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『コレクション 瀧口修造 11 戦前・戦中篇Ⅰ 1926―1936』

「ダダイスムに対しては、あくまで消極面においてでなく、積極面における歴史的意義を認めなければならぬ。それは芸術上の全体的な反抗としての意義であって、(中略)世界観の歴史が、アナーキズムを経験し、ダダを経験したということは、拭うことのできない意義をもつ。」
(瀧口修造 「超現実主義絵画の方向について」 より)


『コレクション 
瀧口修造 11 
戦前・戦中篇Ⅰ 
1926―1936』

監修: 大岡信・武満徹・東野芳明・鶴岡善久・巌谷國士

みすず書房 
1991年12月14日 印刷
1991年12月24日 発行
ix 628p 
20.5×15.5cm 
丸背バクラム装上製本 貼函 
定価7,004円(本体6,800円)

月報 (8p): 
三田の山から始まったこと(佐藤朔)/懐かしい書斎(大辻清司)/夢の王族(渋沢孝輔)



第6回配本。「解題」及び本文の一部(翻訳、初出形、等)は二段組です。


瀧口修造 コレクション 戦前戦中篇


帯文:

「若き詩人の出発からシュルレアリスムとの運命的邂逅に至る、初期作品・評論・翻訳集成。」


目次:

一九二六(大正十五・昭和元年)
 雨
 月
 六月の日記から
 冬

一九二七(昭和二年)
 冬眠
 断章
 雑記帳から(西脇氏の詩)
 LINES
 ÉTAMINES NARRATIVES
 秋の雑記帳
 amphibia

一九二八(昭和三年)
 basse élégie
 シユルレアリスムの詩論に就て
 断片
 地球創造説
 仙人掌兄弟
 スタイル論 (ルイ・アラゴン) (翻訳)

一九二九(昭和四年)
 クレオパトラの娘の惡事
 花籠に充満せる人間の死
 TEXTE ÉVANGÉLIQUE
 ポール・エリュアールに
 思春期の自由 フランシス・ピカビア
 ガートルード・スタイン嬢の肖像について
 DOCUMENT D'OISEAUX 鳥たちの記録
 MIROIR DE MIROIR 鏡の鏡
 MANUCURE DE MANUCURE
 英国の新詩壇の傾向に就て
 詩の全体性 上田敏雄著『仮説の運動』
 実験室における太陽氏への公開状
 ダダと超現実主義
 近世神話への序文 (ルイ・アラゴン) (翻訳)

一九三〇(昭和五年)
 夢の王族 一つの宣言あるいは先天的夢について
 TEXTES
 芸術と反抗
 アメリカ詩壇の現状 主として機関雑誌 Transition の運動について
 PIRATERIE 1930
 仮説の運動 あるひは形而上学の奇蹟
 受話器の類焼
 詩の問題
 発明者の影 (ルイ・アラゴン) (翻訳)
 超現実主義と絵画 (アンドレ・ブルトン) (翻訳)

一九三一(昭和六年)
 想像と火
 絶対への接吻
 詩と実在
 アルチュール・ランボー 小林秀雄訳「地獄の季節」
 詩に於ける現実
 マン レイ MAN RAY
 詩と現実
 暗殺者フォシュの生涯 (バンジャマン ペレ) (翻訳)
 始めと終り (アンドレ ブルトン/ルネ シャル/ポール エリュアル) (翻訳)
 灌木林の学校 (同前) (翻訳)
 フイルム劇作法 (エイゼンシユタイン) (翻訳)

一九三二(昭和七年)
 超現実主義の可能性と不可能性
 地上の星
 Le Surréalisme et......
 岩石は笑った
 ディドロのクラヴサン ルネ・クルヴェルについて
 l'art abstrait に就て (ハンス アルプ) (翻訳)
 侮蔑の絵画 コラージュに就て (ルイ・アラゴン) (翻訳)

一九三三(昭和八年)
 シュルレアリスムの動向
 初夢の話
 五月のスフィンクス
 天使長の逃亡
 詩に対する態度
 不思議な時間のやうに
 白昼の秘戯 福沢一郎

一九三四(昭和九年)
 ウジェイヌ・アトジェ
 イマージュの反抗 シュルレアリストの文章
 脱頁
 鉄啞鈴を持つてゐた青年

一九三五(昭和十年)
 美術とシネマの交流
 MINOTAURE
 シュルレアリスム美術の新動向
 独立美術展を観る
 AU JAPON
 超現実主義絵画の方向について
 街の美術展
 若き日 Jeunesse
 若き美術
 絵画についての感想
 ルネ・クレエル論文集 (翻訳)
  映画と国家
  明日は?
  『二人の臆病者』撮影記
  ミリオン
 シュルレアリスムの実験に現はれた対象 (サルヴァドォル・ダリ) (翻訳)
 畧説 虐殺された詩人 (アポリネール) (翻訳)
 文学とコミュニズム (ジュリアン・バンダ) (翻訳)
 大会所見 (レオン・ピェール・カン) (翻訳)

