『坂口安吾全集 9』 (ちくま文庫)

「信長は誰の助けも頼むつもりがなかった。」
(坂口安吾 「信長」 より)


『坂口安吾全集 9』 
信長/梟雄/砂丘の幻 ほか
ちくま文庫 さ 4-9

筑摩書房
1991年3月26日 第1刷発行
699p 「編集付記」2p
文庫判 並装 カバー
定価1,130円(本体1,097円)
装幀: 安野光雅
カバーデザイン: 横尾忠則



本書「解題」より:

「第九巻には、長編小説『信長』を中心に昭和二十七年(一九五二)十月から昭和二十九年(一九五四)一月にかけて発表された小説十三篇を収めた。」


新字・新かな。


坂口安吾全集09 01


目次:

信長
都会の中の孤島

梟雄
中庸
決戦川中島 上杉謙信の巻
人生オペラ 吝嗇神の宿
乞食幽霊
神サマを生んだ人々
砂丘の幻
発掘した美女
町内の二天才
餅のタタリ

解説 (荻野アンナ)
解題 (関井光男)



坂口安吾全集09 02



◆本書より◆


「解題」(関井光男)より:

「決戦川中島 上杉謙信の巻 歴史小説。」
「この作品は、昭和二十七年七月中旬に企画が立てられ、安吾が上杉謙信、檀一雄が武田信玄という想定のもとに松本に赴き、川中島の決戦を実地踏査して書かれた。このときの記録が檀一雄の「安吾・川中島決戦録」(『文藝春秋』昭三〇・四)にある。
   一昨年の夏のことである。私は安吾と二人、上杉謙信の春日山城から川中島をうろつきまわって、松本に十日余り滞留した。
   実は文藝春秋新社の発案で、安吾が謙信、私が信玄のつもりになり、現地踏査をやった訳である。
   いやはや、大変な旅であった。折からの炎暑のせいでもあったろう。安吾鬱気が爆発して全く酸鼻と言いたい程の荒れ模様を呈し、殆ど収拾がつかなかった。
 安吾に鬱気がおこったのは、八月二日。連日、浴びるようにウィスキーを飲み、眠るためにアドルムを服用したためにであるが、炎暑にやられて疲労を覚えたことが影響していた。だが、それだけで発作がおこったわけではない。安吾の躁鬱症は、名づけようのない存在の不安が引き金になって起きる、内因性の躁鬱症である。檀一雄は安吾の鬱気の原因を「ひょっとしたら子供の出産に対する漠然とした不安が昂じているのかもわからない」と書いているが、出産を目前に控えていたこともひとつの要因であったろう。安吾は子供が生まれることに実感をもてなかっただけでなく、無事に健康な子供が生まれるかどうか、不安と戸惑いがあった。」
「安吾がウィスキーとアドルムに酔いしれて暴れだし、松本警察署の留置場に保護されたのは、八月五日、子供が誕生する前日である。」








































































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