阿部保 訳 『ポー詩集』 (新潮文庫)

「彼等は男でもなければ女でもない――
獸(けもの)でもなければ人間でもない――」

(ポオ 「鈴の歌」 より)


『ポオ詩集』
阿部保 訳

新潮文庫 赤 28 C

新潮社 
昭和31年11月20日発行
昭和57年1月25日32刷
107p 
文庫判 並装 カバー 
定価140円
カバー: 崎原操



正字・新かな。
カバーには「ポー詩集」とありますが、本体は「ポオ詩集」になっています。本書はカバーの背の部分が青地に白文字ですが、まえにもっていたこれより古い刷のは背も白で黒文字でした。


ポオ詩集


カバー裏文:

「詩人として、小説家として、19世紀アメリカ文学の中で特異な光を放つエドガー・アラン・ポー。彼の詩は悲哀と憂愁に彩られ、ボードレールのフランス語訳によってフランス象徴主義の詩人たちに深い影響を与えたことはよく知られている。本書には、ポー自身が『詩の原理』の中で創作過程を明かしたことで著名な「大鴉」のほか「ヘレンに」「アナベル・リイ」などの代表作を収める。」


目次:

はしがき (阿部保)

大鴉
夢の夢
ヘレンに
海中の都市
死美人
レノア
不安の谷間
圓形劇場
ヅァンテ島の歌
幽鬼の宮
勝利のうじ蟲
幻の郷
ユウラリイ
ユラリウム
ヘレンに贈る
黄金郷
アナベル・リイ
鈴の歌

詩の眞の目的

詩人エドガア・アラン・ポオ (阿部保)
あとがき (阿部保)




◆本書より◆


「幽鬼の宮」より:

「優しい天使の住んでいる
   この谷間の緑のこの上もなく濃いあたり
むかし美しく嚴かな宮殿が
   燦然たる宮殿が――聳えていた。」



「幻の郷(さと)」より:

「夜という妖怪が、眞黒(まつくろ)い王座によつて
悠々とあたりを覆い、
只惡心の天使ばかりうろつく、
朦朧(ぼんやり)と淋しい道を通り、
遠く仄暗いチウレから――
空間と時間を超えて
荘厳にひろがる荒涼と怪しい郷から
漸く私はこの國に着いた。

底の知れない谿と果しない氾濫、
裂け目や洞穴や巨人族の森、
一面に露が滴り
その姿を誰もさだかに見ることも出來ない。」



「ユウラリイ」より:

「私はひとり
呻吟の世界に住んでいた。
私の靈は澱んだ潮であつた。」



「ユラリウム」より:

「さて今は夜もふけ、
星の時計の曙を示すとき――
星の時計の曙をほのめかすとき――
我らの道の果に水のような
朧の光があらわれた。」














































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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