一九三六(昭和十一年)
 超現実と現代文化
 季節への反逆
 花束を語る
 超現実性の測定
 超現実派と抽象派
 ポオル・ヱリュアル
 詩と絵画とのあひだ
 詩と絵画について
 超現実造型論
 現代芸術と象徴
 或る画家の靴の中で拾はれたる原稿
 〈七つの詩〉
  サルバドール ダリ
  マックス エルンスト
  ルネ マグリット
  ホアン ミロ
  パブロ ピカソ
  マン レイ
  イヴ タンギー
 ある日ある時のポルトレイト
 イギリスにおけるシュルレアリスム ロンドンの国際超現実主義展覧会
 「暗い日曜日」
 サルウァドル・ダリと非合理性の絵画 (紹介・翻訳)
 「夜の略説」抄 (トリスタン ツアラ) (翻訳)
 文化擁護作家大会に於ける講演 (アンドレ ブルトン) (翻訳)
 対象の予想されないデカルコマニイについて (アンドレ ブルトン) (翻訳)
 トオマス (C・D・ルイス) (翻訳)

『瀧口修造の詩的実験 1927~1937』初出形
 LINES
 ETAMINES NARRATIVES
 ETAMINES NARRATIVES
  2
  3
 ÉTAMINES NARRATIVES
  4
  5
  6
 amphibia
 basse élégie
 断片
 地球創造説
 地球創造説
 仙人掌兄弟
 クレオパトラの娘の悪事
 花籠に充満せる人間の死
 TEXTE ÉVANGÉLIQUE
 à Paul Eliard
 DOCUMENTS D'OISEAUX
 MIROIR DE MIROIR
 実験室における太陽氏への公開状
 実験室における太陽氏への公開状(Ⅱ)
 夢の王族
 TEXTES
 TEXTE (II)
 詩と実在
 絶対への接吻
 地上の星
 岩石は笑つた
 五月のスフィンクス
 七つの詩

解題 (鶴岡善久)
初出一覧



瀧口修造 コレクション 11



◆本書より◆


「雨」:

「まあ
雨が遠国から歩いてきた。
古い墓場の国から
夜の床にゐる私の胸に
かんばしくまつかな花を一つ
置いてはしつていつた。」



「月」:

「誰れも月を見やしない
誰れもおれを見やしない
ぬらぬらした泥路が
おれを抱き締める。
あゝ月だ!」



「断章」より:

「貝殻の内部が井戸のやうだと考へてゐると急に美しい雷鳴がしだした。」

「水を潜つてゐる青葉は人間の魂そつくりなのに驚く。」

「月の中にとつとと掻き昇つて行く人間がゐる。」



「シュルレアリスム美術の新動向」より:

「ダリの画風は何処かベックリンに似てゐて、そのロマンティックな幻想とは別な、もつと鋭い病理的な喚起力を持つてゐる。」
「彼は偏執狂(パラノイア)の描く迅速精密な二重心像の利用を強調してゐる。それは普通人でも軽微であるが日常に経験する感覚である。不図した加減で見た梢の形がどうしても青鬼の顔に見えて仕様がないといふ時がそれだ。(中略)ダリはこのアレゴリックな映像の秘密をよく画面に表現する。」

「マツクス・エルンストの「博物誌」といふ画集は葉脈や木理などの自然物の上に紙を置いてクレヨンで擦つて出来た像を巧みに按排したものだ。また「森林」とか「花」とか題した、神秘的な美しい油絵がある。これも物質の凹凸面が誘ふ不思議な力を、画面の抒情詩的な魅惑に綜合したものである。、エルンストはどうしてこんなことを思ひ付いたか。彼は雨の日のホテルの一室で苛々して床板を凝視めてゐると、床板の一部分の凹凸が妙に幻覚をよび起すのだつた。その時想ひ出したのは彼が子供の頃ベツドの向ひ側にあつた鏡板の上にいつも幻を見たことだつた。(僕達も天井板でよくその経験がある)。そこで彼は一層その幻覚的な力を強調しようとして、紙をその床板の部分に置き、黒鉛で擦つてみたといふのである。彼は後でこの単純な児戯に類する手法を、デツサンや油絵に適用して素晴らしい絵を作つた。それについてエルンストが言つてゐることは注目に値ひする。「僕はかうした絵の手法によつて在来の美術批評家達を面喰はせたのである。彼等はいはゆる《作者》の重要さが最小限に還元され、いはゆる《才能》の観念が廃止されさうになつたのを見て飛び上つたのだつた」と。
 彼はこの発見を「摩擦画(フロッタアジュ)」と呼んでいる。」
















































































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ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
 
うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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