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ロード・ダンセイニ 『二壜の調味料』 小林晋 訳 (ハヤカワ・ミステリ)

「さて、矢の先端がべとべとしていて臭いがしました。警察が分析してみると、地球上で最強の猛毒、カラハリの秘薬である腐ったイモムシが塗りつけられていることが判明しました。」
(ロード・ダンセイニ 「二人の暗殺者」 より)


ロード・ダンセイニ 
『二壜の調味料』 
小林晋 訳

ハヤカワ・ミステリ 1822 

早川書房
2009年3月10日 印刷
2009年3月15日 発行
333p
18.4×10.6cm 
並装 ビニールカバー
定価1,400円+税
装幀: 勝呂忠



本書「解説」より:

「本書は、Lord Dunsany, The Little Tales of Smethers and Other Stories (一九五二)の全訳である。」


本書は文庫版もでていますがアマゾンマケプレでポケミス版の「非常に良い」が300円+送料257円で売られていたので注文しておいたのが届いたのでよんでみました。


ダンセイニ 二壜の調味料 01


裏表紙文:

「いつまでも記憶にこびりつく強烈な結末……
調味料のセールスをしているスメザーズが、ふとしたことから同居することになった青年リンリーは、ずばぬけて明晰な頭脳の持ち主だった。彼は警察の依頼で難事件の調査をはじめ、スメザーズは助手役を務めることに。数々の怪事件の真相を、リンリーは優れた思考能力で解き明かしていくのだった――江戸川乱歩が「奇妙な味」の代表作として絶賛したきわめて異様な余韻を残す表題作など、探偵リンリーが活躍するシリーズ短篇9篇を含む全26篇を収録。アイルランドの巨匠によるブラックユーモアとツイストにあふれたミステリ短篇集、待望の邦訳!
〈著者紹介〉1878年生まれのアイルランド人。1905年の『ペガーナの神々』をはじめとするファンタジイ作品で名高い。イェイツなどとともにアイルランド文芸復興に取り組んだことでも知られる。1957年没。」



目次:

二壜の調味料
スラッガー巡査の射殺
スコットランド・ヤードの敵
第二戦線
二人の暗殺者
クリークブルートの変装
賭博場のカモ
手がかり
一度でたくさん
疑惑の殺人
給仕の物語
労働争議
ラウンド・ポンドの海賊
不運の犠牲者
新しい名人
新しい殺人法
復讐の物語
演説
消えた科学者
書かれざるスリラー
ラヴァンコアにて
豆畑にて
死番虫(しばんむし)
稲妻の殺人
ネザビー・ガーデンズの殺人
アテーナーの楯

解説 (中野善夫)



ダンセイニ 二壜の調味料 02



◆本書より◆


「スコットランド・ヤードの敵」より:

「「しかし、世界は一層複雑になった。幾つも許可証が必要だ。申請書に書き込まなくても済んだ時代は、たぶん今よりも幸福な時代だったのだろう。しかし、仕方がない。もはや、あの時代に戻ることはたぶんかなわないことだ。」」


「アテーナーの楯」より:

「「どんな職業でも一世代に一人や二人の偉大な人物を生み出すものだ。ぼくはその一人になりたかった。誤った職業を選択して、真珠採りに生まれた人間が煙突掃除人になるようなことをしたら、平凡な人間になるしかない。」」



◆感想◆


そういうわけで、本書についても、真珠採り(ファンタジー作家)が煙突掃除人(ミステリー作家)になって平凡な仕事をしているうちに、うっかり真珠採りの癖が出て煙突から落っこちて残念な結果になってしまった本、といえるのではないでしょうか。
一度世俗の塵にまみれてしまった者は、エルフランドに戻ることはかなわない、と言いかえてもよいです。
「アテーナーの楯」などは、女の人が大理石の彫刻にされてしまう話ですが、むしろ神話への未練を断ち切って、それこそ乱歩のようにいっそ俗悪に徹して芋虫ごろごろすればよかったのに、とおもわずにいられません。
































































































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ひとでなしの猫

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うまれたときからひとでなし
なぜならわたしはねこだから
 
◆「樽のなかのディオゲネス」から「ねこぢる」まで◆

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Away with the Fairies

難破した人々の為に。

分野: パタフィジック。

趣味: 図書館ごっこ。

好物: 鉱物。スカシカシパン。タコノマクラ。

将来の夢: 石ころ。

尊敬する人物: ジョゼフ・メリック、ジョゼフ・コーネル、尾形亀之助、森田童子。

ハンス・アスペルガー・メモリアル・バーベキュー。

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