マルセル・シュオブ 小説全集 V 『モネルの書』 (大濱甫 訳)

「彼女は叫んだ。
 ――白い王国! 白い王国! 私は白い王国を識っている!」

(マルセル・シュオブ 『モネルの書』 より)


マルセル・シュオブ 小説全集 V 
『モネルの書』 大濱甫 訳


南柯書局 昭和52年11月30日印刷/同年12月15日発行
168p 四六判 
丸背紙装上製本(背革) 貼函
定価2,100円
限定970部
Marcel Schwob : Le Livre de Monelle (1895)

シュオブ小説全集・栞一: 
マルセル・シュオブの家(曾根元吉)/図版(モノクロ)1点



マルセル シュオブ モネルの書 1


帯文:

「フランス十九世紀末のもっともすぐれた短篇作家であり、至上の愛を恐怖とあわれみとに求めて狂気のなかに夭折した幻視家シュオブの本邦初訳全集。」


目次:

I モネルの言葉
II モネルの姉妹
 利己的な娘
 官能的な娘
 倒錯的な娘
 裏切られた娘
 野生の娘
 忠実な娘
 運命を負った娘
 夢想する娘
 願いを叶えられた娘
 非情な娘
 自分を犠牲にした娘
III モネル
 彼女の出現について
 彼女の生活について
 彼女の逃亡について
 彼女の王国について
 彼女の復活について

あとがき (大濱甫)



マルセル シュオブ モネルの書 2



◆本書より◆


「モネルは、ぼくが野原をさまよっているのを見つけて、ぼくの手を取った。

 ――おどろかないで、と彼女は言った。これは私であって、私ではないの。
 あなたはこれからもまた私を見つけ、また私を見失うでしょう。なぜなら、私を見た人は少ないし、私を理解した人はいないのだから。
 そしてあなたは私を忘れ、また私を認め、また私を忘れるでしょう。」

「そしてモネルはさらに言った。破壊について話しましょう。

 破壊せよ、破壊せよ、というのが格言なの。あなたの内部で破壊しなさい。あなたの周囲で破壊しなさい。あなたの魂とほかの人たちの魂のために場所を作りなさい。
 すべての善とすべての悪を破壊しなさい。残骸はすべて似たようなもの。人間の古い棲処(すみか)と魂の古い棲処を破壊しなさい。死んだものは物の形を歪める鏡。
 破壊しなさい。なぜなら、すべての創造は破壊から生れるのだから。
 そして、高次の善良さのため低次の善良さを破壊しなくてはいけない。だから新しい善は悪に飽和したように見える。
 そして、新しい芸術のために、古い芸術を破壊しなさい。だから新しい芸術は一種の偶像破壊のように見える。
 なぜなら、どんな建設も残骸から造られるのだし、この世に新しいものは形式しかないのだから。
 でも形式も破壊しなくてはいけない。」


     *     *     *

「するとルーヴェットは思い出した。愛し苦しむことを選び、白衣のままぼくのそばにやって来た。ぼくたち二人は野を横切って逃げた。」


マルセル シュオブ モネルの書 3


栞。














































































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本