中里介山 『大菩薩峠 六』 (新装版)

「どのみち、わたしは鉄のような仮面をかぶるか、或いはこの良心というものを、石ころのようにコチコチにした上でなければ、人様の前へは出られないのです。」
(中里介山 『大菩薩峠』 より)


中里介山 
『大菩薩峠 六』


筑摩書房
昭和51年6月20日 初版第1刷発行
昭和54年6月15日 新装版第1刷発行
416p
四六判 丸背紙装上製本 機械函
定価1,800円
装幀: 安東澄



本文二段組。全十二冊。


中里介山 大菩薩峠


目次:

みちりやの巻
めいろの巻
鈴慕の巻
Ocean の巻

解題(六) (南波武男)




◆本書より◆


「めいろの巻」より:

「「有史以前には、竜のようなものがあったかも知れない――この間、支那の書物で『恐竜』という文字を見たが、あれは支那本来の文字ではないらしい。事実、この人類以前の世界には、竜に似た百尺程度の大きな動物が地上にのたうち廻っていたように、西洋の本には書いてあるのだが、そういう時代の想像が、人間の頭のどこかに残っていて、そうして、竜という不可思議な動物をこしらえ上げたのかも知れない。人間の想像し得るかぎりのものには、大抵、事実上の根拠があるのだから」
 「といって、人間の存在しなかった時分の存在を、どうして人間の頭で想像がつきます、生れぬ先の父ぞ恋しき、というわけでもなかろうに」
 「いや、人間は存在しなくとも、人間の胚子(はいし)、或いは精虫といったようなものは存在していたに相違ない。それが先天的の印象で、人間の形になるまで残っていて、想像が働き出した時には、生れぬ先の父でもなんでも、形に表現してみることになるのぢゃないか知らん。事実、人間が想像だの、空想だの、不可思議がるものは、みな前世界の実見の表現ではないかしらと、このごろは、そう思わせられることが多い」」





中里介山 『大菩薩峠 七』 (新装版)















































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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