塚本邦雄  『けさひらく言葉  その二』

塚本邦雄 
『けさひらく言葉
 その二』


毎日新聞社 
昭和57年11月5日 印刷
昭和57年11月20日 発行
236p 
18×12cm 
丸背紙装上製本 貼函 
定価980円
装幀: 政田岑生



本書「香に立つ言葉」より:

「毎日新聞全国版朝刊第一頁に、昭和五十六年七月一日より連載中の題字下コラム「けさひらく言葉」の、昭和五十七年二月一日より八月三十一日までの二百十二回分を、第一輯「その一」に続いて「その二」とし、ここに一本にまとめた。」


新字・新かな。一頁に短い引用文一つと著者によるコメントを収録。序文は「その一」「その二」共通です。
本書と同傾向の著作に、『花より本』(創拓社、1991年)があります。


塚本邦雄 けさひらく言葉 02 01


帯文:

「古今東西の美しい詞華を、爽やかな朝に贈る。鮮烈多彩な言葉が、あなたをときめかせてくれる――。」


帯背:

「言葉の小箱」


内容:

明日への花
 
謡曲 「箙」
リルケ 『ドゥイノの悲歌』
「晋書」
ルイス・キャロル 『不思議の国のアリス』
丸谷才一 『日本語のために』
「コーラン」
宮柊二 (美しき墓の写真をわが持ちてをりをりは見つ孤(ひと)りの夜(よる)に)
『ベルツの日記』
山崎正和 『世阿弥』
ツルゲーネフ 『初恋』
小川未明 『黒い人と赤い橇』
パスカル 『パンセ』
「臨済録」
松本たかし (雪嶺に三日月の匕首(ひしゅ)飛べりけり)
上田秋成 「夢応の鯉魚」
吉川幸次郎 『杜甫ノート』
ウィラ・キャザー 『ポールのばあい』
曽野綾子 『遠来の客たち』
「旧約・ルツ記」
板宮清治 (今日ひと日はげしき風に森ありき森をいたはる言葉はなきか)
「書経」
ファラデー 『ロウソクの科学』
中上健次 『日本語について』
「和漢朗詠集」
尾崎雅嘉 『百人一首夕話』
「荀子・勧学篇」
石田波郷 (犬若し一瞬朱欒園(ざぼんゑん)を抜け)
『ブレイク抒情詩抄』
開高健 『流亡記』
「荘子」
「西鶴諸国咄」
チェーホフ 『かもめ』
「旧約・エレミア記」
玉城徹 (いづこにも貧しき道がよこたはり神の遊びのごとく白梅)
石川達三 『蒼氓』
ソポクレス 『オイディプス王』
武田泰淳 『わが子キリスト』
「晋書」
ルナール 『にんじん』
「天台小止観」
松村蒼石 (水の上初蝶零れむとせしが)
「吾妻鏡」
マーク・トウェイン 『トム・ソーヤーの冒険』
村上龍 『海の向こうで戦争が始まる』
高山樗牛 『滝口入道』
ロベール・J・クールティーヌ 『味の美学』
懐奘 「正法眼蔵随聞記」
坪野哲久 (いまのいま坂をくだれる一隊と菜の花はただに夜ふかきを示(さ)す)
ロレンス 『薔薇園に立つ影』
有吉佐和子 『地唄』
グリム 『兄と妹』
吉田正俊 『潮騒を聴く』
「史記」
西東三鬼 (紅梅を去るや不幸に真向ひて)
『シートン動物記』
井上靖 『猟銃』
キェルケゴール 『死に至る病』
「伊勢物語」
A・ロニー 『呪術』
「論語」
寺山修司 (遠き帆とわれをつなぎて吹く風に孤(ひと)りを誇りゐし少年時)
梶井基次郎 『桜の樹の下には』
『チャップリン自伝』
南方宗啓 「南方録」
モーパッサン 『花まつり』
「十八史略」
「旧約・伝道の書」
藤田湘子 (雁(かり)ゆきてまた夕空を滴らす)
矢代幸雄 『水墨画』
プラトーン 『饗宴』
宇賀田為吉 『タバコの歴史』
新井白石 「折たく柴の記」
中山茂 『占星術』
ヤコブス・デ・ウォラギネ 『黄金伝説』
近藤芳美 (果てしなき彼方に向ひて手旗うつ万葉集をうち止まぬかも)
バイロン 『追放者・英雄』
L・ハンケ 『アリストテレスとアメリカ・インディアン』
「孫子」
織田武雄 『地図の歴史』
バニヤン 『天路歴程』
蘇東坡 「前赤壁の賦」
久保田万太郎 (したゝかに水をうちたる夕ざくら)
ミッシェル・ポルナレフ 「フランスへの手紙」
薮内清 『中国の数学』
水上勉 『土を喰う日々』
『ゴッホの手紙』
「荘子」
「堤中納言物語」
加藤将之 (とある木を鬱金ざくらと確認し得たる日までの四月ながかり)
ヒルトン 『チップス先生さようなら』
阿部次郎 『三太郎の日記』
世阿弥 「杜若」
