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フェルナンド・ペソア 『ペソアと歩くリスボン』 近藤紀子 訳 (ポルトガル文学叢書)

「ここから数ヤード先に、マダレーナ通りがある。この道を上って右へまがると、リスボン大聖堂 Sé Patriarcal にたどりつく。」
「この大聖堂は、さまざまな歴史的事件の舞台となったところでもある。たとえば、一三八三年の民衆蜂起の折には、司教ドン・マルティーニョ・アンネスが、女王ドナ・レオノール・テレスの政策に加担したため、この塔のひとつから投げ落とされている。」

(フェルナンド・ペソア 「リスボン観光案内」 より)


「フェルナンド・ペソア 
『ペソアと歩くリスボン』 
近藤紀子 訳
 
ポルトガル文学叢書 ⑨


彩流社 
1999年7月10日 第1刷発行
2007年12月25日 第2刷発行
192p
四六判 丸背紙装上製本 カバー
定価1,900円+税
装幀: 渡辺将史



本書「訳者あとがき」より:

「本書は、Lisboa: o que o turista deve ver/what the tourist should see (Livros Horizonte, Lisboa, 1992)の全訳である。翻訳するうえでは、(原文である)英語をもととし、対訳として付された(この原稿の発見者でもある)マリア・アメリア・ゴメスのポルトガル語を、そのつど参考にした。さらに、旅程の目安として見出しを、理解の一助に脚注を、訳者の手で付けたことをおことわりしておく。」


モノクロ図版52点、地図2点。

ペソアの遺稿から発見された生前未刊行のリスボン観光案内(原文は英語)の全訳に、当時(1920年代)の絵葉書を中心とする図版が添えられています。巻末にポルトガルの研究者による「フェルナンド・ペソア博物館」案内および解説「ペソアのガイドブック――発見の経緯と背景」、リスボン地図、訳者あとがき。
本書はアマゾンで新品の取り扱いを再開していたので注文しておいたのが届いたのでよんでみました。今年出た同じ訳者によるペソア短編集の刊行に際して在庫本のカバーを付け替えたものだとおもいますが、本体は12年前の本なので新品なのに黴臭がありました。



ペソアと歩くリスボン 01



帯文:

「詩人の
眼で
活写した
魅力的な
ポルトガル
観光案内!

1920年代に
“ヨーロッパ西端の小国”を
世界に知らしめたいという
“切なる想い”で書かれた未刊のガイドブック。
翻訳出版にあたり当時の図版と現在の写真で立体編集。」



帯背:

「詩人のまなざし!」


目次:

リスボン観光案内
 いざ入国
 リスボンの表玄関――コメルシオ広場
 町の心臓――ロシオ
 ポルトガルの大政治家――ポンバル侯爵広場
 市民の憩いの場――カンポ・グランデ
 王家の霊廟――サン・ヴィセンテ・デ・フォーラ教会
 歴史を語る――大砲博物館
 いにしえのリスボン――アルファマ
 ふたたびロシオへ
 絵画とオペラと文学者――シアード
 サン・ロケ教会の至宝――サン・ジョアン・バティスタ礼拝堂
 パノラマと庭園美――アルカンタラ展望台からエドゥアルド七世公園へ
 アグアス・リヴレス水道橋
 エストレラと二つの宮殿――ネセシダーデスとアジュダ
 大いなる遺産――ジェロニモス修道院
 テージョ川の宝石――ベレンの塔
 華麗なる宮廷生活――馬車博物館
 古今東西の美――古美術館
 リスボンの夜を楽しみたい方に
 時間のゆとりのある方に
 もっと時間のゆとりのある方に
リスボンの新聞
ケルースを通り、シントラへ

補 フェルナンド・ペソア博物館へ
ペソアのガイドブック――発見の経緯と背景 (テレーザ・リタ・ロペス)
リスボン・一九二〇年代の地図
訳者あとがき




◆本書より◆


「リスボン観光案内」より:

「七つの丘の町、リスボン。すばらしいパノラマを約束する、七つの丘の展望台。その上一面に、高く、低くつらなる、色とりどりの家々。それが、リスボンだ。」

「これからバイシャ Baixa にもどるとしよう。ちなみにバイシャとは、土地の低い中心街をさす言葉である。その途中通りすぎるのは、リスボン情緒あふれる地区、アルファマ Alfama だ。この界隈は、かつての漁師街のおもかげをほとんど変わらぬまま、今に伝えている。リスボンに何日か滞在するゆとりがあるなら、ぜひともアルファマを訪れたい。リスボン広しといえども、古きよきリスボンの姿は、もはやここにしか残されていないのだから。アルファマではすべてが懐かしい――古い家のたたずまい、細い路地、道にかかるアーチ、家並みの奥へと続く階段、木のバルコニー。そして、人なつこい人々。喧騒。おしゃべりや歌、貧しさや塵あくたでにぎやかに彩られた、その暮らし――。」



「ペソアのガイドブック――発見の経緯と背景」(テレーザ・リタ・ロペス)より:

