FC2ブログ

Henri Michaux - Stroke by Stroke (tr. Richard Sieburth)

Henri Michaux "Stroke by Stroke"
Translated from the French by Richard Sieburth

Archipelago Books, NY, 2006
First edition, Second printing
16.6x15.2cm, paperback
Cover design by David Bullen



アンリ・ミショー晩年の小詩画集二冊のカップリング英訳版。
出版元の「Archipelago Books」は、以前紹介したペーター・アルテンベルクの『Telegrams of the Soul』もそうですが、有名どころでもビュヒナーの「レンツ」やゴンブローヴィッチの「バカカイ」など、どう考えても売れそうにない本ばかり出している奇特な出版社で、「Exact Change」社(ジョゼフ・コーネルの夢日記や、シュルレアリスム小説の英訳などでおなじみ。ドリームポップ・デュオの Damon & Naomi がやっています)同様、スタイリッシュな装幀が際立っているのでお気に入りです。


stroke by stroke 1


ペーパーバックですが、表紙の紙は厚めで端が折り返してあるタイプで、手触りがよいです。
収録内容は、「Grasp」 (Saisir, 1979)と「Stroke by Stroke」 (Par des traits, 1984)で、どちらも絵(デッサン)が主で、「描くこと」をテーマにした短い詩文が添えられています。


stroke by stroke 2


「もっとうまくつかまえるために虫になる
曲がった脚で、もっとうまくつかまえるために
虫に、クモに、ムカデに、ダニになっても
かまわない、もっとうまくつかまえるために。」



stroke by stroke 3


「動物たち、人間たち、しぐさ、それはもはや問題ではない、いま問題なのは状況だ。
状況を指し示す記号。それをもっと作るべきだった。残念ながら、力不足だ。
記号によって状況をつかまえる、すばらしい! なんという変容!」



stroke by stroke 4


「わたしは追いかけていた。だがなにを追いかけていたのか? 空中のもろい、かたむいた構造物で、わたしは宇宙をすみからすみまで解明する偉大で崇高な冒険に足を踏み入れたのだ。」


stroke by stroke 5


稟質として、ミショーは絵が「うまい」です。それを本人もわかっているので、うっかりすると、うまくなってしまうので、うまくならないようにしようと葛藤しています。ミショーには、整理整頓好きな神経質な人があえて部屋をちらかそうとして、ちらかし方が整合的になってしまうようなところがあります。





























関連記事
スポンサーサイト



プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
 
うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

すきなことば: 「だれもいない」「ギブアウェイ」「ウポポイ」「隠密」
きらいなことば: 「人と人とのつながり」「キャリアアップ」「ほぼほぼ」「三密」

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。
歴史における自閉症の役割。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本