『江戸川乱歩全集 第6巻 魔術師』

「凡てが普通でない。どこかしら、飛んでもない思い違いがある様な、名状(めいじょう)し難(がた)い不思議な気持だ。
 流石の明智小五郎も、狐(きつね)につままれた形で、次に採るべき手段も浮ばずぼんやりと正面の壁を見つめていた。」

(江戸川乱歩 「魔術師」 より)


『江戸川乱歩全集 
第6巻 
魔術師』

光文社文庫 え 6-17

光文社
2004年11月20日初版第1刷発行
719p+1p 口絵(カラー/モノクロ)2p
文庫判 並装 カバー
定価1,000円+税
カバーデザイン: 間村俊一
カバーオブジェ・コラージュ: 勝本みつる
オブジェ撮影: 松浦文生



第16回配本。
昭和5年から6年にかけて発表された長篇2篇が収録されています。


江戸川乱歩全集06


目次:

魔術師
 作者の言葉
 自作解説
吸血鬼
 作者の言葉
 自作解説

解題 (山前譲)
註釈 (平山雄一)
解説 (山前譲)
私と乱歩 (福島泰樹)




◆本書より◆


「魔術師」より:

「事件全体が、どうも正気の沙汰(さた)ではない。殊に玉村二郎にとって、この一ヶ月の出来事は、凡て凡て、一夜の悪夢としか考えられなかった。だが、夜が明けて日が暮れて、又夜が明けて日が暮れて、いつまでたっても事態は変化せぬ。夢ではない。夢ではない。では俺は気が狂ったのではないかしら。そして、一生涯、この恐ろしい幻を見続けるのではないかしら。
 事実、彼は少々気が変になっていたのかも知れない。誰にしたって、恋人が水の様に蒸発してしまったら、この世が全く別のものに見えて来るのは当り前だ。」




















































































































































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本