『世界の詩 1 フランソワ・ヴィヨン』

『世界の詩 1 
フランソワ・ヴィヨン』


思潮社 
1981年11月1日発行
253p 
A5判 並装 
定価980円
表紙・目次構成・本文レイアウト: 菊地信義
表紙カット: 中世の彩色挿画より
目次・扉カット: 小作青史
本文カット: 小作青史/林マリ/「羊飼いの暦」より
写真撮影: 宮内勝



本文二段組。ページ数には目次と別丁モノクロ口絵(フランソワ・ヴィヨンとその時代)が含まれます。ほかに本文中図版(モノクロ)多数。


ヴィヨン 世界の詩 01


カバー文:

「中世の闇をさく
哄笑と呪い 謎にみちた詩の構造
戦乱とペストの嵐のなか 時代をこえた
生と死の昂揚の詩を遺し去った
詩人 ヴィヨン
いま「作品」と「詩人」のありようを
考えるとき ヴィヨンの名がついた
テクストを読みとくことはわたしたちの
切実な課題であろう
ヴィヨンとは
だれか?」



ヴィヨン 世界の詩 02


目次:

テクスト
フランソワ・ヴィヨン詩集抄 (訳: 天沢退二郎)
 『ヴィヨンの形見』『ヴィヨンの遺言』『ヴィヨン雑詩篇』より

討議
「死」の想念と詩句の重層構造 (佐藤輝夫・窪田般彌・高田勇)

論考
ヴィヨンの雲 (飯島耕一)
言葉の現存 (安藤元雄)
ヴィヨン、われは傷口にして刀 (寺山修司)
「形見分け」のイロニー (佐藤輝夫) (『ヴィヨン論考』 1949年 三笠書房)
「四行詩」余談 (鈴木信太郎) (『詩人ヴィヨン』 1955年 岩波書店)
楕円幻想 (花田清輝) (『復興期の精神』 1946年 我観社)
固有の名の隠退をめぐって (内田洋)
もう一つの共鳴 (植田祐次)
『遺言』(第三十九~四十一節)文体分析の試み (ジャン・フラピエ/訳・解説: 岩本修巳)
ヴィヨン『遺言』の制作意図 (ジャン・デュフルネ/訳: 西沢文昭)
「泉のほとり」の道化と賢者 (ダニエル・ポワリヨン/訳・解説: 篠田勝英)
フランソワ・ヴィヨン詩集への序文 (トリスタン・ツァラ/訳・解説: 内田洋)
アナグラム (ピエール・ル・ジャンチ/訳: 内田洋)
一九六七年のヴィヨン (ディヴィッド・クーン/訳・解説: 細川哲士)
フランソワ・ヴィヨンの韻律法 (ミッシェル・ビュトール/訳・解説: 篠田勝英)

作品
バラッド二つ、四行詩一つ (入沢康夫)
天使 (辻征夫)
イメージ・デッサン ぼくのヴィヨン (長谷川龍生)

エッセイ
フランソワ・ヴィヨンへの手紙 (会田綱雄)
フランソアは何処へいった (清水昶)
サント・アヴォワのことなど (堀越孝一)
こぞの雪 (加藤郁乎)
旅立ちのヴィヨン (佐藤東洋麿)
一人称を問う詩心の確立 (佐佐木茂美)

資料
フランソワ・ラブレー パンタグリュエル物語 (第四之書十三章) (訳: 渡辺一夫)
ヴィヨン略年表 (細川哲士 編)
ヴィヨン参考文献 (細川哲士 編)

アルバム
フランソワ・ヴィヨンとその時代 (細川哲士 編)



ヴィヨン 世界の詩 03



◆本書より◆


天沢退二郎訳「〔四行詩〕」:

「わたしはフランソワ――このことがとにかく辛いんだ――
生まれはパリ、ポントワーズの近く。
さて、長さ1トワーズの綱につるされて
首のやつ、臀がどんなに重いかを悟るだろう。」



佐藤輝夫「「形見分け」のイロニー」より:

「「遺言書」は詩人の言わば復讐の書である。その中では冒頭から結びのバラードに至る間、おのれを苦しめたと思う人々に対する怨みと復讐の精神が、おのれを裏切ったと思う白眼無情の女(「形見分け」冒頭に出てくる女である)に対する未練と遺恨とあざないながら、それがライト・モチーフのようなものとなって、折に触れては爆発し、大波となって寄せてはまた返すその間を、富者に対し、宗門に対し、権力者に対する詩人の感情の小波が低回し遙曳して、まるで詩人のこころの一大交響楽を聞くといった感じを与える。ところが「形見分け」では、詩人が冒頭で描いて以っておのが都落ちの動機としている恋愛敗竄者の逃避行、色道殉難者の条りからして、言ってみれば喜劇役者が扮する悲劇の科白に接するような気がする。」

「「形見分け」に見るヴィヨンの芸術の本質は――これは「遺言書」についても言うことは出来るが――それは「パロディー」にあると思う。パロディーとは、真面目なもの、尊敬すべきもの、神聖なものを捉えてこれを茶化す本能、替歌趣味である。「形見分け」は出発からしてこれである。キリスト教徒として生涯の最も厳粛なるべき瞬間に於て認められる一種の公文書、信仰の結晶たるべき現実の遺言書という様式を、彼は自己の感情吐露の具に供したのである。このパロディーを背景づけるものとして、彼は逆説、アイロニー、二重疑義をもつ言葉の使用などをふんだんに行って、そこに哄笑の誘因を作り、その間に、看板趣味、糞尿趣味、酒亭趣味を随所に点綴し発散している。」




こちらもご参照下さい:

天沢退二郎 訳 『ヴィヨン詩集成』









































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本