「フェルナンド・ペソアの未発表原稿のなかに、彼が愛した町、リスボンのガイドが発見されたのは、今から十年ほど前のことである。」
「ただし、ここで注意しておきたいことは、ペソアはこのような作品を一部の文学者のためではなく、幅広く、一般の読者にむけたものとして考えていたことである(彼自身が述べているとおり、「産業、文学、芸術に関する」ものなのだ)。だから、ガイドブックを開いた読者がそこで出会うのは、ベルナルド・ソアレス(脚注:「ベルナルド・ソアレスはペソアの異名者のひとり」)が散文でたたえるリスボンでもなければ、アルヴァロ・デ・カンポス(脚注:「アルヴァロ・デ・カンポスもペソアの異名者のひとり」)が散文詩で高らかに歌いあげるリスボンでもない。」
「文体は事務的で、凝った修辞や文体の潤色といったものはどこにも見あたらない。内容は終始一貫して、ポルトガルの文化遺産の賛美である――史跡や博物館、教会のみならず、サン・カルロス劇場の当時のプログラムまで紹介し、さらには、リスボンの図書館(中略)に読者を招じ入れたり、おしまいにはポルトガルの新聞に目を通すよう誘ったりして、文字文化に触れることも忘れていない。」




ペソアと歩くリスボン 02



Lisbon by Pessoa
http://lisbon.pessoa.free.fr/Pessoa_Lisbon.htm




こちらもご参照ください:

ヴラスタ・チハーコヴァー 『新版 プラハ幻影 ― 東欧古都物語』
陣内秀信 『ヴェネツィア ― 水上の迷宮都市』 (講談社現代新書)
桑原甲子雄 『東京下町 1930』




マドレデウス(ヴェンダース「リスボン物語」より)








































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Fernando Pessoa "The Book of Disquiet" (tr. by Richard Zenith)

"Throughout my life, in every situation and in every social circumstance, everyone has always seen me as an intruder. Or at least as a stranger. Whether among relatives or acquaintances, I've always been regarded as an outsider."
- Fernando Pessoa "The Book of Disquiet"


Fernando Pessoa 
『The Book of Disquiet』
 
Edited and Translated by Richard Zenith
Penguin Classics

Penguin Books, 2003
xxxii, 509p, 19.6x12.8cm, paperback

Cover photograph: Lisboa, 1957, by Gerard Castello Lopes



フェルナンド・ペソアの没後刊行の主著『不穏の書(Livro do Desassossego)』の、リチャード・ゼニスによる英訳。日本語訳タイトルは『うつうつ自閉症日記』とするとよいです。


fernando pessoa - the book of disquiet


Contents:

Introduction
Notes on the Text and Translation
Acknowledgements

The Book of Disquiet
 Preface by Fernando Pessoa
 A Factless Autobiography
 A Disquiet Anthology

Appendix I: Texts Citing the Name of Vicente Guedes
Appendix II: Two Letters
Appendix III: Reflections on The Book of Disquiet from Pessoa's Writings

Notes
Table of Heteronyms




◆本書より◆


「I was born in a time when the majority of young people had lost faith in God, for the same reason their elders had had it - without knowing why. And since the human spirit naturally tends to make judgements based on feeling instead of reason, most of these young people chose Humanity to replace God. I, however, am the sort of person who is always on the fringe of what he belongs to, seeing not only the multitude he's a part of but also the wide-open spaces around it. That's why I didn't give up God as completely as they did, and I never accepted Humanity.」

「It's noble to be timid, illustrious to fail to act, sublime to be inept at living.」

「Everything wearies me, including what doesn't weary me. My happiness is as painful as my pain.」

「There's a thin sheet of glass between me and life. However clearly I see and understand life, I can't touch it.」

「I'll disappear in the fog as a foreigner to all life, as a human island detached from the dream of the sea, as a uselessly existing ship that floats on the surface of everything.」

「The Dreamer's superiority is due to the fact that dreaming is much more practical than living, and the dreamer gets far greater and more varied pleasure out of life than the man of action. In other and plainer words, the dreamer is the true man of action.」

「I've never done anything but dream. This, and this alone, has been the meaning of my life. My only real concern has been my inner life.」
「I've never aspired to be more than a dreamer. I paid no attention to those who spoke to me of living. I've always belonged to what isn't where I am and to what I could never be.」

「If our life were an eternal standing by the window, if we could remain there for ever, like hovering smoke, with the same moment of twilight forever paining the curve of the hills... If we could remain that way for beyond for ever! If at least on this side of the impossible we could thus continue, without committing an action, without our pallid lips sinning another word!」

「I cultivate hatred of action like a greenhouse flower. I dissent from life am proud of it.」

「To discover ways of not acting has been my main concern in life.
I refuse to submit to the state or to men; I passively resist.」

「(...) me: passer-by of everything, even of my own soul, I belong to nothing, I desire nothing, I am nothing - just an abstract centre of impersonal sensations, a fallen sentient mirror reflecting the world's diversity. I don't know if I'm happy this way. Nor do I care.」

「God created me to be a child and willed that I remain a child. But why did he let Life beat me up, take away my toys and leave me alone during playtime, my weak hands clutching at my blue, tear-stained smock?」

「My imaginary world has always been the only true world for me. I've never had loves so real and so full of verve and blood and life as the ones I've had with characters I myself created.」

「Throughout my life, in every situation and in every social circumstance, everyone has always seen me as an intruder. Or at least as a stranger. Whether among relatives or acquaintances, I've always been regarded as an outsider. I'm not suggesting that this treatment was ever deliberate. It was due, rather, to a natural reaction in the people around me.」
「Whatever be the case, life pains me.」
















































































