岡谷公二 『伊勢と出雲』 (平凡社新書)

「現在の出雲人の生活にも民俗にも、こうした朝鮮半島色は全くといっていいほど見られない――それは長年にわたって消されていったのだろうか――が、深層にひそんでいて、神社のような聖地、或いは地名などに痕跡をとどめ、発掘によって時折顔をのぞかせる。」
(岡谷公二 『伊勢と出雲』 より)


岡谷公二 
『伊勢と出雲
― 韓神(からかみ)と鉄』
 
平凡社新書 821 

平凡社
2016年8月10日 初版第1刷発行
207p
新書判 並装 カバー
定価780円(税別)
装幀: 菊地信義



本書はまだよんでいなかったのですがアマゾンマケプレで「非常に良い」が348円(送料込)で売られていたので注文しておいたのが届いたのでよんでみました。

本文中図版(モノクロ)多数。


岡谷公二 伊勢と出雲 01


帯文:

「日本誕生の地に漂う
韓神(からかみ)の残影
古代朝鮮とのかかわりから神社の起源を探り、
沖縄、済州島、韓国・慶州を経巡ってきた著者が
渡来人の足跡=「鉄の道」を辿り直して行き着いたのは、
国家神道の中枢だった。」



カバーそで文:

「前著『神社の起源と古代朝鮮』から三年――。
両者とも日本の起源が刻まれた地でありながら
別物とされてきた伊勢と出雲を、
「韓神(からかみ)と鉄」をキーワードにつなぎ直す
思索の旅の物語がはじまる。
二大神社の
繋がりの謎を解く。」



目次:

第一部 伊勢篇
 第一章 伊勢の韓神
  消された痕跡
  渡来の経路と動機
  『山宮考』に導かれて
  韓神山という謎
  墳墓の問題
  荒木田氏の本貫の地で
  姓に刻まれた歴史
  山宮祭と神社の起源
  新羅の祭祀
  員弁の韓神
  鞆尾神社を探して
 第二章 伊勢津彦の問題
  伊勢津彦とは何者か
  猿田彦との関係
  出雲族の東漸
  伊勢・伊賀のなかの出雲
 第三章 伊勢と鉄
  古代伊勢と鉄
  多度大社へ
  敢国神社の鉄神
  伊勢・伊賀の製鉄遺跡
  外宮はいかに創祀されたか
  息長氏――丹波・新羅・鉄
  船木氏――丹波と伊勢の結接点
  猪名部氏との関係
 第四章 亀山へ
  伊勢のなかの白木
  忍山神社と布気神社
  白木村へ

第二部 出雲篇
 第一章 唐川村にて
  消された韓国色
  小津、十六島へ/鰐淵寺
  韓竈神社にて
  出雲のなかの渡来文化
 第二章 日御碕の韓国神社
  日御碕神社の変遷
  上の社=韓国神社?
  出雲と宗像
  要港としての宇竜
 第三章 砂鉄の国
  横田へ
  素戔鳴尊と五十猛と鉄
  伊賀多気神社
  新羅社を探して
 第四章 意宇平野と渡来人
  出雲への畏怖
  揖夜神社とその周辺にさす新羅の影
  安来と砂鉄
  阿太加夜神社へ
  意宇の開発史
  意宇の杜に息づく半島の記憶

あとがき
参考文献



岡谷公二 伊勢と出雲 02



◆感想◆


「島」から「森」へ、というわけで、日本人の故郷を南島に求めていた著者でしたが、沖縄でみた御嶽に神社の起源をさぐるうちに古代朝鮮が視野に入ってきました。そして周縁(沖縄の御嶽・済州島の堂)を辿っていたはずがいつのまにか中心(伊勢)へ、しかし中心といえども元々は辺境(異文化の交接地点)であったわけで、「私達は森の信仰を新羅-伽耶から受けついでいるのだという思いが強く迫ってきた。」と本書掉尾にはありますが、しかし人間の手の加わらない森=原始の神社を尋ねて行く先々には人間の文明=製鉄の影が色濃く差しているではありませんか。
まるで「もののけ姫」ではありませんか。


































































































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難破した人々の為に。

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