『マルセル・デュシャン展』 (1981年)

「必要なものを減らすこと。完全に自由でいるために、出来る限り最少限のものしか所有しないこと。これが、彼(デュシャン)のディオゲネス流の原則である」
(H.P. ロシェ)


『マルセル・デュシャン展』
反芸術「ダダ」の巨匠 見るひとが芸術をつくる

編集・発行: 西武美術館/高輪美術館 
制作: リブロ・ポート
印刷・制作: 美術出版デザインセンター
1981年
224p 
27.5×24cm 並装
表紙デザイン: 田中一光
レイアウト: 田淵裕一


高輪美術館
1981年8月1日(土)―9月6日(日)
西武美術館
9月11日(金)―28日(月)



デュシャン展 01


内容:

ごあいさつ (高輪美術館/西武美術館)
Acknowledgment (Ken-Ichi Kinokuni, Director of the Museum of Modern Art, Seibu Takanawa
プログラムへの執筆回避願い状 (井上ひさし)
マルセル・デュシャン あるいは 悪循環 (澁澤龍彦)
デュシャン、1911-1915年の軌跡 (アンヌ・ダノンクール/訳: 塩崎有隆)
複製禁止 (ミシェル・ビュトール/訳: 清水徹)
ガラスの国のバラード (ミシェル・ビュトール/訳: 清水徹)
マルセル・デュシャンと鈴木大拙(『主題と変奏』より) (ジョン・ケージ/訳: 岩佐鉄男ほか)
Marcel Duchamp and Suzuki Daisetz (from Themes and Variations) (John Cage)
マルセル・デュシャン――生涯=作品 (東野芳明)

