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『齋藤磯雄著作集 II 詩と音樂 他』

「ヴィリエ・ド・リラダンにとつて《夢》は《もう一つの人生》であるばかりではなく《唯一の現實》であつた。彼は壮麗な夢想の世界を昂然と生きて、所謂《實人生》の權威も支配權も認めない。――《生きる? そんなことは下僕共がやつてくれるさ!》と、作中の沈鬱な青年貴族は言ふ。」
(齋藤磯雄 「王者の末裔」 より)


『齋藤磯雄著作集 II 詩と音樂 他』
編集委員: 宇佐見英治・窪田般彌・渋沢孝輔・安藤元雄・矢内原伊作

東京創元社 平成3年4月30日初版
iv 293 口絵i/iii 332p 口絵i
A5判 丸背布装上製本 貼函
定價11,000圓(本體10,680円)
装釘: 日下弘・足立秀夫

付録1 8p
優雅ニシテ毅然タル人(小堀杏奴)/沈醉愁に堪へず(中井英夫)/回想(阿部富美子)



第一回配本。二分冊。本文正字・正かな。

「解題」より:

「『齋藤磯雄著作集』の第一回配本にあたる本巻には、まず、著者の筆になる創作詩十一篇を掲げ、続いて著書のうちから、フランス近代詩およびフランス歌曲の鑑賞の指針として著名な『詩話・近代ふらんす秀詩鈔』『フランスの詩と歌』の二点を収めた。ただし後者は、その前身をなす『フランスの歌曲』とともに全文に横組が採用されており、文中に楽譜の引用も多いため、(中略)二分冊に仕立てて、横組左開きによる別冊にこれを収めた。」

第II巻2の「解題」より:

「本冊には、ダヴィッド社刊行『フランスの詩と歌』(1954年10月5日初版)の全文、及び、三笠書房刊行『フランスの歌曲』(1952年6月30日初版)を抄録して収めた。」
「重複を避けるため、本冊には、『フランスの歌曲』のうち『フランスの詩と歌』に再録されなかった8篇のみを抄録した。」


『詩話・近代ふらんす秀詩鈔』は、まず新潮社の「一時間文庫」の一冊として『フランス詩話――近代の絶唱をめぐつて』の表題で刊行され(1955年8月)、次いで新潮文庫に収録(1957年9月)、のちに改訂・改題して立風書房から刊行(1972年12月)された。

本巻付録(月報)「編集部より」より:

「コンピューター写植印刷全盛の昨今でございますが、あえて活版印刷でお贈りする本著作集を、どうぞ御支援下さいますようお願い申し上げます。」


齋藤磯雄著作集2-1


帯文:

「高潔な精神、清雅にして鋭敏な語感、
稀有なる文人の半世紀にわたる文業
第II巻 詩と音樂他 責任編集・安藤元雄
創作詩、詩話・近代ふらんす秀詩鈔、拾遺ii
フランスの詩と歌、『フランスの歌曲』より」



帯裏:

「齋藤磯雄さんの随筆を拝見する楽しさは何に譬えればようのでしょうか、まるで快い音楽を聞くのにも似て、親しく暖かな時が流れて行くようです。(……)
フランス歌曲に関するご本からは詩について沢山教えられるのは申すまでもありませんが、音楽の面でも、一鑑賞者が捉えることの出来る域をはるかに超えると思われる記述が見られます。それは、齋藤さんがドビュッシーやフォーレの楽譜を読み、ご自身でピアノを弾いて、音楽として詩を考えることの出来る稀な方だったからなのでしょう。
井上二葉

わたしは齋藤磯雄氏に対して終始変らぬ敬愛を、ただし遠くから献げて来た。はじめはその翻訳した作品のおもしろさに惹かれ、やがてこの人のあやつる文体の、華麗でしかも雄勁、剛直でそのくせ花車(きゃしゃ)な趣に注目するやうになつた。
氏は、浪曼主義から世紀末にかけてのフランス文学の根底にあるものが古典主義的骨格であることを見抜き、それをわが国語に移すに純正なる語法と用字と表記をもつてした。東西の文学に共通する伝統的なものが、同郷の文人によつてこれほど力強く宣揚されたことを喜ぶ。
丸谷才一」



齋藤磯雄著作集2-2


第II巻1 目次:

