ボッカッチョ  『デカメロン (下)』  柏熊達生 訳  (ちくま文庫)

ボッカッチョ 
『デカメロン (下)』 
柏熊達生 訳
 
ちくま文庫 ほ 3-3

筑摩書房
1988年1月26日 第1刷発行
441p
文庫判 並装 カバー
定価680円
装幀: 安野光雅
カバー装画: 大矢英雄「春の形態についてⅢ」


「この作品は、一九五七年一一月一〇日、河出書房から刊行された「世界文学全集 1」に収録され、のち一九八一年三月二五日、ノーベル書房から三冊本で刊行された。」



ボッカッチョ デカメロン 下


カバー裏文:

「偶然に教会で出会った10人の男女がそれぞれ1話ずつ10日間話した100の物語。
間男が扉をたたく合図の音を聞きとがめられ、幽霊だと夫をごまかしたり、夫の帰宅に間男をあわてて樽の中に入れ、中をたしかめている買主だとだまし、夫に男を送らせるなど、浮気をごまかすために数々の智恵を働かす妻たち。逆に女をだましてものにする司祭や修道院長たち。だましだまされ、虚々実々の人間模様がつぎつぎに展開されて、大団円へ。(付、年譜)」



内容:

第八日 〈デカメロンの第七日が終わり、第八日がはじまる。この日にはラウレッタの主宰の下に、常に女が男に、男が女に、男がほかの男に、たがいに行なうあの瞞着のことを話す〉
 第一話 〈グルファルドはグァスパルルオーロから金を借りて、グァスパルルオーロの妻にその金額をあたえる約束で、彼女と寝ようと相談をして、そうしてから、その金を彼女にあたえる。その後、彼女の面前で、グァスパルルオーロに、金は奥さんに渡したというと、彼女はそれは事実であると言う〉
 第二話 〈ヴァルルンゴの司祭がベルコローレ夫人と寝て、その抵当に自分の外套を残していくが、彼女から乳鉢を借りて、それを返し、抵当においていった外套を返すように言わせる。お人よしの女は、いやみを言いながらそれを返す〉
 第三話 〈カランドリーノ、ブルーノ。ブッファルマッコらは、下のムニョーネ河にエリトローピア(血玉髄)を探しに行き、カランドリーノはそれを発見したと思いこむ。そして、うんと石をかついで家に戻る。細君が彼に小言をいうと、彼は怒って細君を打擲する。そして仲間の者たちに向かって、彼らが自分よりもよく知っていることを物語る〉
 第四話 〈フィエゾレの修院長がある未亡人に思いを寄せるが、未亡人からは愛されていない。修院長は彼女と寝るつもりで、その女中と寝る。婦人の兄弟たちが、現場を司教に発見させる〉
 第五話 〈三人の青年が、フィレンツェにいるマルケ地方の出身の裁判官――彼が裁判をしていたときに――のズボンを引っ張って脱がす〉
 第六話 〈ブルーノとブッファルマッコは、カランドリーノから一頭の豚を盗む。しょうがの団子とヴェルナッチャのぶどう酒で、それを見つけるまじないをさせて、彼には蘆薈(ろかい)の脂(やに)で作った犬による団子をつぎつぎと二個あたえると、彼自身が豚を盗んだような気がする。二人は、もし細君にそのことを告げられては困るならばとおどかして、金を出させる〉
 第七話 〈ある学者が一人の未亡人に思いをよせる。未亡人はほかの男を愛していたので、ある冬の夜、学者に雪の上で待ちぼうけをくわせる。その後、学者は、ある勧告をして、七月の最中(さなか)に、彼女を一日じゅう裸で塔の上にいさせて、蠅や虻(あぶ)にいじめさせ、陽光に照りつけさせる〉
 第八話 〈二人の男がたがいに往来(ゆきき)している。一人が別の男の細君と一緒に寝る。その別の男がこれを知って、自分の妻と謀って、もう一人のほうを箱の中に閉じこめて、そのうえで、その男が中にはいっているのをそのままにしておいて、別の男が、その男の細君と寝る〉
 第九話 〈医者のシモーネ先生は、ブルーノとブッファルマッコから、「掠奪に行く」団体に加わらせてもらうことになって、夜ある場所に行かせられるが、ブッファルマッコに、汚物の溝に投げ落とされて、そこにおいていかれる〉
 第十話 〈あるシチリアの女が巧みに一人の商人から、彼がパレルモに持ってきたものをとりあげる。商人は前よりもずっと多くの商品を持ってきたようなふりをして、彼女から金を借りうけて、水と麻屑をおいていく〉

