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三谷一馬 『彩色江戸物売図絵』

2013年6月17日。


三谷一馬 『彩色江戸物売図絵』

中公文庫 み-27-3
中央公論社 1996年3月18日初版/同6月25日再版
312p 文庫判 カバー 定価1,165円+税
カバーデザイン: 三谷靭彦



オールカラーでよみがえる、江戸の物売りたちの姿。
初版は昭和53年9月に立風書房から『彩色江戸物売百姿』として刊行された。本書はその文庫版。文庫化にあたり、さらに50点の絵と解説が追加されている。


彩色江戸物売図絵1


カバー裏文:

「奇抜な着想から生まれた人目をひく衣裳、思わず笑いを誘われる軽妙な身振り―。江戸の街を往来し、庶民に日用品を運んできた物売りの数々を、当時の絵画資料をよりどころにいきいきと再現、それぞれに鮮やかな彩色をほどこす。江戸風俗画の研究に打ち込んできた著者が二十数年の歳月をかけて描きあげた物売り百五十姿を、オールカラーで収録。」


本書「あとがき」より:

「江戸の物売りは俗に一文商いといわれる貧しい庶民の商いでした。しかし、その商いぶりには、思わず目をみはるような点が間々あります。(中略)しかし、それほど工夫をこらしたにもかかわらず、彼等の寿命は割合に短かったようです。人々に飽きられたり、ゆきすぎた異装を幕府からとがめられたりして、いつの間にか消えてゆきました。すると、すぐに次の新手の物売りが装いも新たに登場してきます。
考えてみますと、こうして物売りが尽きることなく現われた江戸時代は、物売りの最も盛んな時代ではなかったかと思います。
こうした物売りたちは、庶民からは日用品を運んでくる一種の便利屋として親しまれ、またときには季節の推移を知らせる使いの役をもつとめ、江戸の街を彩る風物詩として欠かせぬものだったのです。」
「収録した作品は、今までの著作と同じく黄表紙や洒落本の挿絵、肉筆浮世絵、版画等から、江戸期の物売りの風俗を復元したものです。絵によっては人物の姿を描き改めたり、原画の不足の部分を描き足したり、ときには小さい絵を拡大したりしたものもあります。
作品の原画は、二、三のものを除くと一色で描かれたものです。ですからほとんど著者自身の考えによって彩色したわけですが、着色に際しては他の絵を数多く参考にし、当時の風俗として間違いのないようにつとめました。」



目次:

季寄せ
 凧の卸売り
 払い扇箱買い
 絵馬売り
 太鼓売り
 桜草売り
 稗蒔売り
 菖蒲太刀売り
 母衣蚊帳売り
 七夕の竹売り
 朝顔売り
 すだれ売り
 きりぎりす売り
 灯籠売り
 盆提灯売り
 おがら売り
 放し鳥売り
 すすき売り
 赤鰯売り
 福寿草売り
 荒神松売り
 御神酒の口売り
 お飾り売り
 飾り松売り

飲・食
 冷水売り(一)
 冷水売り(二)
 お茶売り
 酒売り
 白玉売り
 塩売り
 法論味噌売り
 たたき納豆売り
 七味唐辛子売り
 乾物売り
 おさつの丸揚売り
 ゆで玉子売り
 座禅豆売り
 すいとん売り
 風鈴そば屋
 おでん燗酒売り
 鮨売り
 鯉売り
 鰯売り
 鰻の辻売り
 わらび売り
 枝豆売り
 まくわ瓜売り
 西瓜の切売り
 実梅売り
 茄子売り

飴・甘
 狐の飴売り
 お万が飴売り
 おじいが飴売り
 土平飴売り
 ホニホロ飴売り
 唐人飴売り
 取替えべい飴売り
 花輪糖売り
 孝行飴売り
 金時売り
 あやめ団子売り
 大福餅売り
 しるこ売り
 お豆さん売り


