『ゴッホの手紙 上 (ベルナール宛)』 硲伊之助 訳 (岩波文庫)

「建築のうちで、僕が最も立派だと思うのは、黒ずんだ暖炉のある苔むした藁葺屋根の家だ。だから僕は気むずかし屋なんだろう。」
(『ゴッホの手紙 上』 より)


『ゴッホの手紙 上 
(ベルナール宛)』 
エミル・ベルナール編
硲伊之助 訳
 
岩波文庫 青/33-553-1 

岩波書店
1955年1月5日 第1刷発行
1978年9月18日 第24刷改版発行
1979年6月20日 第25刷発行
205p 別丁口絵(カラー)1葉
文庫判 並装 
定価200円(☆☆)



本書「訳者のことば」より:

「この翻訳は、パリの画商ヴォラールによって一九一一年に出版されたエミル・ベルナール宛ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ書簡集の全訳である。なお、一九五二年から五四年へかけてヨハンナ・ヴァン・ゴッホ・ボンゲル夫人と、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ技師によって編纂されたオランダの決定版を参照して、前者の誤りを正した。」


Letters de Vincent van Gogh à Emil Bernard, 1911
本文中図版25点。


ゴッホの手紙 上 01


帯文:

「世の先入観や悪意と戦い画業に生命を燃焼し尽した天才の類まれな魂の記録。彼の良き理解者ベルナール宛書簡を収録。(全三冊改版)」


目次:

序文
一八九三年の序文
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホから弟テオドルに宛てた書簡集の序文
ゴッホ書簡集第一巻のための序文
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの手紙
 第一信
 第二信
 第三信
 第四信
 第五信
 第六信
 第七信
 第八信
 第九信
 第十信
 第十一信
 第十二信
 第十三信
 第十四信
 第十五信
 第十六信
 第十七信
 第十八信
 第十九信
 第十九信 a
 第二十信
 第二十一信

附録
 第二十二信

訳者のことば



ゴッホの手紙 上 02



◆本書より◆


「第五信 一八八八年五月下旬」より:

「僕は今一冊読み終ったところだ。マルキーズ諸島に関するものだが――あまり面白くもなかったし、うまく書けてもいなかった――土人部落の者を残らず殺戮(さつりく)したというはなしには胸を抉(えぐ)られた。人喰い人種が月に一回、人間を一人喰っていたからだそうだが、それがいったいどうしたというんだ!
 熱心なキリスト教徒である白色人種は、この野蛮行為?(実際にはあまり獰猛(どうもう)でないところの……)を終らせるために、人喰い人種に戦いをいどませて、互いに喰い殺させ、敵味方とも根絶させてしまったのは、あまりにも残酷だね。
 そのあと、この二つの島は併合され、島全体は喪に包まれたという。
 入墨をした人種、黒人やインディアンなどは、次々に滅亡するか堕落してしまう。そしてアルコール瓶と梅毒を持ったむごい白色人種は、いつになったら満足するんだろう。偽善と強欲と非生産的な身の毛もよだつ白色人種。
 野蛮人たちはやさしく愛情に溢れていたのだ。」



「第七信 一八八八年六月下旬」より:

「ああ! たしかに(中略)ユイスマンの〈世帯もち〉にあるように、一番美しい絵は寝床のなかでパイプをくゆらしながら夢みて、決して実現しない画だ。」


「第十四信 一八八八年八月初旬」より:

「僕はジョットに関する次の逸話が好きだ。あるとき聖母の像かなんかを描く懸賞募集があったそうだ。無数のプランが当時の美術局へ送られた。そのうちの一つにジョットと署名してあって、卵のような楕円形が一つ描いてあった。当局では、はじめ当惑したそうだが――彼を信頼して――とうとうジョットに聖母の製作を依頼したそうだ。この噺(はなし)の真偽はとにかく、本当に愉快な逸話だ。」


「第十五信 一八八八年八月初旬」より:

「僕は人物をかきたい、人物を、もっともっと描きたい。人間という二足獣の連作を、赤ん坊からソクラテスまで、白い肌の黒髪の女から日焼けした煉瓦色の顔の黄色い髪の女まで描きたい衝動にかられている。」


ゴッホの手紙 上 03




こちらもご参照下さい:

『ゴッホの手紙 中 (テオドル宛)』 硲伊之助 訳 (岩波文庫)




















































































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ひとでなしの猫

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ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

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趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

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