フェルナンド・ペソア 『不穏の書、断章』 (澤田直 訳編)

「私の人生に対する興味は、謎解きをする人の興味だ。」
(フェルナンド・ペソア)


フェルナンド・ペソア 
『不穏の書、断章』 
澤田直 訳編


思潮社 2000年11月1日初版第1刷/2002年2月20日第3刷
237p 四六判 
丸背紙装上製本 カバー 
定価2,400円+税
装幀: 井原靖章

栞: フェルナンド・ペソアへのオマージュ
ホルヘ・ルイス・ボルヘス/オクタビオ・パス/アラン・ボスケ/ジル・ドゥルーズ/ローマン・ヤコブソン/ジョゼ・サラマゴ/ミシェル・ドゥギー/アントニオ・タブッキ/イタロ・カルヴィーノ/え: Miguel Yeco



本書「解題」より:

「『不穏の書』はリスボン在住の会計助手、ベルナルド・ソアレスの手記という体裁をとった、フェルナンド・ペソアの散文作品の中心に位置する作品だ。」

本書はその、ペソアの別人格、というか「異名者」によって書かれた『不穏の書』からの87篇の断章と、『不穏の書』も含めたペソアの(及びその複数の別人格による)詩・散文・書簡等から訳者が選んだ断片(「断章」)99篇によって構成されている。

本文中図版(モノクロ)6点(写真5点、署名1点)。


フェルナンド ペソア 不穏の書 1


帯文:

「彼は文字通り、20世紀が最後まで秘匿してきた巨匠である。
――四方田犬彦」



カバー文:

「もうずいぶんまえから、私は私ではない。」


帯裏は四方田氏による推薦文。


フェルナンド ペソア 不穏の書 2


目次:

断章
 詩と詩人について
 私と自己について
 神と世界の神秘について
 読書と精神世界について
 ポルトガルについて
 人生と夢について

ベルナルド・ソアレス著 不穏の書

止みがたき敗北への意志――ベルナルド・ソアレス『不穏の書』解題 (澤田直)
訳者あとがき (澤田直)

参考文献
日本語で読めるペソア関連の本



フェルナンド ペソア 不穏の書 3



◆本書より◆


「断章」より:

「詩人はふりをするものだ
そのふりは完璧すぎて
ほんとうに感じている
苦痛のふりまでしてしまう」

「ふりをすることは、自分を知ることだ。」

「詩人であることは、私の野心ではない。
それは、一人でいようとする私のあり方にすぎない。」

「ニュートンの二項式には、ミロのヴィーナスに劣らない美しさがある。
ただ それに気づく人がほとんどいないだけ。」

「私は自分自身の風景
自分が通るのを私は見る
さまざまにうつろい たったひとりで
私は自分がいるここに 自分を感じることができない」

「私は自分の少年時代を懐かしんだことは一度もない。ほんとうを言えば、私はなににしろ懐かしんだことなどないのだ。」

「自然は全体のない部分からなっている。
おそらくこれこそが自然の神秘なのだ。」

「あらゆるものがわれわれとはちがっている。だから、すべては存在する。」

「もしほんとうに賢ければ、ひとは椅子に座ったまま世界の光景をそっくり楽しむことができる。本も読まず、誰とも話さず、自分の五感を使うこともなく。魂が悲しむことさえしなければ。」

「あらゆるラブレターは滑稽だ。滑稽でなければ、それはラブレターではない。」

「私の人生に対する興味は、謎解きをする人の興味だ。」

「私たちには誰でも二つの人生がある
真の人生は 子どものころ夢みていたもの
大人になっても 霧のなかで見つづけているもの
偽の人生は 他の人びとと共有するもの
実用生活 役にたつ暮らし
棺桶のなかで終わる生」

「偉大であるためには 自分自身でなければならない
なんであれ 誇張せず 排除しないこと」



「不穏の書」より:

「脈絡のない印象や、相互に関係もなく、関係をつけようともしない印象を書き連ねながら、私は無関心に、事実のない私の自伝を、生のない私の物語を語ろうと思う。これは実は告白なのだが、そこでなにも明らかになることがないのだとすれば、それは私に言うことなどないからに他ならない。」

「われわれのひとりひとりが多様で、多数で、自己自身の増殖なのだ。」

「今日突然、不合理ではあるが正しい感覚に、私は達した。私は稲妻のうちで悟った。私は誰でもない、絶対、誰でもないのだ。(中略)世界が存在する前にすでに、私は存在する可能性を奪われてしまったのだ。」
「私はたえず考え、たえず感じる。しかし、私の思考には筋道がないし、私の感情には感情がない。私は、果てしなく落ちていく。非常に高いところにある落し穴から、無限の空間を通って、方向もなく、無限で、多数で、空虚な失墜のなかを落ちてゆく。私の魂は黒い大渦巻、真空のまわりをまわる巨大な眩暈(めまい)、虚無のなかの穴のまわりをうねる無限の大海原の動き。そして水よりも激しく旋回するこれらの水のいたるところで、私がこの世で見たり聞いたりしたあらゆるイメージが泳ぎまわっている――さまざまな家や顔や本や箱や音楽の切れ端やとぎれたシラブルが、終わりのない不吉な渦巻のなかで過ぎ去ってゆく。
 そして、私はといえば、ほんとうの私はといえば、それらすべての中心である。実在しない中心、思念の幾何学によってのみ存在する中心である。周囲にこれらのものが回転するこの虚無が私なのだ。回転すること以外に目的もなく、それ自体は存在しないのだ。どんな円にも中心があるという意味でしか、私は存在していない。私は、ほんとうの私は、岩壁はないが、壁のぬるぬるした感じだけはする井戸、あらゆるものの中心であり、そのまわりにはなにもない。」

