柴田宵曲 『明治の話題』 (ちくま学芸文庫)

柴田宵曲 
『明治の話題』

ちくま学芸文庫 シ 22-1

筑摩書房 
2006年12月10日 第1刷発行 
333p+1p
文庫判 並装 カバー 
本体1,300円+税
装幀: 安野光雅
カバーデザイン: 間村俊一
装画: 「街燈」(三谷一馬)


「『明治の話題』(昭和三十七年九月、青蛙房刊)を底本とし、明らかな誤字脱字はこれを訂した。常用漢字は原則として新字体に改め、適宜ルビを補った。ルビは新仮名遣いとした。」



本文新字・正かな。三谷一馬による「中扉絵」10点。


柴田宵曲 明治の話題


カバー裏文:

「彗星、憲法発布、園遊会、観覧車、辻占売り、アイスクリーム、烟草の広告、鐘の音、コックリさん、ゴム風船等々、百五十余に及ぶさまざまな事物、風俗、主題によって明治を語った随筆集。博覧強記にして地味横溢。事物起原の考証から懐かしい日常風景まで、多種多様な話題をめぐって、漱石、鏡花、子規、緑雨らの文章を縦横に引き、また文化人、政治家、ジャーナリスト等の興味深い逸話を数多く収めた本書は、さながら明治文学詞華集、人物逸話集の趣もある。三谷一馬の挿画10葉を付す。」


目次:

はしがき


彗星
春の大雪
晴雨
憲法発布
国会
提灯行列
凱旋門
凱旋異聞
記念絵葉書
演説
通訳
弔詞
投票
文芸委員


焼芋と牡丹餅
発行停止
檜可斬
号外
校正
懸賞小説
電信
電話
図書館
試験
採点
賄征伐


酒癖
貫目
官界の高士
吾輩は猫
暗殺の予言
安藤閣上
十人組
諢名
超人
年齢
水嶋寒月
死神
宿望
詐称
腰弁
高利貸
成金
乞食
忘れた日本語
花井お梅


丁髷
カイゼル髯
ハイカラ
燕尾服
シルクハツト
夏帽
角帽と制服
美術学校の制服
下駄
眼鏡
時計
香水


人力車
鉄道馬車
自転車
飛び乗り飛び降り
花電車
一銭蒸汽
渡船
変つた乗物
飛行機


園遊会
音楽会
かるた会
海水浴
水泳場

VII
日比谷公園
両国橋
吾妻橋
兜町
紅葉館
イルミネーシヨン
観覧車
日英博覧会
電気館
ルナパーク
手品
うつし絵
菊人形
国技館
角力の名前
角力勝負附
酉の市
砂文字
占ひ
催眠術
声色つかひ


絵草子屋
質屋
氷店
露店
お宝売り
苗売り
辻占売り
薬売り
パン売り
豆売り
カツフエー
ミルクホール


ビール
サイホン
烟草の広告
官製烟草
岩谷天狗
詰め替へ
きんとん
牛肉
サンドヰツチ
文字焼
カステラ
アイスクリーム
トマト
汁粉
懐中汁粉
砂糖水


ピストル
決闘
贋造紙幣
銀貨
銅像
幻燈
蓄音機
広告の楽隊
鐘の音
午砲
新内の流し
火の番
土蔵
街燈
洋字看板
ゼム
ラムプ
玩具
ゴム風船
焼きぬき
燐票
蚊遣香
ライオン
コレラ
ミイラ
コスモス
洒落
作文の型
ミツドウエー

あとがき (岡本経一)
解説 「小さな明治」への愛惜 (川本三郎)




◆本書より◆


「忘れた日本語」より:

「明治四年にアメリカに留学した五人の女子のうち、永井繁(しげ)とあるのが益田孝(たかし)の妹である。十一歳で洋行し、十年後に帰朝して瓜生外吉(うりゅうそときち)といふ海軍士官(後の大将)と結婚した。この留学の間に日本語はすつかり忘れ、おぼえてゐたのは猫といふ言葉一つだったさうである。」
「或時どこかで落し物をして、警察へ届けに行つたが、日本語では書けないので英語で書いて出した。益田孝によこす手紙は後々までずつと英語であつた。」



「うつし絵」より:

明治時代に「うつし絵」と称したものはいろいろあつた。汽車のことを「むしけぐるま」と詠む流儀の歌人は、写真のことを「うつし絵」といふ。幸田露伴の「うつしゑ日記」なども、写真器携帯旅行の意である。
 今の紙芝居に似た街頭の見世物があつた。背景に黒い布を張り、舞台に当たるところで紙の人形を使ひながら、演者が絶えずしやべつてゐた。人形は紙を両面から貼り合せて柄がついてゐる、極めて簡単なものであつたが、例へば孫悟空のやうなものを演ずる場合、手早く裏返すと、全く替つたものになる特色があつた。見物は無論子供で、これを「うつし絵」と称してゐた。
 寄席で見せた「うつし絵」は一種の幻燈であるが、活動写真や幻燈がスクリーンの正面からうつすのと違つて、幕の裏からうつす。絵はガラス板に直接画いたもので、幻燈と同じ着色であつた。」
「以上の「うつし絵」とは全く種類を異にしながら、やはり同じ名で呼ばれるものがあつた。花卉鳥獣などを色刷りにした紙を、濡らして手の甲へ貼り付け、やゝあつて徐(おもむ)ろに剥がすと、絵ははつきり皮膚の上に残る。その絵はいづれかと云へば西洋臭い感じであつた。」

 
 


こちらもご参照ください:

柴田宵曲 『明治風物誌』  (ちくま学芸文庫)
































































































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