『稲垣足穂全集 第四巻  少年愛の美学』

「V感覚が「母」を、P感覚が「父」を意味するものならば、A感覚は「生れぬ先の親」なのである。」
(稲垣足穂 「少年愛の美学」 より)


『稲垣足穂全集 第四巻 
少年愛の美学』

Classiques de Inaguaqui Taroupho 4

筑摩書房 2001年1月15日第1刷発行
458p 目次3p 
20.2×14.2cm 
並装(フランス表紙) 本体カバー 函 
定価4,700円+税
編者: 萩原幸子
装幀: 吉田篤弘・吉田浩美(クラフト・エヴィング商會)

月報4 
8p 18.7×11.7cm
タルホの葉巻箱: ヴァリアント Variant
タルホ・ヴァリアント・セレクション: Principia Paedophilia (I) (抄)(初出「作家」昭和36年1月号)
星の声(萩原幸子): 宇治から桃山へ
 


本全集「凡例」より:

「一、本全集は、稲垣足穂自身が昭和四十三(一九六八)年に作成した目録を基本に編んだものである。
一、改題、増補、改作、合併、編入、改訂をくり返した作品については、その経過を巻末の「解題」で明らかにし、本文には基本的に最終稿とみなされる作品を収録した。」
「一、『稲垣足穂大全』(中略)に稲垣足穂自身が追加訂正を書き込んだものについては、それを最終稿とした。
 また、『大全』以後の『増補改訂 少年愛の美学』にも、刊行後大幅な加筆訂正がなされており、それを最終稿に、「ロバチェフスキー空間を旋りて」は大幅に加筆訂正した生原稿を最終稿とした。
一、表記は、原則として、新字、新かな遣いとした。」



本書「解題」より:

「本巻には、『増補改訂 少年愛の美学』及び、A感覚エッセイを収録した。」


目次:

少年愛の美学
A感覚とV感覚
単3乾電池
Prostata~Rectum 機械学
澄江堂河童談義
『稚児之草子(ちごのぞうし)』私解
秋夜長(あきのよのなが)物語
北山の春

解題 (萩原幸子)




◆本書より◆


「少年愛の美学」より:

「この絶対少年における愛不能という事情には、彼自身の内面化、及び単性生殖の予想がある。「たれの真似もしたくない」は、女性の場合では彼女らをして「たれの真似をもしない人の真似」に走らせ、そこに流行が生れる。男性も一般としてはその通りである。しかし大勢の中には、カメラにもトランジスターにもドライヴにも無関心な者がいて、彼らは、「何人にも出来ないこと」として、各自に事物の抽象化に赴く。その作業の基地が即ちA感覚なのである。」
「なお彼のしなやかさを保持するために、(エンデミオンにならって)「絶えざる月光」の補給を必要とする。」



「Prostata~Rectum 機械学」より:

「エイナス感覚的容貌の純粋な類型は、いわゆる幼な顔である。これはヴァギナ=ペニス両感覚未発の状態であって、云わば「何を仕出かすか判らない顔」である。(中略)PVA三種の相貌の中ではP的のそれが最もうすっぺらである。こんな手合が何事を企てようとタカが知れている。V的乃至A的のそれになって初めて、「何をするか判らない」が出てくるのである。ペニス感覚はヴァギナ感覚との提携によって大人になるが、これとてついに存在的範囲を出るものでない。只そこにエイナス感覚の裏づけがあった場合にのみ、存在学的に何事かを成し得る。」

「ピーターパンの面白味は、彼の“the Boy who wouldn't grow up”に存する。」



「Principia Paedophilia (I)」より:

「私は、読んでくれとは云わない。たまたま、どの部分でも二、三行が諸君の頭に残って、他日何らかの参考になったら……。あるいは又、そのことをきっかけとして、広大無辺な文学的領土における諸君自身の担当について気付かれたならば……。」









































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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