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『ボードレール 『悪の花』 註釈』 多田道太郎 編 (全二冊)

「時代と社会の切断面に露呈する人類の「悪」あるいは「病い」を直視し、自らもそれに感染しながら外科医のメスを揮うこと、これがボードレールの批評精神の本質であろう。嫌悪するにせよ、感応するにせよ、肉欲的な歓びを覚えるにせよ、あるいはまた陰鬱な仕方で突き放すにせよ、「悪(=病い)」の種々相を腑分けして見きわめる精神は、それに眼をつむる盲目の精神より、むしろはるかに正常で健全なものであるといえよう。」
(宇佐美斉 「『悪の花』の構成」 より)


『ボードレール 
『悪の花』 
注釈』 
多田道太郎 編

京都大学人文科学研究所研究報告

京都大学人文科学研究所
1986年3月15日 印刷
1986年3月31日 発行
上: xxxiv 872p(p.1~p.872)
口絵(モノクロ)1葉
下: iii 662p(p.873~p.1534)
口絵(カラー)1葉
B5判 
丸背バクラム装上製本 
機械函



本書「序」より:

「本書は、京都大学人文科学研究所において、1975年4月から1984年3月までの10年間にわたって行なわれた共同研究「ボードレール『悪の花』註釈」の最終報告である。」


本書は日本の古本屋サイトで最安値(3,000円+送料500円)のを注文しておいたのが届いたのでよんでみました。
定価は書いてないです。横組。本文中図版(モノクロ)12点。全133篇の原詩に訳詩と註釈が付されています。
本書は1988年に平凡社から3冊本で再刊されています。


ボードレール 悪の花 註釈 01


最安値でしたが元パラ付きでほとんど使用感のない本が届きました。

題字は桑原武夫。「「花」の字は草が化けるという気分がいいとおっしゃった。(中略)むかしの正字の「華」が俗字の「花」と化したのは、音(声符)のたわむれの故でもあった。」(「感謝の辞」より)。


ボードレール 悪の花 註釈 02


上 目次:

序 (多田道太郎)
感謝の辞

『悪の花』解釈の方法 (多田道太郎)
『悪の花』の構成 (宇佐美斉)

