根岸鎮衛 著/長谷川強 校注 『耳嚢 (下)』 (岩波文庫)

「然るに息子なるは乱心と申(もうす)程もなく、狐の付(つき)たると申にも非(あら)ず、うつゝなき事有りし故、他行をとゞめ服薬を心を尽し、段々快く最早(もはや)常体(つねてい)とも申べけれ共(ども)、時としてうつゝなき事多かりしに、「近辺の稲荷へ参詣なし度(たき)」よし申しける故、近所親類共へもしらせ止めけれ共、程遠き所にもあらざれば、彼(かの)社頭え相談の上遣(つか)はしけるが、其(その)後「浅草観音へ参詣致度(いたしたく)」相願(あいねがい)ける故、母の一了簡(いちりょうけん)にも難成(なりがたく)、親類・組合へも咄(はなし)けるが、「是(これ)はいらぬもの也。心元(こころもと)なき」よしにて、所役人も合点せざる故さし止めけるに、四、五日ありて与風(ふと)立出て行衛不知(しれず)。」
(『耳嚢』 より)


根岸鎮衛 
『耳囊 (下)』 
長谷川強 校注 

岩波文庫 黄/30-261-3 

岩波書店 
1991年6月17日 第1刷発行
491p
文庫判 並装 カバー
定価770円(本体748円)
カバー: 中野達彦
カバー原図: 尾張屋板「今戸、箕輪、浅草絵図」より



本書「凡例」より:

「本書は根岸鎮衛(やすもり)著『耳嚢(みみぶくろ)』の現在知られる唯一の十巻完備本、カリフォルニア大学バークレー校東アジア図書館蔵旧三井文庫本の翻刻である。(中略)なお著者の人柄を知る参考になる、同図書館蔵の志賀理斎編「耳嚢副言」を付録とした。」
「原姿を伝えることを基本方針として、各巻頭の目録や挿絵をすべて収めた。挿絵は底本書写時に省略しているものがあるが、他写本で補うような処置をとらなかった。」



全三冊。


耳嚢 下


カバーそで文:

「三十余年間書き継がれたこの随筆もいよいよ大団円を迎える。八歳の幼女が出産した話や土中から鯉を堀り出した話など相変わらずの面白さ、読んでいてあきることがない(巻八~十収録)。磊落で人情に厚い著者の人となりを伝える「耳嚢副言」と総目録を付す。」


目次:

凡例

巻之八
巻之九
巻之十

耳嚢副言
総目録




◆本書より◆


「奇子を産する事」より:

「文化五辰の夏原田翁語りけるは、糀町辺のよし、町人の女房血くわひを煩ふて暫(しばらく)なやみけるが、或日頻りに腹痛いたし苦しみけるが、夥敷(おびただしく)血を通じ、右血は綿の如く玉の如くかたまりし物数多(あまた)通じける内、何か動きて這(はい)出るものありしを、夜伽(よとぎ)なる老女、其(その)婦人の驚(おどろか)んを恐れて、閙(いそが)しきに紛(まぎれ)、服紗(ふくさ)ものに包みて、布団(ふとん)の下に押入(おしいれ)て、さて婦人を介抱して病気は快かりしに、医師の来りける時別間にて其容体聞(きき)ける時、彼老女怪物を産(うみ)しをかたり、さて能々(よくよく)洗ひて見しに僅に弐寸斗(ばかり)の物也(なり)けるが、人体聊(いささか)変る事なく、五体備はらざる所なし。誠に奇成(なり)迚(とて)、右の医師是(これ)を貰(もらい)て人にも為見(みせ)ける由。」


「鱣魚(うなぎ)の怪の事」:

