マックス・エルンスト 『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』 巖谷國士 訳 (河出文庫)

「コラージュをつぎからつぎへと手あたりしだいに登場させながら、われわれは、そこから生まれてくる非合理的活動の輝かしさに打たれたものだ―― 『百頭女』、『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』、『慈善週間』がそれである。」
(マックス・エルンスト 「ウィスキー海底への潜行」 より)


マックス・エルンスト 
『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』 
巖谷國士 訳
 
河出文庫 エ 1-2

河出書房新社
1996年7月25日 初版印刷
1996年8月2日 初版発行
242p 
文庫判 並装 カバー 
定価800円(本体777円)
デザイン/フォーマット: 粟津潔
カバーデザイン: 菊地信義


「コラージュ・ロマン『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』は一九七七年に小社より刊行された。」


 
本書はその文庫版ですが、文章は全面的に改訳されています。また、文庫版には『絵画の彼岸』収録エッセイ二篇が併載されていますが、そちらも改訳されています。
巖谷氏の「コラージュ・シュルレアリスト」は1984年、佐谷画廊でのエルンストのコラージュ展カタログ序文の再録です。

コラージュ・ロマン『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』は、79点のコラージュと、各々のコラージュに付された短文によって構成されています。
「ウィスキー海底への潜行」に図版1点。


エルンスト カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢


帯文:
 
「少女の紡ぐ華やかな夢
「百頭女」につづくコラージュ・ロマンの傑作。
エルンストによる詩的自伝、コラージュ論を併録。」



帯裏:

「コラージュとは何か?
……それは視覚的イメージの錬金術のような何ものかである。さまざまな存在および物体を、それらの物理的ないし解剖学的な外観を修正しあるいは修正しないで、全面的に変形させてしまうという奇蹟である。
―-マックス・エルンスト」



カバー裏文:

「このコラージュ・ロマンは『百頭女』以上に冒涜的であり、エロティックであり、しかもユーモアにみちみちている。
典型的なポルノグラフィーふうの設定から、どれほど過激なエロテイスムを引きだしうるものか、どれほど黒いユーモアを解きはなちうるものかという実験を、絵と言葉によって、徹底的に、しかも軽々と、やってのけてしまっている……(巌谷国士)」



目次:

カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢
     *
M. E. の青春についての若干のデータ
ウィスキー海底への潜行――コラージュ論
     *
コラージュ・シュルレアリスト (巌谷国士)
あとがき (巌谷国士)




◆本書より◆


「M. E. の青春についての若干のデータ」より:

「一八九一年四月二日、午前九時四十五分、マックス・エルンストは可感世界との最初の接触をもった。このとき彼は、母親によって鷲の巣のなかに置かれ、鷲によって七年間あたためられた卵から出てきたのである。」

「【一九〇六年】 オカルト、魔術、妖術の力との最初の接触。親友のひとりであり、とても頭がよくて優しい桃色インコが、一月五日の夜に死んだ。朝、その死骸を発見したとき、ちょうど父親が、娘のロニの誕生したことを知らせてきたので、マックスはおそろしいショックをうけた。少年の惑乱はすこぶる大きく、気絶してしまったほどだった。想像のなかで二つの出来事がむすびつき、鳥の生命は赤ん坊にうばわれたかのように思えたのである。謎めいた熱狂、ヒステリーの発作、昂奮と銷沈がひとしきりつづいた。鳥と人間とのあやうい混同が心のなかに形成され、デッサンや絵のなかにもあらわれるようになった。その妄執にとりつかれた彼は、やがて一九二七年に「鳥たちへの記念碑」を建てるまでになるが、その後もマックスはすすんで自分を「ロプロプ、鳥類の長」と同一視している。ロプロプの幻影はもうひとつの幻影、「惑乱、私の妹、百頭女」と呼ばれるものからも切りはなすことができなくなった。」

「マックス・エルンストは1914年8月1日に死んだ。そして1918年11月11日に、魔術師になること、当代の神話を見いだすことを渇望するひとりの青年として、よみがえる。時に応じて彼は、自分の前世の卵をかえしてくれたあの鷲に意見をもとめた。鳥からの助言のいくつかは、彼の作品のなかに見いだされる。」




こちらもご参照下さい:

マックス・エルンスト 『カルメル修道会に入ろうとしたある少女の夢』 巌谷国士 訳 (眼は未開の状態にある叢書)








































































































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本