『ギリシア・ローマ抒情詩選 ― 花冠』 呉茂一 訳 (岩波文庫)

「いまその跡すらも絶えてなし、さだめいと拙なき都よ、
ありとあるものみな 戦いに一掃しつくされぬ。」

(「コリントス懐古」 より)


『ギリシア・ローマ
抒情詩選
― 花冠』 
呉茂一 訳 

岩波文庫 赤/32-114-1 

岩波書店
1991年11月18日 第1刷発行
397p 編集付記1p
「作者名鑑」「主要地名人名一覧」9p
文庫判 並装 カバー
定価670円(本体650円)
カバー: 中野達彦
カバー画: 「花を摘む乙女」



本書「解説」(久保正彰)より:

「本訳詩集の構成は、古代エジプトの太陽神讃歌一首、弾琴者の歌一首、相聞歌三首の計五篇の詩を序曲(プラエルーディウム)として、幕が上る。『花冠(ステパノス)』の主部の第一部は、『ギリシァ詞華集』よりの選歌で編まれる。第二部は、『ギリシァ抒情詩断片集成』を中心とする。第三部は、カトゥルス、ホラーティウス、プローペルティウスという三人のラテン詩人各々の詩集から選びだされた詩作が、新しい意匠のもとに組合されて登場し、プローペルティウスの恋愛悲歌で古代詩の世界に幕が下りる。第四部は、エピキタリスマという題の意味する通り、楽人が演奏を終ったのちの、余韻を奏でる爪弾きである。(中略)第四部には、中世ラテン語教会の内外で咲き残った秀歌が盛られ、最後はボードレールのラテン語詩『わがフランシスカの讃歌』によって歌い収められている。」


「編集付記」より:

「本書の底本には『花冠――呉茂一訳詩集』(紀伊國屋書店、一九七三年)を用い、(中略)書名を『ギリシア・ローマ抒情詩選――花冠――』と改めた。」
「底本の旧字体を新字体に改めるとともに、ふりがなを加えた。」



本文新字・正かな。


呉茂一 花冠


カバーそで文:

「古代ギリシア・ローマの代表的抒情詩人サッポオ、ホラーティウス等の代表作を中心に、エジプトの詩や関連する中世・近代の詩を収める。ヨーロッパの抒情詩の流れをふまえて選ばれた名作を鏤骨の名訳で贈るギリシア・ローマ抒情詩集の決定版。」


目次:

 ぷらえるうでぃうむ・エジプト詩集
すてぱのす
 ぎりしあ詞華集抄
  悼歌および碑銘
  恋愛詩
  献詩および諷刺詩
 ぎりしあ抒情詩人
  あるきろこす
  あるくまあん
  あるかいおす
  さっぽお
  いーびゅこす
  あなくれおーん
  しもーにでーす
 ろーま抒情詩人
  かとぅるす
  ほらーてぃうす・ふらっくす
  ぷろーぺるてぃうす
 えぴきたりすま・中世および近代

あとがき

解説 (久保正彰)

主要地名人名一覧
作者名鑑




◆本書より◆


「ぎりしあ詞華集抄」より:

「シモーニデース
  テルモピュライなるスパルタ人の墓碑に

行く人よ、
ラケダイモンの国びとに
ゆき伝へてよ、

この里に
御身らが 言(こと)のまにまに
われら死にきと。」

「読人しらず

ちよつぴり啖(くら)ひ、ちよつぴり飲み、
   さて大いに病気をしたあげく、
やつとこさと、だがとうとう私も死んじまつた、
   みなも一緒にくたばるがいい。」

「シードーンのアンティパトロス

  コリントス懐古

仰ぎ見し汝(な)が美しさ そをいづこぞやドーリスのコリント、
いづこぞ堂塔のかざしは、そのかみの財宝は。
いづこぞ神々のやしろ、高き宮居は、シーシュポスが
族の女らは、ありし日のよろづの民は。
いまその跡すらも絶えてなし、さだめいと拙なき都よ、
ありとあるものみな 戦いに一掃しつくされぬ。
ただひとり我らネーレイドの、海神(オーケアノス)の娘のみ、
なほ殲(つ)きずして、汝(なれ)が嘆きの翡翠(かわせみ)と、いまにのこるを。」

