松浦静山 『甲子夜話続篇 8』 (東洋文庫)

松浦静山 
『甲子夜話続篇 8』 

東洋文庫 400
中村幸彦・中野三敏 校訂

平凡社
1981年8月10日 初版第1刷発行
ix 317p 
17.3×11.7cm 
角背クロス装上製本 機械函
定価1,700円
装幀: 原弘



本書「凡例」より:

「本書は静山(せいざん)松浦清(まつらきよし)著『甲子夜話(かつしやわ)』続篇百巻を八部に分かち、巻八十九から巻百までを収録したものである。」
「底本には松浦素氏蔵、「平戸藩 楽歳堂蔵書」本を用いた。」



本文新字・正仮名。本文中図版多数。


甲子夜話続篇 八


内容:

凡例

甲子夜話続篇目録 続篇巻之八十九~巻之百

甲子夜話続篇 
 巻八十九~巻百




◆本書より◆


「巻九十九」より:

「世には理外かと思ふことあり。或時聞たるは、一婦あり。過つて縫針を足の裏に践(ふみ)たてたるに、深く入り半は折れて遂に出でず。痛甚しかりしが、為(セ)ん方もなければ其まゝにして打過たるに、其後は総身の中所々疼(イタミ)たること数年なりしが、或とき肩ノ上に腫物出(デ)きて疼悩む。依て医者を頼みて、膏薬を施(ハリ)たれば、膿(ウミ)をもち、尋(つい)で口あき、膿汁(ウミシル)出たる中に一物有り。見るに、先年足跖(アシノウラ)にたてたる折針(オレバリ)なり。人々驚き、当人は益々不思議を為したりと。これ足なるもの中身を廻り、終には肩上より出る。何(イ)かなる道理や。
又予が角力人(スマフトリ)の弟子(デシ)に、幼年のとき銭を口に容(イレ)て、遂に呑こみ腹中に入る。然るに年長(タク)るに随て其腕を見るに、嘗て呑たりし銭、腕の皮底に朦朧たり。これを撫るに、実にその銭なりと。口より入たる者、腕の肉中に移るものか、不審なること也。
又長崎の人語る。先年のことにて、彼地の老夫肩に瘤を発せしが、日を追て大きく成りて、後は難ぎなれば、外科に見せたるに、瘤をきり毒を去らば治すべしと云に任せ、迺ち瘤をきりたれば、瘤中より種々の魚骨夥しく出たり。人因て其由を聞くに、この老人、若年の頃より魚物を食ふことを嗜み、毎(つね)に骨を遺さず。人皆奇(メヅラシ)とせり。然るにこの積骨体中に在て、遂に斯の疾を発せしかと。この理奈(いか)ん。」





松浦静山 『甲子夜話 1』 (東洋文庫)





























































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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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