図版
 初期作品/肖像/裸体/チェス・プレイヤー/キュビスムを経て/機械人間/音/「大ガラス」とその周辺/Tu m'/レディメイド/オプティカル機械/横顔、そして……/鋳型/「遺作」をめぐって/メモとトランク/版画
  1 着物のイヴォンヌ 1901
  2 ひとり遊びをしているシュザンヌ 1902
  3 ブランヴィルの教会 1902 (カラー)
  4 腰かけるシュザンヌ 1903
  5 アウアー燈 1903―4
  6 ナイフの研ぎ師 1904―5
  7 ニュース 1908
  8 初聖体拝領の祝いのメニュー 1908 (カラー)
  9 シモーヌ・ドゥラクールの最初の聖体拝領晩餐会のメニュー 1909
  10 ギュスタヴ・カンデルの肖像 1909
  11 ショーヴェルの胸像 1910 (カラー)
  12 父の肖像 1910 (カラー)
  13 ギュスタヴ・カンデルの母親の肖像 1911―12
  14 マルセルの父親の肖像 1903
  15 フェルディナン・トリブーの肖像 1910
  16 はしごの上の裸体 1907―08
  17 はしごの上の裸体 1907―08
  18 2人の裸婦 1910 (カラー)
  19 裸婦立像 1910 
  20 叢 1910―12 (カラー)
  21 裸婦の上の裸婦 1910―11 (カラー)
  22 日本りんごの樹に吹く風 1911 (カラー)
  23 チェス・プレイヤーの肖像のための習作 1911
  24 チェス・プレイヤー 1911 (カラー)
  25 チェス・プレイヤーの肖像 1911 (カラー)
  26 ちっちゃい妹といえば 1911 (カラー)
  27 ぼろぼろにちぎれたイヴォンヌとマグドレーヌ 1911 (カラー)
  28 階段を降りる裸体、No. 2 1912 (カラー)
  29 急速な裸体によって横切られた王と女王 1912
  30 独身者たちによって裸にされた花嫁 1912
  31 処女、No. 2 1912
  32 花嫁 1912 (カラー)
  33 2人の人物と自動車 1912
  34 飛行機 1912
  35 音楽的誤植 1913
  36 コーヒー挽き 1911
  37 チョコレート磨砕器、No. 1 1913 (カラー)
  38 独身者の装置、1. 平面図 2. 立面図 1913
  39 独身者の装置、立面図 1913
  40 独身者の装置、平面図 1913
  41 彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも 1913
  42 制服あるいは仕着せの墓場、No. 1 1913
  43 制服あるいは仕着せの墓場、No. 2 1914
  44 3つの停止原器 1913―14
  45 換気弁 1914
  46 彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス) 1980
  47 ウルフ・リンデによる《独身者の機会》の立体模型 1977
  48 自転車の車輪 1913(第4版 1961)
  49 薬局 1914 (カラー)
  50 壜掛け 1914(第2版 1921頃)
  51 折れた腕の前に 1915(第3版 1963)
  52 秘めたる音に 1916(第2版 1963)
  53 エナメルを塗られたアポリネール 1916―17
  54 旅行者用折りたたみ品 1916(第2版 1962)
  55 泉 1917(第5版 1964)
  56 旅行用彫刻 1918(第2版 1966) (カラー)
  57 L.H.O.O.Q. 1919(第6版 1965) (カラー)
  58 ヒゲをそった L.H.O.O.Q. 1965
  59 L.H.O.O.Q. の口髭と顎鬚 1941
  60 パリの空気 1919(第3版 1963)
  61 ローズ・セラヴィとしてのデュシャン 1920―21頃
  62 なりたての未亡人 1920(第2版 1961) (カラー)
  63 ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない? 1921(第2版 1963)
  64 カイサ讃 1966
  65 回転ガラス板 1920(第2版 1981)
  66 ロト・レリーフ 1935
  67 グラディヴァのドア 1937(第2版 1968)
  68 風俗画の寓意 1943
  69 プロフィルの自画像 1958
  70 プロフィルの自画像 1967
  71 ゴム手袋つきのポケット・チェス・セット 1944(第2版 1966) (カラー)
  72 “FAUX VAGIN”のナンバー・プレート 1962―63
  73 病床の峠 1959
  74 流しの口 1964
  75 4本のピンで引っ張られて 1964
  76 プロフィルの時計 1964
  77 プロフィルの時計のための素描 1964
  78 プロフィルの時計のための模型 1964
  79 プロフィルの時計のための準備型、No. 2 1964
  80 チェック・チェック 1965
  81 雌雄のイチジクの葉 1950 (カラー)
  82 オブジェ=ダール 1951 (カラー)
  83 貞潔の楔 1954 (カラー)
  84 死拷問の静物 1959 (カラー)
  85 ニキ・ド・サン・ファールのホワイト・ジーンズ 1965
  86 “1. 水の落下、2. 照明用ガス、が与えられたとせよ”の人物像のための習作 1950頃(?)
  87 彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(グリーン・ボックス) 1934
  88 トランクの箱 1941
  89 不定法で(ホワイト・ボックス) 1967
  90 ノート 1980
  91 鏡的回帰 1964
  92 完成された大ガラス 1965
  93 アングル模写選集、Ⅰ 1968
  参考図版
   1 ブランヴィルの風景 1902
   2 腰かけるシュザンヌ 1902
   3 うしろ姿の警察官 1904―5
   4 ガス燈の点燈人 1904―5
   5 女御者 1907
   6 たわむれ 1907
   7 洗礼 1911
   8 ドゥムーシェル博士の肖像 1910
   9 パラダイス 1910
   10 立つ裸婦 1910
   11 春の青年と少女
   12 チェス・プレイヤーの肖像の習作 1911
   13 チェス・ゲーム 1910
   14 ソナタ 1911
   15 肖像〔ダルシネア〕 1911
   16 なお、この星に 1911
   17 汽車のなかの悲しめる青年 1911
   18 階段を降りる裸体、№. 1 1911
   19 階段を降りる裸体、No. 3 1916
   20 高速の裸体によって横切られた王と女王 1912
   21 急速な裸体によって取り囲まれた王と女王 1912
   22 処女から花嫁への移行 1912
   23 チョコレート磨砕器、No. 2 1914
   24 9つの雄の鋳型 1914―15
   25 停止原器の網目 1914 (カラー)
   26 隣金属製の水車のある滑溝 1913―15
   27 約1時間、片目を近づけて(ガラスの裏側から)見ること 1918
   28 彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス) (1912)1915―23
   29 お前は私を… 1918 (カラー)
   30 櫛 1916
   31 美しい吐息、ヴェール水 1921
   32 オステルリッツの喧噪 1921
   33 ラリー街11番地のドア 1927
   34 回転半球 1925
   35 アネミック・シネマ 1925―26
   36 各階水道ガス完備 1958
   37 チャンク・チェック 1919
   38 モンテカルロ債券 1924
   39 頬を舌でふくらませて 1959
   40 死彫刻の静物 1959
   41 “照明用ガスと水の落下が与えられたとせよ”のための素描 1944
   42 照明用ガスと水の落下が与えられたとせよ 1948―49
   43 1. 水の落下、2. 照明用ガス、が与えられたとせよ 1946―66 (モノクロ/カラー)
 According to Marcel
  1 久保田成子 メタ-マルセル ウインドー 1976
  2 久保田成子 デュシャンピアナ:階段を降りる裸体 1975―76
 マン・レイの撮影による写真
  マルセル・デュシャン 1919
  大ガラス「彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも」 1926
  剃髪したマルセル・デュシャン 1919
  マルセル・デュシャン 
  「壜掛け」 1921
  「美しい吐息」、ヴェール水 1921
  「L.H.O.O.Q.」 1919
  「Tu m'」があるキャサリン・ドライアーの書斎 1919
  ローズ・セラヴィ 1921
  マルセル・デュシャン 1919
  埃の栽培 1920
  「9つの雄の鋳型」 1920頃
  ガラス作品の背後に横たわるマルセル・デュシャン 1917
  ニューヨークのアトリエのデュシャン 1920
  マン・レイのアトリエでルシー・ド・サルとチェスをするデュシャン 1924
  「回転半球」 1920
  ニューヨークのデュシャンのアトリエ 1920

