『稲垣足穂全集 第三巻  ヴァニラとマニラ』

「サテモ御身ハ気丈ナルヨ。ナレドソノ気丈ユエニ今マデ難気ヲセシゾカシ。」
(稲垣足穂 「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」 より)


『稲垣足穂全集 第三巻 
ヴァニラとマニラ』

Classiques de Inaguaqui Taroupho 3

筑摩書房 2000年12月15日第1刷発行
409p 目次3p 
20.2×14.2cm 
並装(フランス表紙) 本体カバー 函 
定価4,600円+税
編者: 萩原幸子
装幀: 吉田篤弘・吉田浩美(クラフト・エヴィング商會)

月報3 
8p 18.7×11.7cm
タルホの葉巻箱: 次の仕事 The Next Work
タルホ・ヴァリアント・セレクション: ディアボロ(抄)(初出「作家」昭和36年9月号)
星の声(萩原幸子): 宇治恵心院
 


本全集「凡例」より:

「一、本全集は、稲垣足穂自身が昭和四十三(一九六八)年に作成した目録を基本に編んだものである。
一、改題、増補、改作、合併、編入、改訂をくり返した作品については、その経過を巻末の「解題」で明らかにし、本文には基本的に最終稿とみなされる作品を収録した。」
「一、『稲垣足穂大全』(中略)に稲垣足穂自身が追加訂正を書き込んだものについては、それを最終稿とした。」
「一、表記は、原則として、新字、新かな遣いとした。」



本巻には少年小説・少年愛エッセイが集められています。


目次:

ヴァニラとマニラ
緑の蔭――英国的断片
臀見鬼人――いさらいみのおにびと
山ン本五郎左衛門只今退散仕る
彼等〔THEY〕
レーディオの歌
フェヴァリット
星は北に拱(たんだ)く夜の記
緑色のハット
ミシンと蝙蝠傘――しなやかなる者共に関する物理学
新=犬つれづれ
かものはし論
南方熊楠児(ちご)談義
     ☆
E氏との一夕
岩つつじ
洋服について
すばりと文殊
一穴の魅力――別名「ピンポンの玉」
南方学の密教的な貌「南方熊楠」
男色考余談

解題 (萩原幸子)




◆本書より◆


「ヴァニラとマニラ」より:

「これと同時に、「厳として存在するもの」を、もう一つお眼にかけたく存じます。それは、いかなる快楽にもついには飽きはててしまう醒めたるもの、今現にそれを眼にし耳にするどんな絢爛(けんらん)な文明にも、深刻な文化にも、結局はなんらの必然性を認めることができず、否、それよりはむしろそれを厭悪(えんお)し、夢み、そして異った可能性の方により多く気を惹(ひ)かれるというような、そういう魂や気質があるということをです。わたしならはっきりとこう申します。自分の最も深い感情である憧れの想いは、逆文明の上に、否、全く異種の文明の可能性を夢み信じることの上にあると。」


「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」より:

「「サテモ御身ハ気丈ナルヨ。ナレドソノ気丈ユエニ今マデ難気ヲセシゾカシ。御身当年、難ニ逢ウ時期ヲ迎エタリ。」」


「ミシンと蝙蝠傘」より:

「いったい ぼろんじ というものは、深編笠をかむっている。その貌(かお)が判らない。総体に細長く、黒絹の小袖に丸くげの帯、袈裟(けさ)を掛けているから、黒いコケシのようであり、黒ペニスだとも受取れる。(中略)傍ら幼少年とは各自に単孔類(モノトレエム)であるから、小さな回転楕円体や砲弾型や卵形は、彼らとは特に親密な間柄である。」




















































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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