「音羽町とかに住(すめ)る町人、至(いたっ)て穴鱣(あなうなぎ)を釣る事に妙を得、素(もと)より魚猟を好みけるが、右町人は水茶屋(みずぢゃや)同様の者にて、麦めし又はなら茶など商ひけるが、或日壱人の客来て麦めしを喰て、彼是(かれこれ)咄(はな)しの序(ついで)、「漁もなす事ながら、穴にひそみて居(い)候うなぎを釣出すなどは甚(はなは)だ罪深し。御身(おんみ)も釣道具など多くあれば、釣もなし給はんが、穴釣などは甚罪深し。無用にし給へ」と異見(いけん)なしけるに、折節雨強く降りければ、彼(かの)奈良茶屋(ならちゃや)、「例の釣時節」と、やがてどんどん橋とかへ行て釣せしに、いかにも大き成(なる)うなぎを得て歓び帰りて、例之通(とおり)調味しけるに、右鱣の腹より麦めし多く出ける也と、人の語りければ、亦壱人の咄(はな)しけるは、夫(それ)に似たる事あり。むかし虎の御門御堀浚(おほりさらい)とか有りしに、右人足引受(ひきうけ)たる親仁(おやじ)転寝(うたたね)なしけるに、夢共(とも)なく壱人来り、浚の噺(はなし)などいたしける故、「定(さだめ)て仲(な)か間(ま)も大勢の事(こと)故、其内ならん」と、起出て四方山(よもやま)の事語り、「さて此(この)度の浚ひに付(つき)、うなぎ夥敷(おびたたしく)出候はんが、其中に長さ三、四尺、丸みも夫(それ)に准(じゅん)じ候うなぎ可出(いずべし)。年古くすむものなれば殺し給ふな。其外うなぎを多く失ひ給ひそ」と頼(たのみ)ければ、心よく請合(うけあい)有合(ありあい)の麦めしなど振廻(ふるまい)、翌日を約して別れぬ。あけの日、右親仁さはる事有(あり)て、漸く昼頃、彼者の頼みし事おもひ出て早々浚場所へ至り、「うなぎか何か大きなる活物(いきもの)堀出し事なき哉(や)。何卒(なにとぞ)夫(それ)を貰(もら)ひ度(たし)」と申ければ、「成程(なるほど)すさまじきうなぎを堀出しぬ」と申(もうす)故、早々其処へ至りみれば、「最早(もはや)打殺しける」とぞ。さて腹をさきて見しに麦めし出し故、「弥(いよいよ)きのふ来て頼しは此うなぎ成(なる)べし」とて、其後はうなぎ喰ふ事を止りしと咄す。両談同様にて、いづれか実何れか虚なる事を知らず。」


「雷死を好む笑談の事」:

「近き頃にや、茶屋四郎次郎家来に、大酒を為すといふにはあらねども飽(あく)まで酒を好みし老人有りしが、「我は雷に打(うた)れ死(しな)ん事を願ふ」と常に言(いい)しを、「如何成る物好(ずき)にや」と笑ひければ、「さればとよ、我数年酒を好み、或は鬱を散らしあるは寒暑を凌ぎて、酒の恩を受る事報ずるに所なし。然るに我何病にて死すとも、自害して死するとも、酒故也と、子弟は勿論酒に科(とが)を負せなん。恩は報ひずとも、酒に悪名付(つけ)ん事心憂けれ。雷に打れ死なば其愁なし。是に依て願ふ也」と言(いい)し。可笑(おか)しき事ながら尤(もっとも)の一言と、人の語りぬ。」


「奇骸の事」より:

「文化九年、大貫(おおぬき)治右衛門支配所、奇骸を掘出し候由にて、営中(えいちゅう)へ持参之画文。
相州津久井県名倉村名主(なぬし)源内召仕(めしつかい)はな娘つね、四ヶ年已前(いぜん)巳年六月廿日病死いたし、源内所持字(あざ)谷向と唱(となえ)候芝地に葬置(ほうむりおき)候処、つね母花義当申(とうさる)五月十日是亦(これまた)病死いたし、同所へ葬(ほうむり)候積(つもり)にて村内の者穴を掘(ほり)候処、其節鍬打当(うちあて)候哉(や)、つね入(いれ)葬り候古桶破れ、つねかたち其儘(そのまま)有之(これあり)候を見付(みつけ)、殊に色しろく候故幽霊と存(ぞんじ)、穴堀之者共打驚(うちおどろき)逃去(にげさる)。夫(それ)より同村禅宗桂林寺住僧相頼(あいたのみ)同道いたし、猶(なお)亦見受(みうけ)候処、朽木の如くかたまり有之候に付(つき)、同寺へ持参り法華経回向(えこう)等相頼(あいたのみ)、弔ひせしところ、高さ壱尺八寸程有之、段々日増(ひまし)に色薄黒くかたく相成(あいなり)、左りの眼を明き右の眼を塞ぎ、鼻くぼみ口結び、両耳付(つき)眉・髪毛無之(これなく)、頭を下げ両手合掌いたし、膝を立て手足爪悉く有之、乳の肉、腹の臓腑共自然とかたまり、陰門・肛門穴ひとつに成(なり)、死骸をたゝき候へば「ポカポカ」と鳴り、重さ三才位ひの小児の程有之、別(べっし)て手足堅く、悪き匂ひ等も無之、此節蠅などもたかり不申(もうさざる)由。惣身(そうみ)肉付有之、当時の木腐(くされ)候匂(におい)致(いたし)候。肉を爪又は木などにてつき候ても、跡付(つき)不申由。」



