高山宏 『カステロフィリア』 (叢書メラヴィリア)

高山宏 
『カステロフィリア
― 記憶・建築・ピラネージ』
 
叢書メラヴィリア 1 

作品社 
1996年5月5日 初版第1刷印刷
1996年5月10日 初版第1刷発行
287p
A5判 丸背紙装上製本 カバー
定価3,600円(本体3,495円)
造本・装幀: 阿部聡



巻頭にカラー図版4p、本文中モノクロ図版多数。折込ページもあります。


高山宏 カステロフィリア 01


帯文:

「理性を通じて狂気にいたるほど危ういことはない――。
――コルネリウス・アグリッパ」



帯裏:

「開巻驚奇!
「紙の上」だけの空想建築を描き続ける情熱にとり憑かれた奇想家たち――ペイパー・アーキテクト、またの名を紙上建築家。平面図や断面図の[視]が与える快感、合理と幻想が鋭く交叉する[紙上建築]という看すごされた一領野の確かな存在を知らしめる、待望の書き下ろし!」



目次:

エピグラフ 秘密の手帖 (阿部日奈子)

序 プレーナーなもの
1 世界劇場、記憶という名の
2 「正しい」作画術
3 ルーイニスタ、廃墟の設計者たち
結び

アルキテクトゥーラ・レクリアティオーニス あとがきにかえて
ビブリオグラフィ



高山宏 カステロフィリア 02



◆本書より◆


「序」より:

「ペイパー・アーキテクチャーのことを気ままに書いてみたいと長く考えていた。紙の上の建築、紙の上の城砦、というわけである。」
「とにかく紙の上に存在して、たとえば平面図(プラン)となっているプレーナーな「建築」で面白そうなものをとりあげてみたい。
 平面図(プラン)という何気ない一語にしてからがいきなり面白い。ラテン語の「プラーヌス」から来た語で、すぐ見当がつくように同根からの派生語に「平面」を意味する「プレーン」があり、もうひとつすぐ見当がつくように「平易な」「わかりやすい」という意味の「プレーン」という語も、同根の「プラーヌス」から出て来ている。」

「世界に対する不安と、それゆえに生じるとめどない探究欲――知――は結局、神という謎の建築者がその構想をつまびらかにする図面を示してくれないというところに発している。われわれの目の前に広がる世界が巨大なブラック・ボックスであるために、美しい詩と終りない不安が生まれる。このもの言わぬ三次元の時空間(コンティヌム)のうむ不安と対抗するために平面図が誇らしげに次々と公開され、紙の上の建築をいやが上にもプレーナーにするために遠近法という術(テクネー)がひねりだされた。」

「見えないものを見えるものとして呈示するイメージングの意志と技術を「近代」とひとまず呼んでおこう。神のつくりたもうた巨大な謎を一個のミニチュアとして再創造してみせながら、しかし神とは異なりその謎の構造を同時にあばいてみせるアーキテクトたちの天をも怖れぬ行為こそ、十八世紀解剖学者たちのそれと同様、まさしく合理・理性の別名に他ならぬヴィジュアル知のこの上ない象徴であろう。」

「建築体そのものはもはや一個の立派な謎であるわけだが、そして謎たることを以て制圧しようとする権力のこの上ない象徴であるわけだが、ともかくその内部の構造をわれわれは図面(プラン)によって知ることができる(と感じる)。」
「「プラン」とは別に「セクション」という図面が描かれるようになった。現在ならクロスセクションという。断面図である。」
「たとえば一人の人間の解剖断面のイコンは、当の本人そのものの死が前提になっている。「知ることは殺すこと」とミッシェル・セールはいったが、このことだ。(中略)荒俣宏『想像力博物館』(作品社)の「切り裂く視角」という項の中に出てくる「あらゆる視角のうち、最も凶暴なものこそ、断面図である」というすばらしい一句は、まさしくこのことをいっているのである。」




高山宏 カステロフィリア 03


高山宏 カステロフィリア 04


























































































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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