「私は思考によって自分を、残響(エコー)に、深淵に創りかえた。私は自分を深めながら、複数になってゆく。」
「自分のものではない印象を私は生きる。(中略)私は自分自身であることのうちでさえ、他人なのだ。」

「今日は軽く靄がかかり、生暖かく、湿っぽく、わけもなくもの寂しく、意味もなく単調な日だ。私はある感情を切実に感じているのだが、その名前がわからない。(中略)私の神経には意志がない。私の悲しみは意識の下で感じるのだ。(中略)言いたいことなどなにもない。(中略)私は少しずつ、ゆっくりと、まるまった鉛筆で(削る気持ちがないのだ)ぐにゃりとした文字で、カフェでもらったサンドイッチの白い包装紙に書いている。(中略)そして私は満足している、と思う。私はゆったりと椅子にもたれかけている。夕暮れどきだ。単調で、雨も降らず、陰気で不確かな色調の光のなかに暗くなってゆく……。こうして、私は書くのを止める。理由はない。ただ書くのを止めるのだ。」

「私は不可能な景色が好きだ。けっして行くことのない荒涼とした高原の無限の広がりが好きだ。過ぎ去った太古の時代は、私がそこにいることなど想定すらできないから、ほんとうに素晴らしい。」

「でも、私は、習慣や象徴を恥じるし、道端でものを買うのが恥ずかしい。きちんと包装してくれないかもしれないし、私がしかるべき仕方で買わないために、しかるべき仕方で売ってくれないかもしれない。値段をたずねるときの声がおかしいと思われるかもしれない。生きるという危険を冒すよりは、ものを書いているほうがよいのだ。」

「私の感受性は、新しいものに不安を覚える。自分が行ったことがある場所でしか落ち着けないのだ。」

「夢もまた外部から突然私に現われるのだ。曲り角から突然出てくる路面電車や、夜になると聞こえてくるアラブ風の物売りのよくわからない声や日暮れの単調さのなかで突如として吹き出す噴水のように。」

「私は逃げたい。知っているものから逃げ、自分の所有物から逃げ、愛するものから逃げたい。」

「倦怠とは、なにもすることがないという不満からくる病ではない。むしろ、もっと重症なものであって、なにをしてもしかたがないと確心しているひとの病なのだ。そうであってみれば、するべきことが多ければ多いほど、直面せざるをえない倦怠もより深いものとなる。」
「いっそ無気力であって、なにもせず、なにもできなければどんなによかったかしれない。そうだったなら、この現実の倦怠を味わうこともできただろうから。私がいま感じている倦怠には、休息もなければ、高貴さもなく、存在にたいする嫌悪感の混ざった快感もない。私がなさなかった行為の潜在的な疲労ではなく、ただ、なしてしまったあらゆる行為の、巨大な消滅だけがあるのだ。」

「もうずいぶんまえから、私は私ではない。」

「私はなにかを完成してしまうと、いつも呆然としたものだ。呆然とし、がっかりする。私がものを完成することができないのは、完璧癖のせいにちがいない。じつは、そのせいで始めることすらできないのだ。ところが、ついうっかりして、行動を起こしてしまうことがある。私の仕事は意志の結果ではなく、意志の弱さの結果なのだ。私が始めるのは、考える力がないためだし、私が終えるのは中断する勇気がないからだ。つまり、この本は私の怯懦(きょうだ)の結果なのだ。」

「ときどき――それはいつもほとんど突然なのだが――感覚のまっただなかで、人生の恐ろしい疲労感が私を襲う。それはあまりにも強烈で、それに打ち克つ方法など思いつかないほどだ。自殺したからといって確実に快癒するという保証はないし、たとえ意識がないにしても、死などなにほどのものだろう。この疲労感は、存在することをやめたいという願いではなくて(中略)それよりもおぞましく、遥かに深淵なこと、つまり、かつて存在したということさえも止めてしまいたいという願いであり、それはいかなる方法によっても不可能なことなのだ。」

「つねに――私の、(中略)真の意味で私自身である部分にとっては、美しい一本の樹よりも、人間の方が重要であったことはない。」

「私は、集団行動に誠実さを認めるのにつねに困難を覚える。なぜなら、孤独のうちの個人だけがほんとうに感じる存在なのだから」
「真に苦しんでいるものたちは、俗悪な群れに集ったりしないし、集団を形成することもない。苦しむとき、ひとは独りで苦しむのだ。」