「妖談の事」より:

「文化六年のはる、人の語りしは、此(この)程奇事あり、中山道(なかせんどう)桶川宿(しゅく)とかや、親も有(あり)しや、母子弐人暮しにて家(イヘ)もまた貧しからず。然るに息子なるは乱心と申(もうす)程もなく、狐の付(つき)たると申にも非(あら)ず、うつゝなき事有りし故、他行をとゞめ服薬を心を尽し、段々快く最早(もはや)常体(つねてい)とも申べけれ共(ども)、時としてうつゝなき事多かりしに、「近辺の稲荷へ参詣なし度(たき)」よし申しける故、近所親類共へもしらせ止めけれ共、程遠き所にもあらざれば、彼(かの)社頭え相談の上遣(つか)はしけるが、其(その)後「浅草観音へ参詣致度(いたしたく)」相願(あいねがい)ける故、母の一了簡(いちりょうけん)にも難成(なりがたく)、親類・組合へも咄(はなし)けるが、「是(これ)はいらぬもの也。心元(こころもと)なき」よしにて、所役人も合点せざる故さし止めけるに、四、五日ありて与風(ふと)立出て行衛不知(しれず)。「定(さだめ)て浅草観音参詣とて江戸へ出ぬらん」とおもへ共(ども)、母は大(おおい)に驚き人を出し尋けれ共不知。四日目の暁、門口の井戸へ物の落(おち)候音のしければ、家内驚きて井の内を捜しければ、落入(おちいり)候者あり。からふじて引上げけるに彼息子にありければ、未(いまだ)息もある故色々養生なしけれど、其日の夕部(ゆうべ)果(はて)けるにぞ、母の歎きはいふ斗(ばかり)なく、無拠(よんどころなく)親類打寄りて次の日菩提所(ぼだいしょ)へ葬りて皆々歎きかえるが、四、五日過(すぎ)て夜に入(いり)、表の戸を敲(たた)くもの有(あり)し故、右の戸を明(あけ)ければ彼息子なる故大に驚き、「幽魂の類ひならん」と、母さへ側へ寄らざりしが、彼息子大に不審して、「我等幾日に頻りに観音へ参詣致度(いたしたく)、立出(たちいで)いづかたいづかたに泊りて、昨日出立、道中も何方に泊り帰りし」といふ故、其先々えも人を出し尋けるに、聊(いささか)相違なし。さて「葬送せしは心の迷ひなるべし。堀て見よ」とて、菩提寺へも断(ことわり)、堀穿(ほりうがち)見しに、是又(これまた)息子の死骸に相違なければ、「かゝる奇事もある事や、立帰りし息子若(もし)妖物(ばけもの)にもある哉(や)」と、打寄(うちより)尋ねて其様子を様(ため)し見るに聊違ひなく、折節うつゝなき事のあるも、前日にかはる事なし。今に不審不晴(はれず)と語りぬ。」



目録:

