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『荘子 雑篇』 森三樹三郎 訳注 (中公文庫)

「「霊公がなくなったとき、先祖代代の古い墓に葬ろうとして占いを立てたところ、不吉という兆がでた。そこで沙丘という土地に葬ることを占ったら、吉とでた。そこで数十尺ほど掘りさげたとき、石棺があらわれた。洗ってみると、銘がきざまれていて、『わしの子はあてにならぬ。墓守りもできまい。そのうち霊公がこの墓をうばって自分の身を埋めるだろう』とあった。」」
(『荘子 雑篇』 「第二十五 則陽篇」 より)


『荘子 雑篇』 
森三樹三郎 訳注
 
中公文庫  D 11-3 

中央公論社
昭和49年8月10日 初版
昭和54年3月5日 再版
354p
文庫判 並装 カバー
定価420円
表紙・扉: 白井晟一
カバー画: 呉彬



読み下し、口語訳、注釈、内容解説。原文(漢文)は掲載されていません。


荘子 雜篇


カバー裏文:

「〈内篇〉の無為自然に始まった「荘子」は、現世享楽主義ともいうべき盗跖篇を含む〈雑篇〉に発展し、雄大に完結する。総索引付。」


目次:

荘子雑篇
 第二十三 庚桑楚篇
 第二十四 徐無鬼篇
 第二十五 則陽篇
 第二十六 外物篇
 第二十七 寓言篇
 第二十八 譲王篇
 第二十九 盗跖篇
 第三十 説剣篇
 第三十一 漁父篇
 第三十二 列御寇篇
 第三十三 天下篇

解説 (森三樹三郎)
荘子全篇索引(重要語句・人名)




◆本書より◆


「第二十三 庚桑楚篇」より:

「足切りの刑にあって不具になったものが、自分の容貌を飾ろうとしないのは、もはや世間の毀誉(きよ)の評判を気にする必要がないからである。鎖でつながれた囚人が、高いところへのぼっても恐れることがないのは、もはや生きる望みを失い、生死を忘れる心境になっているからである。このように生死の恐れを感じないものや、外聞を恥じないものであってこそ、人間であることを忘れることができるのである。人間であることを忘れることによって、天人――自然の人となることができるのである。同様に、たとえ他人が尊敬してくれても喜ぶことがなく、他人が侮っても怒らないということは、ただ自然の安らかさに同ずるものだけにできることである。」


「第二十四 徐無鬼篇」より:

「そこで魯遽(ろきょ)は二つの琴(こと)を用意して音律をととのえ、一つを堂(テラス)におき、一つを室内においた。一方の琴で宮(きゅう)の音律をならすと、他方の琴もひとりでに宮の音をたて、一方の琴で角(かく)の音律をならすと、他方の琴もひとりでに角の音をたてた。これは音律が同じだから、そうなったのである。
 魯遽はまた、一本の弦の調子を変えた。これは宮商角徴(ち)羽の五音階のどれにも相当しないものである。これをならすと、琴の二十五本の弦がいっせいに音を立てた。この一本の弦も、特別の音声をもつものではないが、このばあいは音声の主役を演じたので、そうなったまでである。」

「足で大地をふむとき、足はその幅だけのひろさをふむものである。だが足の幅だけの土地があればよいというのではなく、足のふまない周囲のあるおかげで、安心して足のふむ範囲をひろげてゆくことができるのである。
 同様に、人間の知識の範囲はせまい。だが、そのせまい知識も、その周囲にひろがる未知の範囲に助けられて、はじめて広大無辺な自然のはたらきを知ることができるのである。
 この広大無辺な世界の根原となっている「大一」――自然の道を知ること。この世界において陰の原理となっている「大陰」――あたえられた天命のままに従うという柔順の原理を知ること。差別の相によってくらまされない「大目」があるのを知ること。万物をすべて均(ひと)しいとみる「大均」の立場を知ること。あらゆる方向に開かれた「大方」の態度を知ること。ありのままの真理を忠実に守る「大信」を知ること。道を体得したものがもつ安らぎである「大定」を知ること。これらの条件をみたしたとき、人知の最高をきわめたことになろう。」





『荘子 内篇』 森三樹三郎 訳注 (中公文庫)
『荘子』 金谷治 訳注 (岩波文庫) 全四冊



こちらもご参照ください:

中野美代子 『奇景の図像学』
































































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難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

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