「他人がいると――それがたったひとりでも――私の思考はすぐ麻痺してしまう。普通のひとにとって、他人との接触は彼の表現や言うことにとって刺激であるのに、私の場合は、もしこんな造語が許されるとすれば、反刺激なのだ。私は自分自身と向き合って、才知に富んだ言葉を無数に想像し、想像上の論証に素早く返答し、周りに誰もいないのに知的で精彩にとんだ社交性を示すことができる。ところが、肉体を備えた誰かがそこにいるだけで、こういったものすべてが消え失せてしまう。私は知性も、話術も失ってしまい、僅かな時間で、うとうとしはじめる。そう、誰かと話すと眠気を催すのだ。ただ、想像上の友人たちだけが、霊の世界に住む彼らと交わされる夢のなかの会話だけが、私にとっては真の実在とたしかな輪郭をもっている。」
「それに、誰かとつき合わなければならないと想像するだけで嫌になる。友人とちょっとした夕食の約束があるだけで、定義し難い不安に駆られる。どんな社会的義務であれ(中略)、考えただけで一日の思考がすっかり台無しにされてしまう。時には、もう前の晩から良く眠れない。それが実際にはまるで些細なことだとわかっていても、私の懸念は消えない。こうして、いつも同じことが繰り返され、私はけっして学ぶということを学ばないのだ。「私の習性は、孤独の習性であり、人間たちのものではない」と、ルソーだったか、セナンクールだったかが、言っていた。いずれにしろ、それは私と同種の精神だ――あるいはこう言ってよければ、同じ種族の精神なのだ。」

「私の道徳は非常に単純だ。――それは、誰にたいしても悪も善もなさないこと。」

「私たちがみなそれぞれ違うということ、これこそが人間本性の公理である。」

「旅をするだって? 旅をするためには存在するだけで十分だ。私は日々を、駅から駅へと移動するように過ごす。」
「想像すれば、私には見える。わざわざ旅などして、それ以上なにをするというのか。感じるために移動しなければならないのは、想像力が極度に脆弱な人間だけだろう。」
「旅行したからといってなにになろう。マドリッドで、ベルリンで、ペルシアで、中国で、北極や南極で、自分自身ではないどこに、私はいるのだろうか。どこにいても、自分の感覚の特徴や特性はついてまわるのだ。」

「他人を理解することは誰にもできない。詩人が言ったように、われわれは人生という大海に浮かぶ島なのだ。われわれのあいだには海が流れ、われわれを限定し、隔てている。」

「すべてを延期すること。明日やってもかまわないようなことをけっして今日やらないこと。
 今日でも明日でも、どんなことであれするには及ばない。」
「真理にあっても誤謬にあっても、快楽にあっても倦怠にあっても、本当の自分自身であれ。それは夢みることによってしか到達できない。なぜなら現実生活は、世間の生活は、自分自身に属しているどころか、他人のものであるからだ。だから、人生を夢で置き換え、完璧に夢みることのみに腐心せよ。」
「他人の目に、不条理なスフィンクスになれ。音をたてずに扉を閉め、象牙の塔に閉じこもるのだ。そして、この象牙の塔とは自分自身のことだ。
 もし誰かがそんなことはすべて嘘で不条理だと言っても、信じるな。しかし、私が言うことも信じるな。なにも信じてはいけないのだから。」









































































































































Fernando Pessoa "The Selected Prose of Fernando Pessoa" (tr. by Richard Zenith)

"When we read, we stop living. Let that be your attitude. Stop living, and read. What's life?"
- Fernando Pessoa


『The Selected Prose of
Fernando Pessoa』
 
Edited and Translated by Richard Zenith

Grove Press, New York, 2001
xxi, 342p, 21x14cm, paperback



英語版フェルナンド・ペソア散文選集。ペソアの散文は戯曲・小説・エッセイ・評論・諷刺・日記・手紙・自伝などさまざまなジャンルにわたり、ポルトガル語・英語・フランス語の三ヶ国語で書かれ、さらに〈著者〉として多数の別人格 literary personas (異名者 heteronym)が使い分けられているので、なかなかややこしいです。本書はペソアの全体像が見わたせるようにいくつかのセクションに分けられ、セクションごとに編訳者による解説が付されています。


fernando pessoa - the selected prose of


Contents:

GENERAL INTRODUCTION
Fernando Pessoa the Man and Poet
Fernando Pessoa, Prose Writer
Fernando Pessoa, English Writer
About This Edition
Thanks

ASPECTS

THE ARTIST AS A YOUNG MAN AND HETERONYM
Introduction
"I was a poet animated by philosophy..."
"The artist must be born beautiful..."
"I have always had in consideration..."
Three Prose Fragments (Charles Robert Anon)
 "Ten thousand times my heart broke..."
 "I saw the little children..."
 "I, Charles Robert Anon..."
"I am tired of confiding in myself..."
[An Unsent Letter to Clifford Geerdts] (Faustino Antunes)
Two Prose Fragments (Alexander Search)
 "Bond entered into by Alexander Search..."
 "No soul more loving or tender..."
Rule of Life

THE MARINER
Introduction
The Mariner - A Static Drama in One Act To Fernando Pessoa (Alvaro de Campos)

THE MASTER AND HIS DISCIPLES
Introduction
Notes for the Memory of My Master Caeiro (Alvaro de Campos)
from: Translator's Preface to the Poems of Alberto Caeiro (Thomas Crosse)
[On Alvaro de Campos] (I.I. Crosse)
[On the Work of Ricardo Reis] (Frederico Reis)

SENSATIONISM AND OTHER ISMS
Introduction
Preface to an Anthology of the Portuguese Sensationists (Thomas Crosse)
"All sensations are good..."
[Intersectionist] Manifesto
Sensationism

ULTIMTUM (ALVARO DE CAMPOS)
Translator's Preface to Ultimatum (Thomas Crosse?)
Ultimatum
from: "What Is Metaphysics?" (Alvaro de Campos)