巻之八
 一 堀越(ほりこし)御所の事
 一 座頭(ざとう)の頓才にて狼災を遁れし事
 一 雑穀の鶏全卵を不産(うまざる)事
 一 口中痛(いたみ)呪(まじない)の事
 一 霜幸大明神の事
 一 糞穴に落(おち)し笑談の事
 一 雄長老(ゆうちょうろう)狂歌のよし人の語りし事
 一 古札棟(むね)より出て成功之事
 一 鬼子母神(きしもじん)にて家を建(たて)し笑談の事
 一 一刀斎知見の事
 一 剛気朴質の人気性(きしょう)の事
 一 剛気の者迷ひ易(やす)き事
 一 狂歌贈答滑稽の事
 一 友田金平鑓(やり)の事
 一 肴(さかな)の尖(とげ)不立(たたざる)呪文之事
 一 火炉(かろ)の炭つぎ古実(こじつ)の事
 一 雷の落(おち)んとする席に焚火燃(もえ)ざる事
 一 三雑談(さんぞうたん)可笑(おかしき)事
 一 焼尿(やけど)奇法の事
 一 血留(ちどめ)妙薬の事
 一 解毒(げどく)の薬の事
 一 白川侯定信屋代弘賢贈答和歌
 一 竹橋起立(きりゅう)之事
 一 かくなわの事
 一 実情の歌は見る所ある事
 一 不計(はからず)詠(よめ)る歌に奇怪をいふ事
 一 日野資枝(すけき)歌の不審答の事
 一 すあまの事
 一 宝晋斎(ほうしんさい)其角実名之事
 一 長竿(ながざお)といふ鄙言の事
 一 食物を先(まず)試みるをおにといふ事
 一 久米平内兵衛之事
 一 篠原団子の事
 一 為家千首和歌之事
 一 廻文発句(かいぶんほっく)之事
 一 口中妙薬の事
 一 寝小便呪法之事 附(つけたり)右に付(つき)笑談の事
 一 古人は遊堕の人ながら其(その)気性ある事
 一 油むし呪(まじない)の事
 一 田むし呪の事
 一 其職其量ある事
 一 黄昏(たそがれの)少将の事
 一 押上妙見(おしあげみょうけん)鐘銘奇談の事
 一 墓手桶(はかておけ)の歌贈答の事
 一 今古人心懸隔の事
 一 奢侈及窮迫(きゅうはくにおよぶ)の事
 一 入木(じゅぼく)の道知水性妙(すいしょうのみょうをしる)の事
 一 安国寺肩衝(かたつき)の事
 一 加川陸奥之助教歌之事
 一 漢土にていふ七夕(たなばた)之事
 一 林霊素(りんれいそ)の事
 一 禅気其(その)次第ある事
 一 逍遥院帝和歌堪能(かんのう)の事
 一 川上翁辞世の事
 一 盲人頓才危難をまぬがれし事
 一 狸縊死の事
 一 宗祇・宗長歌の事
 一 また
 一 狸人を欺(あざむ)くに迷ひて死を知らざる事
 一 讃岐高松善導寺狸の事
 一 駒井蔵主(ぞうす)幽魂奇談の事
 一 幽魂貞心孝道の事
 一 歯の痛(いたみ)奇薬一法の事
 一 痴狸(ちり)油に酔ふて頓死の事
 一 久貝氏狸をきる事
 一 狸のもの書(かき)し事
 一 いぼの呪(まじない)の事
 一 田むし呪の事
 一 奇成(きなる)癖ある人の事
 一 淋石の事
 一 雀軍(すずめいくさ)の事
 一 蛙合戦笑談の事
 一 狂歌秀逸の事
 一 好色可慎(つつしむべき)の事
 一 チンカといふ病名の事
 一 祖墳を捜得(さがしえ)し事
 一 幽鬼其証を留めし事
 一 奇子を産する事
 一 細川幽斎狂歌即答の事
 一 長寿の人其気質常に異なる事
 一 文福茶釜本説の事
 一 一言人心令感動(かんどうせしむる)事
 一 実心令盗賊感伏(とうぞくをかんぷくせしむる)事
 一 桑の郡西行歌の事
 一 亡霊の歌の事
 一 深情自然に通じ蘇生せし事
 一 思念故郷へ帰りし事
 一 鱣魚(うなぎ)の怪の事
 一 不思義に失ひし子に逢ふ事
 一 大森村奇民の事
 一 小笠原鎌太郎屋舗(やしき)墓の怪の事
 一 相馬家の家風非常之事
 一 硯中竜之事
 一 石中蟄竜(ちつりょう)之事
 一 連歌其心自然に顕はるゝ事
 一 貫之(つらゆき)の書ける月字の事 并(ならびに)日野資枝(すけき)和歌之事
 一 赤貝和(やわ)らか煮(に)両法の事
 一 かづ着往古の形様の事
 一 雷死を好む笑談の事
 一 懸角(かけづの)一名訶黎勒(かりろく)之事
 一 蜂の巣を取捨る呪(まじない)の事