創作詩
 錯亂 (「秩序」 第一号 1932年7月)
 北狄の歌 (「秩序」 第二号 1932年10月)
 流竄天使 (「秩序」 第二号 1932年10月)
 頌 (「秩序」 第三号 1933年1月)
 秋詞 (「秩序」 第三号 1933年1月)
 暴君に獻ずる歌 (「秩序」 第四号 1933年6月)
 暴君 (「秩序」 第五号 1933年11月)
 思凡 (「秩序」 第六号 1934年3月)
 放浪者 (「秩序」 第七号 1934年8月)
 黒瞳夢 (「詩と美術」 第六号 1940年7月)
 微韻頌(びゐんしよう) (遺稿/「同時代」 第四十八号 1982年2月)

詩話・近代ふらんす秀詩鈔
 ヴァルモオル夫人
  サアディの薔薇
  期待
  哀歌
  わが部屋
  花失せし冠
 ジェラアル・ド・ネルヴァル
  幻想
  シダリイズ
  金色の詩
  廢嫡者
 シャルル・ボオドレエル
  夕の調
  寶玉
  (かの婢女(はしため)の……)
  不意打
 ステファヌ・マラルメ
  あらはれ
  マラルメ嬢の扇
  エドガア・ポオの墓
 ポオル・ヴェルレエヌ
  月の光
  初心(うぶ)な人びと
  感傷的な對話
  グリイン
  (聽き給へ……)
 アルチュウル・ランボオ
  醉ひどれ船
 後記――新潮社一時間文庫版『フランス詩話』より (昭和30年5月)
 後記 (昭和47年11月)

拾遺ii
 邂逅――ボオドレエル、リラダン、ワグナア (「群像」 昭和21年12月号)
 王者の末裔――ネルヴァルとリラダン (「思潮」 6号 昭和47年)
 リラダン作曲・ボードレールの詩について(講演) (昭和58年11月26日 於NHK青山荘) (「同時代」 第48号 昭和62年2月)
 マラルメの火曜會 (平凡社 「世界名詩集大成」 第六巻 月報 昭和34年)
 ガブリエル・フォオレ (「芸術新潮」 昭和27年10月号)

解題

解説 創造的享受 (安藤元雄)



第II巻2 目次:

フランスの詩と歌
 序――近代フランス歌曲について
 夢さめて (ロマン・ビュシイヌ)
 秋 (アルマン・シルヴェストル)
 揺籃 (シュリイ・プリュドォム)
 讃歌行列 (シャルル・ブリズウ)
 リラの花ざかり (モオリス・ブショオル)
 ラメント (テオフィル・ゴオティエ)
 フィディイレ (ルコント・ド・リイル)
 イスパハァンの薔薇 (ルコント・ド・リイル)
 月の光 (ポオル・ヴェルレエヌ)
 マンドリン (ポオル・ヴェルレエヌ)
 哀しき對話 (ポオル・ヴェルレエヌ)
 幸福の島 (エフライム・ミカエル)
 悲しき歌 (ジャン・ラオオル)
 恍惚 (ジャン・ラオオル)
 波と鐘 (フランソワ・コペ)
 墓場にて (ジャン・リシュパン)
 不滅の馨 (ルコント・ド・リイル)
 ゆふべ (アルベエル・サマン)
 旅へのいざなひ (シャルル・ボオドレエル)
 前の世 (シャルル・ボオドレエル)

『フランスの歌曲』 より
 序
 漁夫の唄 (テオフィル・ゴオティエ)
 噴水 (シャルル・ボオドレエル)
 秋の夜 (アンリ・ド・レニエ)
 めぐりあひ (シャルル・グランムゥジャン)
 夜のジャズ (ドマンジュ)
 ビリティスの三つの歌 (ピエエル・ルイス)
  I パンの笛
  II 髪
  III ナイヤァドの墓

解題



齋藤磯雄著作集2-4



◆本書より◆


『フランスの詩と歌』「序」より:

「本書は近代フランス歌曲の代表的な作品を、詩と作曲の両面から鑑賞することを目的として書かれたものである」
「フォオレ、デュパルク、フランク、シャブリエ、ショオソン、ドビュッシイの作品二十曲を選んだ。」
「「詩」の理解が何よりも肝腎であるから、語學敵な説明は初歩の方々を目標として能ふ限り懇切を旨とした。それからわが國に於いては韻律學や詩形學は無味乾燥なものとして敬遠され、或は無用の長物として輕視されてゐるが、詩の正しい鑑賞――ひいては歌曲の正しい鑑賞には、缺くべからざる基本的な要素であるから、讀者が少しづつ、徐々にこれに對する理解を深めて行くやうに、苦心を拂つた。索寞たる形骸の理論によらず、直接に藝術作品に即して、生ける詩法の妙味を學び得るならば、いかに知性の衰頽した現代でも、これほど重要なものがこれほど閑却される筈はない。」



齋藤磯雄著作集2-3

































































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◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

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Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

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