「ルーキアーノス

皆が酔つぱらつてる中で、アキンデューノスだけは
   しらふで過ごすと言ひ張つた、
 そいだもんで今度は、彼のはうが独りだけ
    酔つてることに なつてしまつた。」



「さっぽお」より:

「夕星(ゆうずつ)は、
かがやく朝が(八方に)散らしたものを
みな(もとへ)連れかへす。
羊をかへし、
山羊をかへし、
幼(おさ)な子をまた 母の手に
連れかへす。」




◆本書収録詩(詩人)内訳◆


エジプト:
「アトンへの讃歌」
「弾琴者の歌」
「相聞歌 一、二、三」

ギリシア:
シモーニデース 47篇
サッポオ 30篇(うち別訳1篇)
アナクレオーン 23篇(うち別訳2篇)
アルカイオス 19篇アルキコロス 11篇
ガダラのメレアグロス 13篇
アルクマアン 8篇
アスクレーピアデース 8篇
プラトオン 7篇(うち別訳1篇)
カルリマコス 7篇
イービュコス 6篇(うち別訳1篇)
ルーキーリオス 5篇
ニーカルコス 3篇
ニーキアース 3篇
グラウコス 2篇 (うち別訳1篇)
ルーキアーノス 2篇
マールクス・アルゲンターリウス 2篇
テゲアのアニュテー 2篇
タラースのレオーニダース 2篇
シードーンのアンティパトロス 2篇
アニュテー、またはタラースのレオーニダース 1篇
ディオティーモス 1篇
テッサリアのエリューキオス 1篇
マケドオンのアンティパトロス 1篇
クリーナゴラース 1篇
ピロデーモス 1篇
アルキアース 1篇
ストラトオン 1篇
テッサロニーケーのアンティパトロス 1篇
メッセーネーのアルカイオス 1篇
ディオニューシオス・ソピステース 1篇
マケドニオス 1篇
ポンペイオス・ネオーテロス 1篇
トゥーキューディデース 1篇
ノッシス 1篇
エジプトの太守ユーリアーノス 1篇
アガティアース 1篇
バッキュリデース 1篇
ルーフィーノス 1篇
ヘルモクレオーン 1篇
ダーモカレース・グランマティコス 1篇
デーモドコス 1篇
カピトオン 1篇
パルラダース 1篇
読人しらず 13篇

ローマ:
カトゥルス 21篇
ホラーティウス・フラックス 8篇
プローペルティウス 8篇

中世および近代:
暁の勤行の歌 (読人しらず 六世紀初頃)
夜の勤行の歌 (読人しらず 六世紀頃)
神怒の日 (聖コルンバーヌス)
降誕祭の歌 (読人しらず 紀元千年頃)
復活祭の歌 (セードゥリウス・スコトゥス)
〔胸の中では、抑へようもない〕 (ケルンの「大詩人」)
聖母はたたずみ居たまひぬ (ヤコポーネ・ダ・トーディ)
歌のうちの歌 (ペトルス・ダミアーニ)
サウルとヨナアタンを悼むダヴィデの歌 (ペトルス・アバエラルドゥス)
ケンブリッジ歌謡集より (読人しらず、一〇〇〇年頃)
黄金聖歌 (スティーヴン・ラントン)
神怒の日 (トマス・ダ・チェラーノ)
わがフランシスカの讃歌(ほめうた) (シャルル・ボードレール)(原文ラテン語)




こちらもご参照下さい:

『増補 ギリシア抒情詩選』 呉茂一 訳 (岩波文庫)












































































































































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