 胸腹一切薬売り
 枇杷葉湯薬売り
 弘慶子
 伽蘭湯薬売り
 膏薬売り
 与勘平膏薬売り
 藤八五文薬売り
 百眼の米吉

手遊び
 しゃぼん玉売り
 しん粉細工売り
 評判の俵売り
 手車売り
 亀山のお化け売り
 舌切すずめ売り
 槍持奴売り
 かんざし売り
 三番叟売り
 御来迎売り
 目かずら売り
 玉すだれ売り
 唐人笛売り
 団十郎の機関売り
 小判売り
 蝶々売り
 面売り

道具
 草箒売り
 笠売り
 笊売り
 鉢たたき
 団扇売り
 扇地紙売り
 竹細工売り
 古傘買い
 樽買い
 草履売り
 銭ござ売り
 樋竹売り
 焼継屋
 茶碗売り
 今戸焼売り
 臼の目立屋
 鋳掛屋
 とぎ屋
 毛抜売り
 針・糸売り
 針売り
 釘売り
 手拭売り
 灯心売り
 文庫・提灯箱売り
 三絃売り


 刻み煙草売り
 油売り(一)
 油売り(二)
 つけ木売り
 薪売り
 たどん売り
 竈塗り屋
 黒渋屋
 看板書き
 花売り
 植木売り
 羽織の紐直し
 高荷木綿売り
 竹馬きれ売り
 貸本屋
 小間物屋
 眼鏡売り
 筆墨売り
 富の札売り
 十九文見世
 傀儡師(一)
 傀儡師(二)
 耳の垢とり
 猫の絵かき

大道芸・物貰い
 奥山のけしの助
 砂文字かき
 片身かわりの物貰い芝居
 知盛の幽霊
 幽霊の物貰い
 千両箱の軽子
 考え物
 おちよ舟
 鳥渡一服
 唄比丘尼
 すたすた坊主
 異風の托鉢



彩色江戸物売図絵2


本書より:

「七味唐辛子売り

「とんとんたうがらし、ひりゝとからいハさんしよのこ、すハすハからいハこしやうのこ、けしのこ胡麻のこちんひのこ、とんとんたうがらし、中ノヨイノガ娘ノ子、イヽ子フリスルノガ禿の子」
(中略)
七味唐辛子の原料は粉唐辛子、焼唐辛子、山椒、胡麻、麻の実、陳皮、罌粟(けし)の七種。
(中略)
唐辛子の本場は、内藤新宿八ツ房の唐辛子で、最上等品として売られました。
唐辛子売りの身装(みなり)は、絵のような扮装に限られたものではなく、いろいろあったようです。」



彩色江戸物売図絵3


本書より:

「狐の飴売り」

「飴売り、薬売りには、異様な姿をした売り子が多かったようですが、これなどはその代表的なものといえます。
子供が飴を買うと、絵のような狐踊りをして見せました。」



彩色江戸物売図絵4


「片身かわりの物貰い芝居」


彩色江戸物売図絵5


本書より:

「幽霊の物貰い

安政頃、杖をたよりに歩く足の不自由な物貰いがいました。「常に幽霊にふんして銭を乞ふ。或時小幡小平次又お菊の幽霊等得意なり」とあります。」



彩色江戸物売図絵6


本書より:

「異風の托鉢

「これは嘉永年間であつて遂に回向院から苦情を持出して差止めになつたが、総勢五人にて内四人は猫の目鬘(めかづら)をかけ麻の法衣(ころも)に白の脚絆草鞋ばき、それで大きな鮑貝を持ち、また一人は普通の僧形ではあるが、長き杖の頭へ床節(とこぶし)を五ツ六ツ吊し錫杖の如くに見せ、かちんがさかちんがさと突立て『ねこう院仏しやう』と澄して歩く。猫の目鬘かけた坊主は普通勧化僧のやうに戸毎に立つ、鉄鉢の代りに大鮑貝をつゝと差出す。その姿のをかしきより人々銭を投じやると『おねこー』と高く叫びて真面目だ。すると和尚さんが床節のついた錫杖をがさがさがさと振て『にやごにやごにやごにやご』と回向した。余程風変りで滑稽であつたさうな。此当時回向院の勧化があつたので例の橋本町あたりから出懸た物貰ひの趣向であつた」(『文芸倶楽部』)
原画の文に「両国猫小院仏施 にやんまみ陀仏陀仏がらがらがら」とあります。」

































































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なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

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Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

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尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

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