高木貞敬 『嗅覚の話』
「新約・ヨハネ伝」
高浜虚子 (白牡丹(はくぼたん)といふといへども紅(こう)ほのか)
木下順二 『夕鶴』
ボーヴォワール 『他人の血』
屈原 「楚辞・漁父」
シュペルヴィエル 『ノアの方舟』
三上次男 『陶磁の道』
源信 「往生要集」
斎藤史 (たそがれの鼻唄よりも薔薇よりも悪事やさしく身に華やぎぬ)
アナトール・フランス 『エピクロスの園』
慈円 「愚管抄」
ジェームズ・クネン 『いちご白書』
塚田松雄 『花粉は語る』
『結婚十五の歓び』
「臨済録」
金子兜太 (薔薇よりも淋しき色にマッチの焔)
「左伝・哀公二十年」
ロバート・キャパ 『ちょっとピンぼけ』
紀貫之 「古今集・仮名序」
江上不二夫 『生命を探る』
塩野七生 『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』
「旧約・箴言」
島田修二 (はるかなる新緑の中に妄想の鬼一匹を見失ひたり)
吉本隆明 『初期歌謡論』
萬楚 「五日観妓」
「大和物語」
リュシアン・ギヨー 『花の歴史』
大岡昇平 『野火』
「法華経」
鈴木六林男 (夜の芍薬男ばかりが衰えて)
ウルリヒ・リンス 『危険な言語』
「オデュッセイア」
「樟脳玉」(落語)
シェイクスピア 『ハムレット』
「竹取物語」
「新約・ルカ伝」
馬場あき子 (ここ過ぎてゆくべくもなき思いなど書きはてて不意に青葉深けれ)
ヴォルテール 『哲学書簡』
柳瀬尚紀 『英語遊び』
「古文真宝」
サガン 『ブラームスはお好き』
「正法眼蔵」
永田耕衣 (夏蜜柑いづこも遠く思はるる)
鈴木孝夫 『閉ざされた言語・日本語の世界』
守屋毅 『「かぶき」の時代』
シュトルム 『みずうみ』
鳥山喜一 『黄河の水』
「健寿御前日記」
「菜根譚」
加藤克巳 (鶴はしづかに一本の脚でたちつづけるわらひのさざなみにかこまれながら )
清原真友 「本朝文粋・字訓詩」
トマス・ウルフ 『天使よ故郷を見よ』
世阿弥 「風姿花伝」
ワイルド 『ウィンダミア卿夫人の扇』
「旧約・エレミヤ記」
釈迢空 (車よりおり来し女 美しき扇のうへの 秀でたる眉)
A・モラヴィア 『無関心な人々』
桐原真次郎 『明治の建築』
菅原道真 「和漢朗詠集」
「礼記」
阿川弘之 『雲の墓標』
「日蓮文集」
高安国世 (さそり座に月かかりつつ音もなし青葉は少しづつ冷えゆかむ)
「狭衣物語」
芳賀矢一 『国民性十論』
レイモンド・チャンドラー 『大いなる眠り』
中河与一 『天の夕顔』
「太平記」
「新約・マタイ伝」
桂信子 (ゆるやかに着てひとと逢ふ蛍の夜)
ヴァルテル 『ネロ』
柴田翔 『されど、われらが日々―』
「古事記」
オリヴァー・ラ・ファージ 『幽霊屋敷』
米山俊直 『天神祭』
「摩訶止観」
安永蕗子 (されば世に声鳴くものとさらぬものありてぞ草のほととぎす咲く)
ロマン・ロラン 『ミケランジェロの生涯』
正徹 「徹書記物語」
富田弘一郎 『彗星の話』
中村秀吉 『パラドックス』
今東光 『お吟さま』
「論語」
森澄雄 (斑猫(はんめう)の飛ぶに遅るゝ流離(りうり)の荷)
グレアム・グリーン 『ブライトン・ロック』
伊東静雄 『夏花』
シュリーマン 『古代への情熱』
竹西寛子 『管絃楽』
「易経」
岡野弘彦 (多感にして若き命を終りたる明治びと祖父はひげ濃かりけり)
団伊玖磨 『好きな歌・嫌いな歌』
スティーヴンソン 『ジーキル博士とハイド氏』
都良香 「富士山記」
泉鏡花 『眉かくしの霊』
八木亜夫 『ものの言い方・ものの書き方』
野呂邦暢 『八月』
春日井建 (蝶の粉を裸の肩にまぶしゐたりわれは戦火に染む空のした)
清少納言 「枕草子」
アルフォンス・カル 『フルートとハープ』
舟崎克彦 『雨の動物園』
韓非子
「旧約・レビ記」
川口重美 (手花火のこころの中に散るごとし)
井伏鱒二 『ジョン万次郎漂流記』
アイザック・アシモフ 『鋼鉄都市』
加藤秀俊 『新・旅行用心集』
鴨長明 「無名抄」
ニュートン・ニューカーク 『探偵業の起源』
「大無量寿経」
佐藤佐太郎 (キリストの生きをりし世を思はしめ無花果(いちじく)の葉に蠅(はへ)が群れゐる)
皆川達夫 『バロック音楽』
「十八史略」