巻之九
 一 蛇の遺念可恐(おそるべき)事
 一 白髭明神社号之事
 一 井出蛙(いでのかわず)の事
 一 酒宴の席禁好物歌の事
 一 下賤の者才覚働(はたらき)の事
 一 狐祟(たたり)の事
 一 誠心によつて神の霊験いちじるき事
 一 又
 一 滑稽才士の事
 一 武辺(ぶへん)可感(かんずべき)人の事
 一 蘇生奇談の事
 一 気の毒なる奇病の事
 一 親子年を経て巡(めぐ)り逢ふ奇談の事
 一 狐蟇目(ひきめ)を恐るゝ事
 一 死霊の奇談の事
 一 嵯峨(さが)の釈迦利生(りしょう)の事
 一 幽魂奇談の事
 一 天狗に成(なり)しといふ奇談の事
 一 今大路(いまおおじ)家懸物(かけもの)の事
 一 老隠玄武庵が事
 一 井中古碑を得し事
 一 武家の抱屋舗(かかえやしき)にて古碑を掘得し事
 一 非情といへ共(ども)松樹不思議の事
 一 理運に過て恥辱を請る事
 一 大黒を祈て福を得し事
 一 狼を取(とる)奇法の事
 一 老鼬(ろうゆう)の事
 一 兄の敵(かたき)を討(うち)しものゝ事
 一 婚姻奇談の事
 一 油煙斎(ゆえんさい)狂歌の事
 一 亡妻の遺念を怖(おそれ)し狂談の事
 一 賤夫狂歌の事
 一 孝女其(その)意を達する事
 一 奇骸の事
 一 亀玉子を産む奇談の事
 一 亀玉子を産(うむ)に自然の法ある事
 一 屁ひり虫奇説
 一 蛇甲の事
 一 船駕に酔はざる奇呪の事
 一 多欲の人かたりに逢ひし事
 一 風狸(ふうり)の事
 一 蛙かはづを呑(のみ)候事
 一 亀と蛇交(まじわ)る事
 一 怪倉の事
 一 大井川最寄(もより)古井怪の事
 一 幼女子を産みし事
 一 仮初(かりそめ)の滑稽雑話にも面白き事ありし事
 一 不思議に人の恵を得し人の事
 一 房斎新宅怪談の事
 一 怪窓の事
 一 豪傑獣を伏する事
 一 老婦密通奇談の事
 一 豪傑の貞婦の事
 一 感賞の余り言語を失ひし事
 一 麁言(そげん)の愁ひの事
 一 頓智の事
 一 びろう毛(げ)の車の事
 一 犬に性心ある事
 一 狐も信義を存(そんす)る事
 一 古石の手水鉢(ちょうずばち)怪の事
 一 珍ちん麦の事
 一 深川の白蛇船頭の跡を追ふ事
 一 俎板(まないた)一種の事
 一 安藤家重器茶椀之事
 一 全身の骸骨掘出せし事
 一 土中より鯉を取出せし事
 一 仏像を不思儀に得たる事
 一 蚊の呪(まじない)の事
 一 奇石の事
 一 四瞳小児の事
 一 大蛇巌石に打(うた)れし事
 一 白亀の事
 一 男谷撿校器量の事
 一 雷も侠勇に不勝(かたざる)事
 一 浮腫奇薬の事 但(ただし)右に付(つき)奇談
 一 白胡瓜(きゅうり)の事
 一 水病また妙法の事
 一 桂川家由緒の事
 一 獣其(その)誠意ある事
 一 狸遊女を揚(あげ)し奇談の事
 一 呼出し山の事
 一 文化十酉年六月廿八日阿蘭陀(おらんだ)一番船渡来(わたしきたる)象正写(しょううつし)の事
 一 萩寺和尚頓才の事
 一 冥之(めいし)道歌の由(よし)人の持来りしを認(したため)候事
 一 建部(たけべ)家の家来腮外(あごはず)れし療治の事
 一 不計(はからず)盗賊を捕へし笑談の事
 一 盗賊酔て被捕(とらえられ)し事
 一 能勢(のせ)餅の事
 一 猫の怪の事
 一 精心に足痛も直る事
 一 神明の利益人を以(もって)其しるし有る事
 一 狐仇をなせし事
 一 古猫に被害(がいされ)し事
 一 赤坂与力(よりき)の妻亡霊の事
 一 荒木阪下妖怪の事
 一 猫の怪談の事
 一 前兆奇怪の事
 一 頓智不可議(ぎすべからざる)事

