フォルケト・デ・マルセーヤ伝記
 まことの神よ (アルバ) フォルケト・デ・マルセーヤ (天沢 訳)
 ベルトラン・デ・ボルン伝記
 戦争讃歌 ベルトラン・デ・ボルン (新倉 訳)

北仏詩人(トルヴェール) (天沢退二郎 訳)
 可愛いヨランダ、お部屋にすわって (お針歌) 作者不詳
 果樹園は泉のほとり (お針歌) 作者不詳
 泉の水がころころと (パストゥレル) 作者不詳
 夜鳴き鶯は歌って告げた ブロンデル・ド・ネール
 シャンソン 作者不詳
 ああ! 愛の神よ、何という辛い別れを (十字軍歌) コノン・ド・ベチューヌ
 わが故郷の小鳥の声を ガース・ブリュレ
 私はいかれてしまったよ コラン・ミュゼ
 リュトブフ貧窮歌 リュトブフ
 愛の歌 チボー・ド・シャンパーニュ
 ある日、余は散策に出た (パストゥレル) チボー・ド・シャンパーニュ
 バラード 〔あのポエブスが射殺した〕 ギョーム・ド・マショー
 バラード 〔娘の結婚についての〕 ユスタシュ・デシャン
 バラード 1 シャルル・ドルレアン
 バラード 72 シャルル・ドルレアン

フランソワ・ヴィヨン (天沢退二郎 訳)
 『ヴィヨンの形見』 (抄)
  一
  二
  三
  四
  五
  六
  八
  九
  一〇
  一一
  一二
  一三
  一四
  一五
  一六
  一七
  一八
  三五
  三六
  三七
  三九
  四〇
 『ヴィヨンの遺言』 (抄)
  一
  二
  三
  四
  五
  六
  七
  八
  九
  一〇
  一一
  一二
  一三
  一四
  一五
  一六
  一七
  一八
  一九
  二〇
  二一
  二二
  二三
  二四
  二五
  二六
  二八
  二九
  三〇
  三一
  三二
  三四
  三五
  三六
  三七
  三八
  三九
  四〇
  四一
  バラード 〔昔日の美女たちのバラード〕
  バラード 〔昔日の王たちのバラード〕
  バラード 〔古語によるバラード〕
  四二
  四三
  七五
  七六
  八一
  八二
  八三
  八四
  八五
  八六
  八七
  八八
  八九
  バラード 〔母の求めによりものされた、聖母マリアに祈るためのバラード〕
  九〇
  バラード 〔恋人へのバラード〕
  九四
  短詩(レー)
  九五
  九六
  九七
  唄(ベルジュロネット)
  一六七
  一六八
  一六九
  一七〇
  一七六
  一七七
  一七八
  ヴェルセー 〔お題目〕
  一七九
  一八〇
  一八一
  一八二
  一八三
  一八四
  一八五
  一八六
  バラード
  バラード 〔結びのバラード〕
 『ヴィヨン雑詩篇』 (抄)
  絞首罪人のバラード
  ヴィヨンとその心との対話
  四行詩

解説 (神沢栄三)
 一 フランス文学のはじまり
 二 英雄の物語
 三 トリスタン物語
 四 抒情詩の世界



フランス中世文学集



◆本書より◆


『聖アレクシス伝』より:

「人皆かの人をあざけり 痴者(しれもの)の如くに
頭上に水をあびせ その臥所(ふしど)を濡らせリ
されどかの聖(ひじり) いささかも 怒りを発せず」



「オクスフォード本 『トリスタン佯狂』」より:

「「王様」と、狂人が言う「あの空の高みに
俺の帰る大広間があるんです。
ガラスでつくられて、美しくて広いよ。
日の光が四方八方から差し込みます。
空中にあって、雲に支えられてますがね、
風で揺れたり動いたりしやしません。
その大広間の横に寝室があって、
これが水晶と大理石でできてるんだな。
太陽が朝昇るときなんか、
部屋全体が光り輝くんだから」
王もほかの者たちも笑い出して、
互いにこう囁き交すのであった――
「これは質のいい気違いだ、実にいいことを言う。
そこらの誰よりも話がうまいわ」」



「ベルン本 『トリスタン佯狂』」より:

「彼はかような苦労を久しく重ね、
よろしいか、たいそう頭もおかしくなっていた。
名前を変えて、タントリスと
人に呼ばせる。」
「彼は頭のまともな人間と見られたくない。
服はぼろぼろに裂き、顔は掻傷だらけ、
人を見さえすれば殴りかかる。」
「沿岸の住人で、彼を気違いと
思い込まぬ者はひとりとしていないが、
心のうちを知る者もまたいない。
トリスタンは片手に棍棒を携える。
気違い然として歩くから、皆が野次り、
頭めがけて石を投げつける。
トリスタンは止まらずに立ち去る。
イズーの愛をかち取るため、こうして
長いこと大地を横切って行く。
彼は自分のしていることに満足だ。」

「俺、タントリスによく似てないか?
タンの前にトリスを置いてごらんよ、
そうすりゃトリスタンになるでしょう。」





こちらもご参照下さい:

『フランス中世文学集 2  愛と剣と』 新倉・神沢・天沢 訳

































































































































プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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