香に立つ言葉

索引 
 引用文献索引
 引用人名索引



塚本邦雄 けさひらく言葉 02 02



◆本書より◆


「学校というものは「独学」では勉強することのできない人たちを収容する場所なのだ。
加藤秀俊『独学のすすめ』
 
 一般的には、学校に行けないからやむを得ず、しょうことなしに独学するのだと考えられているが、思いようでは、独学できっちり勉強できない人間が、いたしかたなく学校に入れてもらうのだ。学校は結果的には、脱落者救済施設である。だがその施設にいたことが、何をいかほど学んだかよりも、はるかに重い履歴になるのだ。」


「勝利したところで、すべてが終る。敗北したところから、すべてが始まる。
石原吉郎『望郷と海』
 
 そこに敗北の深い意味がある。だからこそ、敗北は悲惨であり、この上なく残酷である。敗北とは人と人との競争の結果に生れるものではない。それは全く孤独な出来事であり、他者のかかわる次元ではない。八月十五日の日本の敗北の、真の意味もそこにあった。そして日本の孤独とは、そのまま日本の存在証明たるべきだった。」


「もっと華麗な何かがあるはずだ。ぼくは海賊になろう!
マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』
斎藤正二訳

 われこそは「カリブ海の復讐鬼」、がいこつの印の黒い旗をひるがえし、帽子には鳥の羽根をなびかせ、いつの日か、とある、眠たくなるような夏の朝、血も凍らせるような鬨(とき)の声をあげて、日曜学校におどりこみ、友人たちをふるえ上らせてやるのだ。決った、ぼくの一生はこれで決った。さあ、今こそ、いよいよ家出せねばならぬ。」



塚本邦雄 けさひらく言葉

























































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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