Christopher de Hamel 『Medieval Craftsmen : Scribes and Illuminators』

Christopher de Hamel
『Medieval Craftsmen :
Scribes and Illuminators』


The British Museum Press, 1992, 11th impression 2012.
72pp, 21.5x21.5cm, paperback



ブリティッシュ・ミュージアムから出ている「中世の職人たち」シリーズの一冊、サザビーズの装飾写本部門長(head of the Illuminated Manuscript Department at Sotheby's)を勤めるクリストファー・デ・ハメルによる『写字生と装飾画家(※)』です。装飾写本制作の全工程、羊皮紙(parchment/vellum)やインク・羽ペンの作り方、製本などについても触れられています。初心者向けの入門書なので、豊富な図版を交えつつ、平明な英文で読者の興味を引くように書かれています。カラー図版35点、モノクロ図版28点。
※「illumination」とは、厳密にいうと、金(や銀)を使用した飾画(decoration)のことで、金には、金箔と、粉状の金をアラビアゴムに混ぜて筆で塗る艶消しの金(shell gold)の二種類があって、前者は他の色を塗る前に、後者は他の色を塗った後で入れる、というようなことが本文には書かれています。


scribes and illuminators 01


Contents:

Introduction

1. Paper- and Parchment-Makers
2. Ink-Makers and Scribes
3. Illuminators, Binders and Booksellers

Glossary
Further reading
Photographic credits
Acknowledgements
Index



scribes and illuminators 05


写真上: 修道院では贅沢は敵なので、穴の開いた羊皮紙をそのまま使用しています。
写真下: 12世紀ドイツの修道士が木枠に固定した羊皮紙をナイフでこすって下準備をしているところ。


scribes and illuminators 04


フランスの時祷書に描かれた写字生としての聖マルコ。ペンナイフで羽ペンを削って、うまく削れたかどうかチェックしています。机にはインク壺が置かれています。ライオン・筆記用具・本は、画面に描かれている人物が聖マルコであることを表わすためのアトリビュートであります。


scribes and illuminators 02


本書は、中世の装飾写本がどのような人々によってどのように作られたかを解説した本ですが、同じ著者による『A History of Illuminated Manuscripts』(Phaidon Press, 1986, 2nd ed, 1994)は、そうして作られた装飾写本が、どのような人々によってどのように使用されたかを解説している本なので、本書と併読するとよいです。
そしてまた、写本の具体的な取扱い方を解説した、写本研究の入門書として、Raymond Clemens と Timothy Graham による共著『Introduction to Manuscript Studies』(Cornell University Press, 2007)があるので、それも併読するとよいです。主にニューベリー・ライブラリー(The Newberry Library)所蔵の資料を用いて、実際的な問題を解説しており(写本の読み方、取り扱い方、補修の仕方など。虫害にあった写本の写真なども掲載されています)、第一章は写本制作の概説にあてられていて、本書と同じテーマを扱っています。


scribes and illuminators 03























































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本