松浦静山 『甲子夜話 3』 (東洋文庫)

松浦静山 
『甲子夜話 3』 

中村幸彦・中野三敏 校訂
東洋文庫 321

平凡社
1977年12月20日 初版第1刷発行
1981年6月20日 初版第3刷発行
xii 332p 
17.3×11.7cm 
角背クロス装上製本 機械函
定価1,700円
装幀: 原弘



本書「凡例」より:

「本書は静山(せいざん)松浦清(まつらきよし)著『甲子夜話(かつしやわ)』正編百巻を六部に分かち、巻三十六から巻五十までを収録したものである。」
「底本には松浦素氏蔵、「平戸藩 楽歳堂蔵書」本を用いた。」



本文中図版多数。


甲子夜話 三


内容:

凡例

甲子夜話目録 巻之三十六~巻之五十

甲子夜話 
 巻三十六~巻五十




◆本書より◆


「巻四十」より:

「林子曰。今玆〔癸未〕十月八日夜戌刻下り、西天に大砲の如き響(ひびき)して北の方へ行(ゆく)。林子急に北戸を開(あけ)て見れば、北天に余響轟(とどろき)て残れり。後に人言(いふ)を聞(きけ)ば、行路の者はそのとき大なる光り物飛行(とびゆく)を見たりと云(いふ)。又数日を隔て聞く。早稲田(わせだ)に〔地名〕軽き後家人の住居、玄関やうの所へ石落(おち)て屋根を打破り、砕片飛散(とびちり)しが、その夜その時のことなりとぞ。最早(もはや)七八年にも成(なり)けらし、是は昼のことにて、此度の如き音して飛物(とびもの)したるが、八王子(はちわうじ)農家の畑の土に大なる石をゆり込たり。其質、焼石の如しとて人々打砕(うちくだき)て玩(もてあそ)べり。今度の砕片も同じ質なりと、見たりし人云(いひ)き。昔星殞(おち)て石となりし抔(など)云(いふ)ことは、是等のことにもあるや。造化の所為は意外のことなり。
前に云ふ七八年前の飛物は、正(まさ)しく予が中の者見たるが、其大(おほき)さ四尺にも過ぎなん、赤きが如く、黒きが如く、雲の如く、火焰の如(ごとし)。鳴動回転して中天を迅飛(じんひ)す。疾行(しつかう)のあと火光の如く、且つ余響を曳(ひ)くこと二三丈に及べり。東北より西方に往(ゆき)たり。見し者始は驚き見ゐたるが、後は怖(おそれ)て家に逃入り、戸を塞(ふさ)ぎたれば末は知らずと。林子の言を得て継ぎしるす。」



「巻四十三」より:

「或人言ふ。頃(このご)ろ都下に盗ありて、貴族の第より始め、国主の邸にも処々入たりと云ふ。然ども人に疵(きず)つくること無く、一切器物の類を取らず、唯金銀をのみ取去ると。去れども、何れより入ると云こと曾(かつ)て知る者なし。因(よつ)て人、鼠小僧(ねずみこぞう)と呼ぶと。」


「巻四十七」より:

「又話。城下一里余に木実村と云あり。小川ありてあめの魚を産す。人々夜網を打て取る。家老味岡杢之允が普代若党に、岡其右衛門と云あり。今の其右衛門が祖父なりし者、その川にて夜網せしが、常にみぬ所に小橋ありければ、よき幸に橋を踏で向岸へ渡らんと、橋に踏(ふみ)かけたるに、踏心何となく柔かきやうに覚(おぼえ)しが、橋と思(おもひ)し物、しづかに向(むかふ)へ進むゆゑ、其とき始て蛇背なることを悟り、駭(おどろき)て水に墜(お)ち、泳でもとの岸に登り、はうはう逃帰りしとかや。」



松浦静山 『甲子夜話 4』 (東洋文庫)








































































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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

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好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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