第九日 〈デカメロンの第八日が終わり、第九日がはじまる。この日には、エミリアの主宰のもとに、それぞれが好みに応じて、一番おもしろいと思っていることを話す〉
 第一話 〈フランチェスカ夫人はリヌッチョという男と、アレッサンドロという男に思いをかけられて、どちらも愛していないので、一人は死人の役をつとめるようにと墓の中にはいらせ、もう一人にはそれを死人だからと言って引き出させるが、二人は命ぜられた目的を達することができなくて、彼女はまんまと二人を厄介払いする〉
 第二話 〈ある女子修道院長が、訴えがあったので、そこの修道女が恋人と寝台に寝ているところを見とどけようと、あわてて暗闇で起きあがるが、自分も一人の司祭と一緒だったのでヴェールを頭にのせたつもりで、司祭の股引(ももひき)をかぶってしまった。訴えられた修道女はそれを見て、女子修道院長にそれと気づかせて、釈放されたうえ、恋人と心おきなく一緒にいられるようになった〉
 第三話 〈シモーネ先生は、ブルーノや、ブッファルマッコや、ネッロの懇請によって、カランドリーノに、彼本人が妊娠していると思いこませる。彼はその薬のために前記の者たちに去勢したおんどりと金をあたえて、分娩(ぶんべん)せずに快癒する〉
 第四話 〈フォルタルリーゴ家のチェッコは、シエナ近郊のボンコンヴェント村で、自分の持ち物全部とアンジュリエーリ家のチェッコの金を賭博に使ったうえ、シャツ一枚になってアンジュリエーリ家のチェッコを追いかけながら、相手が自分の物を盗んだと言って、村人たちに捕えさせる。そして彼の服を着て馬に乗り、相手をシャツ一枚でおいてけぼりにして、その場を立ち去る〉
 第五話 〈カランドリーノが若い婦人に恋をする。ブルーノがカランドリーノのために護符(ごふ)を作ってやり、カランドリーノがその護符で婦人のからだに触れると、婦人は彼と一緒に行く。彼は細君に見つかって、とてもひどく、うるさい質問攻めにあう〉
 第六話 〈二人の青年がある男のところに泊まって、そのうちの一人がその男の娘と寝に行き、その男の細君がそれとは知らずにもう一人の青年と寝る。娘と寝た青年は、娘の父親のところに寝に行って、仲間の青年に話しているつもりで、いっさいを父親に言ってしまい、一同大騒ぎとなる。細君が、それと気がついて、娘の寝台にはいり、なんとかとりつくろって、万事をまるくおさめる〉
 第七話 〈ターラノ・ディ・モレーゼは、狼が妻ののどと顔をあらかた食いやぶってしまう夢を見て、妻に用心をするようにと言う。妻がそのとおりにしないので、彼女に夢のとおりのことが起こる〉
 第八話 〈ビオンデッロが食事のことでチャッコをだますと、チャッコは、めちゃめちゃに殴らせて、たくみに復讐する〉
 第九話 〈二人の青年が、一人はどうしたら人に愛されるか、もう一人はどうしたら強情な細君を懲らしめることができるかということについて、サラモーネに忠告を求める。サラモーネは、一人には愛するようにと、もう一人には鵞鳥橋に行くようにと答える〉
 第十話 〈ジャンニ師は、ピエトロ氏の求めによってその細君を牝馬に変えるために魔法を行なう。そして尻尾をつける段になるとピエトロ氏が、尻尾はいらないと言って、まじないを全部打ちこわしてしまう〉

