『王維』 都留春雄 注 (中國詩人選集 6)

「行到水窮處
坐看雲起時」

(王維 「終南別業」 より)


中國詩人選集 6 
『王維』 
都留春雄 注

編集・校閲: 吉川幸次郎/小川環樹

岩波書店
昭和33年6月20日 第1刷発行
昭和44年7月20日 第9刷発行
215p 口絵(モノクロ)2p 折込「略図」1葉
新書判 角背布装上製本(薄表紙) 機械函
定価220円

付録 (4p):
王維の詩(都留春雄)/長恨歌讃(井上靖)/画人王維(北川桃雄)



王維 中国詩人選集 01


目次:

解説 

五言絶句
 友人の雲母の障子に題す
 息婦人
 輞川(もうせん)の別業に別る
 班婕妤(はんしょうよ) 三首
 送別
 臨高台 黎拾遺(れいしゅうい)を送る
 孟浩然(もうこうぜん)を哭(こく)す
 皇甫岳の雲谿の雑題 五首
 雑詩 三首
 輞川集 并びに序

六言絶句
 田園楽 七首

七言絶句
 九月九日 山東の兄弟を憶う
 寒食汜上(しじょう)の作
 送別
 盧員外象と崔処士興宗(さいしょしこうそう)の林亭を過(よぎ)る
 白髪を嘆ず
 元二(げんじ)の安西に使するを送る
 沈子福(しんしふく)の江東に帰るを送る
 菩提寺の禁に、裴廸(はいてき)来りて相看るに、逆賊等、凝碧(ぎょうへき)池上に音楽を作(な)し、供奉(ぐぶ)の人等、声を挙げて便(すなわ)ち一時に涙下ると説く。私(ひそ)かに口号(こうごう)を成し、誦して裴廸に示す
 少年行 三首

五言律詩
 楊長史の果州に赴むくを送る
 張少府に酬ゆ
 輞川閒居 裴秀才廸(はいしゅうさいてき)に贈る
 使(つかい)して塞上(さいじょう)に至る
 岐王(きおう)に従い楊氏の別業を過(と)う 応教
 偶然の作
 崔員外と同じく秋の宵(よる)に寓直す
 秋夜独坐
 虞部蘇員外の藍田別業を過(よぎ)られ、留(とど)まられざるの作(さく)に報ゆ
 山居即事
 梓州(ししゅう)の李使君を送る
 香積寺(こうしゃくじ)を過(と)う
 観猟
 春中田園の作
 終南山
 山居秋瞑(めい)
 嵩(すう)山に帰りての作
 輞川に帰りての作
 前陂(ぜんひ)に汎(うか)ぶ
 新晴の晩望
 終南の別業
 劉藍田に贈る

五言排律
 秘書晁監(ひしょちょうかん)の日本国に還るを送る 并びに序

七言律詩
 積雨輞川荘の作
 御製、蓬莱宮従(よ)り興慶に向う閣道中の作に和し奉る 応制
 酒を酌みて裴廸に与う

四言詩
 諸公の過(と)わるるに酬ゆ

五言古詩
 渭川(いせん)の田家
 瓜園(かえん)の詩并びに序
 殷遙を哭す
 同題の七言絶句
 別るる者を観る
 納涼
 送別
 従軍行
 春夜、竹亭にて銭少府の藍田に帰るに贈る
 青渓
 藍田山の石門精舎

七言古詩
 老将行
 張五弟に荅(こと)う

付録
 山中より裴秀才廸に与うる書

年譜
跋 (小川環樹)
略図




◆本書より◆


「解説」より:

「以上の如く彼は詩画に卓絶していたのであるが、彼の才能はこの二者のみに止まらなかった。書家としてもすぐれており、音楽に於ても深い造詣と才能を持っていた。「旧唐書(くとうじょ)」及び「新唐書」には次のような話を載せている。
 或る人が奏楽の図を手に入れたが、その名が判らなかった。王維はそれをながめていて、此れは「霓裳羽衣(げいしょううい)曲」(玄宗皇帝の編曲になる有名な曲)の第三畳の第一拍ですよ、と言った。好事家があって楽工を集め実験してみたが、少しの違いもなかったので感服したという。」



「鹿柴(ろくさい)」:

「空山不見人   空山(くうざん) 人(ひと)を見(み)ず
但聞人語響   但(た)だ人語(じんご)の響(ひび)くを聞(き)く
返景入深林   返景(へんけい) 深林(しんりん)に入(い)り
復照靑苔上   復(ま)た青苔(せいたい)の上(うえ)を照(て)らす」

「しずもりかえった山、人かげは見えない。
ただ人声らしきものが、こだましてぼんやり聞えてくる。
夕日の光が、深い林にさしこみ、
また、まっさおな苔の上を照しだす。」



「終南(しゅうなん)の別業(べつぎょう)」:

「中歳頗好道   中歳(ちゅうさい) 頗(すこ)ぶる道(どう)を好(この)み
晩家南山陲   晩(ばん)に家(いえ)す 南山(なんざん)の陲(ほとり)
興來毎獨往   興(きょう)来(きた)れば毎(つね)に独往(どくおう)し
勝事空自知   勝事(しょうじ)は空(むな)しく自(み)ずから知(し)る
行到水窮處   行(ゆ)きて水(みず)の窮(きわ)まる処(ところ)に到(いた)り
坐看雲起時   坐(ざ)して雲(くも)の起(おこ)る時(とき)を看(み)る
偶然値林叟   偶然(ぐうぜん) 林叟(りんそう)に値(あ)い
談笑無還期   談笑(だんしょう) 還期(かんき) 無(な)し」

「三十過ぎる頃から、いささか仏道に心ひかれ、
晩年、終南山のほとりにすまいを設けた。
感興が湧くと、そこへひとりで出かけてゆく。
自然の美をば、私だけで鑑賞している。
ぶらぶらと、流れの盡きるあたりまで歩いて行く、そこで腰を下す。
塵念を離れて、雲の湧くのを無心にながめている――その時間。
偶然、きこりの老爺(おやじ)に会ったりすると、
談笑に時を過し、帰るのを忘れる。」


















































































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