LETTER TO MARIO DE SA-CARNEIRO

RIDDLE OF THE STARS
Introduction
[Letter to His Aunt Anica]
[30 Astral Communications] (Henry More, Wardour, Voodooist, etc.)
from : Essay on Initiation
Treatise on Negation (Raphael Baldaya)

LETTER TO TWO FRENCH MAGNETISTS
SELECTED LETTERS TO OPHELIA QUEIROZ
[Phase 1: Pessoa in Love?] (March-November 1920)
[Phase 2: Pessoa Insane?] (September-October 1929)

NEOPAGANISM
from: The Return of the Gods (Antonio Mora)
 "Without yet going into the metaphysical foundations..."
 "Humanitarianism is the last bulwark..."
 "Only now can we fully understand..."
 "We are not really neopagans..."
from: Preface to the Complete Poems of Alberto Caeiro (Ricardo Reis)
 "The work of Caeiro represents the total reconstruction..."
 "When I once had occasion..."
 "Alberto Caeiro is more pagan than paganism..."
 "For modern pagans, as exiles..."

PORTUGAL AND THE FIFTH EMPIRE
Introduction
1. "Any Empire not founded on the Spiritual Empire..."
2. "The Fifth Empire. The future of Portugal..."
3. "The promise of the Fifth Empire..."
4. "Only one kind of propaganda can raise the morale..."
5. "What, basically, is Sebastianism?"
6. "To justify its present-day ambition..."
7. "An imperialism of grammarians?"
8. "A foggy morning."

THE ANARCHIST BANKER

PESSOA ON MILLIONAIRES
from: An Essay on Millionaires and Their Ways
from: American Millionaires

ENVIRONMENT (ALVARO DE CAMPOS)

[SELF-DEFINITION]

EROSTRATUS: THE SEARCH FOR IMMORTALITY
Introduction
from: Erostratus

ON THE LITERARY ART AND ITS ARTISTS
[The Task of Modern Poetry]
Shakespeare
[On Blank Verse and Paradise Lost]
from: Charles Dickens - Pickwick Papers
from: Concerning Oscar Wilde
[The Art of James Joyce]
[The Art of Translation]

FROM ESSAY ON POETRY (PROFESSOR JONES)

FROM FRANCE IN 1950 (JEAN SEUL DE MÉLUERT)

RANDOM NOTES AND EPIGRAMS

TWO LETTERS TO JOAO GASPAR SIMOES
[Letter of 11 December 1931]
[Letter of 28 July 1932]

THREE LETTERS TO ADOLFO CASAIS MONTEIRO
[Letter of 11 January 1930]
[Letter of 13 January 1935]
[Another Version of the Genesis of the Heteronyms]
[Letter of 20 January 1935]

THE BOOK OF DISQUIET (BERNARDO SOARES)
Introduction
from: The Book of Disquiet

FROM THE EDUCATION OF THE STOIC (BARON OF TEIVE)

FROM THE PREFACE TO FICTIONS OF THE INTERLUDE

LETTER FROM A HUNCHBACK GIRL TO A METALWORKER (MARIA JOSÉ)

NOTES

BIBLIOGRAPHY




◆本書より◆


「Random Notes and Epigrams」より:

「There are no norms. All people are exceptions to a rule that doesn't exist.」

「Total aristocratization = anarchy. Individualism has its limits. Some people cannot be individualized.」

「Evil is everywhere on earth, and one of its forms is happiness.」

「Be plural like the universe!」



「Three Letters to Adolfo Casais Monteiro」より:

「Ever since I was a child, it has been my tendency to create around me a fictitious world, to surround myself with friends and acquaintances that never existed.」





























































































Fernando Pessoa "A Little Larger Than the Entire Universe - Selected Poems" (tr. by Richard Zenith)

"It's me, just me, and nothing I can do about it!"
- Alvaro de Campos


Fernando Pessoa 『A Little Larger Than the Entire Universe - Selected Poems』 (Edited and translated by Richard Zenith)
Penguin Classics

Penguin Books, London, 2006
xliv, 436p, 19.6x12.8cm, paperback

Cover painting:
Pessoa: Seeing Double by Aldous Eveleigh



ポルトガルの詩人フェルナンド・ペソア本人とその別人格(異名者 heteronyms)――アルベルト・カエイロ、リカルド・レイス、アルヴァロ・デ・カンポス――による詩の英訳選集。
編訳者の Zenith は本書以前に同様の本『Fennando Pessoa & Co.』を Grove Press から出していますが(1998年)、本書にはそこから4篇(「My gaze is clear like a sunflower」「I'm a keeper of sheep」「I got off the train」「Autopsychography」)が再録されています。


fernando pessoa - a little larger than the entire universe


Contents:

Introduction: The Birth of a Nation
Chronology
Notes on the Selection, Editing, and Translation

