中野美代子 訳 『西遊記 (八)』 (岩波文庫 旧版)

「ところが女たちは、上半身だけはだかになって腹をまる出しにするや、それぞれ奇怪な術をはじめたのです。へその穴から、あひるの卵ほどの太さの糸を、ゴボゴボと玉(ぎょく)や銀を飛ばすように繰りだすや、あっというまにその屋敷をすっぽり隠してしまいました。」
(中野美代子訳 『西遊記 (八)』 より)


中野美代子 訳 
『西遊記 (八)』
 
岩波文庫 赤 32-020-8

岩波書店 1995年5月16日第1刷発行/1998年6月5日第3刷発行
421p
文庫判 並装 カバー
定価660円+税
カバー: 杉松欅
カバー写真: 小笠原周



岩波文庫旧版『西遊記』全十冊。(一)~(三)が小野忍訳、(四)以降が中野美代子訳。
本文中挿絵(モノクロ)20点。


西遊記 (八)


カバーそで文:

「三蔵がみずからお斎(とき)をもらいに向かった家は、七匹の女妖の住む盤糸洞であった。いったんは悟空に救い出された三蔵だが、黄花観で八戒、悟浄ともども毒に倒れる。その効きめたるや三日のうちに骨も髄も腐るという。悟空はなす術もなく、せつない思いで涙にくれる。」


目次:

第七十一回 行者 名を仮(か)りて怪物を降(くだ)すこと/観音 像(すがた)を現(げん)じて妖王を伏(ふく)すこと
第七十二回 盤糸洞(ばんしどう)にて七情 本(もと)を迷わすこと/濯垢泉(たくこうせん)にて八戒 形を忘れること
第七十三回 旧恨に因(よ)りて再び災毒を生むこと/妖魔に遇えど幸い金光を破ること
第七十四回 李長庚(りちょうこう) 魔物の酷(むご)さを伝えること/孫行者 変化(へんげ)の術をば振るうこと
第七十五回 心猿(ごくう) 陰陽の竅(あな)を鑽(うが)ち透(とお)すこと/魔王 大道の真(まこと)に還(かえ)り帰(き)すこと
第七十六回 心神(ごくう) 腹中にて魔を性に帰せしめること/木母(はっかい) 相連れて怪に真を体せしめること
第七十七回 群魔 本性を欺(あざむ)くこと/一体 如来を拝すこと
第七十八回 比丘(びく)国にて子を憐れみ陰神を遣(つか)わすこと/金鑾(きんらん)殿にて魔を識(し)って道徳を談ずること
第七十九回 洞(ほこら)を尋ねて妖を求め寿星に逢うこと/朝(ちょう)に当(あた)って主(きみ)を正し嬰児を救うこと
第八十回 〓(漢字: 女+宅)女(たじょ) 陽を育てて配偶を求めること/心猿(ごくう) 主を護って妖邪を識(みわ)けること

訳注



西遊記 (八)1



◆本書より◆


「第七十四回」より:

「聞いて悟空、肚(はら)のなかではもう、かんかんです。
 「この妖魔ども、なんちゅう無礼なやつらだ。おれたちは唐僧をおまもりして正果を得ようとしているんだぞ。それなのに、やつらときたら、計略をめぐらし、わが師匠を食らおうとは、なんたることだ」
とて、フン! とひと声。それでもう、鋼(はがね)の歯をむき出し、鉄棒を手に筆峰からとびおりるや、その小妖どものあたまにふりおろしますと、あわれ! みんな、ただの肉だんごになってしまいました。それを目にすると、思わずつぶやきます。
 「やれやれ。こいつらは、まだしもいいやつらだったんだ。身内のことを洗いざらい、おれにしゃべってくれたんだからな。おれはなんだって、こんなことをしちまったんだろ。――ま、しかたないや。どっちみち、こうなるんだから」」











































































































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本