巻之十
 一 上手の芸其気自然に通る事
 一 潜竜上天の事
 一 竜を捕るといふ説の事
 一 入定(にゅうじょう)の僧の事
 一 妖も剛勇に伏する事
 一 真忠之論尤(もっとも)の事
 一 書家雪山(せつさん)が事
 一 忿心其(その)身を登揚せる事
 一 歌に狸を伏する事
 一 猛虫滅却の時ある事
 一 氏康狐を征する歌の事
 一 親友の狐祟を去りし工夫の事
 一 人魂(ひとだま)の起発を見し物語の事
 一 救人命取計(じんめいをすくうとりはからい)に手段ある男の事
 一 不取計(ふとりはからい)に其(その)身を損ぜし事
 一 石狛犬(いしこまいぬ)を失ひしを堀得(ほりえ)し事
 一 奇物また奇偶(きぐう)ある事
 一 武女勇壮之事
 一 剛勇伏狐祟(こすいをふくする)の事
 一 痴(ち)僧得死栄(しえいをうる)事
 一 悌心(ていしん)兄を善道に誘ふ事
 一 地蔵の罰を請(うけ)しといふ事
 一 可憎愛(ぞうあいすべき)人情の事
 一 熊本城内狸の事
 一 上杉家明長屋(あきながや)怪異の事
 一 狐に被欺(あざむかれ)て漁魚を失ふ事
 一 不死(しなざる)運奇談の事
 一 稲荷奇談の事
 一 同棲不相害(あいがいせざる)事
 一 〓(漢字: 疒+墨)(いぼ)の妙薬の事
 一 猫忠死の事
 一 夢に見し関羽(かんう)の像を得し事
 一 古戦記を読(よみ)て聊(いささか)怪(あやしみ)ある事
 一 駒込富士境内昇竜の事
 一 不思議に神像を得し事
 一 御府内(ごふない)奇石の事
 一 鯉煮やうの事
 一 蚫(あわび)和らか煮の事
 一 蝦夷(えぞ)之俗男女掟(おきて)之事
 一 若松町化杏樹(ばけいちょう)の事
 一 英心ある女の事
 一 強悪(ごうあく)の者其(その)死も又強悪の事
 一 女豪傑の事
 一 胆(きも)太き女の事
 一 イシマの事
 一 本然の義心其(その)功を得し事 但(ただし)戯場の徒も其義ある事
 一 陣太鼓の事
 一 形に不似合(にあわざる)臆病者の事
 一 怪棒の事
 一 駕(かご)に酔(よわ)ざる呪(まじない)の事
 一 方言奇談の事
 一 糀町(こうじまち)小西重宝の事
 一 不思議の尼懺悔(さんげ)物語の事
 一 寡女死を免(まぬがれ)し事
 一 妖談の事
 一 怪物を逐(お)ふて身を損ずる事 但(ただし)強気(ごうき)之者諸邪も害をなさゞる事
 一 頭痛の神の事
 一 吐血を止る奇法の事
 一 悪気人を逐(お)事
 一 死馬怨魂の事
 一 霊気狐を頼み過酒(かしゅ)を止めし事
 一 蘇生せし老人の事
 一 名勿来(ナコソ)の関の事 但(ただし)桜石に成る事
 一 鬼岩寺山中異人之事
 一 毒気物にふれて増長(ぞうちょう)の事
 一 疱瘡(ほうそう)咽(のど)に多く生(しょうぜ)し時呪(まじない)之事
 一 奇頭の事
 一 棺中出生の子の事
 一 白川定信公狂歌尤(もっとも)の事
 一 賤尼気症(きしょう)ある事
 一 小はだ小平治事実の事
 一 なこ曾(そ)の関の事
 一 市ヶ谷宗泰院寺内奇談の事
 一 清品の酢造りやうの事
 一 蛇犬の腹中に入る事
 一 蛇穴の中へ入るを取出す良法の事
 一 毒虫を去る妙法の事
 一 老姥(ろうば)奇談の事
 一 其(その)境に入りては其風を堅く守(まもる)べき事
 一 鬼火(おにび)の事
 一 奇豕(きし)の事
 一 吉川(よしかわ)家先祖の事
 一 執着にて悪名を得し事
 一 蟻をよける呪(まじない)の事
 一 蜘蛛(くも)の怪の事
 一 怪談其(その)よる所ある事
 一 長収といへる地下(じげ)人歌の事
 一 平沢滑稽文章の事
 一 すゞ篠(しの)の事
 一 疝気(せんき)を治する呪(まじない)の事
 一 芸道執心之もの其(その)妙ある事
 一 賤妓孝烈の事
 一 心ある武夫の事
 一 外山屋舗(とやまやしき)怪談の事
 一 ものもらい呪(まじない)の事
 一 鰹の烏帽子(えぼし)蛇の兜(かぶと)の事
 一 王仁(わに)石碑の事
 一 不思(おもわず)両夫を持(もち)し女の事
 一 流飲(りゅういん)并(ならびに)胸の焼(やく)るを止(とめ)る妙法の事
 一 清水谷実業卿狂歌奇瑞の事
 一 守倹の人心掛(こころがけ)の事 但(ただし)右に付(つき)評論の事
 一 血の道秘法の事
 〔跋〕











































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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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