『安西冬衛全集  第九巻  日記 三』

『安西冬衞全集 
第九卷 
日記 三』


宝文館出版
昭和57年7月20日 第1刷発行
442p 口絵(モノクロ)1葉
A5判 丸背紙装上製本 貼函
定価4,200円
装釘: 濱田濱雄

月報 6 (6p):
足立巻一「安西さんの「東京人物採集」から」/港野喜代子「その日の座せる闘牛士」(「日本未来派」50号 1952年3月)/編集室から/図版2点



本書「後記」より:

「本巻には昭和二十二年(一九四七)一月一日より昭和三十年(一九五五)十二月二十六日までの日記を収めた。」
「(※)印は安西家の示唆により削除した部分である。また判読不能の文字は□印とした。」



新字・旧かな(一部新かな)。


安西冬衛全集


目次:

日記 三
 昭和二十二年(一九四七)
 昭和二十三年(一九四八)
 昭和二十四年(一九四九)
 昭和二十五年(一九五〇)
 昭和二十六年(一九五一)
 昭和二十七年(一九五二)
 昭和二十八年(一九五三)
 昭和二十九年(一九五四)
 昭和三十年(一九五五)

後記 (山田野理夫)




◆本書より◆


「昭和二十二年」より:

「二月一日(土)快晴 暖」
「蠍座、東天に懸つて天明となる。オリオン座は西天に。その間に眠る。」
「ブルースのいろいろ。淡谷のり子、服部富子など。笠置シヅ子出演の予定中止。バイバイブルース 雨のブルース ペーブメントブルース 熱海ブルース セントルイスブルース
夜の点心に藷で饀をつくりパンを蒸す。」

「二月二日(日)陰晴不定 寒し」
「轟々吹く凩の中で夜になる。冷蔵庫へアイロンかけに行つてゐる美佐保、アルゼンチンタンゴをかけてゐる。この二三日首すじや背中に蚯蚓張が出来てゐる。雷獣のカキキズ、赤エンピツで背中を掻く。」



「昭和二十四年」より:

「九月二十八日(水)」
「井上靖の「猟銃」をほめることが流行る。バスにのりおくれると損だから、この小説が他の誰かだつたら、かうはほめなかつただらう。まして安西冬衛だつたら完全に黙殺されただらう。」

「十二月二十九日(木)晴 風寒し」
「芸術新潮を買ふ。灯を消したら鼠がきて髪にさわる。蚊帳を吊つて防ぐ。奇体な鼠だ。」



「昭和二十五年」より:

「一月二十一日(土)晴」
「土曜日で閑散。アトラスにて珈琲とお菓子をたべる。帰宅。鼠、襖を破つて侵入。この鼠、不思議にわが書斎を好む。たべもの一つないのに、書物マニヤ?」



「昭和二十六年」より:

「十月一日(月)曇れる日」
「かへりのバスで高校生が「ノアの方舟」をもつてゐるのを見る。どこに売つてゐたといつたら古本屋で十円で買つたといふ。譲つてくれないかと申出でる。半は諾、半ばアイマイ。北ノ間といふ子で彼はシエツペルビエールのこの詩集をどういふつもりで求めたのかは不明である。稚拙なその少年。」

「十月二日(火)晴」
「「ノアの方舟」のメソオドで詩を書くこと。」


















































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
ひ-2-改(ひとでなしの猫 2 改訂版)

◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル。

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