In Lieu of an Author's Preface

ALBERTO CAEIRO
 from THE KEEPER OF SHEEP
  II My gaze is clear like a sunflower
  III This afternoon a thunderstorm
  VI To think about God is to disobey God
  VII From my village I see as much of the universe as can be seen  from the earth
  VIII One midday in late spring
  IX I'm a keeper of sheep
  XIII Lightly, lightly, very lightly
  XIV I don't worry about ryhme. Two trees
  XVI If only my life were an oxcart
  XVII Salad
  XXI If I could sink my teeth into the whole earth
  XXVI Sometimes, on days of perfect and exact light
  XXVII Only Nature is divine, and she is not divine
  XXVIII Today I read nearly two pages
  XXX If you want me to have a mysticism, then fine, I have one
  XXXI If sometimes I say that flowers smile
  XXXIII Poor flowers in the flower beds of manicured gardens
  XXXIV I find it so natural not to think
  XXXV The moonlight seen through the tall branches
  XXXVI And there are poets who are artists
  XLI On certain summer days, when the dusk is falling
  XLIII Better the flight of the bird that passes and leaves no trace
  XLV A row of trees in the distance, toward the slope
  XLVI In this way or that way
  XLVIII From the highest window of my house
  XLIX I go inside and shut the window
 from THE SHEPHERD IN LOVE
  The moon is high up in the sky and it's spring
  Now that I feel love
  Love is a company
  Unable to sleep, I spent the whole night seeing her figure all by itself
 from UNCOLLECTED POEMS
  Beyond the bend in the road
  To clean and tidy up Matter
  What's my life worth? In the end (I don't know what end)
  The astonishing reality of things
  When spring arrives
  If, after I die, someone wants to write my biography
  I don't know how anyone can think a sunset is sad
  You speak of civilization and how it shouldn't exist
  Today someone read me St. Francis of Assisi
  I see in the distance a ship on the Tagus
  When it's cold in the season for cold, to me it feels pleasant
  Whoever or whatever is at the center of the world
  War, which inflicts suffering on the world with its squadrons
  All the opinions ever formed about Nature
  O ship setting out on a distant voyage
  Truth, falsehood, certainty, uncertainty
  Hillside shepherd, so far away from me with your sheep
  Between what I see of one field and what I see of another field
  I'm not in a hurry. In a hurry for what?
  Live, you say, in the present
  You say I'm something more
  The first sign of the storm that will strike the day after tomorrow

RICARD REIS
 I love the roses of Adonis's gardens
 Peaceful, Master
 The god Pan isn't dead
 Snow covers the sunlit hills in the distance
 The day's paleness is tinged with gold. The curves
 Wise the man who's content with the world's spectacle
 Each thing, in its time, has its time
 Bearing in mind our likeness with the gods
 The only freedom the gods grant us
 Remember, with quick steps, on the white beach
 We've always had the confident vision
 Lost from the way, you clutch your sterile
 The Chess Players
 Not you, Lydia, from the fear of destiny
 A verse repeating
 Securely I sit on the steadfast column
 You'll become only who you always were
 I don't sing of night, since in my song
 I don't want the presents which
 I want the flower you are, not the one you give
 The new summer that newly brings
 How short a time is the longest life
 Now plowing his scant field, now solemnly
 Don't try to build in the space you suppose
 Hour by hour the ancient face of repeated
 Already over my vain brow
 The leaf won't return to the branch it left
 Fruits are given by trees that live
 Dreamed pelasure is pleasure, albeit in a dream
 To nothing can your hands, now things, appeal
 How many enjoy the enjoyment of enjoying
 Sleep is good because we wake up from it
 The fleeting track made by the vanished foot
 Whatever ceases is death, and the death
 Let my fate deny me everything except
 When, Lydia, our autumn arrives
 Hesitant, as if forgotten by Aeolus
 Weak in vice, weak in virtue
 Not just those who envy and hate us
 Rule or keep quiet. Don't squander yourself
 If each thing has its corresponding god
 No one loves anyone else; he loves
 Nothing of nothing remains. And we are nothing
 To be great, be whole: don't exaggerate
 Calm because I'm unknown
 Each day you didn't enjoy wasn't yours
 Since we do nothing in this confused world
 You're alone. No one knows it. Hush and feign
 I love what I see because one day
 All I ask the gods to grant me is that
 My hand that destroys
 Four times in the false year the false season
 Of the gods I ask only to be ignored

ALVARO DE CAMPOS
 Opiary
 Triumphal Ode
 Excerpts from Two Odes
 Maritime Ode
 Salutation to Walt Whitman
 All along the wharf there's the bustle of an imminent arrival
 Lisbon Revisited (1923)
 Lisbon Revisited (1926)
 If you want to kill yourself, why don't you want to kill yourself?
 Distant lighthouses
 At the wheel of the Chevrolet on the road to Sintra
 Clouds
 English Song
 Squib
 Chance
 Note
 Almost
 I have a bad cold
 Oxfordshire
 Yes it's me, I myself, what I turned out to be
 Ah, a Sonnet...
 My heart, the deluded admiral
 Speak softly, for this is life
 I wake up in the middle of the night and its silence
 Magnificat
 Original Sin
 Lisbon with its houses
 What happiness
 I got off the train
 How long it's been since I could write
 The stillness of midnight begins to descend
 I took off the mask and looked in the mirror
 I, I myself
 Homecoming
 Yes, everything's just fine
 I'm dizzy
 Poem in a Straight Line
 Là-bas, Je Ne Sais Où...
 We crossed paths on a downtown Lisbon street, and he came up to me
 Holiday Retreat
 No, it's not weariness

