松浦静山 『甲子夜話続篇 7』 (東洋文庫)

松浦静山 
『甲子夜話続篇 7』 

東洋文庫 396
中村幸彦・中野三敏 校訂

平凡社
1981年4月10日 初版第1刷発行
vii 361p 
17.3×11.7cm 
角背クロス装上製本 機械函
定価1,800円
装幀: 原弘



本書「凡例」より:

「本書は静山(せいざん)松浦清(まつらきよし)著『甲子夜話(かつしやわ)』続篇百巻を八部に分かち、巻七十八から巻八十八までを収録したものである。」
「底本には松浦素氏蔵、「平戸藩 楽歳堂蔵書」本を用いた。」



本文新字・正仮名。本文中図版多数。


甲子夜話続篇 七


内容:

凡例

甲子夜話続篇目録 続篇巻之七十七~巻之八十八

甲子夜話続篇 
 巻七十七~巻八十八




◆本書より◆


「巻七十八」より:

「過し頃より、盗の鼠小僧と呼ぶ者有る由聞たるが、近頃又その委きことに逮べり。因て其略を記せり。
まづ鼠と謂ふゆゑは、この男小穴人の通ふべからざる処に出入し、屏壁を上り、架梁を走る等、鼠の如きを以てなり。小僧とは総じて盗を啁するの称なり。」

「鼠、かゝる神速の者なりしが、松平宮内少が邸中にて縛に遭ふ。其ゆゑは、或夜家内にて物音せしかば、少輔左右に云ふ。若くは盗か。用心すべしと命じて、近臣等屋室を周り囲み、桃燈等厳重に設て捜索せしかば、鼠も為方なく高処より踊(トビ)下りしを、人寄て捕へたりと。夫より皆尋常の小盗と心得、公辺に届くれば手数増てむづかしきを患へ、頼の町同心に内談して、窃に門前にて追払ひたるを、同心直に捕押へて糺に及びたれば、彼の鼠にて有ける。宮内の方にてはこれを聞て、鼠と知りたらばかくは計ふまじきに迚、残念せしと。」



「巻八十一」より:

「八月十九日のことなるに、飯倉へ能を見に往迚、江戸橋にかゝり行くに、駕添の者引廻し来ると云ひ、何(イ)かゞ為べきと問ふ。予云ふ。少しも苦しからず。かゝる時ならでは、斯の如き者を見ること能はず。求めざるの逸事なり。行けやと云ふ。已に日本橋にかゝるに、来らず。何にやと云へば、駕添答ふ。さきなるは路行の言と聞こへ、こゝにて問へば、未だ来らず。皆これを待ゐぬと。成るほど見物と覚しく、人立て堵(かき)をなす。予又問ふ。罪人は何かなる者ぞ。駕添、路人に問へば、皆曰ふ。鼠小僧なり。予掌を拍て、この盗は予れ常に書に筆する者、今日幸にして観ることを得。待つゝ行くに、遂に逢はずして飯倉に到る。其夜帰て人に云て曰く。今日のこと遺憾とかせん。千住に於て刑せらると聞く。獄門のさま見て来れと、小吏を往かしむ。」




松浦静山 『甲子夜話続篇 8』 (東洋文庫)










































































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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

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