註釈
 凡例
 AU LECTEUR 読者に (杉本秀太郎)
 憂鬱と理想
 I BÉNÉDICTION 祝福 (杉本秀太郎)
 II L'ALBATROS あほう鳥 (大槻鉄男)
 III ÉLÉVATION 高翔 (大槻鉄男)
 IV CORRESPONDANCES 照応 (松本勤)
 V (Jaime le souvenir de ces époques nues,) (あの裸の時代の追憶を私は愛する、) (松本勤)
 VI LES PHARES 燈台 (西川長夫)
 VII LA MUSE MALADE 病気のミューズ (西川長夫)
 VIII LA MUSE VÉNALE 身を売るミューズ (西川長夫)
 IX LE MAUVAIS MOINE 不徳の僧 (竹内成明)
 X L'ENNEMI 敵 (竹内成明)
 XI LE GUIGNON 不遇 (松田清)
 XII LA VIE ANTÉRIEURE 前世 (松田清)
 XIII BOHÉMIENS EN VOYAGE 旅ゆくジプシー (多田道太郎)
 XIV L'HOMME ET LA MER 人と海 (多田道太郎)
 XV DON JUAN AUX ENFERS 冥界のドン・ジュアン (杉本秀太郎)
 XVI CHATIMENT DE L'ORGUEIL 慢心の罰 (大槻鉄男)
 XVII LA BEAUTÉ 美 (松本勤)
 XVIII L'IDÉAL 理想 (竹内成明)
 XIX LA GÉANTE 巨大な女 (西川長夫)
 XX LE MASQUE 仮面 (松田清)
 XXI HYMNE A LA BEAUTÉ 美への讃歌 (多田道太郎)
 XXII PARFUM EXOTIQUE 他郷の香り (杉本秀太郎)
 XXIII LA CHEVELURE 髪 (大槻鉄男)
 XXIV (Je t'adore à l'égal de la voûte nocturne,) (夜の大空にもひとしく、私はきみを崇(あが)める、) (松本勤)
 XXV (Tu mettrais l'univers entier dans ta ruelle,) (きみは宇宙をすっかり閨房に招き入れるだろう、) (松本勤)
 XXVI SED NON SATIATA サレド女ハ飽キタラズ (竹内成明)
 XXVII (Avec ses vêtements ondoyants et nacrés,) (波かとうねり螺鈿かと輝く衣裳をつけて、) (松田清)
 XXVIII LE SERPENT QUI DANSE 踊る蛇 (松田清)
 XXIX UNE CHAROGNE 腐肉 (多田道太郎)
 XXX DE PROFUNDIS CLAMAVI 深キ淵ノ底ヨリ我叫ビヌ (杉本秀太郎)
 XXXI LE VAMPIRE 吸血鬼 (大槻鉄男)
 XXXII (Une nuit que j'étais près d'une affreuse Juive,) (ひと夜屍(しかばね)に添うて横たわる屍のように) (竹内成明)
 XXXIII REMORDS POSTHUME 死後の悔恨 (松田清)
 XXXIV LE CHAT 猫 (多田道太郎)
 XXXV DUELLUM 一騎討ち (杉本秀太郎)
 XXXVI LE BALCON 露台 (大槻鉄男)
 XXXVII LE POSSÉDÉ 憑かれた男 (竹内成明)
 XXVIII UN FANTOME まぼろし (西川長夫)
  I LE TÉNÈBRES. 暗闇
  II LE PARFUM. 香り
  III LE CADRE. 額縁
  IV LE PORTRAIT. 肖像
 XXIX (Je te donne ces vers afin que si mon nom) (おまえに与えよう、これらの詩を、もし私の名が) (多田道太郎)
 XL SEMPER EADEM イツモ同ジク (松本勤)
 XLI TOUT ENTIÈRE 彼女のすべてが (竹内成明)
 XLII (Que diras-tu ce soir, pauvre âme solitaire,) (今宵、何を語ろうというのか、哀れな孤独な魂よ) (松田清)
 XLIII LE FLAMBEAU VIVANT 生ける松明 (多田道太郎)
 XLIV RÉVERSIBILITÉ 功徳 (杉本秀太郎)
 XLV CONFESSION 告白 (大槻鉄男)
 XLVI L'AUBE SPIRITUELLE 霊の曙 (竹内成明)
 XLVII HARMONIE DU SOIR 夕べの諧調 (西川長夫)
 XLVIII LE FLACON 香水壜 (松本勤)
 XLIX LE POISON 毒液 (杉本秀太郎)
 L CIEL BROUILLÉ 曇り空 (多田道太郎)
 LI LE CHAT 猫 (竹内成明)
 LII LE BEAU NAVIRE 美しい船 (松本勤)
 LIII L'INVITATION AU VOYAGE 旅への誘い (西川長夫)
 LIV L'IRRÉPARABLE 取り返しのつかぬもの (湯浅康正)
 LV CAUSERIE おしゃべり (多田道太郎)
 LVI CHANT D'AUTOMNE 秋の歌 (杉本秀太郎)
 LVII A UNE MADONE あるマドンナに (松本勤)
 LVIII CHANSON D'APRÈS-MIDI 昼下りの唄 (竹内成明)
 LIX SISINA シジナ (松本勤)
 LX FRANCISCÆ MEÆ LAUDES ワガふらんきすか頌 (天野史郎)
 LXI A UNE DAME CRÉOLE 植民地生れの夫人に (西川長夫)
 LXII MŒSTA ET ERRABUNDA 悲シミ サマヨウ (湯浅康正)
 LXIII LE REVENANT 幽霊 (多田道太郎)
 LXIV SONNET D'AUTOMNE 秋のソネ (杉本秀太郎)
 LXV TRISTESSES DE LA LUNE 月の悲しみ (宇佐美斉)
 LXVI LES CHATS 猫 (宇佐美斉)
 LXVII LES HIBOUX 梟(ふくろう) (松本勤)
 LXVIII LA PIPE パイプ (西川長夫)
 LXIX LA MUSIQUE 音楽 (天野史郎)
 LXX SÉPULTURE 墓 (多田道太郎)
 LXXI UNE GRAVURE FANTASTIQUE 一枚の幻想的版画 (杉本秀太郎)
 LXXII LE MORT JOYEUX 陽気な死者 (多田道太郎)
 LXXIII LE TONNEAU DE LA HAINE 憎しみの樽 (松本勤)
 LXXIV LA CLOCHE FÊLÉE ひびわれた鐘 (西川長夫)
 LXXV SPEEN (Pluviôse, irrité contre......) 憂鬱 (湯浅康正)
 LXXVI SPLEEN (J'ai plus de souvenirs......) 憂鬱 (多田道太郎)
 LXXVII SPLEEN (Je suis comme le roi......) 憂鬱 (杉本秀太郎)
 LXXVIII SPLEEN (Quand le ciel bas et lourd......) 憂鬱 (竹内成明)
 LXXIX OBSESSION 強迫観念 (西川長夫)
 LXXX LE GOUT DU NÉANT 虚無の味わい (松本勤)
 LXXXI ALCHIMIE DE LA DOULEUR 苦悩の錬金術 (湯浅康正)
 LXXXII HORREUR SYMPATHIQUE 感応する恐怖 (天野史郎)
 LXXXIII L'HÉAUTONTIMOROUMÉNOS ワレトワガ身ヲ罰スル者 (多田道太郎)
 LXXXIV L'IRREMÉDIABLE 八方塞がり (杉本秀太郎)
 LXXXV L'HORLOGE 時計 (竹内成明)



下 目次:

