松浦静山 『甲子夜話続篇 2』 (東洋文庫)

松浦静山 
『甲子夜話続篇 2』 

東洋文庫 364
中村幸彦・中野三敏 校訂

平凡社
1979年10月25日 初版第1刷発行
x 348p 
17.3×11.7cm 
角背クロス装上製本 機械函
定価1,500円
装幀: 原弘



本書「凡例」より:

「本書は静山(せいざん)松浦清(まつらきよし)著『甲子夜話(かつしやわ)』続篇百巻を八部に分かち、巻十六から巻二十九までを収録したものである。」
「底本には松浦素氏蔵、「平戸藩 楽歳堂蔵書」本を用いた。」



本文新字・正仮名。本文中図版多数。


甲子夜話続篇 二


内容:

凡例

甲子夜話続篇目録 続篇巻之十六~巻之廿九

甲子夜話続篇 
 巻十六~巻二十九




◆本書より◆


「巻十六」より:

「世に揚羽蝶(アゲハノテフ)と唱る大なる蝶あり。黒色に碧をまじへ、羽端に赤点あり。前編第十巻に載せし、陽関ノ神〔張飛〕の為めに、成都の妓霞卿がとらはれて、後黒蝶となり、その故夫王延鎬が所に屡々来りしは、人魂の蝶になりしなり。この頃聞く。文晁が写山楼に一黒蝶来り、いつとなく馴て、集会の席にも飛入、文晁が盃を持つ指頭に止り、盃中の酒を嘗(なめ)て去ること時々なりと。是も人魂に似たることなり。又予試み思ふに、死者或は旧鬼に感念することあれば、時としては黒蝶必ず来り、屋中を翻々して去る。これ野外園中の者ならざるが如し。又『啓蒙』に所載、蝶の漢名を鬼車、鬼蛺とも云。又黒色の蝶を上総の名にヂゴクテフテフ」と云など、漢名を黒蛺蝶〔桂海『虞衡志』〕に為しものも、何か人魂に縁(ゆか)りあるかと覚ゆ。」


「巻十七」より:

「一、狂士ありて、人の行を胴切りにす。其人二つになり思ふやう。計らず二人となれり。一身にあらざれば兄弟の約をすべしと。頭手の方は兄とし、足の方を弟とす。されどもかく在るべきならぬば、手足兄弟、面々に奉公かせぎに出たり。兄は足なけれども眼(メ)と手有れば、足のいらぬ火の見番となり、出火を見つけては板木を打つ。弟は頭なけれども足専らなり迚、麩(ふ)屋にかせぎに出たり。固より好色流盻の思も無きゆえ、業(カセギ)に精を出しぬ。然るに或日兄のもとより麩屋に云越すは、ちと三里に灸をすべし。目瞹(カスミ)てよく見へず。弟よりも火の見の方へ云遣(ヤル)は、湯茶を余り飲み給ふべからず。頃日小便繁くして、務のさまたげなりと。」


「巻二十八」より:

「頃(このごろ)或人の咄に、三月大火の前々日、その時火元のあたりにて、火魂(ヒダマ)の二寸許りなるがふり降りたり。翌日も又隕(おち)て其あたりの地上を転び回はりたるを、小児などは面白がりて逐(おひ)あるきけると。夫より上天せしが、明日は彼の風火なりし。虚談か。何かにも奇怪なること也。官医茂木玄隆の話なり。」




松浦静山 『甲子夜話続篇 3』 (東洋文庫)





















































































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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

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難破した人々の為に。

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