Appendix
 年譜
 文献目録
 いま、なぜデュシャン (森口陽 西武美術館)



デュシャン展 03


デュシャン展 04



◆本書より◆


澁澤龍彦「マルセル・デュシャン あるいは 悪循環」より:

「私はつくづく思うのだが、デュシャンくらい、一生涯をかけて一つのテーマを固執した芸術家もめずらしいのではないだろうか。もしもデュシャンを芸術家と呼ぶことが許されるとするならば、である。」
「すなわち、デュシャンはみずから好むと好まざるとにかかわらず、観念的に一貫したテーマを追求するほかなかった、というのが私の基本的な考えなのである。ということは、デュシャンの80年の生涯には、他の多くの画家におけるように、進歩とか発展とかいったことが少しも認められず、彼は若年において固着した一つの悪循環にもひとしいテーマから、死ぬまで逃れることができなかった、ということなのである。」
「すなわち、デュシャンの一生のテーマは「独身者の機械」にほかならなかった、と規定しておきたいのである。」

「ベッテルハイムは『うつろな砦』のなかで、自閉症児がしばしば回転する物体に助けを求めることを述べてから、次のように結論している。「彼らにとって、ぐるぐるまわる物体は悪循環を意味するのであって、この悪循環は憧れから発して恐怖へ、怒りへ、絶望へと向かい、そして憧れが新たに始まったとき、それはふたたび完全に一巡を終えるのである」と。」



「自転車の車輪」解説より:

「彼の出発点にあったのは《気晴らし》であり、《おもしろさ》であった。
 「この車輪が回転するのを見ていると、とても心がやすまり、なぐさめられました。それは毎日の物質的な生活とは別種のさまざまな物事に、一種の通路を開くことだったのです。私は自分のスタジオに自転車の車輪を置いておくという考えが気にいりました。それをながめているのが楽しかったのです。ちょうど、暖炉で燃える炎の踊りを見て楽しむように」」



デュシャン展 05


デュシャン展 06


デュシャン展 07


デュシャン展 08































































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本