 パリ情景
 LXXXVI PAYSAGE 風景 (西川長夫)
 LXXXVII LE SOLEIL 太陽 (松本勤)
 LXXXVII A UNE MENDIANTE ROUSSE 赤毛の女乞食に (宇佐美斉)
 LXXXIX LE CYGNE 白鳥 (松本勤)
 XC LES SEPT VIEILLARDS 七人の老人 (杉本秀太郎)
 XCI LES PETITES VIEILLES 小さな老婆たち (多田道太郎)
 XCII LES AVEUGLES 盲人たち (西川長夫)
 XCIII A UNE PASSANTE 通りすぎた女へ (松本勤)
 XCIV LE SQUELETTE LABOUREUR 地を耕す骸骨 (宇佐美斉)
 XCV LE CRÉPUSCULE DU SOIR 夕べの薄明 (湯浅康正)
 XCVI LE JEU ばくち遊び (多田道太郎)
 XCVII DANSE MACABRE 死の舞踏 (杉本秀太郎)
 XCVIII L'AMOUR DU MENSONGE 虚偽を愛す (西川長夫)
 XCIX (Je n'ai pas oublié, voisine de la ville,) (私は忘れていない、街のはずれの) (松本勤)
 C (La servante au grand cœur dont vous étiez jalouse,) (あなたがねたましく思っていた、あのまごころのふかい女中) (宇佐美斉)
 CI BRUMES ET PLUIES 霧と雨 (湯浅康正)
 CII RÊVE PARISIEN パリの夢 (多田道太郎)
 CIII LE CRÉPUSCULE DU MATIN 朝の薄明 (西川長夫)
 酒
 CIV L'AME DU VIN 酒の魂 (松本勤)
 CV LE VIN DES CHIFFONNIERS 屑拾いの酒 (宇佐美斉)
 CVI LE VIN DE L'ASSASSIN 人殺しの酒 (多田道太郎)
 CVII LE VIN DU SOLITAIRE 孤独な男の酒 (竹尾茂樹)
 CVIII LE VIN DES AMANTS ふたり酒 (多田道太郎)
 悪の花
 CIX LA DESTRUCTION 破壊 (杉本秀太郎)
 CX UNE MARTYRE 殉教の女 (西川長夫)
 CXI FEMMES DAMNÉES (Comme un bétail pensif......) 地獄に堕ちた女たち (松本勤)
 CXII LES DEUX BONNES SŒURS 優しいふたりの姉妹 (宇佐美斉)
 CXIII LA FONTAINE DE SANG 血の泉 (湯浅康正)
 CXIV ALLÉGORIE 寓意(アレゴリー) (竹尾茂樹)
 CXV LA BÉATRICE ベアトリーチェ (多田道太郎)
 CXVI UN VOYAGE A CYTHÈRE キュテラ島紀行 (杉本秀太郎)
 CXVII L'AMOUR ET LE CRANE
キューピッドとどくろ (西川長夫)
 反逆
 CXVIII LE RENIEMENT DE SAINT PIERRE 聖ペテロの否認 (松本勤)
 CXIX ABEL ET CAÏN アベルとカイン (宇佐美斉)
 CXX LES LITANIES DE SATAN サタンへの連禱 (宇佐美斉)
 死
 CXXI LA MORT DES AMANTS 恋人たちの死 (竹尾茂樹)
 CXXII LA MORT DES PAUVRES 貧者の死 (多田道太郎)
 CXXIII LA MORT DES ARTISTES 芸術家たちの死 (杉本秀太郎)
 CXXIV LA FIN DE LA JOURNÉE 一日の終り (松本勤)
 CXXV LE RÊVE D'UN CURIEUX 好奇心の強い男の夢 (宇佐美斉)
 CXXVI LE VOYAGE 旅 (多田道太郎)
 禁断詩篇
 i LES BIJOUX 宝石 (大槻鉄男)
 ii LE LÉTHÉ 忘却の河 (杉本秀太郎)
 iii A CELLE QUI EST TROP GAIE 陽気にすぎる女へ (多田道太郎)
 iv LESBOS レスボス (竹尾茂樹)
 v FEMMES DAMNÉES (Delphine et Hippolyte) 地獄に堕ちた女たち――デルフィーヌとイポリット (天野史郎)
 vi LES MÉTAMORPHOSES DU VAMPIRE 吸血鬼の変貌 (多田道太郎)

参考文献
『悪の花』構成対照表
詩索引(alphabet 順)
人名索引
図版索引

あとがき (杉本秀太郎/西川長夫/松本勤/宇佐美斉/竹尾茂樹/天野史郎/多田道太郎)
執筆者紹介
執筆分担表



ボードレール 悪の花 註釈 03



◆感想◆


本書はたいへんでかくて重い本なので寝ながらよむのには向いていないですが、ボードレール入門者としては最初からこれくらいヴォリューミーで情報量があるものに当ってしまったほうがむしろよいのではないでしょうか。
オーディオ教材としては、ミシェル・ピコリやドニ・ラヴァンによる朗読、ドビュッシーやフォーレ、デュパルク、レオ・フェレなどが曲をつけたのもよいですが、↓の人はゆっくり朗読してくれて発音がわかりやすいのでよいです。

French Poem - Harmonie du Soir by Charles Baudelaire - Slow Reading


































































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なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

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分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

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