『江戸川乱歩全集 第14巻 新宝島』

「虫といっても、目に見えるような大きな虫じゃないのだよ」
(江戸川乱歩 「智恵の一太郎」 より)


『江戸川乱歩全集 
第14巻 
新宝島』

光文社文庫 え 6-7

光文社
2004年1月20日初版第1刷発行
589p+1p 口絵(カラー/モノクロ)2p
文庫判 並装 カバー
定価857円+税
カバーデザイン: 間村俊一
カバーオブジェ・コラージュ: 勝本みつる
オブジェ撮影: 松浦文生



第6回配本。
昭和15年から19年にかけて発表された国策小説3篇が収録されています。


江戸川乱歩全集14


目次:

新宝島
智恵の一太郎
 自作解説
偉大なる夢
 作者の言葉
 自作解説

解題 (山前譲)
註釈 (平山雄一)
解説 (山前譲)
私と乱歩 (種村季弘)




◆本書より◆


「智恵の一太郎」自作解説(『探偵小説四十年』)より:

「前にも書いたように、昭和十六年には、僅かにお目こぼしに預かっていた私の文庫本や少年ものの本が、全部絶版にされ、印税収入皆無になっていた。政府の情報局の意向に脅えて、本屋が私のものを全く出さなくなったのである。」
「私はいくらかでも収入を得ようとして、とうとう妥協したのである。「筆名を変えて、健全な教育的な読みものを書いてみませんか」という「少年倶楽部」の勧めに応じたのである。」

「当時の編集者の神経質になっていたことは驚くべきもので、犯罪は全然書けなかったし、作中に「ルンペン」を登場させても、書き直しを命じられた。日本国内に無職の遊民が一人でもいてはいけないからである。」



「私と乱歩――幻の同居人」(種村季弘)より:

「乱歩は永遠の少年、アンチ・エロティカーである。性的葛藤に巻き込まれて、エディプスのように父親的人間と張り合う大人なんぞになりたくない。できれば子供のままでいたい。あわよくば生まれないままでいたい。ずっと母胎のなかの胎児でいたい。それでもいやいやこの世に出されてしまったからには、机の下や戸棚にもぐり込んでいたい。ましてや自分の部屋や家から一歩も外へ出たくない。
 世にはそういう人間がいる。げんに今や数十万人になんなんとする引きこもり症候群のお兄さんたちは、父なるエホバの顔を避けて、目鼻も手足もない小球体として母だけに抱擁されていた至福状態(=全面受愛)があきらめきれないでいるではないか。そうだ、レンズの曲率を通さない、ただのひらべったい現実のどこがおもしろい。さよう、乱歩党としては引きこもりお兄さんに共感しないわけにはいかないのだ。」



































































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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