池田澄子句集 『たましいの話』 (角川俳句叢書)

「前例を貴び恨み望の月」
(池田澄子句集 『たましいの話』 より)


池田澄子句集 
『たましいの話』
 
角川俳句叢書 3

角川書店
2005年7月7日 初版発行
205p 「著者略歴」1p
四六判 丸背紙装上製本 カバー
装丁: 伊藤鑛治
定価2,667円(税別)



本書「あとがき」より:

「本集は『ゆく船』につぐ第四句集。二〇〇〇年春から二〇〇五年春先までの三六八句を収めた。
 その間、二〇〇一年十二月一日、三橋敏雄先生が逝去された。」



「じゃんけんで負けて蛍に生まれたの」で有名な池田澄子さんの第四句集がアマゾンマケプレのもったいない本舗さんで436円+送料で売られていたので購入してみました。
わたしなどはじゃんけんをした覚えはあるのですが、ルールという概念が無いので強引にのらねこに生まれてきてたいへん苦労しています。のらねこ族の前例は野垂れ死にばかりです。が、それも自分で選んだ道なので致し方ないです。願わくば箱の中にて毒ガス死だけは避けたいものです。


池田澄子 たましいの話 01


帯文:

「自分を眺めることで、この世の万象が何なのかをこの身に感じたい。万象の中で人間がどういう存在なのかを、俳句を書くことで知っていきたい。
 そして、言葉と俳句形式が、小さな私に些少でも力を貸してくれるようにと祈るばかりである。
……………………池田澄子」



帯裏:

「●句集『たましいの話』自選14句――●
茄子焼いて冷やしてたましいの話
前へススメ前へススミテ還ラザル
泉あり子にピカドンを説明す
人類の旬の土偶のおっぱいよ
先生ありがとうございました冬日ひとつ
先生の逝去は一度夏百夜
刺した蚊と痒い私とうすら寒
雨はみぞれに霙はゆきに香の物
人が人を愛したりして青菜に虫
目覚めるといつも私が居て遺憾
大寒の困ったことに良い月夜
舌の根やときに薄氷ときに恋
落椿あれっと言ったように赤
お湿りや水仙に香を有り難う」



目次:

1
2
3
4
5
6
7

あとがき



池田澄子 たましいの話 02



◆句集『たましいの話』 他選14句◆


「けしからぬ地動説かな初日の出」

「目覚めるといつも私が居て遺憾」

「非常時の砂糖黍畑に隠れたきり」

「この下にトンネルのある野菊かな」

「前を行く人の麦藁帽子欲し」

「枯野明るし電車の中で目を覚まし」

「あら家がなくなっている一位の実」

「蜉蝣をつまんで捨てたあとの指」

「食べごろの蓬いっぱい見て帰る」

「洋梨の疵を向うに向けて置く」

「他人から見れば他人の厚着かな」

「風の丘さっさと梅を見てまわる」

「きのこ噴く丸太の気持なら分かる」

「痒いとこ掻いて穴居の蛇の心地」




◆鑑賞◆


「ゆらゆらの花のミモザとくらくらす」

梶井基次郎の小説に、木の葉をみていると自分も木の葉になったような気がするというのがあったような気がしますが、ミモザの花をみているとミモザの花になったような気がするのではないでしょうか。ミモザの花言葉は「優雅」「友情」「秘密の愛」、花々しく優雅なミモザらと友だちになってミモザ館で花も実もある秘密の愛の暮らしを堪能してクラクラ日記を書くのもよいです。


「やどかりや地球だんだんあたたかく」

借り暮らしはたいへん興味深いですが、人間などは地球に借り住まいの分際で環境破壊などして地球温暖化とは沙汰の限りであります。


「夕月やしっかりするとくたびれる」

まさにそのとおりであります。


「河口へ海へこころながれて橋に雪」

「海へ
夜へ
河がほろびる
河口のピストル」
(高柳重信)


「煮凝やなんとかするとはどうするか」

どうするかといわれてもどうしようもないです。


「言う前にひらく唇すべりひゆ」

「広島や卵食ふ時口ひらく」
(西東三鬼)


「揚羽から目をはなさずに拝聴す」

「瞬いてもうどの蝶かわからない」
(池田澄子)


「蚯蚓鳴く日まで私は生きられぬ」

ミミズは今のところ鳴かないですが、そのうち進化して鳴くようになるかもしれませんが、そのころまで自分が生きていられるかどうか、ちょっと自信がないです、というミミズの独り言だとおもいます。季語をおちょくる俳句は面白いです。


「さしあたり箱へ戻しぬ新巻鮭」

あるある俳句、とおもったけれど、よく考えたらわたしのような者は新巻鮭など戴いたことがないです。
遺憾であります。




こちらもご参照ください:

『現代俳句文庫 29 池田澄子句集』











































































































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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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