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ヴラスタ・チハーコヴァー 『新版 プラハ幻影 ― 東欧古都物語』

「パリでどんなすばらしい発見をなさったか興味があるが、あなたはたぶん何の発見もできなかったことでしょう。おひとりでパリに行かないからです。発見者というのは、いつも一人で動かなければならないのです」
(カレル・チャペク)


ヴラスタ・チハーコヴァー 
『新版 
プラハ幻影
― 東欧古都物語』


新宿書房
1993年6月30日 第1刷発行
2003年9月30日 第4刷発行
250p 「著者について」1p 
地図(折込)1葉
19.2×15.4cm 
丸背紙装上製本 カバー
定価3,107円(税別)
造本: 中垣信夫



本書「ハヴェル大統領のプラハ」より:

「本書は一九八七年に発行されて以来版を重ね、(中略)チェコとスロヴァキアが分離・独立したのを機に新版として再発行することになったが、これまでの本文には手を加えず、革命後のプラハについて私なりに書き綴り、補遺とすることにした。」


本文中図版(モノクロ)多数。カバーそでに松本清張による推薦文。
本書はアマゾンマケプレでよさそうなのを注文しておいたのが届いたのでよんでみました。著者はプラハの人ですが日本語で書いています。


チハーコヴァー プラハ幻景 01


目次:

Ⅰ プラハはなぜ美しい
 リブシェ王妃の予言
 プラハの二つの城
 街の誕生と都市づくり
Ⅱ 歴史をものがたる場所
 聖者が立ちならぶカレル橋
 「黄金の礼拝堂」国民劇場
 飢えの壁
 壁時計のある市庁舎
Ⅲ 街と人間のたたずまい
 プラハの都市的性格
 一九世紀プラハとユダヤ人街
 一五世紀プラハへの旅
 城下町、マラー・ストラナの個性
 人間的空間のある街
Ⅳ 古い物の美学
 紋章のある家
 ドアと鍵
 石畳の歴史散策
Ⅴ 生活のなかの芸術
 家のなかの美
 ボヘミアン・ガラス
 室内と野外の音楽
 広場と遊び
Ⅵ 涙と笑い
 地の精霊、プラハのお化けたち
 ブラック・ユーモア
 道化と人形劇
 パタフィジックの空想科学
Ⅶ ヒロインとヒーロー
 古代ボヘミアの性のデモクラシー
 中世のやさしいヒーローたち
 近代の国際人ヒーローたち
 妻たちの話したこと
わたしのプラハ幻景――後書にかえて

ハヴェル大統領のプラハ――革命、分離と古都の変貌
チェコ年表
索引



チハーコヴァー プラハ幻景 03



◆本書より◆


「聖者が立ちならぶカレル橋」より:

「橋の建造に関連して次のようなエピソードが伝わっている。一六本もの橋脚をしっかりと接合させるため、モルタルを練る時に、石灰に水を加える代わりに卵の白身を使うことになった。しかし当時のプラハには必要なだけの卵がなかった。そこでカレル四世の特命により、卵がボヘミア中から集められることになった。ヴェルヴァリーというプラハ近辺の町の人々も、馬車で卵を運んできたが、考えすぎて卵を固くゆでてしまった(!)。」


「パタフィジックの空想科学」より:

「一九六六年、チェコの音楽評論家エヴジェン・ヘドヴァーブヌイーが田舎の別荘を建て直す際に、ある一つの箱を見つけた。その中には、自ら詩人・パタフィジシャンと称するヤーラ・ダ・ツィメルマンという人物のデッサンや原稿、記録写真や書簡などが入っていた。」
「このような経緯をもって人々に知られるようになったツィメルマンという人物は、一九世紀の後半にオーストリアの女優の母と、チェコの裁縫師の父のもとに生まれたということになっている。」
「ツィメルマンは、一時ウクライナのフトル村で教師をしていたそうだ。」
「ツィメルマンは、生徒の記憶に残った知識と残らなかった知識とを整理して、“忘れてはいけないもの”と“忘れてもよいもの”とに分けて教えるというユニークな教授法をあみ出した。そして時々この二つを置き換えることによって、生徒は“忘れてはいけない”ものを“忘れてもよい”ものとして覚えていったというのである。
 ツィメルマンはあらゆることにすぐれた才能をもち、さまざまな職業を経験した人物だったようだ。フランスのヴィシー市立精神病院で医師をやっていた頃は、精神分裂病を研究していたらしい。彼は患者を観察した結果、精神分裂病の原因となっていると思われる患者の固定観念や妄想を、現実の世界で実現してやれば病気は治るという結論に達し、独自の「ツィメルマン精神調和治療法」を考案した。それは成功したかどうかはわからないが、残された一枚の写真では、彼は“私は鶏である”という患者の妄想を体現し、自ら鶏のコスチュームをつけて治療に当たっている。」
「哲学者としてのツィメルマンは、「外的な世界だけが存在し、私は存在していない」と主張した。
「ともあれ、パタフィジックは完全に自由な個の科学であり、また絶対を認めず、世界の永遠なる状態は誤解であると主張する。」
「ツィメルマン自身も、はたして実在の人物であったのか、あるいはどの程度までチェコ国民のユーモア精神と想像力がつくり上げたのか、明らかではないということにもなるのである。」














































































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プロフィール

ひとでなしの猫

Author:ひとでなしの猫
 
うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

Koro-pok-Guru
Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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