美濃瓢吾 『逐電日記』

「結論からすれば、絵描きはいつの時代でも「無邪気だなあ」と。」
(美濃瓢吾 『逐電日記』 より)


美濃瓢吾 
『逐電日記』


右文書院 
2009年6月10日 印刷
2009年6月20日 発行
295p 目次ほか4p
四六判 丸背紙装上製本 カバー
定価2,400円+税
装幀: 林哲夫
装画・挿絵: 美濃瓢吾
カバー絵: 「花やしきララバイⅠ」
カバー裏: 「畳の上の福助」



本文中挿絵19点。うち3点と扉絵はカラー。


美濃瓢吾 逐電日記 01


帯文:

「浅草から東海道へ
師・平賀敬曰く、「とにかく俺を見てろ」。
それがとんでもない、「おかしな日々」の始まりだった――
大磯・浅草・根府川・根津・静岡と「逐電」する画家、
ミノヒョーゴの妄想的人間学。
描き下ろし挿絵20枚! 友人・スズキコージとの対談も収録。」



帯背:

「嗚呼、人間絶景」


帯裏:

「その動く正体は「浅草」に宿る精霊というか、人間であろうが、建物、土地、時間、はたまた美術にまで片っ端からとり憑いてしまう怪物だ。いうなれば私の中で「浅草」がまるごと逐電し、飛び散っているわけだ。私は、この「浅草」をポケットの中に入れて持ち歩いている。
(本文「続 動く浅草」より)」



美濃瓢吾 逐電日記 02


目次:

Ⅰ 私の絵画事始(大磯)
Ⅱ 浅草人間絶景論
 浅草人間絶景論
 浅草再訪
 続 動く浅草
Ⅲ 逐電日記
 西日の怪人
 根府川イカロス
 泡沫人間
 箱根ピカレスク
 種村式二十八萬石
 名古屋ガウディ
 青梅の猫屏風絵
 行商美術
 品川ドリーム
Ⅳ 藁科日記
Ⅴ 逐電のススメ(終章)

対談 恋をしましょう恋をして (スズキコージ ミノヒョーゴ)
フクスケ来訪、居候す



美濃瓢吾 逐電日記 03



◆本書より◆


「私の絵画事始(大磯)」より:

「その日、私はアトリエに泊った。そして、鎌倉の現状、立ち退きの話を持ち出すと、「なんだ、そんなことなら、ここのアトリエの離れが空いているから、当分の間でもここに越して来いよ」ということになり、転居は、ほぼその日のうちに即決した。」
「十二月、引っ越してきた私に一つだけ生活の変化があるとしたら、勤めをやめたことだ。ところがすぐに次の仕事を探そうという考えが湧いてこないのだ。第一、失職して大磯へ引っ越してきた私に、敬さんは何の屈託もなく平気の平左だった。心配するとか相談にのるとか向上心とかいう類いの人生論はすべて省かれた。というか眼中になかった。「取り敢えず、おまえはここに居ろ」ということだ。」



「続 動く浅草」より:

「しかし、私たちが訪ねてもほとんど客の気配がしなかった。なんといっても、ここのありがたいところは、翌朝になってもせかせかと追い出しをくらうことがないところだ。「ミノさん、ゆっくりしていけばいいんだから」。「よく眠れた? 漬け物(差し入れ)食べた?」。いつものトキ子さんの朝のセリフだ。突然何か動くと思ったら、階下に猫が二匹いた。尋ねると「ノラちゃんよ」と言って、「かわいそうだから、同じ生きものだから」とトキ子さん。玄関先の石鉢に長く棲む金魚と水草を眺めても分かる。まったくくもりのない応待、すべてに放任主義を貫く。
 私はこのトキ子さんと札幌旅館の取り合わせに「人為の至福」という人間絶景を見る。ここには旅館やホテル業界の競争原理やサービス向上とは無縁なものがある。ありがたいことではないか。一泊一人五千円を高いか安いかと考えたら何の意味もない、そんな旅館だ。」
「要は、「何も無いよ」ということへの「絶対なる代価」なのだ。」



「西日の怪人」より:

「種村さんは一つ手前のバス停で降りようと言う。目的地の「一つ手前、一つ先」というのが種村式なのだ。」

「あの「宙ぶらりんな人間」の正体のようなものが、ここにきて少し見えてきた。要は、「舞い戻ったり、逃げてくる人間」のための場所がなければならないということだろうか。」



「種村式二十八萬石」より:

「しかし、長逗留は無用、一目散に逃げるべし。「みんなで、パッと消えられたらいいのになあ (其の七)」。これも、「前進する種村さん」の口癖だ。」




こちらもご参照下さい:

美濃瓢吾 『浅草木馬館日記』
堀切直人 『浅草』
『谷中安規 モダンとデカダン』 瀬尾典昭 他 編
『定本 柳田國男集 第七卷 物語と語り物 笑の本願 他』 (新裝版)










































































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