「現代思想」 臨時増刊 総特集: ウィトゲンシュタイン


「現代思想」 臨時増刊
総特集: ウィトゲンシュタイン

第13巻第14号 1985年12月臨時増刊

青土社 
1985年12月20日発行
422p 
22×14.2cm 並装 
定価1,500円
編集人: 斎藤公孝
発行人: 清水康雄
カット: 福井晋



ページ数には別丁モノクロ図版16pが含まれます。本文中にも図版(モノクロ)多数。


現代思想 ウィトゲンシュタイン 01


目次:

柄谷行人 「語ることと教えること――ウィトゲンシュタイン論」
黒崎宏 「クリプキの『探究』解釈とウィトゲンシュタインの世界」
C・ライト 「クリプキと反私的言語論」 (訳: 松本洋之)
J・マクダウェル 「規則に従うこと――ウィトゲンシュタインの見解」 (訳: 永井均)
室井尚 「説得と争異(ディフェラン)――ウィトゲンシュタイン、リオタール、ローティ」
立川健二 「誘惑について」
池内紀 「ウィトゲンシュタイン地理学散歩」
宇佐美圭司 「ウィトゲンシュタイン・セザンヌ・デュシャン」
山田正紀 「パッション・呪文・救済」
丘沢静也 「ウィトゲンシュタイン・ゲームの同窓生」
高山宏 「ぼくも負けずに《Wittgenspiel》――いくつかの見取り、敢えて『トラクタトゥス』にこだわり」
Ch・ノリス 「文字の自己主張――ウィトゲンシュタインの後期哲学におけるテクストと隠喩」 (訳: 森本浩一・佐藤英明)
D・ラカプラ 「『ウィトゲンシュタインのウィーン』と『論理哲学論考』」 (訳: 加藤泰史)
中村元 「ウィトゲンシュタインにおける沈黙――東洋思想との対比」
橋爪大三郎 「仏教の言語戦略――言語ゲーム・ルール・テキスト」
岡本由紀子+野家啓一 「ウィトゲンシュタインと超越論哲学」
P・リクール 「フッサールとウィトゲンシュタインにおける言語」 (訳: 内藤俊人)
D・ハドソン 「「文法としての神学」」 (訳: 岡田雅勝)
H・ピトキン 「ウィトゲンシュタインと政治――政治理論と現代の苦悶」 (訳: 柴田正良)
S・キェルップ 「ウィトゲンシュタインと像言語の哲学」 (訳: 大沢秀介)
野本和幸 「現代意味論における『論考』の位置」
G・ピッチャー 「ウィトゲンシュタイン、ノンセンス、ルイス・キャロル」 (訳: 栂正行)
S・ガブリック 「言葉の用法――マグリットの作品における」 (訳: 岩佐鉄男)
滝浦静雄+藤本隆志+村上陽一郎 「〈言語ゲーム〉の多様性――ウィトゲンシュタインの提起」

図版構成(付詳細年譜) Recollections of Wittgenstein 1889-1951
ウィトゲンシュタイン著作目録 1912-1951



現代思想 ウィトゲンシュタイン 02



◆本書より◆


ジョージ・ピッチャー「ウィトゲンシュタイン、ノンセンス、ルイス・キャロル」より:

「ウィトゲンシュタインとキャロルは、(中略)ともに専門家の立場からノンセンスに関心を抱いていた――しかも非常に似かよった類のノンセンスに。」
「ウィトゲンシュタインのノンセンスもキャロルのノンセンスもともに極端な当惑を生み出す。ウィトゲンシュタインによれば、哲学者は、自分たちが知らず知らずのうちに口にするノンセンスによって惑わされ、混乱させられるのだが、ちょうどそれと同じように、アリスは冒険の過程で耳にするノンセンスによってたえず当惑し、混乱させられる。どちらの場合もノンセンスは一種狂気に似た様相を呈するのだ。アリスの世界は狂気の世界であり、彼女はその犠牲者だ:アリスは自分の出会う気ちがいたちのノンセンスに対してまったく無力である――彼女は決して勝つことはない。ウィトゲンシュタインの見解によれば、哲学者の精神とはまさしく内面化されたアリスの狂気の世界なのだ。

   哲学者とは、健全な人間悟性の概念に到達する以前に、自分の悟性の多くの病気を直さなければならない人のことである。
   われわれが生において死に取り囲まれているとすれば、われわれはまた悟性の健康にあって狂気に取り囲まれているのである。
                [『数学の基礎』、第四部、五三]

アリス同様に、哲学者は狂気(ノンセンス)の無力な犠牲者である――これもまたアリス同様、哲学者が目覚めて、あるいは目を覚まされて正気に戻るまでは。
 たしかにウィトゲンシュタインとキャロルはノンセンスに対して根本的に異なる態度をとった。それはウィトゲンシュタインを苦しめ、キャロルを歓喜させた。キャロルは現実に背を向け、われわれを(不思議な)寓話と幻想の世界へとたくみに導いた。一方哲学者ウィトゲンシュタインは、あらゆる手を尽して寓話と幻想の世界から現実へとわれわれを引き戻そうとした。しかしこの二人はかなり似かよった領域に目を向けていたのだ:キャロルが単に直観しただけの多くの点をウィトゲンシュタインは概念化し、それを哲学へと応用したとさえ看做すことができるかもしれない。」



現代思想 ウィトゲンシュタイン 03


ウィトゲンシュタイン年譜より:

「1889
四月二六日の夕方、オーストリアの首都ウィーン、アレー通り一六番地に生まれる。(中略)十四歳まで家で教育される。」

「1902
四月、長兄のハンスがキューバで自殺。」

「1904
五月二日、次兄のルドルフがウィーンで自殺をする。」

「1914
十一月六日、トラークル自殺。
五月から六月にかけて、ショルデン(ソグネ・フィヨルドの奥の小さな湖畔の断崖中腹)に小屋を建てる。」

「1918
十月二七日、兄のクルト、自殺。」

「1926
五月、修道院で庭師の助手をする。
夏、ヒュッテルドルフの「慈悲の友修道士会」で庭仕事の手伝いをする。
秋から二年にわたり、一番年下の姉マルガレーテ(ストンボロウ夫人)のため、邸宅の建築にロースの弟子のエンゲルマンとともに従事。そのかたわらドゥロービルのスタジオで少女の胸像を制作する。」

「1936
夏、ショルデンの小屋に引き籠る。」

「1938
イギリスに帰化する。」

「1951
四月二九日、死す。」



現代思想 ウィトゲンシュタイン 04

































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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

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ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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