FERNANDO PESSOA-HIMSELF
 from SONGBOOK
  O church bell of my village
  Abdication
  Swamps of yearnings brushing against my gilded soul
  Slanting Rain I, III, V
  She sings, poor reaper, perhaps
  Some Random Verses
  Passerby
  Diary in the Shade
  A piano on my street
  Where's my life going, and who's taking it there?
  Ah! the anguish, the vile rage, the despair
  Non Necesse Est
  Whoever, horizon, passes beyond you
  Nothing
  I don't know who I am right now. I dream
  I hear the wind blowing in the night
  The Scaffold
  Glosses
  Chess
  How long it's been, ten years perhaps
  Amidst my anguish over who I am
  The harmonium faintly, dyingly whines
  Whether I'm happy or sad?
  I want to be free and insincere
  My wife, whose name is Solitude
  Her very being surprises
  There's no one who loves me
  O cat playing in the street
  I come to the window
  Autopsychography
  I'm a fugitive
  I'm guided only by reason
  Initiation
  Death is a bend in the road
  Blessed rooster that sings
  Happy those who don't think, since life
  The ancient censer swings
  What I write's not mine, not mine
  Everything that exists in the world
  I don't know if that gentle land
  Between my sleeping and dreaming
  The master without disciples
  Senhor Silva
  I daydream, far from my cozy
  Yes, at last a certain peace
  In the peace of night, full of so much enduring
  All beauty is a dream, even if it exists
  Rolling wave that returns
  In this world where we forget
  Seagulls are flying close to the ground
  The beautiful, wondrous fable
  When I die and you, meadow
  There were people who loved me
  The girls go in groups
  Since night was falling and I expected no one
  If some day someone knocks at your door
  Everything, except boredom, bores me
  Tell nothing to the one who told all
  Freedom
  A gray but not cold day
  What matters is love
  It was such a long time ago!
  Un Soir à Lima
  Advice
  At the tomb of Christian Rosenkreutz
  Pedrouços
  There are sicknesses worse than any sickness
 from MESSAGE
  Coat of Arms: The Castles
  Coat of Arms: The Shields
  Ulysses
  Viriatus
  Henry, Count of Burgundy
  Sebastian, King of Portugal
  Horizon
  The Columbuses
  The West
  The Fifth Empire
  Fog
 RUBA'IYAT
 from: Faust

ENGLISH POEMS
 POEMS OF ALEXANDER SEARCH
  Epigram
  God's Work
  THe Circle
  A Temple
 from 35 SONNETS
  I Whether we write or speak or are but seen
  VIII How many masks wear we, and undermasks
  XVII My Love, and not I, is the egoist
  XXXI I am older than Nature and her Time
 from THE MAD FIDDLER
  The Lost Key
  The King of Gaps

Notes
Bibliography




◆本書より◆


「アルベルト・カエイロ」の詩より:

「Let's be simple and calm,
Like the trees and streams,
And God will love us, making us
Us even as the trees are trees 
And the streams are streams,
And will give us greenness in the spring, which is its season,
And a river to go to when we end...
And he'll give us nothing more, since to give us more would make us less us.」

「My mysticism is not wanting to know.
It's living and not thinking about it.

I don't know what Nature is: I sing it.
I live on top of a hill
In a solitary, whitewashed house,
And that is my definition.」

「Pass by, bird, pass, and teach me to pass!」

「Unhappy human beings, who put everything in order,
Draw lines from thing to thing,
Place labels with names on absolutely real trees,
And plot parallels of latitude and longitude
On the innocent earth itself, which is so much greener and full of flowers!」

「I try to shed what I've learned,
I try to forget the way I was taught to remember,
To scrape off the paint that was painted on my senses,
To uncrate my true emotions,
To step out of all my wrapping and be myself - not Alberto Caeiro
But a human animal created by Nature.」
「I'm the Discoverer of Nature.
I'm the Argonaut of true sensations.
I bring to the Universe a new Universe,
Because I bring to the Universe its own self.」

「If, after I die, someone wants to write my biography,
There's nothing simpler.
It has just two dates - the day I was born and the day I died.
Between the two, all the days are mine.」
「I understood that things are real and all of them different from each other.
I understood this with my eyes, never with my mind.」
「One day, like a child, I suddenly got tired.
I closed my eyes and fell asleep. 」

「Let's fulfill what we are.」

「Calm because I'm unknown,
And myself because I'm calm,
I want to fill my days
With wanting nothing from them.」
「On those for whom happiness
Is their sun, night will fall.
But those who hope for nothing
Are glad for whatever comes.」

「You're alone. No one knows it. Hush and feign.
But feign without feigning.
Hope for nothing that's not already in you.
Each man in himself is everything.」



「アルヴァロ・デ・カンポス」による詩より:

「I'm nothing but nausea, nothing but reverie, nothing but longing.」

「It's me, just me, and nothing I can do about it!」

「What tremendous happiness not to be me!」

「All of this, inside my heart, is death and the world's sadness.
All of this lives, because it dies, inside my heart.

And my heart is a little larger than the entire universe.」



「フェルナンド・ペソア」による詩より:

「Yes, all I am and want are but dreams.
Everything slipped out of my slack hands.」

「I'm a fugitive.
I was shut up in myself
As soon as I was born,
But I managed to flee.

If people get tired
Of being in the same place,
Why shouldn't they tire
Of having the same self?

My soul seeks me out,
But I keep on the run
And sincerely hope
I'll never be found.

Oneness is a prison.
To be myself is to not be.
I'll live as a fugitive
But live really and truly.」























































































プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
 
うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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