第十日 〈デカメロンの第九日が終わり、第十日すなわち、最後の日がはじまる。この日にはパンフィロの主宰の下、愛や、その他のことで寛大に、または鷹揚(おうよう)に、何かをなしとげた者について語る〉
 第一話 〈一人の騎士がスペイン王に仕えるが、自分は十分な褒章をうけていないと思う。そこで、王はすこぶる確実な実験をもって、それが本人の罪によるのではなく、本人の不運のせいであることを騎士に示して、そのあとで彼に十分すぎるほどの贈り物をする〉
 第二話 〈ギーノ・ディ・タッコはクリニーの修院長をとらえて、修院長の胃病を治療し、そのあとで放免する。修院長はローマの教皇庁に帰ってから、ギーノと教皇ボニファツィオとを仲直りさせて、彼を慈恵団騎士にする〉
 第三話 〈ミトリダネスは、ナタンの親切なのをそねんで彼を殺しに行くが、彼とは知らずに、彼とばったり出会う。そして彼自身からその方法を教えられて、相手が準備しておいたとおり森で彼に会う。ミトリダネスは、相手がナタンであることを知って恥じ、その友人となる〉
 第四話 〈ジェンティーレ・カリセンディ氏はモデナからやってきて、墓から、死んだものとして埋葬されていた自分の愛していた婦人を取りだす。婦人は元気をつけられて男子を産む。ジェンティーレ氏は、婦人とこどもを婦人の夫ニッコルッチョ・カッチャニミーコに返してやる〉
 第五話 〈ディアノーラ夫人はメッセール・アンサルドに、一月の庭を五月の庭のように美しくすることを要求する。アンサルドは妖術師に報酬を約して、彼女のためにその望みをかなえてやる。夫人の夫は彼女に対し、アンサルドに身をまかせることを許す。アンサルドは夫の鷹揚な態度を聞いて、夫人のその約束を解いてやり、妖術師は、アンサルド氏のものを何も受けたがらないで、同氏の報酬を免除する〉
 第六話 〈勝利者であるカルロ老王は、ある少女に思いをよせたが、自分の気違いじみた考えを恥じて、その娘と妹に立派な支度をして嫁がせる〉
 第七話 〈ピエトロ王は、病気のリーザが自分によせた熱烈な恋のことを聞いて、彼女を慰め、その後若い貴族に嫁がせて、彼女の額に接吻したうえ、その後はいつも自分は彼女の騎士であると自称する〉
 第八話 〈ソフロニアは、ジシッポの妻になるつもりでいたが、ティート・クインツィオ・フルヴォの妻になって、彼とともにローマへ行く。そこへジシッポが零落してたどりつき、ティートから軽蔑されたと思いこんで死のうと思い、自分は一人の男を殺したと告白する。ティートは、彼がジシッポであることを知り、彼を救うために、自分が男を殺したのだと言う。実際に殺した男がそれを見て、自分だと名乗りでる。そこで、オッタヴィアーノによって、一同は放免され、ティートはジシッポに妹を妻としてあたえ、彼と自分の全財産を共有にする〉
 第九話 〈商人の扮装をした回教王(サラディーノ)はトレッロ氏の厚遇をうける。十字軍の遠征が行なわれて、トレッロ氏は夫人に一定の期間が過ぎたら再婚をしてもよいと言う。彼は捕虜となり、鷹を馴らしているうちに、回教王の知るところとなる。回教王は彼がトレッロ氏であることを知って、自分のことも相手に知らせて、この上もなく鄭重にする。トレッロ氏は病気になって、妖術によって一夜のうちにパヴィアに運ばれる。そして再婚する自分の妻のために行なわれる結婚式で、彼女から夫であることを発見されて、彼女とともに自分の家に帰る〉
 第十話 〈サルッツォの侯爵は、家臣の願いによってやむを得ず妻をめとることとなるが、自分の好みに従ってめとろうとして、ある田舎者の娘を妻にする。彼女との間に二人のこどもができるが、妻にはこの二児を殺したふりをしてみせる。その後妻に向かって、お前がいやになったから別に妻を貰ったという芝居を打ち、自分の娘を新しい妻のように仕立てて邸に帰らせて、妻のほうは下着一枚で追い出す。しかし妻が何をしても辛抱しているのを見て、今までになかったくらいやさしく妻を家に呼び戻し、大きくなったこどもたちを見せて、彼女を侯爵夫人として尊敬し、人々にも尊敬させる〉

著者のむすび

ボッカッチョ年譜





こちらもご参照ください:

ボッカッチョ 『デカメロン (上)』 柏熊達生 訳 (ちくま文庫)























































































関連記事
スポンサーサイト
プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

最近の記事
カテゴリー
ブログ内検索
リンク
フリーエリア
netakiri nekotaroの最近読んだ本