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Charles Simic 『The Monster Loves His Labyrinth: Notebooks』

「To be an exception to the rule is my sole ambition.」
(Charles Simic)


Charles Simic
『The Monster Loves His Labyrinth:
Notebooks』


Ausable Press, 2008, first edition, second printing
115pp, 21.6x14cm, paperback
Cover Art: Varujan Boghosian, Goodbye to All That
Author Portrait: Saul Steinberg, Charles Simic, 1993



ユーゴスラヴィア生まれのアメリカ詩人チャールズ・シミックの短文集。一部既刊(1990年)のものを含む。
全体は五つのパートに分かれていて、「Ⅰ」は回想的文章、「Ⅱ」「Ⅲ」は詩論、「Ⅳ」「Ⅴ]は断片。
子どものころに経験した第二次世界大戦の思い出は、爆撃の合間に母親にクッキーをねだったり、死んだドイツ兵のヘルメットをかぶって遊んでいたらシラミだらけになってしまったことなどです。詩論では、詩的想像力を欠いた評論家を批判しています。子どもたちの生得の詩を殺すのは学校教育であると喝破しています。
シミックは哲学(形而上学)が好きなようです。デリダやリクールにも言及しています。
アルトーやシオランが共感的に引用されています。
本書は平明な英文で書かれているのでよみやすいです。
本書の表題「怪物はおのれの迷宮を愛する」というのはたいへんよいと思いました。「胡桃の中の世界」みたいなものです。


simic - monster loves 01


本書より:

「I'm a member of that minority which refuses to be part of any officially designated minority.」

「私は、正式に指定されたマイノリティに属することを拒絶する人々からなるマイノリティの一員だ。」


「Every defense of poetry is a defense of folly.」

「詩を擁護することは、愚(おろか)を擁護することなのだ。」


「The beauty of a fleeting moment is eternal.」

「束の間の美は永遠だ。」


「Bird sing to remind us that we have a soul.」

「鳥は、われわれにも魂があるということを思い出させるために鳴く。」


「My ambition is to corner the reader and make him or her imagine and think differently.」

「私の野望は、読者を追いつめて、それまでとは違ったふうに想像力を働かさせ、違ったふうに考えさせることだ。」


「I'd like to show readers that the most familiar things that surround them are unintelligible.」

「私は読者に、最も身近なものこそ、理解を絶したものであるということを示したい。」


「The theory of archetypes: Inside is where we meet everyone else; it's on the outside that we are truly alone.」

「元型の理論: 内面こそが、われわれが皆と出会う場所であり、外界ではわれわれは全くひとりぼっちだ。」


「My soul is constituted of thousands of images I cannot erase. Everything I remember vividly, from a fly on the wall in Belgrade to some street in San Francisco early one morning. I'm a grainy old, often silent, often flickering film.」

「私の魂は消去することのできないたくさんのイメージによって構成されている。ベルグラーデの壁にとまっていた一匹の蠅から、ある早朝のサンフランシスコの街路まで、私がまざまざと思い浮かべる全てによって。私は擦り切れて粒子が粗くなった、たいていは無声の、たいていはちらつく映画のフィルムなのだ。」


「If poems were the expression of one's ethnicity they could remain local, but they are written by individuals in all cultures, which makes them universal.」

「詩が民族性の表現であるならそれは局地的なものに止まるだろう、しかし詩はあらゆる文化に属する個人によって書かれるのであり、それゆえ詩は普遍的なものになるのだ。」


「How do we know the Other? By being madly in love.」

「いかにして他者を知るか? われを忘れて愛することによって。」


「To be an exception to the rule is my sole ambition.」

「規則の例外になること、それが私の唯一の野望だ。」


「Labyrinthine cities of the mind where I'm always getting lost.」

「心の迷宮都市で私はいつも迷子になってしまう。」


「It's so quiet, one can hear the sound of the waves Homer heard on the Aegean.」

「とても静かなので、ホメーロスがエーゲ海できいた波の音まできこえてきそうだ。」


「According to Cioran, silence is as old as being, perhaps even older. He means the silence before there was time. This is the only God I believe in.」

「シオランによれば、沈黙は存在とおなじくらい古い、たぶん存在よりも古い。シオランは時間がはじまる以前からあった沈黙のことを言っているのだ。これこそ私が信じる唯一の神だ。」
























































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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
 
うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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